天路を駆け抜けて 3    ラサ駅

ラサ駅に到着した。
定時は18:28だが、確かちょっとだけ早く着いたような気がする。
ホームに列車が滑り込み停止すると、みんな我先にと列車を降りていった。
私は成都の宿(シムズ)で列車の手配をした時にセットになっていた『ラサでの宿1泊分』の宿の人が
駅まで迎えにきてくれる手筈になっていた。
しかしそれを知らない同室の親子は私の事を気にしてくれていたようで、
列車から降りても「一緒についておいで」手招きして私がはぐれないようにしてくれていた。
混雑する改札を出てキョロキョロ見渡すと、すぐに『Sim's』の紙を持った若い男の人が見つかった。
おそらく車か何かで一緒にラサ中心部まで連れていってくれるつもりだった親子には申し訳なかったけど、
紙を持っている人を指差して私の迎えの人だとゼスチャーをすると、ああそうだったのかという感じだったが
そこで笑顔で手を降って3人とお別れになった。人ごみの中、3人はすぐに見えなくなってしまった。
最後バタバタしてしまったのはちょっと心残りだった。

そうして迎えの人の車に乗り込み、駅から離れているラサの中心部へ向かった。
後になってそういやラサ駅の正面写真も撮ってなかった!と思ったが、ドキドキしていてその時は完全に忘れてた。
川沿いの道を車はガンガン飛ばしていった。再びポタラ宮が見えたが車が揺れ過ぎて写真は撮れず。
そうこうするうちに繁華街に入り、工事中のデコボコ道の路地に入って車は停まった。
そこが今夜泊まる宿『拉薩平措康桑青年旅舎 Phuntsok Khasang International Youth Hostel』だった。
列車のチケット手配した時に自動的に付いてきた宿なので、初めは期待ゼロ…というか逆に心配なくらいだった。
しかしたまたまシムズでラサ帰りの人が「お薦めな宿だよ」と教えてくれていたのがまさにここだった(笑)
なのでまぁ問題ないかとは思っていたが、とりあえず1泊して次の日から有名な宿に移ろうかと考えていた。
チケットに付いていた1泊分はドミトリーだった。年と共にドミよりシングルを選ぶようになっていた私は
差額を払ってシングルの部屋にしてもらった。1階の中庭に面した広い部屋だった。
(ちなみにドミの部屋も見せてもらったが、キレイだし部屋にシャワーもあって、想像より随分良さそうだった)

いくら「あと1日くらい列車に乗っていたかった」とは言え、やはり一刻も早くシャワー浴びたい!
荷物を置くと速攻でシャワーでさっぱりさせ、ついでに洗面台でいつものように洗濯をした。
落ち着いたところで洗濯物を中庭で乾かそうと思い、ドアを開けあいている椅子に洗濯物を引っ掛けた。
中庭には1人の男の子が座ってパソコンをいじっていた。日本人っぽい。
挨拶をしてみるとやはり日本人だった。さっそく同席させてもらって話をした。
「私さっき列車で着いたところで、速攻溜まった洗濯して疲れましたよ〜」などと言うと、
彼は淡々とした口調で「あ、ここの宿で朝洗濯物出したら無料でやってくれますよ」と。そそそ、そうでしたか。
話を聞くと彼はもう何日もこの宿に泊まっているらしい。
彼の旅連れのカメラマンさんは今ここを離れているがあさってあたりに戻ってくるとのこと。
どうやらこの宿けっこうイイカンジらしい。もう面倒だしずっとここに泊まろうかな…。
彼は一見淡々としていてあんまり愛想はないが(ゴメン!)、なかなか私にとっては話しやすいタイプで
(シムズでは若〜い子がほとんどでジェネレーションギャップを多少感じていた)なんかホッとした。

日本から持ってきたコーヒーを入れて談笑するうちに、じゃあ明日一緒に『デプン寺』に行きましょうかと
いう事になった。着いてすぐだし、もう何日もラサにいる人と一緒に行動出来るのは頼もしいし、
ほとんど何も下調べせず来てしまった私にとっては大変ありがたい事だった。
さっそく明日のデプン寺行きがとっても楽しみになった。