バルコルの朝    少年僧 3



しばらくその子を見つめていると、巡礼中の1人のおばあさんが近付き、少年にお金を渡した。
僧へのお布施なのか、物乞いへのお恵みなのか。
しかしこの女性にとってはどちらでも良いことなのだろうと思った。
こうすることによってこの女性は功徳を積んでいるのだ。
前の日に行ったデプン寺でも、巡礼者たちがお経を唱えながら仏像の一体一体にお金を捧げているのを見て驚いた。
決して見た感じ裕福そうではない人たちでも普通にバンバンお布施をしてまわっていた。
在家の彼らはお布施することにより功徳を積んで、より良い来世を願うのだろう。
この一場面も、本当にさり気ないやりとりで、見ていて何の不自然さも感じなかった。
チベットでは地方から出てきて物乞いをしながら巡礼費用を集めることも珍しくないそうだ。
宗教という大きな力が作る文化なんだろうなぁ。