川村けんとの【今日の出来事】


平成十六年
 十二月


バスケの最長試合時間「三十時間十二分」  十一月

「肉汁ソースかけ七面鳥風味ソーダ」登場
走行中のジャンボ機に飛び乗り  十月

フランス法相 安全週間中にスピード違反で捕まる
「売春婦」サッカーチーム「女性警察官」に完敗
「消防車」使い バーをはしご
エリック・クラプトン スピード違反 警官と記念撮影
イグ・ノーベル賞 カラオケ発明者の井上大祐氏らに  九月

クジャクのオス選び 定説覆る
泥棒マニュアル本の著者 窃盗容疑で逮捕
英宮殿に「バットマン」侵入 子供に会う権利訴える
学校給食にクジラ復活 釧路市で四十年ぶり
女子高生 痴漢に「大外刈り」
少年 警察官の誕生パーティーでマリファナ売り込み即逮捕
空き家に五年 男を逮捕 台風きっかけで家主発見
貨物船 民家に突っ込む 船長が居眠り
泥棒 追跡してきた店員の転倒、骨折に同情し盗品返す
「目から牛乳噴射」世界新記録
セックスがうるさい ― 住民通報で警官駆け付ける  八月

銀行強盗 侵入先間違え 最寄りの銀行尋ねる
五輪マラソン妨害の元司祭に有罪判決 ギリシャ
酔っ払い運転の若者 首の無い友人と帰宅
蚊退治のはずが住宅全焼
「排せつ物」を川に投げ捨て 米人気バンドを起訴
イチロー打率 チーム勝率上回る
「ヌード女性」によるニュース番組 英国でも開始
麻薬探知犬が中毒死  七月

男性よ 包皮を取り戻そう
秋田・男鹿の水族館オープン 市長がシロクマ姿で出迎え
妻担ぎ競争 エストニア勢が七年連続優勝
小林さん ホットドッグ早食い四連覇  六月

防犯製品の展示会でPC二台が「盗まれる」
「人間」対「馬」のマラソン大会 人間が馬に競り勝つ  五月

頭部に「三寸釘六本」刺さった男性が完全回復へ
オクラでジャンボ緊急着陸
泥酔男性 線路で寝込む 列車通過も「知らず」無傷  四月

先住民族 生向委廃止で豪首相に「のろい」
母親が自分で帝王切開 母子ともに健康
最大の難敵はホッキョクグマ? 世界アイスゴルフ開幕  三月

クレジットカード泥棒 被害者面前で使用し逮捕
五歳男児 給食にマリファナをふりかけ
「なまはげロボット」購入めぐり議論白熱 男鹿市議会
二百六十九杯食べ二年連続優勝 盛岡・わんこそば選手権
老人養護施設で騒動 サラダバーで「選び方」が原因  二月

ビーチ・ボーイズ幻の「スマイル」三十七年ぶりに発表
五十二年間で米カトリック司祭四千四百五十人が少年に性的虐待  一月

ゴルフ場に四十年間住んでいた男性に退去要請

平成十五年

バスケの最長試合時間「三十時間十二分」

 米ネブラスカ州の高校で今年8月にあったバスケットボールの試合時間「三十時間十二分」が二日、バスケの最長試合時間としてギネスブックに認定された。

 試合はベアトリス高校で八月六日午前八時ちょうどに始まり、翌日の午後二時十二分に終わった。同校の生徒、卒業生など二十四人がオレンジとホワイトの二チームに分かれて対戦し、オレンジが「四一〇七対四〇一八」で勝った。

 選手たちは一時間の休憩と、体育館内での仮眠が許された。ただ、体育館から五分以上退出するのは禁止された。

 試合終了間際には二百人以上の観客が集まり、記録が生まれる瞬間を見守った。

 このアイデアは、ベアトリスで昨年開かれた「二十四時間バスケットボール・マラソン」がきっかけ。今回のイベント主催者で同校バスケットボール・クラブのコーチでもあるジム・ウィークスさんは、当時の世界記録(二十六時間四十二分)まであと三時間足らずなら、挑戦してやろうと思ったという。

 ウィークスさんは地元紙に対し、「(ギネスに認定されたことは)とにかく最高だ。ずっと待ちこがれていた」と喜んだ。また、長時間にわたった試合については「こんなに大変だとは思わなかった。身体より、精神面がものをいうね」と話している。

(平成十六年十二月四日 AP)

「肉汁ソースかけ七面鳥風味ソーダ」登場

 米国シアトルの清涼飲料製造会社「ジョーンズ・ソーダ」は八日、今月第四木曜日に迎える感謝祭の祝日に向けた限定商品として、昨年大ヒットした「肉汁ソースかけ七面鳥風味ソーダ」を再び販売する、と発表した。
「肉汁ソースかけ七面鳥風味ソーダ」は昨年の同時期に発売され、三時間で完売する人気を見せた。さらにその後、インターネット・オークションで一本百ドル(約一万円)以上もの値が付く話題商品ともなった。
 これに気を良くした同社は、今年の感謝祭限定商品として、「サヤインゲンのキャセロール味」「マッシュドポテト味」「フルーツケーキ味」「クランベリー味」の新風味を追加した計五本を一セットとした「ホリデーパック」を考案。一セット十六ドル(約千七百円)で、八日から米国内の指定小売店に並んでいる。
 米国では感謝祭の夕食で、七面鳥が食される。しかし同社のピーター・ファン・ストーク社長兼CEOは、「家庭で七面鳥を料理する時間がない、忙しい人がほとんど」と指摘し、「料理の準備や費用の心配をせず、ホリデーパックで、愛する人との時間をもっと楽しんで」と売り込んでいる。

(平成十六年十一月十日 ロイター/CNN)

走行中のジャンボ機に飛び乗り

 航空券を買えなかったことに怒ったカナダ人男性が、全裸で飛行場の滑走路を疾走し、離陸に向けて動いていたジャンボジェット機の車輪格納庫に入り込むという珍事が三日、ロサンゼルス空港であった。
 同空港の広報によると、走行中だったカンタス航空機は、男性が入り込んだことで急停止。男性は、説得に応じて格納庫から降り出てきたところを、不法侵入の疑いで逮捕された。そううつ病で、カナダの警察に捜索願いが出されていたという。
 男性は、一日夕にオーストラリアまでの片道チケットを買おうとしたが、クレジットカードが無効だったので断られた。その後、三重の有刺鉄線がめぐらされた空港フェンスを無傷で突破。航空機に向かって裸で全力疾走しているところを、空港職員に見つかったという。
 空港広報は「危険きわまりない行為」とカンカン。「時速三百二十キロ以上で離陸する飛行機に入り込み続けたとしても、落下してエンジンに吸い込まれたかもしれない」「それを免れたとしても、車輪が格納されるときに押しつぶされたかもしれない。そうならなかったとしても、上空九千メートルを裸で十五時間半飛んでいれば、まず凍死しただろう」と話している。

(平成十六年十一月四日 ロイター)

フランス法相 安全週間中にスピード違反で捕まる

 フランスのドミニク・ペルベン法相は十八日、安全週間だった先週の十五日に規定を超える速度で国道を走っていた疑いがあるとするメディアの報道を受け、記者会見でこれを認めた。しかし運転していたのは自分ではなく運転手だった、などと弁明している。
 国内メディアは、同相の政府専用車プジョーが時速百三十キロの制限速度を超える時速百六十キロで走行、監視カメラが証拠となる映像をとらえていたと報じていた。
 ペルベン法相は、これらの報道でスピード違反を知ったとした上で、「私は確かに車に乗っていたが、運転はしていなかった」「たいていは車内で仕事をしているので、スピードの出し過ぎかどうかの判断は難しい」などと主張した。
 フランスでは路上での死亡事故、年間八千件のうち、約半分がスピードの出し過ぎが原因で、スピード違反に関する取り締まりを強化している。ペルベン法相以外にも昨年、ジル・ドロビアン運輸相と、当時内務相だったニコラ・サルコジ現経済相も、スピード違反で捕まっていた。

(平成十六年十月十九日 ロイター)

「売春婦」サッカーチーム「女性警察官」に完敗

 労働条件の悪さなどを訴えるために結成された中米グァテマラの「売春婦」サッカーチームが十六日、「女性警官」チームと対戦したが、一対三で負けてしまった。
 同国では売春は合法だが、売春婦チームは日ごろ、警察官から差別的な嫌がらせを受けているなどと主張、今回の試合は劣悪な労働環境にサッカーファンの注意を向けるため設定された。
 試合には敗れたが、ゴールを決めたバレリアさん(二十七)は、「私たちは世間の人たちから、注目されるようになってきた。顔も知られるようになった。私たちのところに来て、喜びの言葉をかけてくれたり、がんばるよう励ましてくれる人々がいる」とコメント。
 また、同じメンバーのベアトリスさん(三十七)も、「チームとして団結するパワーを感じられて素晴らしい。仕事をしている時は、個室でバラバラだから」と述べた。
 売春婦たちは、仕事一回の報酬として二・五ドルほどしかもらっていないなどの現状を訴えている。
 一方で、同サッカーチームは先月、ファンが不適切な言葉を使ったとして、アマチュア・リーグから除籍処分を受けた。

