Olympus CAMEDIA E-10

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e10_4.jpg E950を5年使うはずだったのに・・・(-_-;

没入感
  横浜デジカメアルバムの飯田さんに、一眼レフタイプのデジカメの魅力について、聞く機会がありました。「とにかく、没入感が違うんですよねぇ」
  この言葉の意味が素人の私にも、なんとなく分かりました。 回転レンズが大好きだった私にとって、他に聞いたどんな言葉よりも説得力があって、それから一眼レフタイプが気になっていました。
  デジカメ関係のオフ会に出たとき、そこに来ていたYamachanという人に、MINOLTAのα9を覗かせてもらう機会がありました。 夕日を反射してきらめく海にカメラを向け、ぼんやりファインダーに見えるヨットを狙いシャッターを半押し。 「キュッ」という音ともに、風景にピントがぴたーっとくる。早い。き、気持ちいーー!(@o<)
  なんだ、これは。こ、これかぁ?これは、たまらん。これは、シャッターを切るたびに楽しくてたまらない。

迷った
  迷った。E-10、E-100RS、D30、C-2100Ultrazoom。既に売っていたのが、C-2100UZ。 何度手に取り、何度買おうと思ったことか。 結局α9と液晶ファインダーの落差と、「次は補色CCDは買わない」という決心が勝ち、踏みとどまった。 やがて、E-10、E-100RSの発売日も近づき、待つことに。
e10_1.jpg   D30も、悩んだ悩んだ。 嫁に何度申告しようかと思いつつ、その値段に躊躇し、レンズまで考えると駄目に決まっているじゃんと自分に言い聞かせた。 最後の決め手は、E-100RSの発売が遅れたことと、液晶ファインダーが変わらないこと。 それから、機会があって、E10の試作を触らせてもらえたこと。落ちた。その日にとりあえず予約に走った。 D30の様な、レンズ交換デジカメは、これからのもの。慌てちゃいけない。 それに、E950でコンバージョンレンズをいろいろそろえた結果、 もたもた交換するくらいなら、テンポ良く、タイミングを大事にすべきだと思ったこと。 写真がうまくなりたかったら、ズームに頼らず、固定焦点で撮影すると良いと聞いたこと。 俺は、まだまだだし、35mm〜140mmのE-10で当分勉強しようと思った。というか、自分に言い聞かせた。
  だって、D30は高いんだもん。 あ、最後の決心は、「飯田さん、シヴァさんが買うんだから、間違いないだろう」って思いもあった様な覚えがある。

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気持ちいい
  α9のファインダーは、評判が凄くいいから、あまり期待しないほうがいいよ、と言われていたのですが、 予想を超えて満足のいくものでした。ファインダーは、専用設計のマット面でピントの山も分かりやすく、 エッジ検出に加えて、赤外を飛ばすアクティブAFもそなえて、ピント合わせが早い。また、シャッタータイムラグも 非常に少なく、60msと最高水準。E950では、ぱちゃぱちゃやってると迷ったり、半押ししているのを忘れちゃったり、 いらいらさせられることもあったけど、そういうのは一切無い。「きゅっ」て感じが楽しめます。
  ただし、アクティブAFのセンサーが、カメラを構えてレンズに対して右に位置するので、近い距離の 小さな被写体を狙うときに、右にずれた位置のものに合う傾向にある。これが程度がひどい個体があり、 私は、2台目の個体がそれだった。思い切り右にずれていて、交換してもらった。しかし、3台目の今の個体も 若干、その傾向がある。今は、よほど小さなものを狙わなければ、大丈夫だ。
  また、こいつはガラス越しの撮影が苦手だ。 アクティブAFがガラスに反射してガラス面にピントを合わせてしまう。 こういうときは、MFでピントを合わせるか、裏技として、テレコンを付けた設定にするとピントが合う。 テレコンを付けた場合にはアクティブ測距でピントを合わせるとずれるので、 アクティブAFを使わずコントラスト検出のみでピントを合わせる。そのため、ガラス越しでピントが合うのである。 その代わり、コントラスト検出のみでは、ピントが合う時間は遅くなる。
  アクティブAFは、暗いところで本領を発揮する。 コントラスト検出がしにくい暗い場所でも距離を測れるため、コントラスト検出のみのデジカメよりピントが合いやすい。

