爽風のごとく 〜ガンデン寺     一緒にコルラ

ニコニコして通り過ぎた青年僧に小山さんが話し掛けた。
小山さんはチベット語が少し話せるので、会話をしているうちに自然と一緒にコルラすることになり、
歩きながら所々で立ち止まって、いろいろと説明をしてくれた。
小山さんの通訳によれば、彼は今インドのダラムサラで修行をしていてたまたまチベットに戻って来ているとのことだった。
簡単にインドとチベットの往復が出来るようになっているのか、その辺りの事情はどうなのだろうか。
爽やか且つ飄々としていて、この人の後をついて静かな巡礼路を歩いていると、まるでこのお坊さんが
天空の山々を駆け抜ける風そのもののような感じがしてきて不思議な感覚になった。
さらには、こんな事を書くと笑われてしまうかもしれないが、この青年僧が何かの仏の化身のような気さえした。
俗世から離れた荒涼とした山寺の神秘性のせいもあったことは違いない。
コルラ道を彼について歩いているだけで、何かすごく「導かれている」気持ちになった。