カイロ町歩き〜偽ガイドじいさん

スークの路地

エジプト、カイロ、スークの路地

やはりまだおなかの調子が悪い。気分もすぐれない。
昼からはしばし部屋で引きこもって過ごした。
しかし今夜の『スーフィーダンス』は絶対に観に行きたい。週に2回しかやってなくて今日を逃すともう観られないから。
スーフィーダンスの会場はイスラーム地区にあり、席は自由席で良い場所をゲットする為には早めに並ぶ必要がある。
昨日は結局何も買い物出来なかったし、お土産物色がてらに夕方よりちょっと早めに出ることにしよう。

そんなわけで、今日もまだまだ暑い時間帯に宿を出て、日陰を探しながらおなかに刺激を与えないよう(笑)ゆっくり歩き始めた。
こんな時はやっぱりツアーじゃなくて良かったと思う。途中で休憩したりマイペースで歩けないもんね。

のろのろ歩いてスーフィーダンス会場の『スルタン・ゴーリーのウィカーラ(隊商宿)』を目指した。
昨日訪れたガーマ・アズハルやお土産スーク(ハーン・ハリーリ)のすぐ近くだから、とりあえず場所を確認しておいて
開場時間の前まで昨日買えなかったヒエログリフのペンダントを探したりするつもりだった。

そろそろこの辺りのはずなんやけど…と道端で地図を開いていたら、ちょうどその場所にいたおじいさんが
「どこを探してるんだ?」と英語で声をかけてきてくれた。
旅行に出る前はエジプト人ウザ過ぎ!という話を読んでたけどこうやって声をかけてくれる人にも何度か会って
親切な人も多いやないの〜って感心していたところだった。ありがたいありがたい…。
「スーフィーダンスの会場を探してるんですけど」と言うとおじいさんは「よっしゃ、こっちだ」と勢いよく歩き出した。
ああ助かった、とおじいさんに付いて行ったのは良かったが、道中で立ち止まっては「ここが○○で…」とか説明してくれる。
最初は「へぇ〜そうなんですか」とか答えていたのだが、おじいさんが「オレは欧米人相手にガイドをしてて」
言い始めたからイヤな予感がして慌てて「あ、ガイドはいいですから」と言うと、
「大丈夫、ノーマネー。この町を知ってもらいたいだけだから」と。。。
ノーマネーと言ったからにはガイド料請求されても絶対に払わんぞ!と思いながら付いていった。



賑やかな庶民スーク


エジプト、カイロ、スークの路地

おじいさんはせっかちで早歩き。しかも早口の英語だから半分くらい何言ってんのか分からない。
突然立ち止まって早口で説明しては「さ、ここで写真撮って」と指示してくる。
ご親切にも「ここに立ってこのアングルから!」とかまで指示するし(笑)
あ〜〜変なのに捕まってもたなぁ…と思いつつも何故かおじいさんのペースに乗ってしまってついていく私。
途中でとある建物の屋上に上がって、イマイチな眺めなのに「ここから写真撮って」と言うもんだから
どうせ後で消せばいいしとテキトーに1枚撮ったらその後そのビルの中のパピルス専門店に連れていかれた。
なんや、景色を見せるためなフリして買い物させるのが目的でこのビル入ったんかいっ!
でも「何か欲しい物があったら買えばいいよ」と言って特に無理矢理買わそうとはしなかった。
一通り見て「買いません」と言うと「そうか、じゃあ出よう」とアッサリ店を出た。悪徳ガイドではないのかな?

そうやってすっかりおじいさんのペースで歩き、説明を聞き(分からんけど)、写真撮り、を何度も繰り返した。
自分的にはぜんぜんそそられないような場所の写真も色々撮らされたのだが、
面白い事に帰国後に見直しているとその時はどうでもええわと思って超適当に撮った写真が意外にも良い雰囲気だったりした。
この写真もこの前(上)の写真も、そんな風におじいさんに指示されて撮って帰国後気に入ったものだ。



かわいい窓

エジプト、カイロ、

これはおじいさんに指示されたんじゃなくて自分が気に入って撮った1枚。
アスワンのヌビア村を思い出すようなパステルカラーの可愛い窓。




モザイクの小箱を作る兄ちゃん

エジプト、カイロ

おじいさんが「お茶でも飲もう。水タバコも吸う?」と言いながら路地に入って歩いていた途中にあった小さな工房。
お兄さんが色石を使ったモザイクの小箱を作っていた。
ここでも買わそうとしたりは全くなかった。
おじいさん、本当にただ親切心で案内してくれてるようだ。
まぁせっかくだからお茶代くらいは私持ちにしようかな…。



ここは?

エジプト、カイロ

路地裏で立ち止まったおじいさんはおもむろにポケットからカギを取り出してボロいドアを開けて中に入った。
中は小さくて狭い。電気を点けると…、何だ?お店か?ガラクタ小屋か??
おじいさんは私を椅子に座らせて外でシャーイと水タバコを注文した。
カフェにでも行くのかと思ってたのに、何なのここは。。。?