(平成十六年十月十九日 ロイター)

「消防車」使い、バーをはしご

 カリフォルニア州の州都サクラメントの当局者は十三日、消防隊員が私的時間に「消防車」を乗り回して、バーなどをはしごしていた事実が発覚、六人を解雇、十三人を停職、叱責処分にした、と述べた。ロイター通信が伝えた。
 このスキャンダルは、情報を受け、今年七月初めから内部調査を開始した結果、判明した。ポルノ・スターに仮装する催しに、消防隊員六人が三台で乗り付ける現場も押さえたという。
 隊員一人は消防車内で女性に暴行を働いたとの疑惑も受けたが、検察の調べで「合意の上」だったことが分かり、起訴は見送られた。

(平成十六年十月十六日 CNN/ロイター)

エリック・クラプトン スピード違反 警官と記念撮影

 フランス南部マルセイユ近くの高速道路で十二日、英歌手のエリック・クラプトンさん(五十九)が高級車ポルシェ「九一一ターボ」で制限速度を八十四キロ超える時速二百十四キロで走行、スピード違反で罰金七百五十ユーロ(約十万円)相当と免許証を没収、同国内での運転を禁じられた。地元警察が十四日、伝えた。
 クラプトンさんはその際違反行為を認めて、反発する素振りなど見せず、警察官らとの記念撮影にも応じたという。
 免許証は英国発行のもの。英国内での運転はこれからも可能だが、免許証を取り戻すには外交ルートで手続きを行う必要があるという。近く、公判を開き、運転停止期間を決める。クラプトンさんに出廷義務はない。

(平成十六年十月十五日 AP)

イグ・ノーベル賞 カラオケ発明者の井上大祐氏らに

 ユーモアに富み、科学技術に貢献した研究に贈られる「イグ・ノーベル賞(愚かなノーベル賞)」の平和賞に、カラオケを考案した兵庫県西宮市の会社経営者、井上大祐さん(六十四)が選ばれ、米ハーバード大学で九月三十日、授賞式が開かれた。
 同賞は、「つい笑ってしまうけれど、考えさせられてしまう」研究が対象。「The Annal of Improbable Research (ありそうもない研究の年間報告)」の編集者、マーク・アブラハムさんが考案した。
 井上さんは、名曲「君の瞳に恋してる」を歌詞の入っていない曲に編集し直したことが発明の発端となった。「お互いの歌をじっと聞くというような、忍耐強さを鍛える全く新しい方法を編み出した」として、その功績を評価された。アブラハムさんは授賞式で「歴史の教科書には載っていない瞬間の一つだ」と、井上さんを称賛した。
 技術賞は、薄毛の男性が側頭部の頭髪をくしで反対側にぐるりとなでつける「バーコード頭」を開発したフロリダ州オーランドのフランク・スミスさんと息子のドナルドさんが受賞した。ルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長の髪形として馴染みが深い。
 二人は一九七七年、父親の寂しい頭髪をめぐり、ワインを飲みながら熱い議論を展開。試しに毛を全部剃ってみたが、「見栄えがさっぱり良くなかった」ため、「作戦変更」に出た。


「かつらは問題外だ」など考えをめぐらせていたドナルドさんはふと、父親の側頭部にふさふさと残っている豊かな髪に気づいた。「横の髪の毛を伸ばして、はげている部分になでつけたらどうだろう?」。結果は「非常に実用的なスタイルに見えた」。
 フランクさんはこの新しい髪型で特許を取得。スタイルを長時間キープするための独自のスプレーの考案も見込んでいたが、結局開発には至らなかった。
 公衆衛生賞は、米国人の間に広く浸透している「五秒ルール」の研究を行ったジリアン・クラークさんが受賞した。「五秒ルール」とは、食べ物を床に落としても、五秒内に拾えば大丈夫という慣習のことだ。
 だが、クラークさんの研究によれば、一般的に、床に生息するバクテリアは驚くほど微少で、きれいに清掃されていれば、五秒経った後でも問題はないという。
 アブラハムさんは、クラークさんが、食べ物を床に落とした際の男女の反応の違いについて研究したことについても触れ、「落とした食べ物を拾って食べるのは、男性よりも女性の方が多いという結果は驚きだ」と述べた。
 医学賞は、九十二年にカントリーミュージックと自殺の関連性についての研究を発表したウェイン州立大学(ミシガン州デトロイト)のスティーブン・スタックさんとオーバーン大学(アラバマ州)のジェームス・ガンドラックさん。四十九の都市部で調査を行い、「カントリーミュージックを多く流した地域ほど、白人の自殺件数が多くなっている」と発表している。

(平成十六年十月二日 CNN/AP)

クジャクのオス選び 定説覆る

 クジャクのメスが交尾相手のオスを選ぶポイントはきらびやかな飾り羽ではなく、鳴き声だったことが東京大大学院総合文化研究科の高橋麻理子特任研究員(二十八)らの研究で明らかになった。九十一年に英国の研究グループが発表した「飾り羽の目玉模様の数が多いオスほどもてる」とする説が定説となっていたが、これを覆す結果だ。
 クジャクはつがいでは行動せず、繁殖期になるとメスが気に入ったオスを選んで交尾する。オスは鳴き声を上げたり、飾り羽を広げて揺すったりしてメスの気を引くが、実際に交尾できるオスは二〇%以下で、少数のもてるオスがメスを独占する傾向がある。
 同大学院の長谷川寿一教授(認知行動科学)のグループは九十五年から、静岡県伊東市の伊豆シャボテン公園で放し飼いにされているインドクジャクを観察し、英グループの結果の追認を試みたが、目玉模様の数とメスの配偶者選択の間には相関が見られなかった。
 九十八年から同公園で観察を開始した高橋さんは、飾り羽の長さや左右対称性、羽を揺する頻度や強さ、オスの縄張りの広さや位置などと交尾行動との相関を調べたが、全く無関係だった。
 〇二年からは繁殖期特有の「ケオーン」「カー」という二種類の鳴き声に着目し、オス十七羽の鳴き声と交尾行動の相関を調べた。その結果、「ケオーン」「カー」の音節が五回以上続くオスが高い確率で交尾に成功していることが分かった。また、五音節以上連続して鳴くオスほど、男性ホルモンのテストステロン濃度が高かった。


 高橋さんは「『美しい羽のオスがもてる』というのが神話のように言われてきたが、意外な結果だった。オスは見ていて痛ましくなるほど鳴く。今後はなぜ鳴き声と交尾行動が結びついているのかというメカニズムを解明したい」と意気込んでいる。長谷川教授は「飾り羽は成熟したオスであることを示す最低条件に過ぎないのではないか」と推測している。

(平成十六年九月二十五日 毎日新聞)

泥棒マニュアル本の著者 窃盗容疑で逮捕

 今月五日、警ら中の奈良県警高田署員が、盗まれたナンバープレートを付けた車を運転していた男を窃盗容疑で逮捕したところ、窃盗の詳細な手口や空き巣対策を満載した本の著者だったことが分かった。約四十年間も服役を繰り返した経験から執筆していたという。本は容疑者心理を探ろうと愛読する刑事もいるほどで、捜査員らは「まさかあの男だったとは」と驚いている。
 調べでは、住所不定の無職、田岡源紹容疑者(六十八)。ナンバープレートは今月二日夜〜三日朝、和歌山県かつらぎ町内の駐車場で盗まれたものだったという。窃盗や詐欺罪などで約二十回も服役し、今年六月に出所したばかりだった。
 本は九十三年ごろから数冊を執筆。二〇〇一年に出した「盗み方の全て」(データハウス)では、一九五六年の現金輸送車襲撃に始まり、▽警察署で警察手帳や制服を盗む▽弁護士と偽り企業から慰謝料をだまし取るなど、自分が起こした事件を披露している。
 また、家を空ける際の防犯対策として▽音量をあげてテレビをつけておく▽犬を飼うなら玄関と裏玄関の2カ所で▽近所と親しくしておく、など十四項目を列挙。さらに泥棒がしてはならない三ヶ条として、「放火、居直り、女性への暴行」を挙げる念の入りようだ。
 この本では「悪事がいかに割に合わないか身にしみた。悪の世界から足を洗う」と語っていたが、こちらは実行できなかった模様。調べに「印税収入が八十万円ほどあった」と話しているが、出所後に使い果たしたといい、捜査員に「また本を書きたい」と言っているという。


◆空き巣に入られないための注意事項(「盗み方の全て」から主なものを抜粋)

(平成十六年九月十六日 毎日新聞)

