南疆鉄道でクチャへ     南疆鉄道の夕日



シルクロードの砂漠に沈む夕日…。
ロマンチックな夕焼けを期待していたが、
かすんで淡い色した太陽がフツーに消えていく日没だった。
夕日は期待はずれだったけど、今回の約8時間半の列車旅はとても楽しめた。
初めは私に対してちょっとよそよそしい感じで私が勧めたお菓子も断っていた武警さんも、
最後の方にもう一度お菓子を勧めてみたら普通に受け取ってくれた。
「打ち解ける」というほどまでではなかったものの、なにげに私にとってこれも嬉しい事だった。

列車はほぼ定刻の夜9時半頃、クチャ駅に到着した。
コンパートメントのメンバーにお別れの挨拶をしてホームに降り立った。
クチャで降りる人は少なく、ホームは閑散としていた。
改札を出るとタクシーの客引きに早速捕まったが、私にはその前にしないといけない事が。
次の日のクチャ〜ウルムチの列車の切符を買わなければならない。
カシュガルの駅ではクチャから乗る切符は取れないから現地で買ってくれと言われていたのだった。
切符売り場へ行き、「明日のウルムチ」と告げると…、答えは「没有」!!
没有とは「ありません」の意。え、、、マジ!?
「硬座(コンパートメントじゃない2等座席)は?」と聞くと「だから無いってば!」とキレ気味の駅員。
ええ〜〜〜ホントに無いの?と食い下がっていると向こう数日間の空き状況を書いたボードを見せられた。
数日間ずっと満席になっていた。。。
そんなやり取りを、横からタクシーの客引きおじさんがずっと何やら言いながらちゃちゃ入れていた。
何を言ってるのか分からないが、おばさんが言っている事をおじさんも私に説明してくれているようだった。
うーむ…ここで切符が取れないという状況になるとは予想外。
さっきまでのほのぼのとした時間からいっぺんに目が覚まされた感じ(苦笑)
まぁ飛行機やバスもあることだし、とりあえず列車は諦めるしかないからまずは宿を取ろう。
私が諦めて切符売り場から離れたら、タクシーのおじさんは客を逃すまいと自分のタクシーに乗せようとする。
白タクではなさそうな感じだったのでそのままおじさんのタクシーに乗った。
宿へ向かう途中もおじさんはしきりに私に何か話しかけてくるのだが当然さっぱり分からない。
すると、おじさんは目的地に到着した時メモ帳を貸せとゼスチャーをし、渡すと何やら色々書き始めた。
私はおじさんの書いた文字を見て初めて彼が何を一生懸命になっていたのか理解した。
「明日、キジル千佛洞やその他のクチャ郊外の遺跡に行くならオレの車で行かないか?」
という営業トークだったのであった(クチャの遺跡は皆郊外にあって車じゃないと行けないから)。
そりゃ私も遺跡に興味はあるんだけど、ガイドブックでは冬の間は客が来ないから閉まってたり
する所もあるみたいだし、1人でチャーターして行くのもなぁ…と思って予定には入れていない。
メモには「行くんだったら電話してくれ。133899...」と電話番号が書いてあったので、
おじさんには「うんうん、もし行くんだったら電話するから」と適当に相槌うって別れた。
おじさんゴメンよ、明日1日しか無いし金曜バザールを優先させるから無理なんだわ…。

ここクチャで泊まったのはバスターミナル横の『交通賓館』。
旅行前はガイドブック見て別の所に目を付けていたのだが、ウルムチに着いた日に出迎えてくれて
しゃぶしゃぶいただきながら旅情報を教えて下さったウルムチ在住のAさんのアドバイスでここに決めた。
この交通賓館にはパソコン付きの部屋があるそうな!珍しいねぇ。
そこでフロントで「PC」と言ってみると、ちゃんとパソコン付きの部屋に通してくれた。

さっそくパソコンを立ち上げ友人や家にメール。
それから外に出て隣のバスターミナルで明日のウルムチ行きを確認しようと思ったが、もう閉まっていた。
もしバスも飛行機も満席だったらどうしよう……帰国に間に合わなくなるかも!?
心配性な私は不安がつのって、近くの公衆電話からAさんの携帯に電話を入れた。
Aさんに列車の切符が取れなかったと伝えると、「バスは本数がたくさんあるから大丈夫ですよ」と教えてくれた。
その言葉でかなりテンパっていたのがホッとすることができた。

安心しておなかも空いたので何か食べに行こうかなとも思ったけど、なんだか疲れて部屋に戻った。
そうだ、PCでカシュガルで買ったアブ氏のCDを聴いてみよう!と勇んで取り出してみたものの、
CDドライブが壊れているのか、残念ながら聴くことは出来なかった。
とりあえずは安心したけど、やっぱりチケットを入手するまでは少し不安(実はけっこう重度の心配性)。
明日の朝一番にバスターミナルへ行かなきゃ…。