阿佐田哲也

あさだてつや

麻雀放浪記(一)青春編

昭和五十四年九月三十日 角川文庫
0193-145951-0946(0) 三百八十円

 この作品が週刊誌連載の形で初めて世に出たとき、私は驚嘆して毎週愛読した。小説の中の世界に没入できるということは、大人になると時折しか体験できない。そしてこれだけ面白い悪漢小説・教養小説(?)には、めったに出会えるものではない。当時、この匿名の筆者は誰か、話題になった。そして今、阿佐田哲也という名前は、色川武大という名前と同じ重みを持って、私の頭の中に並んでいる。

吉行淳之介

読者が語る「阿佐田哲也」 悪の教典へ還る