英宮殿に「バットマン」侵入 子供に会う権利訴える

 英国ロンドンのバッキンガム宮殿で十三日午後、米人気映画「バットマン」に扮装した男性が侵入して宮殿正面のバルコニーによじ登り、約五時間にわたって居座り続ける騒ぎがあった。
 男は、離婚した父親が子供に会う権利を求める団体のメンバーで、主義主張を書いた横断幕を掲げたが、クレーン車を使って拘束、降ろされた後、器物破損容疑で逮捕された。
 事件当時、宮殿内にはエリザベス女王をはじめ、王族は全員不在だった。
 英BBCによると、バットマンに扮したのはジェイソン・ハッチさん(三十三)で、数年にわたって会っていない四歳と五歳の子供がいるという。
 ハッチさんは、所属する団体「正義の父親たち」の他メンバーと協力。まず、他のメンバーたちが宮殿の正門前に集まって警備員をけん制し、警戒が手薄になったすきを突いて宮殿横から、バットマンをサポートする「ロビン」役に扮した男性と二人で、一番外にある低いフェンスを乗り越えた。
 二人はその後、次の高いフェンスにはしごをかけ、ハッチさんが宮殿内に侵入。ロビン役の男性は警官に銃で威嚇されてはしごから降りたが、ハッチさんは宮殿の外壁を伝って正面のバルコニーにたどり着き、長さ約八メートルの横断幕を掲げた。
 横断幕には、「子供たちに会う権利のために戦うスーパーお父さん」と書かれていた。同団体は、離婚した男性に英法廷が偏った判断を下していると主張しており、これまでも公共の場で人目を引く行為を重ねてきている。


 同団体は今回の「バットマン」の行動について、「平和的で非暴力的な訴え」と主張。ロビン役の男性が警官に銃を向けられたことは納得出来ない、としている。
 一方、ロンドン警視庁は「侵入者は、主張を訴えている人物とすぐに分かったが、もし銃や爆弾などを所持していれば、おそらく銃殺されていただろう」と述べている。
 バッキンガム宮殿では昨年秋、英大衆紙デーリー・ミラーの記者が召使いに扮し、約二ヶ月にわたって潜入取材を行う騒ぎもあった。また、昨年六月には、ウインザー城で開かれたウィリアム王子の二十一歳の誕生パーティーに、オサマ・ビンラディン姿の男が乱入するなど、英王室の警備の欠陥が問題にもなっている。

(平成十六年九月十四日 CNN)

学校給食にクジラ復活 釧路市で四十年ぶり

 北海道釧路市の小中学校で十四日、クジラの肉を使った給食が約四十年ぶりに復活し、児童らは興味深そうに口に入れていた。
 かつて商業捕鯨で栄えた釧路港は現在、調査捕鯨の水揚げ基地になっている。市がクジラの味を子どもたちにも知ってもらおうと企画。昨年十二月に南極海の調査捕鯨で捕獲されたミンククジラの肉を使った。
 メニューは「カレー風味フライ」で、計三十九校の給食に登場した。市立朝陽小学校では六年生の前田竜也君(十一)が「食べるのは初めて。少し堅いけどおいしかった」と満足そう。六年生木元風華さん(十二)は「ちょっと油っぽかった。刺し身にした方がいいな」と話した。
 釧路市学校給食課は「反響が大きければ今後も出していきたい」としている。

(平成十六年九月十四日 共同通信)

女子高生 痴漢に「大外刈り」

 横浜市南区の路上で、私立高校三年の女子生徒(一八)が、背後から忍び寄り、太ももを触ろうとした男を、見よう見まねの大外刈りで投げ飛ばした。神奈川県警南署は十一日、暴行の疑いで、投げ飛ばされた横浜市南区大岡の磯子郵便局職員、重藤法生容疑者(二八)を逮捕した。
 同署の調べによると、重藤容疑者は九日午後十時十五分ごろ、自宅近くの路上でこの女子生徒を見かけ、近づき、押し倒そうとした。ところが逆に投げ飛ばされ、走って逃げたが、現場に忘れたかばんの中にあった身分証明書から重藤容疑者が浮上した。
 女子生徒は、高校一年生の一年間、柔道部に所属していた。とっさの出来事に思わず襟首をつかみ、見よう見まねで技をかけたところ、見事に決まったという。
 調べに対し、重藤容疑者は容疑を認め、「まさかあんなかわいい子に投げ飛ばされるとは」と話しているという。

(平成十六年九月十二日 産経新聞)

少年 警察官の誕生パーティーでマリファナ売り込み即逮捕

 ドイツ北部のエシュヴェーゲ町で三日夜、パーティー会場に忍んだ少年(十七)が、客にマリファナを売り付けようとしたが、集まりが警察官の誕生日を祝うもので、即逮捕される事件があった。地元署が七日明らかにした。
 パーティーには非番の警察官が多数集まっていた。
 調べによると、少年は二人の友人と一緒に会場に潜り込み、「マリファナを持っている。ちょっと強いものを吸いたい人はいないか」などと話し掛けていた。これを聞いた二人の警察官が少年を会場の外に連れ出し、逮捕したという。
 警察は「警察官にだってプライベートな時間はある。可哀想に、この少年は営業場所を間違えたようだ」と述べている。

(平成十六年九月九日 ロイター)

空き家に五年 男を逮捕 台風きっかけで家主発見

 八日午後二時十分ごろ、広島県府中町大須の空き家の民家二階六畳間で、上半身裸の男がベッドに寝ているのを、台風十八号の被害を心配して見回りに来た家主の自営業男性(五十四)の妻が発見、広島東署に届けた。駆けつけた署員が建造物侵入の現行犯で男を逮捕した。
 調べでは、男は住所不定、無職山田浩徳容疑者(四十四)。「住むところがなく、五年前から住み込んでいた」と話している。
 現場は木造一部二階建ての住宅。家主は十三年前、同じ敷地内にある隣のビルに引っ越し、空き家になっていた。
 山田容疑者は昼間は二階で寝て、深夜に一階和室の窓から外出。家主が住むビルとは反対側の塀を越えて出入りしていた。二階六畳間にはごみが散乱していたという。

(平成十六年九月日 共同通信)

貨物船 民家に突っ込む 船長が居眠り

 四日午前二時三十分ごろ、広島県大崎上島町東野(大崎上島)で、大分県津久見市、「西滝海運」所属の貨物船「新常豊丸」《浜田真寿雄船長(五十六)ら六人乗り組み、四百九十八トン》が、コンクリート製防波堤を壊して、民家に突っ込み、無職安部春男さん(七十六)方と北隣の空き家一軒が全壊、さらに南隣の会社員末田輝さん(六十二)方も一部壊れた。
 安部さんは壊れた家に一時閉じこめられ、約十分後に自力で脱出したが、右肩に軽いけがをした。
 呉海上保安部の調べでは、新常豊丸は広島県福山港から山口県周南市の徳山港に鉄くずなど約千六百トンを運ぶ途中だった。浜田船長は「自動操舵装置を使って一人で操船中、居眠りをしてしまった」と供述しており、同保安部は業務上過失往来危険容疑で捜査している。
 安部さんは「一階で寝ていたら、ドーンという音がして、衝撃と同時に目が覚めたら、二階の天井が目の前に迫っていた」と驚いていた。

(平成十六年九月四日 讀賣新聞)

防波堤を越えて民家を押しつぶした貨物船

(毎日新聞)


泥棒 追跡してきた店員の転倒、骨折に同情し盗品返す

 ドイツ・フランクフルト近郊の都市コブレンツ西部で、コンピューターショップからノートパソコンを盗み出した泥棒が、追い掛けてきた店員が転んで腕の骨を折り、泣き叫んでいるのを見て哀れに思い、盗品を返却する事件があった。
 地元警察が二日、発表した。調べによると、男の泥棒は「ごめんね」と言って店員にノートパソコンを返した後、その場から逃げ去ったという。

(平成十六年九月三日 ロイター)


「目から牛乳噴射」世界新記録

 建築作業員として働くトルコ人男性ユルマズさん(二十八)が一日、「鼻」から吸い込んだ牛乳を、「左目」から出来るだけ遠くに飛ばす離れ業に挑戦。二メートル八十センチで「世界記録」を更新した。
 今後、正式な世界記録として、証明書類などを提出し、ギネスブックに認定してもらう予定。
 ユルマズさんは「うれしい。牛乳飛ばしでも、トルコ人が世界記録保持者として本に掲載されることを誇りに思っている」と喜んでいる。涙腺の構造が普通の人とは違うらしく、このような「技」が可能な人間は、世界中に一握りとも説明している。
 ギネスブックによると、これまでの記録保持者は、カナダ・バンクーバー出身のマイク・モラールさんで、二〇〇一年に二メートル六十七センチを記録している。
 ユルマズさんはずいぶん前に、水泳中に目から水が飛び出してきたことから、自身の「才能」に気付いていた。
 牛乳飛ばしの記録があると知ったのは三年前。これなら自分でも可能と挑戦し、二年前に、世界新記録を樹立したが、ギネスブックに提出する証拠が不十分で正式に認定されていなかった。今回は、証言者の一人として、イスラム教導師が立ち会っており、さらに、トルコの牛乳製造会社「Kay Sut」が後援についていた。

