天路を駆け抜けて 1    遊牧民

うす緑だったのはさっきの所だけで、また茶色の草原に戻った。
茶色だから土しかないように思えるけどよく見ると草はたくさん生えている。
袖が異常に長い独特のチベット遊牧民の民族衣装を着た男性が駆け抜ける列車を眺めていた。
こんな厳しい条件の中でたくましく生きる人の悠然とした美しい立ち姿を
通り過ぎるこの一瞬に写真に収める事ができてとても嬉しかった。
旅をしていると大自然のスケールのデカさにはもちろん感動するんだけど、
そういう所にしっかりと根を張って生活している『人』の営みを見つけると感動は何倍にも膨らむ。
私はただそれを空調の整った列車の中から見るだけではあるが、
そんなたくましい人々からエネルギーのお裾分けをいただけたような気がする。