ハニラッカ 3 〜さみしい年越し    静寂の中で

12時までに辿り着きたくて走っていきたいところだがそうはいかず、いつものようにペンギン歩き。
まぁ無いとは思うけど、ありえないと思うけど、やっぱり心の中にはまだ
何かイベントでもあるのかもしれないという気持ちを捨て切れてはいなかった(笑)懲りないヤツ。
高まる心を抑えつつペンギン歩きのスピードを早めてなんとか12時3分前くらいに広場に着くと、

……がっら〜〜〜ん
イベントどころか、誰もいやしない。
昨日と同じように広場の隅にあるでっかいディスプレイからTV番組の大きな音が響くばかり。
しかも、流れているのは悲しいメロドラマのようで女の人が「ううっ、うううっっ」と泣いている(笑)
大音量の泣き声が響くがらんとした広場。もうなんだか寂しいというより可笑しくなってきたっちゅうの!
と、思ったその時、
唐突にTVドラマの音声が切れて画面もまっ暗になってしまった。
おそらく自動的に12時に広場が消灯になるのだろう。
ということは、12時になったということで、新年になったということか!(北京時間だけど)
カウントダウンも何もなく、テレビ画面が消えたのが年越しの合図になった。

うるさいTVが消えて、寺院周りのライトアップも消え、エイティガールが静寂に包まれた。
その佇まいを見ていると、イベントなんか無くったって、この場で新しい年を迎えられた事が
とてもありがたく幸せに感じた。長年憧れたカシュガルで今、誰もいない広場を独り占めしているようだ…。

そんな静寂のエイティガール寺院の姿を写真におさめていた時、遠くで一瞬小さな花火のような光が見えた。
パンパンパーンという音も聞こえてきた。何かやってるのだろうか?
さっきまで「静寂の広場…美しい」などと思っていたのに、その一瞬にして心が花火の音の方に向いてしまった私は
急いでその光と音がした方向へと歩いていった。変わり身早っ!

音がした方向へ歩いてみたがそれ以降一度も光や音はしてこなかった。
歩きながらふと思った。「もしかしてこの方角…チニワク賓館とちゃうんか?」
旧市街の路地を抜けてチニワク賓館まで戻ってくると、門の前には火薬の匂いと共に爆竹の残骸が…。
それらの残骸を警備員の格好をした3人が片付けていた。
やっぱりここだったんか!(笑)
レストランでのいやな予感はここで的中したようだ。なんともツイてない。
しかし従業員や宿泊客が爆竹鳴らして盛り上がったという事はなさそうで、警備員が勝手にやってただけっぽかった。

あの時日本人らしき子に声かけとけば…とか、ツイてないなという気持ちもあったけど、
あの静かなエイティガール広場の経験が出来たのは良かった。
なんだかヘンテコな年越しになってしまったけどね。
そんな2008年の幕開け。

明日、いや今日の元日はまた雪だろうか。1日くらいは晴れて欲しいなぁ。