(平成十六年九月二日 AP)


セックスがうるさい ― 住民通報で警官駆け付ける

 ドイツ西部の都市エッセンで深夜、若いカップルのセックスがうるさいとして、近所の住民らが警察に通報、警官がカップルに「トーンダウン」を求める騒ぎが起きた。地元署が八月三十一日に公表した。
 調べによると、カップルの家の窓が開いていたことから、近所中に「騒音」が筒抜けとなる状態で、警官が駆け付けた時には、「騒音の原因を突き止めようと(カップルの)家の前に、近所の人々が次から次へと集まっていた」という。
 警官はセックスの最中だったカップルに対し、窓を閉めるよう注意。カップルはこれに応じると、声を低くして再開したという。

(平成十六年九月一日 ロイター)


銀行強盗 侵入先間違え 最寄りの銀行尋ねる

 米マサチューセッツ州ボストンで三十日午前、銀行強盗を試みた男(三十二)が、ボストン大学のコピー・ショップを誤って襲撃、標的のミスに気付くと、店員に最寄りの銀行を「尋ねる」事件が起きた。地元署が公表した。
 男はその後、銀行強盗二件に成功したが、警察に逮捕された。
 調べによると、男はコピー・ショップの店員に、現金を要求するメモを渡したが、銀行ではないと告げられると、「フリート銀行」の近くの支店はどこかと質問。
 約四十分後、フリート銀行に押し入り、約二百ドル(約二万二千円)を奪った。その後、別の銀行で二千五百ドル(約二十七万五千円)を強奪したが、逃走用のトラックがパンクした上、札束に紛れていた防犯用の着色剤入りパックが爆発。着色剤で体中が真っ赤に染まりながらも、走って逃げたが、近くのガソリン・スタンドで逮捕となった。

(平成十六年八月三十一日 AP)


五輪マラソン妨害の元司祭に有罪判決 ギリシャ

 アテネ五輪最終日の二十九日、陸上男子マラソンの競技中に先頭を走っていたバンデルレイ・デ・リマ選手(三十五、ブラジル)に飛び掛かり、レースを妨害したアイルランド出身の元司祭に対して、ギリシャの裁判所が三十日、禁固一年(執行猶予三年)の有罪判決と、罰金三千ユーロ(約四十万円)を言い渡した。
 容疑者(五十七)は、マラソン・コースの三十六キロ付近で、沿道から突然飛び出し、先頭を走っていたデ・リマ選手を襲った。デ・リマ選手は沿道まで追いやられたが、コースに戻って競技を続行。しかし、調子を崩して三位に後退し、銅メダルだった。
 ブラジル五輪委員会(BOC)は、妨害がなかったらデ・リマ選手が優勝していたとして、金メダルを与えられるべきだと主張。国際オリンピック委員会(IOC)はこの主張を退けたが、デ・リマ選手の「優れたフェア・プレー」をたたえ、近代五輪の父クーベルタン男爵の名前を冠したメダルを贈った。
 しかし、BOCはデ・リマ選手が競技中に必要な警護を受けられなかったとして、マラソンの結果を見直すよう、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えるとしている。


 一方、警察に取り押さえられた容疑者は、「グランプリ司祭だ。聖書にある預言のイスラエルの実現だ。二度目の到来は間近だ。ギリシャは聖パウロとアレクサンダー大王との長い伝統がある。キリストはもっともっと尊敬を受けるに値する。わたしはユダヤ人ではないが、彼らを愛している」などと、意味不明な発言を続けた。
 酒に酔っていたようにも見え、大きな精神的混乱状態にあったという。
 容疑者は昨年、自動車レースのF1英国グランプリでも、コース内に飛び出してレースを妨害し、悪質な不法侵入の罪で、禁固二ヶ月を言い渡されていた。

(平成十六年八月三十一日 CNN/ロイター/AP)


酔っ払い運転の若者 首の無い友人と帰宅

 週末の夜の酒場で酔っぱらった若者が、助手席に友人を乗せて帰路につき、何とか自宅までたどり着いて深い眠りについた。友人は朝になっても助手席に座ったままだったが、首から上がすっぽりと無くなっていた・・・・・・。
 警察によると、若者(二十一)の隣人が日曜日(二十九日)朝、娘と散歩をしていて、若者の家の前にとまっている車の中に頭部の無い死体を見つけた。警察官がかけつけたところ、若者は血のついた服のまま家の中で寝ていたという。
 若者と友人(二十三)は高校時代からの仲間で、二十八日夜にバーで酒を飲んでいた。友人の気分が悪くなったことから、帰途についたという。若者が運転する車は、バーから約二・五キロ先で、電柱を支えるワイヤと衝突。このとき、助手席の窓から外に乗り出していたとみられる友人の頭部が切断されたらしい。
 若者はそこからさらに約二十キロを運転し、家に着いた。友人の頭部は、衝突現場に残されていた。
 若者は、車両を使った殺人の疑いや、運転中に死傷者を出した際に停車しなかった疑いなどがかけられている。
 警察は「衝突現場から家まで何マイルも運転し、いろんな方向に曲がり、それでも隣に座っている乗客に何が起こったのか気づかないというのは想像しがたい」と話している。

(平成十六年八月三十一日 AP)


蚊退治のはずが住宅全焼

 二十八日午後六時半ごろ、松山市安城寺町の会社員大西一民さん(五十九)方で、車庫に止めた乗用車から出火、自宅に燃え移り、木造二階建て約百五十平方メートルを全焼した。車内にいた大西さんの二男で無職の達朗さん(二十二)が顔や首などに軽いやけどを負った。
 調べによると、達朗さんは車内で仮眠した後、蚊がいたため殺虫剤をまいた。直後にたばこを吸おうとライターで火を付けたら爆発したと話しており、松山西署はライターの火が空気中の殺虫剤に引火したとみて調べている。

(平成十六年八月二十九日 時事通信)


「排せつ物」を川に投げ捨て 米人気バンドを起訴

 米イリノイ州は二十四日、少なくとも重さ三百六十キロにも及ぶトイレの排せつ物をシカゴ川に投げ捨てたとして、同国の人気バンド、デイブ・マシューズ・バンドとバンド所属の運転手一人を訴えた。水質汚染と公的迷惑行為の容疑で、七万ドル(約七百七十万円)の罰金も求めている。
 排せつ物は、川をちょうど通っていた遊覧船の乗客百人以上に落下したという。けが人はいなかった。
 訴えによると、同州シカゴで八月八日、バンドのツアー・バスの運転手が、メンバーを迎えに街中心部のホテルに向かっている途中、橋の上からバスのトイレにたまった排せつ物を川の中に投げ捨てた。
 バンドの広報担当は声明を発表し、「運転手は関与していないと述べている」と主張している。バンドのメンバーが引き続き、警察の調べに協力すると述べた。

(平成十六年八月二十六日 AP/ロイター)


イチロー打率 チーム勝率上回る

 マリナーズのイチロー外野手(三十)が、大リーグ史上初の快挙に《王手》をかけた。二十一日、敵地デトロイトでのタイガース戦で四安打を放ち、新人から四年連続の二百安打にあと四本。二百四十二安打をマークしたメジャー一年目の二〇〇一年よりも速いペースで、二十二日のタ軍戦では得意の固め打ちで一気に新記録を狙う。またリーグトップを独走する打率は、今季最高の・三七二に上昇し、ついに最下位に低迷するチームの勝率を上回ってしまった。
 驚異的なペースで安打を量産する天才打者のバットが、珍現象をもたらした。この試合終了後の打率は・三七一九一で、対するマリナーズの勝率は・三七一九〇。わずか「一糸」の微差ながら、ついに上回った。開幕直後を除けば、イチローがマ軍に入団して以来、四年目で初の異常事態だ。リードオフマンがいくら出塁しても勝てないチーム状況。この日も三点リードを逆転され、結局延長十一回で、十―十一でサヨナラ負け。イチローは「別に何もありません」と悔しそうに言った。
 それにしても一体、どこまで打ち続けるのだろうか。十八日のロイヤルズ戦で頭部に死球を受けたが、雨で一日の休養を挟んだ前日二十日は「ビールを四本飲んだような」フラフラ状態ながら三安打した。そして、この日は第一打席で右中間を破る三塁打を放つと、七回の第五打席までに四安打で今季百九十六安打。本塁打が出ればサイクル安打という状況で、最後の二打席は凡退したが、相手のトランメル監督が「打ち取る方法?そんなものは、ない」とあきれるほどのすさまじさだった。


 試合前、メルビン監督は「百%の状態に戻るにはもう二、三試合はかかるだろう」と死球による微妙な感覚のズレを気にしていたが、そんな不安を吹き飛ばす二試合で七安打。二回には四年連続三十盗塁にあと一とする二盗も決めてみせた。
 これで今月は打率・五二六。年間三度目の月間五十安打まで、あと十試合で十本となったが、その前に「二百」という大きな目標が迫る。後半戦だけで一試合四安打以上を六度も記録しているイチローにとって、一日四本は難しいことではない。二十三日からは本拠地七連戦(ダブルヘッダー一試合)を控えるが、今のイチローなら一気に決めてしまうかもしれない。

