ハニラッカ 3 〜さみしい年越し    もうすぐ新年だけど…

バスは1時間ほどでカシュガルに戻ってきた。
宿に帰って休憩したあと本館1階にあるインターネットコーナーでメールでもしようと
私が泊まっている別館から出たところで、すっとすれ違った人が日本人のように見えた。
一瞬、声かけてみようかな?と思ったのにいや日本人じゃないかもとも思って結局掛けそびれてしまった。

そして、やっぱり年越しイベントなどというものはありゃしなかった。
外国人がよく泊まるというこのホテルでもツーリスト自体をほとんど見かけないんだもの当然か…。
さっきすれ違った日本人っぽい男の子は旅行者っぽかったが、欧米人の姿もまず見当たらない。
よくあるバックパッカー宿のように、旅人が集まれるテーブルや椅子があるロビーのようなものもないので
ツーリスト自体は少しはいるのだろうけど出会う事がないのかもしれない。

とにかく、イベントの類はないようだったので、1人で晩ご飯に出掛けた。
ガイドブックで地元の人に人気があるような事が書いてあるレストランまで行ってみた。
カシュガルに着いてから2日だけど、朝はなし、昼は市場の屋台、昨日の夜は旧市街の小さなケバブ屋と、
カシュガルでまともな店構えの「レストラン」に入るのは初めてだった。
大勢の客で繁盛していたそのレストランに足を踏み入れ、店の人に「1人ですけど」と指を一本立てて示すと
通されたのは暗い通路のようなところにある狭い2人がけテーブル席だった…。
ええ〜こんな所かよ?と思いつつ仕方なくガイドブックおすすめの鶏のラグメンを注文した。
昼もラグメン、夜もラグメン(笑)でもこれは大晦日の夜ということで『年越しラグメン』!

出てきたラグメンは確かに鶏肉がいっぱい入ってゴージャスだったけれど、
私にとっては市場で食べたものの方が何倍も美味しかった。しかもこんな暗い通路やし…とほほほ。
食べ終わる頃には他の客もこの暗い通路の席に通されていたので私だけ意地悪されたわけではなかったのだが
年越しの食事というにはいささかさみしいものがあった。

店を出て、バス停を探してうろうろ歩いているうちに路地に迷い込んでしまい、さんざん歩いた挙げ句、
見覚えのある場所に出た!と思ったらそれはさっきのレストランだった。しかも宿へ戻るバス停はすぐそこに。
大晦日の夜に何やってんだ私は。。。
何かうまくいかない。昼間は市場で楽しく過ごせたんだけど…漠然といやな予感。
バスでホテル前まで戻ると、気が付けば赤い横断幕に歓慶元旦の文字が。もう数時間で新年かぁ。
部屋でシャワーしてぼーっとしていたが、そういやiPodに第九を入れてたはずと思い出した。
『ひとり年越し』になる可能性が高いと予想していたから、部屋で第九を聴く為に携帯スピーカーまで
買って持ってきていたのだった(私は毎年年越しに第九を聴く習慣があるのです)。

iPodのメニュー画面から第九を探したが見つからない。あれぇ?入れたはずだったんだけど?
何回探しても見つからず、諦めて仕方なくお気に入りの曲のプレイリストをかけて過ごした。
あ〜あ、予想してたといってもやはりかすかに期待もあったわけで、正直残念。
初めての海外年越しでこれも私にとっては貴重な経験さ、と自分に納得させつつふと時計を見ると11:40だった。

そうだ、エイティガールで年越ししよう!
いきなり思い立って、慌てて服を着替えて部屋を飛び出した。