ダッカから地方へ   真夜中の渡し船

いきなりこんな写真じゃ訳がわからないですよね…。ここまでの紆余曲折は以下の通り。

今回は仕事でバングラデシュへと来たわけだけど、実は出発前から不安な事があった。
ダッカに着く予定日(2006年7/2)は「ホルタル」と呼ばれる大規模な政治的デモが計画されていた日だった。
前もって分かってはいたが「夕方には終わるから大丈夫でしょう」と現地受け入れ先の方に言われ
そのまま日程変更せず日本を出発。不安を残しつつやってきたのだった。
その日は昼頃ダッカに着いて夕方の国内線の飛行機で某地方都市へ向かう事になっていて、
ダッカの受け入れ先の人(バングラ人Sさん)が空港へ出迎え〜チケット受け取って国内線へ…という予定だった。

バンコクからの国際線がダッカ国際空港へ到着した。何事も無く入国手続きを終え、
蒸し暑さの中「Sさんはどこかな〜」と白タクの客引きを避けながらキョロキョロ。
ところがSさんらしき人は見当たらない。
しばらくすると男性が声をかけてきた。手には私達一行の名前を書いた紙が。Sさんだヨカッタ〜。
しかし!男は何故か聞いた事ないホテルの名前が入ったマイクロバスに私達を乗せようとする!
おかしいと思った私と一行のメンバーでボスのS氏(バングラ人Sさんとは別人、紛らわしくて失礼)は抵抗。
男が言うには「Sさんは来ない。ホルタルで今日は飛行機飛ばない。チケットはホテルにある」との事。
でも本当に国内線が飛ばないのか分からないしこの人物を信用出来るかも分からない。困った。
本当かどうかSさんに電話してみようと携帯番号のメモを出して男が持つ携帯でかけさせた。
Sさんらしき?人が出てそのホテルへ行くようにと言ったがまだ信じ切れない。
(Sさんとはまだ一度も会った事がなく、また、これも全て仕込み?という疑念が)
そこで私は目的地の受け入れ先の日本人責任者Kさんの携帯番号にかけてみてはと思い
もう一度男にかけさせた。ちゃんと番号を押しているか手許も見逃さず、かかったらすぐ奪い取った。
電話に出たのはKさん!助かった!
「これこれしかじかなんですが本当なんですか?」「本当です。今日は飛行機もストライキで…」

結局、出迎えのSさんはホルタルのせいで来られず、そのホテルを手配してくれていたのだった。
Kさんと話してやっと男を信用できたわけだけど、それについてはKさんからも
「それ(男を信用せず車に乗る前にKさんに確かめた事)は正しいですよ」と言っていただけた。
この一件は、これまでにそれなりに色んな所を旅して培ったものが役に立ったかな…と。

そうしたすったもんだの後ようやく車に乗り込み、空港近くの安ホテルへ。
部屋はクーラー効いてたのは幸いだったが、Sさんが夕方来るまでとりあえず待つしかない。
ひたすらTVをボケーっと見てても暇だしホルタルで危ないと言われて散歩もろくに出来ない。
TVニュースでは確かにデモと抗議行動でなんかえらいこっちゃになってる模様。
(ホテルの周りはごく普通にのんびりしてたんだけど…)
ひたすらSさんが来てくれるのを待つがとうとう夕方を過ぎて夜に。
Kさんは何度かホテルに電話をして状況を教えてくれるが現地でも混乱してるようで
「明日の朝1の便で」「明日の夕方の便で」と話が変わり、しまいには
「なんか明日も一日飛行機飛ばないかも…」なんてことになってしまった。マジでぇ〜?
そこでKさんが提案したのが「飛行機は諦めて夜に陸路で目的地へ向かう」案。
夜ならホルタルも一段落しておそらく危なくは無いはずとのこと。
一度はそれで決まりかけたが、やっぱり危ないから止めた方がいいかも…という事になってしまった。
ただでさえタイトな日程なのにこんなんじゃ来た意味がなくなってしまう!

確か夜8時くらいだったか、やっとやっとSさんがホテルに来てくれた。
やはりホルタルのせいで空港方面まで来られなかったらしい。
ホテルのロビーにメンバーが集まり、これからどうするか協議を始めた。
ボスS氏が「もう車で行っちゃおうか〜」と言い出した。当然私は賛成。
ここに留まっていてもいつ飛行機に乗れるか分からないんだし、陸路だとどうにかなるはず。
皆の意見がそれで一致し、目的地のKさんに電話を入れた。「車で行くから!」と。
決まったら話は早い。荷物をまとめてさっさとホテルをチェックアウト。
食事に寄ってからいざ出発。車で目的地まで約6時間の道のりへ。

幸いその日のホルタルは終わっていた。幹線道路をビュンビュン飛ばして車は走った。
そろそろ日が変わろうかという頃、大きな川まで辿り着いた。
それがこの渡し船があった川。ひえ〜〜っ、ここまで話が長過ぎ!
後で知ったがこの川はあの“ガンジス川”だった。
(ここバングラデシュ側では「パドマ川」というらしい)
私達の車も渡し船に乗り込み、広い広い真っ黒な暗闇の川を向こう岸へと渡った。