(平成十六年八月二十三日 スポーツニッポン)


「ヌード女性」によるニュース番組 英国でも開始

 英衛星テレビのゲット・ラッキーTVは十一日、魅力的な女性が服を脱ぎながらヌード姿で記事を読み上げるニュース番組、「ネイキッド・ニュース」を、十六日から放送する、と発表した。
 番組の中で服を脱いで裸になる女性は、二人が予定されているが、今後十二人まで増員する計画。毎夜十時三十分から放送開始する。番組の冒頭で服を着ている女性が、ニュースを読みながら、順々に服を脱いでいく趣向となっている。
 ニュースキャスター役に決まっているサマンサ・ペイジさんは、心理学と動物学の学位を持ち、空手は黒帯の腕前。「ニュースの内容で、例えば死亡者がいるような場合には、非常に注意する。出来るだけ敬意を払い、服を身につけたままに読むこともある」と話し、単なるヌード番組ではないことを強調した。
 もう一人のリリー・クワンさんも、歯科衛生士を目指して勉強していたという。「ネイキッド・ニュースに入ったのは、本当に偶然。歯科衛生士を目指して勉強している時、自分の創造性を高めることが必要と考えた」と入社の動機を語った。
「服を着ることも楽しいけれど、服を脱ぐこと、特に公共の場では、とても開放感がある」と「ヌード」に抵抗はないことを明らかにした。


 女性が服を脱ぎながら記事を読み上げるニュース番組は、ロシアで初めて放映された。一九九九年にはカナダで「ネイキッド・ニュース」が始まり、米国を含む北米地域で人気を得ている。

(平成十六年八月十二日 ロイター)


麻薬探知犬が中毒死

 英国中部の都市プレストンで麻薬の捜査をしていた麻薬探知犬トッド(スプリンガー・スパニエルのオス、七歳)が薬物中毒で死亡した。英警察が二日、明らかにした。
 警察によると、トッドの飼育担当者(ハンドラー)のムーア巡査が七月二十四日、トッドと一緒に薬物捜査を終えた後、トッドの様子がおかしいことに気づいた。すぐ獣医に見せたところ、ただちにリバプール大学の動物集中治療室へ運ばれたが、アンフェタミン中毒の症状でまもなく死亡した。アンフェタミンは覚せい剤の成分のひとつ。
 ムーア巡査は、妻と子供二人の家族全員でトッドの世話をしていたため、トッドの突然の死に、とても落ち込んでいるという。
 プレストンの警察犬部門を担当するクレイン巡査部長は英紙デイリー・ミラーに対し、「トッドに代わる犬を見つけるのは、非常に難しい。警察犬の仕事は危険で、不幸なことに、トッドはその犠牲になってしまった」と語った。

(平成十六年八月三日 CNN/ロイター)


男性よ 包皮を取り戻そう

 多くの男性が自分の性生活に何かが欠けていると感じている。そして、パートナーとのベッドの中での時間がより楽しくなる ─ たぶんパートナーも楽しくなる ─ かもしれない方法があることをまったく知らない男性も多いだろう。
 セラピーなどあてにしてはいけない。大人の玩具やロールプレイングも忘れよう。若者よ、そして若くないあなたも、包皮を形成しよう。
米国では、割礼を施された男性の割合が約六十三%(世界で最も高い水準)に達しており、そうした男性は、重要な感覚的な能力を奪われているのだと、割礼に反対するグループは主張する。
 しかしまったく望みがないわけではない。包皮の回復を推進する人々によると、忍耐と粘り強さがあれば、あるいは体の中で最もデリケートな部分の手術に耐える覚悟があれば、包皮を新たに得ることが可能だという。そして敏感さを取り戻すことができるのだ。
 包皮を回復する方法にはさまざまなものがある。一番手っ取り早い方法は手術をすることだが、包皮の問題を解決したい考える人々は、それは最善の方法ではないと一様に考えているようだ。手術は二回必要で、回復まで傷みを伴う可能性があるためだ。


 もっと良いのは、手作りの器具を使用し、なくなった包皮の役割をするよう、陰茎の皮膚を徐々に伸ばしてやることだという。なんとかしようと考えた割礼済みの男性たちが、『キャット2RO』『プルマン』『TLCタガー』『PUC(陰茎包皮回復機器)』『フォアボールズ』『タグ・アホイ』など、包皮を回復させるためのさまざまな器具を開発している。
 包皮を伸ばすには、普通一〜三年は必要で、サボっていればさらにかかる。しかし安上がりで、手術の必要はなく、どうやら効果もあるらしいのだ。
「特効薬がないことはお分かりいただけると思う」と、さまざまな方法の比較表を作成しているダン・ピール氏は言う。「それぞれ利点と欠点があるので、常に『コンシューマー・レポート』誌みたいな考え方をしている」
 ある器具は皮膚をテープで引っ張り、最終的には、割礼後むき出しになっている亀頭を覆えるように皮膚を伸ばす。「タガー」と呼ばれる別の種類の器具は、テープを使わず、プラスチックのベルトを使って取り付け、重しが垂れ下がることで皮膚を伸ばす。
 ピール氏は、同時にいくつかの方法を何ヵ月間が試してきた。現在は、完全な包皮の再生に向け道半ばといった感じだ。
 全米男性回復機構(NORM)を設立したウェイン・グリフィス氏は、自分に合ったものが見つからなかったため、器具を自作した。グリフィス氏が開発したフォアボールズという器具は、小さなダンベルのような形をしている。


 フォアボールズ(写真)の価格は百ドルで、この種の器具では高額な部類に属するだろう。器具は、二つの球が細い鉄の棒でつながっているもので、取り付けるには、亀頭の周りの皮に余裕がある必要がある。また固定するためにテープも必要。成功率はいくつかの要因に左右されるとグリフィス氏は話す。
「皮膚が非常にたるんでいる人もいれば、余分を残さずに切除された人もいるだろう」とグリフィス氏。「また、この治療をどのくらい堅実かつ忍耐強く実行しているかによっても異なる。それに、収縮時の陰茎の長さや太さ、さらには遺伝も影響するだろう。六ヵ月で成功した人もいる」
 こうした器具の考案者たちは、自分たちは医師ではないので医学的な助言はできないと断った上で、過激すぎて傷みを伴うような方法は絶対にすべきではないとアドバイスしている。
 キャット2RO(写真)は、開発者によると、プラスチック製のパイプで出来ているため、空港のセキュリティー・チェックに引っかからないという利点があるという。この器具の作製のため、日曜大工用品小売チェーンの『ロウズ』で部品の在庫を買い占めたことも何度かあったそうだ。
 最近、キャット2ROの売れ行きが伸びているという ─ 六月には『イーベイ』で三十個を販売し、自分のウェブサイトでの直販も行なっている。


 著名な医師であるディーン・イーデル博士は、長い間、割礼に反対してきた。「女性がまったく問題ない胸を美容整形手術で変形させることがまかり通っている今の世の中が不思議でならない」とイーデル博士は言う。「一方で生まれた時に奪われた物を取りかえそうとする男性は変人扱いされる」
 米国小児科学会は、割礼は一部に健康上の利点もあるかもしれないが、全米割礼情報資源センター機構(NOCIRC)を設立したマリリン・ミロス氏だった。ミロス氏は、往々にして麻酔をかけずに行なわれ、本人の同意なしに身体の性的機能に関係する部分を取り除く割礼を野蛮な手術と考え、赤ん坊を割礼から守るための活動を熱心に展開している。
 ミロス氏もイーデル博士も、女性とのセックスには自然のままの陰茎の方が都合が良いと強く主張している。包皮が袖の役割を果たすだけではなく、亀頭を覆うことで表面の滑らかさを保つのだという。
 それこそが包皮が存在する理由だとイーデル博士は指摘する。「女性はしばしば『うわっ、湿っていて臭いがする』と言う。この前確認したところ、女性も湿っていて臭いがするけれども、そのせいで男たちがよりつかなくなるわけではない。つまり生まれつきそれを受け入れるようにできているのだ」
 また亀頭が露出している場合は皮膚が厚くなるため、保護されている亀頭の方が敏感だとミロス氏は話す。さらに包皮には四万もの神経終末が存在し、セックスでの感度が高くなるという。