マニュアル操作
  ズームは、電動ではない。絶対、この方がいい。非常にすばやく操作が出来る。 E950の様に、立ち上がってから、ウィンウィンウィンと画角を操作する必要は無い。 先に画角が決められると、カメラを向けたら即シャッターが切れる。
e10_3.jpg   実は、正確に言うとズームでは無いらしい。ズーミングするとピントがずれるバリフォーカスというものらしい。 それを、プログラム的にピントが合うように追いかける。そのため、若干追随するのに遅れが生じるが、 ピントを合わせた後に画角を変えることをあまりしないので、特に気にならない。
  マニュアルフォーカスは、残念ながら機械式ではない。 回すと、回転を検知してプログラム的にピントを変化させる。そのため、無限端でも近接端でもリングが止まらない。 マニュアルフォーカスのステップ数は、広角側が少なく望遠側が多いそうで、 広角側でピントを合わせて望遠をするのはやめたほうがいい。そんなことする人はいないと思うが。 フォーカシングリングは、回転させるのに手応えがあって、ズームリングと区別でき、機械式では無いが、かなりいい感触だ。
e10_5.jpg   しかし、ピントの山が見えやすいことが災いして、マニュアルフォーカスでピントを追い込むと、 多少ピントがずれている個体があるようだ。かくいう私の個体も、微妙にずれている気がするが、屋外では、そこまで 追い込めないので、気にしないことにした。屋外でマクロ撮影をするときは、マニュアルで追いこんだ後、カメラ本体を 前後に数mm動かして、何カットか撮っておくことにしている。

ボタンとダイアル
e10_6.jpg   操作方法は、非常に分かりやすい。 よく使うものは、ボタン化されており、メニューまで入って設定を変更することは少ない。 それも、大概のボタンは構えると、左右の手の指が届きやすい位置にある。 ボタンを押してダイアルを回す、コマンドダイアル方式である。 ファインダー内の情報も、ピント、フラッシュ、マクロモード、絞り、シャッター速度、測光方式、 露出補正値、WBの変更、AEロックと豊富だ。WBボタンを押せば、現在のWBも分かる。 後、何が欲しいのかなぁ。P、A、S、Mのモード表示?AF/MF表示かな? e10_9.jpg しかし、今でも、全ての表示に眼がいってないからなぁ。(-_-; みんな一瞬で眼がいくものかなぁ。とにかく、この表示のお陰で、ファインダーを覗いたまま設定変更が出来る。
  ボタンについて一つ、測光モードの変更ボタンがファインダーの左横くらいにあって、 覗いたままではなかなか手が届きにくい。 これは、届く位置に欲しかった。結構、変更する機会が多い。

花形フード
  これは、真面目に考えられている(そうだ)。とにかく、素人目には、かっこよくて好きだ。(^m^;
  収納したときもズームリングが操作できるようになっている。
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頑張れ電池
  E-10は、電源管理が評判良くない。個体差も随分あるようだ。 私のは、とりあえず、2セット持ち歩けば1日は持つ。 パワーバッテリーホルダーは、重くなるのと持ちにくくなる(左手があたる)分、機動性が落ちると思い、買っていない。 高いしね。その代わり、標準のバッテリーホルダー2000円を追加購入した。 E-10は、このホルダーに電池を装着して、本体に挿入する形になっている。 あらかじめ、もう一つに電池をセットしておくと、交換が早く、気分はゴルゴ13だ。(^m^;
  電池の持ちは、特に冬はつらかった。 氷結した滝を撮りに行ったら、満充電のニッケル水素充電池で、5枚と撮れず電池切れ表示となった。 こういう時のために、標準で付属していた、リチウム電池を予備として用意しておくといいだろう。
  私は使用していないが、マイクロドライブもこの電源管理の個体差で、うまく動くものと動かないものがあるようだ。 別件で修理を依頼したら、マイクロドライブの動かないものに全交換されたケースもあるようだ。 動作保障されていないので、own riskで、注意して使用しよう。

