2009ウイグル旅行編ウルムチでの再会 〜Special Night!    マフィアと違うよ



記念写真タイムが終わると、アブ氏は「写真送ってくれたら店まで彼女達に渡しに来る」と言う。
なんというエエ人なんだろう…。
じゃあこれに書いて下さいとメモ帳を渡すと携帯でどこかに電話をかけ始めた。
何してるのかなと訝っていると、どうやら職場(新疆歌舞団
)の番地を誰かに聞いているようだった。

しかしまぁこの写真、まるでイタリアマフィアのボスが
「殺れ」とか言ってそうな1枚!

現在アブ氏は冬に出す予定のCDの他に、ウイグル各地の民謡を収集して録音していると話してくれた。
なんとCD56枚分にもなるんだそうだ!!
「56枚!?」と何度も聞き直したから数は56枚で間違いないはず。56曲ではなく…。
しかも、楽譜なんか無いから全て耳コピだそうだ。全部合わせるとあの『12ムカム』より長くなるらしい。
おそらく、どこの国でもそうであるように、伝統的な民謡などは時代と共にどんどん廃れていって
忘れ去られてしまう時が来るだろう。彼はそれを危惧して録音に残しておきたいと考えているのだと思った。
特に超スピードで開発されている現在の中国が置かれている状況を考えると、その日は遠くないと思っているはずだ。
ウイグルの音楽を愛してやまない彼のライフワーク。
旧市街がこれからどんどん取り壊されていく予定なアブ氏の故郷カシュガルの姿が頭をよぎった。
カシュガルについてどう思うか、聞いてみたかったがこの場で聞く事は出来なかった。

1時間半程いただろうか、
まだまだ居たかったけどそろそろお開きという雰囲気になり後ろ髪引かれる思いをしながらレストランを出た。
ああ、短い時間だったけど再会出来て本当に良かった…ウルムチまで押し掛けて良かった…。
アブ氏はまさに私の想像通りの方だったし。
でも、でも、もうこの幸せな時間はこれで終わり。寂しい!
「お忙しいのに会ってくれてありがとうございました」店の外に出て、改めてお礼を言った。

アブ氏が歩き出した。
すぐ近くにあるバス停まで見送ってくれるのだろう。とうとうお別れの時。
ところが、アブ氏はバス停とは違う方向に歩いていく。
『鼻歌
を歌いながら…。