 米国では、女性に対する割礼が一九九六年に法的に禁止されたが、イーデル博士は、このことがきっかけで、男性たちが自分自身の割礼について意識するようになったのだと考えている。女性に対する割礼の方がはるかにやり過ぎのように思えるかもしれないが、イーデル博士やミロス氏は、男性の割礼も女性と変わらないと指摘する。
「苦痛の比較の問題ではないのだ」とミロス氏は言う。「性器がメスで切り取られる時の赤ん坊の叫びは、男女関係なくまったく同じものだ」
 包皮再生手術はときに困難な処置でもある。ニューヨーク陰茎形成外科の院長で、米国陰茎形成外科学会の会長でもあるE・ダグラス・ホワイトヘッド博士は、陰茎増大手術は手がけるものの、包皮再生手術は行なわないことにしているという。
「要望があることは知っている」とホワイトヘッド博士。「良い結果を出せると思える手術の方法があれば、患者に提供したいと思う。現時点で満足のいく技術がないと判断しているだけだ」
 手術では、陰茎の皮膚を環状に切った上で、亀頭に合わせて皮膚をスライドさせる。その結果陰茎の一部は皮膚がない状態になるので、二回目の手術で睾丸から皮膚組織を移植する
 フロリダ州マイアミの外科医、ハロルド・リード博士は、これとは若干異なる方法で手術を行なうが、必ずしも推奨するわけではないとしている。
「陰茎皮膚の伸長術に時間をかけられるのであれば、それが一番いい方法だと思う」とリード博士は述べる。


 包皮を再生できた人たちは皆、結果に満足しているようだ。グリフィス氏自身は再生の途中だが、シャワーを浴びた時に、新たな、そして心地よい感覚を覚えたという。  「包皮を引き戻し、そこに細かいしぶきを浴びせかけた」とグリフィス氏。「我慢の限界を超えた・・・・・・もちろん良い意味でね」

(平成十六年七月二十六日 WIRED)


秋田・男鹿の水族館オープン 市長がシロクマ姿で出迎え

 秋田県男鹿市に十三日、「男鹿水族館GAO」がオープンしたが、水族館の呼び物とされたシロクマがカナダの動物愛護団体の反対運動などで間に合わず、その《責任》を取って佐藤一誠市長がシロクマの着ぐるみ姿で入場者を出迎えた。
 佐藤市長はこれまで市議会でシロクマが間に合わなかった場合は「(着ぐるみを着るのは)パフォーマンスとしてはいいと思う」などと《公約》。「着心地は」との質問に「暑い」とひと言。「一日も早く本物に来てほしい」と話した。 「私も着なければならないだろう」と語っていた寺田典城知事は「一度着てみたがヨレヨレしていて貧相だった」として、着ぐるみ姿を見せなかった。
 同水族館は秋田県が同市の観光振興のために建設。カナダのマニトバ州に親からはぐれた子グマを譲ってもらうよう交渉を続けてきた。しかし、動物愛護団体の反対運動もあり、同州が今年三月、「子グマは見つからず、時期も確約できない」と回答、県は同州との交渉を続けている。

(平成十六年七月十三日 共同通信)

 シロクマの着ぐるみ姿で登場し、記者団の質問に答える秋田県男鹿市の佐藤一誠市長=十三日正午、同市の「男鹿水族館GAO」


妻担ぎ競争 エストニア勢が七年連続優勝

 フィンランド中部の当地で五日、毎年恒例の「妻担ぎ競争」大会が行われ、エストニアのカップルが優勝した。運ばれる女性の頭を下にする担ぎ方を編み出したエストニア勢の優勝は、一九九八年以来7年連続。
 この競争は、カップルの男性が女性を担ぎ、約二百五十二メートルの障害コースを走るというもの。この大会の由来は、十九世紀末に近隣の村から女性を盗み出す習慣があったという言い伝えや、盗賊が男の価値を証明するために、ライ麦袋を担いで競争したという逸話を元にしているという。正式な夫婦でなくとも出場でき、今年は約七千人の観客が見守る中、カナダや英国などから十八組のカップルが参加した。
 優勝した学生カップルのウーソルグさん(二十)は、「ただ走ろうと努力しただけで、何も考えなかった」と、勝利の秘訣は特にないと答えた。ウーソルグさんに運ばれたクラウソさん(十九)は、「彼は女性を運ぶのがとても上手。わたしは何もしなくてよかった」と話している。
 優勝賞品は、担がれた女性の体重と同じ重さのビールと、サウナだった。

(平成十六年七月五日 ロイター)


小林さん ホットドッグ早食い四連覇

 米国が二百二十八回目の独立記念日を迎えた四日、ニューヨーク・コニーアイランドでホットドッグチェーン「ネイサンズ」主催のホットドッグ早食い大会が例年通り行われ、日本から参加した小林尊さん(二十六)が、十二分で五十三個半を平らげ、新記録で四連覇を達成した。
 これまでの記録は小林さんが二〇〇二年に食べた五十個半だった。
 競争相手は十九人で、米国、ドイツ、ニュージーランド、英国と日本から参加。二位は三十八本を食べた初出場の白田信幸さん(二十五)だった。
 身長百七十三センチ、体重五十九キロと細い小林さんは、米国では「ツナミ」の愛称で親しまれている。今年も、チャンピオンベルト「マスタード・イエロー・ベルト」と記念トロフィー、ホットドッグ一年分を獲得した。

(平成十六年七月五日 CNN)


防犯製品の展示会でPC二台が「盗まれる」

 香港で十五日から開催中の、防犯に関する最先端製品の展示会「アジア・セキュリテックス二〇〇四」の会場で十六日、参加社のノートパソコン二台などが盗まれる事件があった。地元紙が報じた。
 被害に遭った出品企業の担当者は、「ここでちゃんとしたセキュリティーが期待できないとしたら、どこで出来るのか?」と、怒り心頭。同担当者は二百六十ドル(約二万九千円)相当の携帯電話も持ち去られたという。
 調べによると、盗まれたのは二千五百ドル(約二十七万五千円)相当のノートパソコン二台。地元署は、中国本土からやってきた窃盗団の犯行の可能性があると見ている。展示会などの会場は「盗みが簡単」な場所として標的になっているという。

(平成十六年六月十七日 AP)


「人間」対「馬」のマラソン大会 人間が馬に競り勝つ

 英国ウェールズ中部の原野で十二日、年恒例の「人間」対「馬」の「マラソン大会」が挙行され、過去二十五回の大会で、人間が初めて優勝した。
 沼地など縫う距離三十五キロの競争で、今年は馬四十七頭のほか、英国中心にヨーロッパ各国から、過去最多の五百六十六人が参加。ロンドンから参加したヒュー・ロブさん(二十七)が二時間五分十九秒でゴールし、優勝賞金二万五千ポンド(約五百十三万円)を手にした。
 馬で首位となったのはカイ・ビー・ジェイ(ホワイト騎手)で二時間七分三十六秒。ブックメーカー(賭け屋)では、人間の勝利に十七倍のオッズが付いていた。
 ロンドン近くのケンプトン公園では今月初め、馬と猟犬グレイハウンドの四百メートル走競争もあったが、馬はここでも敗退している。

(平成十六年六月十五日 ロイター)


頭部に「三寸釘六本」刺さった男性が完全回復へ

 建築現場の事故で今年四月、顔面や首、頭蓋部分に、長さ約九センチの釘六本が刺さる負傷を負った男性が、大きな後遺症に見舞われることなく、完全回復する見通しが立った。担当医らが五日述べ た。「奇跡に近い」としている。
 ロサンゼルス郡の保安官事務所によると、建築作業員のイシドロ・メヒアさん(三十九)は先月十九日、建築中の家の屋根で作業中に誤って滑り落ちたが、落下場所で釘打ち機を使っていた同僚にぶつかった際、メヒアさんの頭部に釘が打ち込まれる事故となっていた。
 メヒアさんはすぐに病院に運ばれ、手当てを受けた。五本の釘は事故当日に除去出来たが、顔面部にささった六本目は、頭部の腫れが引いた二十三日まで取り出すことが出来なかった。
 レントゲン写真などの様子から、釘はかろうじてメヒアさんの延髄などがある脳幹部と脊髄をそれていたため、麻痺状態や死を免れた。
 医師らとともに記者会見した、車いすのメヒアさんはスペイン語で、事故のことは余りよく覚えていないが、生きていることに感謝している、と語った。
 神経外科医のキノニェス医師は、メヒアさんは、会話を司る脳の部分が損傷しているために今はあまり話せないが、リハビリを続ければ、完全に回復すると保証している。


 事故のため、釘打ち機を使っていた同僚は刑事罰に問われない見通し。

(平成十六年五月六日 AP)


オクラでジャンボ緊急着陸

 五日午後一時五十分ごろ、三宅島上空を飛行中のバンコク発成田行きユナイテッド航空八三八便ジャンボ機が「貨物室の火災警報ランプが点灯した」と成田空港への緊急着陸を要請した。
 同機は午後二時十四分に無事着陸した。乗客乗員計三百六十六人にけがはなかった。
 国土交通省成田空港事務所によると、整備士が原因を調べたところ、貨物室に積んでいた野菜のオクラから出た水蒸気でセンサーが誤作動したとみられるという。
 滑走路には消防車など計十六台が待機した。点検のため滑走路が四分間閉鎖されたが、ほかの便に影響はなかった。同機は午後三時十分に着陸する予定だった。

