遥かなる茜の空 リマ2     うねる波の果てには

彼方から規則正しく流れてくる波は海岸近くで大きな生き物のように白くうねりながら打ち寄せ続ける。
その押し寄せ、うねり、渦巻く潮の様子をじっと切ない気持ちで眺めているうちに、ふと頭によぎった。
「これって大平洋なんだよなぁ…」
日本から飛行機で20時間以上かかってやってきた南半球のこの海も、同じ大平洋なんだ。
そうすると、今眺めている水平線のずっとずっと先は日本までつながっているというわけか。
そんな至極当たり前の事も改めて考えてみると、地球の反対側にある「日常」がとてもいとおしく感じられた。
この地まで私を導いてきた偶然必然すべてのもの・人・出来事に感謝する気持ちで胸がいっぱいになった。

私はここに立つために旅を続けてきたのだと確信した。
天空の町々も夢物語ではない。この大海原も日本の暮らしもみんな繋がっている。
遥かなる茜の空の下、全てが同じ風で包まれ、心の中でひとつになった。