シャーイが運ばれてきて、机もないくらい狭いから椅子の上に置いてお茶をいただいた。
おじいさんが語るには、壁にいっぱい貼られているのはガイドをして知り合った人たちからもらった写真だそうだ。
すごくたくさんの国の紙幣もコレクションしていた。
ロンリー・プラネット(有名な英語のガイドブック)にも載ったんだ、と古いロンプラを出して見せてくれたり。
そのロンプラの写真を見ると今よりずっと若い時だけど確かにこの人だった。



水タバコを吸うじいさん

エジプト、カイロ、水タバコ

ほどなく水タバコも運ばれてきた。実演して吸い方を指導するおじいさん。
水タバコといえばリンゴ味やイチゴ味などの甘〜いフレーバーのものが多いイメージだが、
おじいさんはフレーバーなしの普通のタイプに拘っているとのこと。

しばらくすると、さっきまでのパピルス屋の時のように、さらっと「欲しい物があったら買ってね」と言ってきた。
う〜〜ん、お土産屋みたいにキレイじゃないし、かといってアンティークでもない。まさにガラクタ。
でもなんとなく目に留まったビーズの数珠を差して「これはいくら?」と尋ねた。
そしたらおじいさんはありえないくらい高い金額を言ってきてビックリ!
どう見てもちゃっちい安物のビーズ製だしこの小屋の雑然っぷりから、まさかそんな金額を提示してくるとは思いもしなかった。
安いだろうと思い込んでたものだからほんの軽い気持ちで尋ねたのだが…。
「いやいや、それは高いでしょ」と言うと値下げはせずに違うものを差して「じゃあこれはどうだ」と言ってくる。
「それは要らない」と言うと更に他の物を差して「じゃあこれは?」「こっちは?」と次々と出してきた。
おいおいじいさん、今までと態度が全然違うやん〜〜〜〜!!!



この顔にピンときたら…

エジプト、カイロ、水タバコ

チキショー、これがじいさんの目的だったのか。。。
ガイド料は要らないと言っておいて、自分の店で何か無理矢理買わそうとする作戦。
本当にガイドなのかどうか疑わしい。おそらくは偽ガイド。
ホンモノのガイドだったらこんな手を使う必要はないはずだ。
もしかしたらかつては本物ガイドだったのかもしれないが、今はこうやって生計を立ててるのだろう。

おじいさんは1冊のノートを取り出して私に見せた。
いろんな国の言葉でコメントが書かれてあり、ペラペラめくってると日本語のもいくつかあった。
読んでみると、『町を案内してここに連れてこられた。物を買わされました』とかいうのばっかり!
高い金額言われるので頑張って値切って下さい、とかも書いてあった。
読んでると「君も書いて」と言ってきた。しかも書く文言まで指定して(笑)
「とても親切でいい人でした。楽しかったって書いて」って…。
もちろん日本語は読めないから「はいはい」と言ってその通り書くフリして他の人同様にありのままを書きましたとも。
じいさんめ……。私を奥に座らせて逃げられないようにしてるし!

本当に全く買いたいものがなかったらシャーイと水タバコ程度の金額だけを払って帰るつもりだったが、
寄木細工の木の箱はそこそこキレイでアクセサリー入れに1つ買ってもいいかなと思い値段交渉開始。
(じいさんの背後に写ってる箱のもっと小さいやつ)
今までに他の土産屋で値段聞いたりしてなかったから相場がイマイチ分からず悩んだけど頑張ってかなり値切った。
最初に聞いたビーズの数珠から考えても言い値は相当ボッタクリだろうからここは私も強気で。
じいさん曰く、品質の悪い物は使ってる木が悪くて香りがしないが良いものはいい香りがする。これもするだろ?、と。
んー確かに香木のような良い香りがする…。でもこれも他と比べてないから本当かどうか分からない。

結局、おじいさん側もどうにかして何か売りたい気持ちがあったようで、最終的にはそれなりに安くなって購入決定。
後で他の店でもっと安かったらダメージでかいが…なんだかんだ言って術にハマってしまった自分が悪いんだから仕方ない。
しかしまぁ、ここでまんまと偽ガイドに捕まってしまうなんて。
カイロに来てから昨日の貴金属店の兄ちゃん以外にムカついた人とかいなかったし、逆に親切な人が多くて
ついつい気が緩んでしまってたんだなぁ。油断も隙もありゃしない、やっぱり。
たまにはこういう経験もして気を引き締めないといかんね(苦しい言い訳!)

これからエジプトに個人旅行を予定してる皆様、
この顔にピンと来たら。。。
とっとと逃げるか、もしくは分かってて『体験』してみるか、それは貴方次第です!