(平成十六年五月五日 共同通信)


泥酔男性 線路で寝込む 列車通過も「知らず」無傷

 メキシコ北東部の町でこのほど、泥酔した三十二歳の男性電気技師が鉄道線路上で寝込み、列車が通過したにもかかわらず、無傷で助かるハプニングがあった。路床に横たわっていて難を逃れたものだが、男性はわずか「数センチ」の差で、車両との接触を避けていたという。
 自分の体の上を列車が通ったことも覚えていないフシがあるという。
 ロイター通信が地元紙の記事として伝えたところによると、列車の運転士は線路で寝ている人間に気付き、汽笛を何度も鳴らしたものの、男性は起き上がらなかった。ブレーキを掛ける時間もなかったとしている。
 運転士などの通報を受けた医師が現場に到着したところ、男性はまだ寝ており、「たたき起こされて」、やっと目を覚ましたという。医師は、負傷しなかったのは「奇跡」と評している。
 男性は地元紙に、「ビールを六本まで飲んだのは覚えている」と恥ずかしそうに告白。「その後、どれだけ追加したのかは、記憶にまったくない」と漏らしている。

(平成十六年五月一日 CNN/ロイター)


先住民族 生向委廃止で豪首相に「のろい」

 オーストラリアのジョン・ハワード首相が同国の先住民族アボリジニの女性に「のろい」をかけられた――。首相が、先住民族で構成するアボリジニ・トレス海峡諸島民委員会(ATSIC)を廃止すると発表したことが、女性の「反感」を買ったのだ。
 同国南部のビクトリア州にある、人口五百人ほどの小さな町コラックを訪問中だったハワード首相が、ちょうど車に乗り込もうとした時だった。ポッサム(フクロネズミ)の伝統衣装を身にまとい、アボリジニの化粧をした女性が現れ、小さな骨で首相を指しながら「のろい」の言葉を唱えたのだ。
 女性はアボリジニ文化の教えに背くとして、報道陣と話すことを避けた。名前は、「ムーポー」さんとだけ分かっている。
 しかし、ATSICのジェフ・クラーク委員長は「それは、首相に対する警告だ」と推測。「警告のメッセージを無視すれば、次期連邦議会選挙まで『のろい』の効果は続くだろう」と話した。ただ、その「のろい」にどのような効果があるのかははっきりしていない。
 ATSICはアボリジニの生活水準の向上を目指し、一九九〇年に設立。アボリジニ自身による選挙で選ばれた十七人で構成し、アボリジニ問題に関する助言などを政府に与えている。


 だが、ハワード首相は今月十五日、多くのアボリジニが未だ貧困の底であえぎ、満足に教育を受けられない状況にあると指摘。アボリジニを取り巻く生活を向上させられなかったとして、同委廃止を検討中であると発表していた。

(平成十六年四月二十一日 AP)


母親が自分で帝王切開 母子ともに健康

「母は強し」を体現するような女性がメキシコにいた。同国の農村部でこのほど、臨月の女性(四十)が台所の包丁で自分に帝王切開を施し、無事に男の赤ちゃんを産んでいたことが明らかになった。出産後に運び込まれた病院の医師が六日、明らかにした。
 メキシコ・サンパブロにある病院のバレ医師によると、すさまじく勇敢な母親は、電気も水道もなく、病院に行くにも八時間かかるほどの農村部の自宅で産気づいた。
 自宅で自然分娩しようとしたが難産だったため、母親は「麻酔の代わりに度数の強い酒を小さなグラスで三杯あおってから、キッチンナイフを三回使っただけで自分の腹部を切開し、赤ちゃんを取り出した。赤ちゃんはすぐに呼吸を始め、泣き声を上げた」という。
 母親は、ほかの子どもに、近くに住む看護婦を呼ぶように言いつけた後、意識を失った。駆けつけた看護婦は裁縫用の綿糸と針で切開部分を縫い合わせ、母子はすぐに病院に運ばれた。
 女性は以前、赤ちゃんを陣痛による合併症で亡くしていた。
 素人が帝王切開手術をして、母子ともに無事だった報告例は初めて。バレ医師は、今回の出来事を産婦人科の学会専門誌に報告した。


 バレ医師は、子どもを守ろうとする母親の本能が信じられない行動につながったと感嘆する一方で、もし十分な医療サービスが行き渡っていれば、このような事態にならずに済んだと、地方における医師不足問題を指摘している。

(平成十六年四月七日 ロイター)


最大の難敵はホッキョクグマ? 世界アイスゴルフ開幕

 最大の難所は池でもなく、バンカーでもなく、ホッキョクグマ――。極寒の地で競う「第五回世界アイスゴルフ選手権」が二日、北極まで約千キロの所にあるノルウェーのスバールバル諸島で開幕した。
 北極に近い場所というだけあって、試合は過酷を極める。厚い氷に覆われたフィールドでは、ティーの代わりに雪を盛ってショットを打たなければならない。寒さに耐えるため、何枚も重ね着をするが、逆に服や分厚いグローブが邪魔となり、満足にスイングが出来ない始末だ。
 それだけではない。今大会の最大の「難敵」はホッキョクグマだ。専門家によると、ホッキョクグマはその地帯に住んでいる住民数とほぼ同数の約三千頭生息すると言われている。体重は二百〜四百キロで、人間を襲う可能性もある。大会の広報担当は「ライフル銃を持った見張りが四人いる」と述べている。
 初日に行われた練習ラウンドの気温はマイナス二十六度。選手はゴーグル、フルフェースのマスクなどを身に着け、お互いが判別できないほどの「重装備」でラウンドに挑んだが、あまりにも風が強く、大雪だったため、選手がショットを打ち、移動する間に体が雪で真っ白になってしまうほどだったという。
 選手らは、雪山登山で使用するスパイク靴をブーツの中に装備した「特製」ゴルフシューズを履き、十八ホールをまわる。優勝者にはホッキョクグマの石細工と記念ジャケットが贈られる。


 大会は、毎年開催地を変えて実施されるが、スバールバル諸島の観光事業に携わるトーベ・エリアッセン氏は「世界大会の開催地がここに決まるなんて、少し怖い気もするが、我々がいるこの地の名前が世界地図に記されるきっかけになれば」と話している。
 昨季大会はグリーンランドで予定されていたが、気温が「高」すぎたため中止になった。

(平成十六年四月三日 AP)


クレジットカード泥棒 被害者面前で使用し逮捕

 盗んだクレジットカードを使って買い物しようとした泥棒が、対応した店員がそのカードの持ち主だったために犯行が判明し、現行犯逮捕される事件がドイツであった。ベルリン警察が二十九日述べた。
 ベルリンの地元紙によると、ガソリンスタンドの店員ハイコさん(三十三)がレジで仕事していたところ、自分の名前が書かれたクレジットカードを使って七十六ユーロ(約九千八百円)相当のビールやたばこを購入しようとしていた男性に遭遇。すぐに店を施錠して、警察に通報した。
 ハイコさんは最近、クレジットカードを申し込んだものの、自宅の郵便箱に届いていなかったという。届いた後に盗まれた可能性がある。
 警察によると、「ハイコ」さんの名前は極めて珍しいため、カード所有者の偶然の一致はあり得なかったと話している。ロイター通信は、ハイコさんのフルネームを伝えていない。

(平成十六年三月三十日 CNN/ロイター)


五歳男児 給食にマリファナをふりかけ

 フロリダ州マイアミ・デード郡の幼稚園で二十二日、五歳の男の子が給食時間に、細かく砕いた乾燥大麻を友だちのラザニアに振りかける騒ぎがあった。当地の警察が二十三日、発表した。
 警察によると、当地の公立小学校付属の幼稚園に通う五歳の男の子は、袋に入った乾燥大麻を幼稚園に持ち込み、給食時間に友だちのラザニアにふりかけてあげていた。監督官がすぐに気づいたため、マリファナがけラザニアを食べてしまった子供はいなかったという。
 調べによると、自分がもってきたものが何なのか男の子が理解しているかどうか不明だが、監督官が近づくと大麻入りの袋を隠そうとした模様。
 一方、同郡の公教育担当者は、男の子が細かい乾燥大麻を、イタリア料理などに使うハーブの「オレガノ」と思っていた形跡もあると話している。
 警察と福祉保護局担当者は、男の子の家庭環境を調べている。また男の子に大麻入りの袋を渡した年長の生徒がいないかどうかも、調べている。
 同じ二十二日にはインディアナポリスでも、四歳の男の子が幼稚園に末端価格一万ドル相当のコカインを持ち込み、友だちに「小麦粉」だといって見せる騒ぎがあった。

(平成十六年三月二十四日 CNN/AP)