安定した三脚穴、シャッター音も満足
e10_12.jpg   だんだん、解説書のようになってきたなぁ。いーや、勢いで書いちゃえ。
三脚穴の位置は、安定していて、E950よりずっといい。しかも金属で安心感がある。 また、三脚立てたまま、電池もメディアも交換が出来る。これは、ありがたい。
  シャッター音は、いろいろ言う人はいるが、これは必要だ。撮影にリズムが出て、気持ちよく出来る。 素人の私でそうなのだから、銀塩経験者はなおさらだろう。音は、やはりうそくさいのかな。 しかし、銀塩未経験な私には、全然音質は気にならない。スローシャッターだとちゃんと間延びする。えらい。

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液晶はあまり良くない
  液晶は写真のように引き出して使うことが出来て、ローアングルや、ウェスト位置に持っての撮影も可能である。 しかし「いざとなったら」とか「撮ろうと思えば」と考えたほうがいい。 ファインダーに使うには、お世辞にもあまりきれいな液晶では無い。 ピントの確認は、出来ないと思ったほうがいい。 そのため、ローアングルで撮影する様なマクロ撮影には、実はあまり向かない。
  それに、まっすぐ引き出すだけなので、横位置ではローアングルも可能だが、縦位置では使えない。 まぁ、これは回転レンズも一緒だけどね。
  再生はちょっと暗めで見難いので、液晶を一番明るい設定にしている。 再生したとき、赤みが少なく見える様に感じる。 夕焼けを撮った後、確認で見ると赤みに不満を感じるが、それでWBを6500K、7500Kなど色温度を上げて撮ると、 PCで見た時にひどい目にあうので注意したい。

遅いシャッター速度
  厳しいと思うが、1/2000くらいのシャッター速度が欲しかった。それか、電子シャッターとの併用。 感度を落とすのでもいいかもしれない。晴天屋外では、絞りを開放にすることはまずできない。 晴天屋外では、ND4を必要とする機会が多い。 しかし、ちょっと日陰に行ったりすると、逆にシャッター速度が落ちて、手ぶれが怖くなる。 ND4をつけたり外したりは、結構面倒なので、スナップなどの時はあきらめて、S優先の1/640にして 絞りを開けられるだけ開ける方法を使うことも多い。もう少し、シャッター速度は欲しかった。

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空が弱い
  画質は、予想以上に良い。400万画素なんて、ノイズが多かったり、ラチチュードがえらく狭かったり するかと思いきや、とてもきれいな絵が撮れる。今までの、Olympus一眼に比べれば、若干おとなしめの色だが、 私は好きだ。しかし、青空キレイ処理を見慣れた眼には、空の青が白く飛びやすいのは、ちょっと悲しい。 PLフィルタを使ったり、露出を若干落として、青色が出るように注意したい。

優秀なESP測光
  ESP測光は、結構優秀である。 どうやら、中央と周辺の輝度差に注意して、主要な被写体が何か、逆光なのか等を判断して補正をかけているようだ。 ESP測光のまま露出補正をかけると、余計なことをしてしまうことになるケースが多い。 ん、これは+補正!と補正をかけると、ESP測光で既に+補正がかかっており、飛んでしまったりする。 自分で、補正をかけたい時は、中央重点測光にしておくのが無難なようだ。マニュアルにもそう記述してある。 ただ、若干オーバー気味の露出になる傾向があると感じていて、ESP任せにする時は、-0.3補正をかけるようにしている。 空も飛びやすいしね。

便利なヒストグラム
  これは、じっくり撮影できるシチュエーションでは、えらく便利だ。とりあえず試し撮りで一発撮る。 ヒストグラムを確認して、どう補正をすべきか決まると、後はMモードで絞りとシャッター速度を決めてしまえば、 もう状況に左右されること無く、安定した露出で撮影が出来る。露出を気にせず、ぱちゃぱちゃやればいい。 フレーミングにのみ注意すればいい。

