2009ウイグル旅行編ウルムチでの再会 〜Special Night!    スペシャルライブ!!



黒いソフトケースに入れられたドタールを見て私は大興奮。
待ち合わせに手ぶらで来たアブ氏を見て
、「楽器持ってきてくれたらなぁ」なんて期待してた自分に情けなくなっていた。
一昨年カシュガルで電話番号教えてくれたのも食事に誘ったのも彼にとっては『お愛想』であって、
この地ではそんなの特別な事でもないし、実際送った写真を見て「何の写真だっけ」という反応だったと聞いたのに、
それでもまだ性懲りもなくアブ氏がドタール持ってきて弾いてくれるのではないかと妄想していたバカさ加減に。
いくらなんでもそんなウマい話があるわけないわ…プロミュージシャンとしてのプライドもあるだろう。
あんまり記憶にも残っていない人間に呼び出されてホイホイと楽器持って来るかもなんて夢見過ぎやろ。
と諦めていたところにアブ氏の男性への「ドタールうんぬん」という会話でまた一気に期待が急上昇しまくり、
でもそれも叶わずやっぱアカンかったか〜とガックリしていたから喜びもその分デカイ!
しかもアブ氏は家まで取りに帰ってきてくれたのに違いない…。
なぜ分かるかというと、廊下ですれ違ったアブ氏の頭には、ウイグル帽『ドッパ』が被されてあったから(笑)

とにかく、今、私の目の前にはドタールがある!!

Fさんは私に「良かったね、良かったね」と言ってくれた。本当に嬉しいよ…。
お手洗いから戻ってきたアブ氏に「家まで取りにいってくださったのですか?」と聞くと
「いや、近くに置いてたから」という返事。
じゃあ何で頭には帽子があるのさ。手に持っていた私のプレゼントもなくなってるし。
アブ氏の優しさにじーんときた。
そこまでしてくださるというのは、私の『心意気』が少なからず彼に伝わったと理解してもいいの?

さて、とアブ氏が椅子を用意してドタールを抱えて腰掛けた。
そしておもむろに音を奏で始めた。
Special Liveの始まりだ。
力強く弦をはじく。今までに聴いたことの無い曲だ。ぐおーーーーカッコイイ!!
めっちゃめちゃカッコええ…嗚呼、これを動画で撮れたら!
しかしここで演奏中にカメラをゴソゴソして動画を撮るなんて、いくら私でも失礼すぎて出来ない。

長い1曲を弾き終えた。痺れるような激しく渋い格好良すぎる曲だった。
ウイグル民謡にはとても思えなかったので「これはオリジナル曲ですか」と聞いてみた。
「そう」「じゃあ新しいCDに入るの?」「ああ、その予定だ」
うっひゃ〜そいつは楽しみだ!
レストランでアブ氏に「西洋の曲は聴くのですか」と尋ねたのは、彼のオリジナル曲には
音階はイスラム調なのにすごく『ロック魂』のようなもの(上手く表現できないが)を感じる曲があるからだった。
この初めて聞いた曲も同様に魂にあふれていた。題名聞きそびれたのが残念。

曲の質問とかしている間に、部屋にいた男性が携帯のカメラでその様子を撮っていた。
よっしゃ、チャンス到来!とばかりに私もコンパクトカメラを出してきて動画モードに。
手に持ったまま撮るのは厳しいからテーブルの上に置いて角度調整してスイッチオン!
さっきの曲撮れなかったのは惜しかったけど、これでこのスペシャルライブが録画に残せる。

いや〜スゴいわ〜〜と2人が喜んでいると次の曲を弾き始めた。
あ!これは!私の好きな曲の1つ。
イントロで速攻に反応して喜んでいる私をアブ氏はちらっちらっと見て確認していた(笑)
そして曲が終わり拍手をすると照れたような笑顔。
曲についていくつか質問した後、次に演奏してくれたのは私が一番好きと話していた曲!
ちょっと端折ったショートバージョンだったけど嬉しくて嬉しくて超興奮。
早弾きすぎて、目の前にいるのに指がどうなってるのかさっぱり分からなかった。
これも新しいCDに入れるつもりだそうだ。やった〜。

レストランで「この曲が好き」とかアピールしていた時は「うん」と頷くだけだったのに
ちゃんと私が好きと言った曲を覚えてくださってたんやね…。

そうやって数曲演奏した後、アブ氏は後ろを振り向き部屋のドアが開いてるのを見て、
男性(録音スタッフと言っていた)に合図してドアを閉めさせた。
何かと思ったら、次の曲は歌付きだった。すごい声量でビックリ。部屋に響きまくり。
カシュガルで出会った時にはドタール演奏だけだったので、“生歌”を聴くのは初めてだった。声量にFさんも驚いていた。
その曲はクチャ地方の民謡だと教えてくれた。ライフワークで録音している曲の1つなんだろう。

まだまだ演奏は続く。ついに2GBのメモリーカードがいっぱいになって録画が途切れてしまった。
使いかけのカードがもう1枚あるんだけど…場の雰囲気が壊れるのは嫌だし諦めて切れたままにしておいた。