「なまはげロボット」購入めぐり議論白熱 男鹿市議会

 男鹿市の十六年度一般会計当初予算案に盛り込まれた「なまはげロボット」購入事業をめぐり、同市議会予算特別委員会で議論が白熱している。同特別委では、事業費が千六百十万円と高額な上、ジャンケンする機能だけのロボットは怠け者を戒めるなまはげの伝統に反する、など、反対や予算修正を求める意見が続出。これに対し市側は「観光振興の起爆剤としてロボットは話題性がある」と訴えているが、議論は平行線のままだ。
 なまはげロボットは、同市出資の第三セクター男鹿地域振興公社が運営する観光施設「なまはげ館」(同市北浦真山)に、新たな誘客の目玉として導入する計画。県立大システム科学技術学部(本荘キャンパス)の協力を得てシステム開発し、県外業者にロボット製作を委託する。ロボットは座ったままのタイプ。相手とジャンケンして負けると、「おめ つえな」(お前 強いな)などと言い、両手で頭を抱え悔しがるという。
 九日から十一日まで行われた予算特別委と同産業建設分科会で市側は、子供に楽しんで遊んでもらえる、動きのある展示物としてロボットが浮上した経緯を説明。「全国でも珍しい、インパクトのあるものと考えた。導入に理解を」と訴えた。


 これに対し委員からは「市の財政が厳しい中、これほど多額の税金を投入するのは異常」「なまはげは怠惰を戒め勤勉を促す教育的な存在。ジャンケンして勝ち負けを決めるのは、なまはげ本来の姿ではない。もっと神聖なものだ」「地元の人になまはげを演じてもらった方が雇用創出につながり、観光客に喜ばれる」など《なまはげの本場》ならではの多様で熱い反対意見が相次いだ。
 十一日の分科会では委員六人中、四人が導入に反対を表明しており、十八日開催される同特別委での採決が注目される。

(平成十六年三月十二日 秋田魁新報)


二百六十九杯食べ二年連続優勝 盛岡・わんこそば選手権

 全日本わんこそば選手権(同実行委主催)は七日、盛岡市の盛岡劇場で行われ、秋田県の雄物川町職員、佐藤庄平さん(二十三)が連覇を果たした。
 市民ら約五百人が観戦。一般選手権の部は、全国の三十人が十五分間で何杯食べられるかを競った。昨年優勝した佐藤さんは、ハンデのため五分遅れでスタートしたが、昨年を一杯上回る二百六十九杯を平らげて優勝した。
 佐藤さんは「時間が短かったため不安だったが、今年も優勝できてうれしい」と話していた。女性の最高は、盛岡市の小笠原ハマ子さん(五十八)の百七十四杯だった。

(平成十六年三月八日 岩手日報)


老人養護施設で騒動 サラダバーで「選び方」が原因

 フロリダ州にある上流階層向けの老人養護施設で二月二十九日、男性二人が食堂の「サラダバー」で野菜の選び方などをめぐって言い争いとなり、数人が巻き込まれてけがを負う騒動に発展した。
 地元署によると、入居者のリー・トスさん(六十二)が、レタスを丹念に選んでいたところ、後ろに並んでいたウィリアム・ホッカーさん(八十六)がこれを見て嫌がり、トスさんがいじった食べ物なんて、誰も食べたくないなどと発言。
 これに対しトスさんが大声でわめき、悪態をつくと、ホッカーさんもトスさんをののしり返した。この後、トスさんがホッカーさんの顔面を殴り始めたという。
 別の男性(七十九)が二人を仲裁しようとしたが、トスさんに腕をかまれ断念。同じホームに入居しているトスさんの母親(八十才代)も、割り込んだが、逆に腕に切り傷を負ったという。このほか、サラダバー近くにいた男性(九十二)ももつれあいに引き込まれ、転倒、頭部をけがした。
 老人ホーム側は、騒ぎの刑事責任は問わない方針だが、リー・トスさんに、ホームから退所するよう求めたという。

(平成十六年三月五日 AP)


ビーチ・ボーイズ幻の「スマイル」三十七年ぶりに発表

 アルバム「ペット・サウンズ」などでカリフォルニア・ロックのサウンドを決定づけた伝説的バンド「ビーチ・ボーイズ」の幻のアルバム「スマイル」が二十日、録音から三十七年ぶりに初めて発表された。ロンドンでブライアン・ウィルソン(六十一)自身が演奏し、聴衆の大喝采を浴びた。
「スマイル」は歴史的名盤「ペット・サウンズ」に続くものとして一九六六年〜六七年にかけて録音されたが、レコード会社とのトラブルや、ウィルソン自身が様々な原因からノイローゼ状態に陥ったことなどから、「お蔵入り」し「幻の名盤」と呼ばれてきた。
 ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでウィルソンは、若いミュージシャン十八人を集めたバンドにバックを支えられて、売り切れご免の聴衆の前に登場。「Wouldn't it be Nice」や「California Girls」「God Only Knows」といったビーチ・ボーイズのヒット曲を披露した後、アルバム「スマイル」の全曲を四十五分かけて演奏。三部構成からなる重層的で先駆的な楽曲は「Heroes and Villains」で始まり、「Good Vibrations」でしめくくられた。


 PA通信は、「客席では往年を懐かしむ大の男たちが涙ぐんでいた」と伝えた。英ガーディアン紙も「かつて最高のハーモニー・グループでリーダーを務めていた男の歌唱力は衰えてはいたが、ファンはショックを受けることもなく、白けることもなく聞き入った。時には震えもする、ウィルソンのざらついた声から、聴衆はこの音楽家が過去四十年にわたって経験してきたあらゆることを、まざまざと聞き取った」と称賛した。

(平成十六年二月二十二日 CNN)


五十二年間で米カトリック司祭四千四百五十人が少年に性的虐待

 全米で一九五〇年から二〇〇二年までの五十二年間に、カトリック教会聖職者四千四百五十人が少年に対する性的虐待を加えていたことがわかった。CNNが入手した米カトリック司教協議会委託の報告書草稿から十六日、明らかになった。同報告書は二十七日に公表される。
 同報告書によると、少年に対する性的虐待は一万一千件以上に上り、四千四百五十人の司祭が関与した。これは調査対象の五十二年間に全米で司祭を務めた十一万人の約四%に当たる。一方、性的虐待の被害者は、十一歳から十七歳が七八%、八歳から十歳が一六%、七歳以下も六%近くに上っている。
 性的虐待を行った司祭の半数以上は一件のみだが、二件から三件の性的虐待を行った司祭は二五%にあたる千百十二人、四件から九件は十三%にあたる五百七十八人、十件以上の性的虐待を行った司祭が三%にあたる百三十三人に上っている。
 同報告書は一万一千件のうち、六千七百件の性的虐待事件について調査・立証済みだとしており、一千件については調査済みだが立証されず、残りの三千三百件については、当事者の司祭が死亡しており、調査ができていないと説明している。米カトリック司教協議会は、報告書についてこれまでコメントしていない。


 司祭による性的虐待被害者救済ネットワークのクロヘッシー事務局長は十六日、「司祭らは長年にわたって(性的虐待を)隠そうとしてきた。突然、彼らが態度を変えたということを信じる理由はない。これは真実の全体ではない。概観的な報告書であって、捜査でもなければきちんとした調査でもない」と述べ、実際の数字より低いとの見方を示した。
 米カトリック司教協議会によると、米国内のカトリック教会で現在、四万四千人以上の司祭が働いているという。

(平成十六年二月十七日 CNN)


ゴルフ場に四十年間住んでいた男性に退去要請

 四十年間にわたり、マイアミデイド郡のゴルフ場に住み着き、ゴルフボールを集めて生計を立てていた男性がこのほど退去を求められた。一部ゴルファーの苦情を受け、ゴルフ場側が判断した。
 男性はケニー・ベテルさん(五十五)。一九六三年に家出、当地の「パルメット・ゴルフコース」でボール拾いをして糊口を凌いだ。夜はゴルフ場のシャワーとトイレを使用し、屋根のあるところで寝泊りするようになった。
 ベテルさんは「このコースは私の仕事場であり、後に住まいになった」と話す。九年前から妻のフランシスさん(四十三)とともに暮らすようになった。一部ゴルファーの苦情を受けて、ベテルさんはボールを集めようとするとゴルフ場職員に追い出されるようになり、トイレにはカギがかけられるようになった。ゴルフ場近くの橋の下に移ったベテルさんは「こんな扱いを受けるとは、私が一体何をしたというのか」と不満を漏らす。
 ゴルフ場支配人は「大きなジレンマだ。私たちはケニーに優しい目を向けてきた。しかし、一部のゴルファーはケニーが不法侵入しており、法に違反していると主張したときには、彼を追い出さざるをえない」と話した。
 ゴルフ場側はベテルさんにコース内の補修の仕事を持ちかけたが、ベテルさんは雇用されるのを嫌い、申し出を拒否した。


 常連客のゴルファーの中には、ベテルさんがいなくなったことに驚き、惜しむ人も多い。マリオ・デイフさんは「いいやつだったのに」と惜しみ、ベテルさんはゴルフ場内で住むことを許されるべきだと話した。

(平成十六年一月十三日 AP)


悪の教典#9