阿部奥：真富士山

阿部奥：展望の尾根歩き 2025年5月3日(土)～4日(日)			地図はこちら

飛び石連休の後半、あれこれと思いめぐらせて、展望がよく、のびやかな稜線の路を歩いたことのある阿部奥の山を歩くことにしました。これまでも、日帰り、縦走、と七面山から十枚山をへて青笹山までは歩いているので、今回は青笹山から南下して、真富士山で泊、竜爪山から東海自然歩道を下る計画です。梅ケ島温泉へのバス便が少なくて歩き始める時間が遅めになるのと、有東木から稜線までの登りに時間がかかりそう、なのが心配かな・・・。もう寒くはないだろうから、シュラフも軽いものに、テントもシェルターに代えて、極力荷物をコンパクトにして、35Lのザックに詰め込みました。

第１日目：　渡本(1135)→有東木(1210)→葵高原(1325)→稜線の分岐(1550)→青笹山(1620)
早朝の電車を何回も乗り継いで、朝9時過ぎに静岡に到着、10時過ぎのバスで渡本へ向かいます。車道を歩き始めたのが11時半。有東木を過ぎ、葵高原の登山口はようやく午後1時半を過ぎていました。一泊分2Lの水が重い・・・。一息ついた後、分岐を右に新道に入ります。しばらく植林帯を進み、右に回り込んで急坂を登って小尾根に。稜線までもうすぐと思ったら現れたのが露岩帯。喘ぎながら乗越すとどうにか稜線の分岐にたどり着きました。右手に見える青笹山までもうすぐです。



青笹山山頂に到着したのは予定より1時間以上遅れて午後4時半ころ。計画では第二真富士山まで歩く予定でしたが、陽の入りまでにたどり着けそうにありません。途中で展望の好い場所があるかどうかもわからないので、青笹山でビバークに決めました。そうすると、明日は9時間以上の歩きになってしまいます・・・。


第２日目：　青笹山(0500)→浅間原(0535)→湯ノ岳(0610)→第二真富士山(0720-0800)→ヲイ平下降点(0825) →真富士山(0845-50)→一本杉(1005)→富士見岳(1025-30)→駒引峠(1110)→富士見峠(1135) →穂積神社下降点(1235)→竜爪山(薬師岳)(1240)→文珠岳(1300-05)→若山(1400)→登山口(1510)→牛妻坂下(1540)
未明に雨がぱらついたため、陽の出頃は薄曇りで展望なし！。早々に撤収して、縦走路に進みます。前回大平へと降りた浅間原を越えて、なだらかな頂上の湯ノ岳を過ぎ、緩やかに下った後、同じだけ登り返すと第二真富士山でした。雲も少し薄くなって、富士山が姿を見せてくれました。ここで富士見の中食としましょう。


第二富士見山を後に、ヲイ平下降点へ。いきなりロープが張られた岩場の路になって驚きでした。サクッと登り返し、なだらかな路になると真富士山でした。どうにか富士山は見えていますね。急下りをこなして、うねうねと稜線の路をたどります。途中右手下に見えた窪みが「小鹿の池」でしょうか。富士見岳では富士山は雲の中でした。 P955mを越え、駒引峠、富士見峠と標高を落とした後、それと同じ高度をじっくりと稼ぐと、左手に木段が現れて、穂積神社下降点に到着。竜爪山薬師岳はすぐ先でしたが、文珠岳まではまた登り返しがありました、フ～～。




文珠岳では、防火帯の切り開きから望む清水湊の展望を愛でながら、しばし休息。バスの時間を計算しながら、山頂を後にします。転げ落ちそうな木段でグーと300mの標高差を下ると、若山への登り返しが待っていました。なおも急下降の路が続きます。それでも林道を横切ると少しだけ傾斜が緩んだ気がします。午後3時過ぎに登山口に到着。ここからは安部川と茶畑を眺めながら、農道？を牛妻坂下まで歩くだけです。



予定通りのバスに乗車して静岡駅へ。なんか休憩する気にもならなかったので、そのまま電車に飛び乗ります。座席を確保して文庫本を広げての鉄旅になりました。これで少し落ち着きました。電車は、JR東海、JR東日本、小田急、JRと乗り継いで、慌ただしく帰宅しました。

一日目の青笹山までが予定より大幅に遅れてしまい、そのために予定変更して、展望の青笹山にビバークしたのですが、夕食を摂っていると雲が広がって、陽の入りは雲の中。未明には雨がパラついたので、陽の出も満足な展望が得られず、好いとこなかったかもしれません。それでも、富士山、駿河湾、南ア深南部の山を振り返ることができたのは、まぁ善しとしましょうか。二日目の十時間近くの歩きにも壊れることなく歩くことができて、ホッとしました。
今回の計画は、歩き始めがお昼前と遅かったのが大きな問題だったと思います。新幹線を利用してでも、一本前のバス(08:30発)に乗車すべきだった、と反省しています。また、阿部奥の路は稜線で水が得にくいのですが、浅間原の近くに水場あるようなので、そこを使う計画にしていればもう少し余裕ができたかもしれません。それにしても、この数年で随分と登りに弱くなったなぁと実感します・・・。
今回歩いてみて、歩きの想定と違っていたのは、第二真富士山からの降りと、竜爪山からの降り路です。第二真富士山からの降りは露岩帯で、短いとはいえロープや木の幹で体を支えながら歩く急坂でした。竜爪山からの降り路は東海自然歩道なので歩きやすい路だろうと期待していたのに、延々と木段が続く路で、その木段がなければ、転げ(滑り？)落ちそうな急坂です。歩きながら、牛妻側からは「登りたくないな」と思いました。「遊歩道」というには厳しい路と感じます。

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