選択に悩むコントラスト
  予想以上にラチチュードが広かったと言っても、E950に慣れた眼で見ると、風景写真などで、 影の部分の沈み込みは結構気になる。 この時、コントラストをLOWにすると、若干沈み込みは弱くなる。 私は、これをよく利用するが、彩度が若干落ちて、色のりが悪くなるので、どちらを取るか注意が必要。
  逆に、コントラストをHIGHにすると、今までのOlympusの一眼デジカメのような派手目の色合いになる。 街のスナップや、ポップな写真には、HIGHにするのも楽しい。こんな感じで、良くコントラストを変更する。 しかし、これはメニューの中にあるので、今日はこれと決めたら、あまり変えない様にしている。
画像サイズが小さいと遅い??
  400万画素のため、とにかくファイルサイズがでかくなる。 フルサイズの1/2.7圧縮では、2MB近くにもなる。(^m^;
  撮影枚数は減る、メディアは高い、パソコンで扱うのさえ大変だ。 ということで、枚数から妥協点を1600 x 1200の1/4圧縮としていた。 しかし、これは思わぬ落とし穴があった。画像サイズは、フルサイズ以外だと、TruePic処理が行われる。 これは、フルサイズの撮影情報を一時バッファに記憶し、ソフト処理で画質を落とさずに滑らかにサイズダウンする処理だ。 このお陰で、処理時間が長くなる。サイズと圧縮率による4枚連写の処理秒数の実測値を右に示す。 SMはハギワラの64MB、CFはLexarMediaの8倍速80MBだ。マニュアルモードでシャッター速度は1/640とした。
  ただでさえ処理が遅いのに、どうやら下から2番目にひどいモードを選択していたらしい。 1/8圧縮でもそれほど画質の劣化が分からないので、今後、フルサイズ1/8圧縮を使うことにした。
  最悪に近い状態を経験したお陰で、今は非常に快適である。ちょっとうれしい。
CFSM
2240x16801/2.72527
1/42324
1/81516
1600x12001/2.74042
1/43839
1/83637
1280x9601/2.72829
1/42627
1/82526
1024x7681/2.72022
1/42021
1/81919
640x4801/2.72223
1/42222
1/82122
少ないバッファ容量と遅い処理速度
  バッファは32MBで、少なくも無いんだけどね。ちょっと前のパソコン並なんだし。 ただし、保存サイズを変更しても、TruePic処理のためバッファにはフルサイズを一度記憶するため、バッファできる枚数は変わりません。 バッファ枚数は、いつでも4枚です。これが、結構厳しいんだ。連写はもちろん4枚まで。 単写でも、テンポ良く取っていると、すぐ撮影が止まってしまいます。 オートブラケットなんかやった日には、3枚ずつ撮るわけだから、テンポ良く撮るなんてことは出来ないですね。
  これは、バッファ容量を増やすなんて対症療法でなくて、書き込み速度をあげる方向で頑張って欲しいです。 基本的に、書き込み速度が上がれば、バッファなんていらないんだから。

お粗末な再生機能
  とにかく遅い。テンポ良くページを繰ることができない。 E-10で撮った画像を、E950に持っていけば、ポンポン再生できるので、出来ないわけは無いと思うのだが。
  また、速度が遅いので、キー操作を先に先に進めてしまうのだが、これを覚えていない。 ポンポンポンと3ページ繰ったつもりが、2ページしか進まなかったりする。遅いのだから、これくらいやって欲しい。
最悪なのは、拡大表示。ダイアルで拡大するのだが、ダイアルを逆方向に同じだけ戻して拡大表示を解消しないと、 ページを繰ることができない。どれか、キーを割り当てて、一発で拡大表示の解消をして欲しいなぁ。
  再生でいいと思ったこともある。撮影状態のまま、モニタボタンをダブルクリックすると再生になることだ。 この状態では、シャッターを半押しにするだけですぐ撮影可能状態になり、シャッターチャンスを逃さない。 再生は、ほとんどこれでやっていて、メニューダイアルを回すことは、めったに無いくらいだ。
  再生に関しては、D30の再生を見ると、悔しくて仕方が無い。D30は、爆速だ。

結論
  ここまで読んでくれた人、ご苦労様。(^m^;>
  後半は、ちと愚痴っぽくなったりもしたが、非常に良いものだけに欲が出てしまう。 実は、正直、最近あまり気にならなくなってきたのも事実だ。結構、思い出しながら書いた。 非常に良いカメラだ。ただし、正直、これが完成形では無いと感じている。もう一つ上があると思っている。 E950は、不満もあるがあれはあれでいいと思った。しかし、E-10には、もう一段上を目指して欲しい。 画素数なんて、もういらない。カメラとして、もうちょっと、もう少し上に達せれば、当面満足なものに なりそうだ。改善の具合によっては、早いうちに買い替えもあると思っている。

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