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パノラマ銀座:蝶〜常念〜燕 を縦走
2023年9月1日(金)〜3日(日)
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 名残の夏の山歩き。 この夏としては珍しく?晴天が期待できそうなこの週末。 何処かへ出かけたいな、とあれこれ探したのが、パノラマ銀座の縦走です。 燕岳〜常念岳〜蝶ヶ岳の稜線を歩いたのは30年以上前のGWの雪山でした。 大天井岳から蝶ヶ岳の間だけはその後にも一度歩いてはいますが、 結局燕山荘から大天井岳の間は一度きりですものね。 どんな感じだったか思い出し思い出し歩いてみることにしました。
 いつものように燕山荘側からとも考えたのですが、予約がとれなくてダメ。 どうしようかなと考えて、結局上高地から入って北上するコースに決まりました。 蝶ヶ岳、大天井とテント泊(予約不要)です。

第1日目:
 上高地(1040)→明神(1120)→徳澤園(1200-10)→2000mの平(1340-45)→長塀山(1610-20)→妖精ノ池(1650)→蝶ヶ岳ヒュッテ(1715)
 朝一番の電車に乗車したのに、上高地には10時30分になってしまいました。 コースタイム6時間30分で歩くことができても、蝶ヶ岳ヒュッテに到着するのは午後5時を過ぎる予定です。 テント場が混んでいなければいいけれど・・・。
河童橋の向こうに穂高連峰 ミゾソバの可憐な花 ノコンギク(野菊) 明神岳と梓川
明神・徳澤園まではスッ飛ばしても、徳澤園からの標高差約1100mの長塀尾根はコースタイムより遅れ気味・・・。 じっくり我慢でジグザグの急登をこなして、2000mの平に到着、さらにジグザグの登山道を必死で進みます。 「蝶ヶ岳xxkm<->yykm徳沢」の指導標が慰めです。 蝶ヶ岳2km の標識を追い越して、傾斜が緩んできたら、ようやくで長塀山に到着です、ふぅ〜〜。 なだらかな樹林の路を進んで、二つ目の池が妖精ノ池。 少しで森林限界を越え、広くなった頭上の空を望み、ちょっとした尾根路をたどって、蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました、やったーー!。 混み始めたテント場の隅にテントを張って、ようやくで人心地つくことができました。
徳澤園、長塀尾根の入口 ユキザサ?の実だと思うけど 蝶ヶ岳まで2km ようやくで長塀山を通過
オオバタケシマラン?の実 ここが妖精ノ池
 蝶ヶ岳のテント場は尾根の一角なので、四方の山が丸見えです。 少し雲の多い空で、期待したような夕焼けにはなりませんでしたが、 太陽と見間違うような、まん丸の月の出が今夕のハイライトでしょうか。
蝶ヶ岳ヒュッテに到着 正面には常念岳が聳える 穂高連峰への陽の入り 夕景、遠くに富士山
月の出
第2日目:
 蝶ヶ岳ヒュッテ(0540)→蝶ヶ岳三角点(0610)→P2592m(0705-35)→常念岳(0950-1000) →常念乗越(1050-55)→横通岳分岐(1155-1200)→東天井岳(1325-30)→大天荘(1450)
 明るくなる前に起き出して、テントをまとめた後、三脚を構えて陽の出を待ちます。 いつもながら、陽の出は感動ものですね。 多くはないけれど雲が色付いたし、上方に満月を従えた穂高連峰も見られたし、大満足でした。
陽の出前、八ヶ岳と南アの間に富士山 穂高連峰と残月 陽の出前、雲が色付く 陽の出前、雲が色付く
常念岳のシルエット 陽の出、浅間山から 陽の出、浅間山から 穂高連峰に陽が射す
常念岳が明るくなる 撮影中の筆者、いただきものの写真です 槍ヶ岳が明るくなった
 陽の出を堪能した後、大天井岳に向かって出発します。 コースタイムは9時間、途中の常念岳への登りと、最後に疲れた頃の大天井岳への登り、が鍵です。 先ずは、二重山稜を蝶ヶ岳三角点へ。ここから樹林帯を降って登り返したところが2592mのピーク。 ここで、蝶ヶ岳を返り見ながら、朝食をいただきました。
常念岳に近づく、蝶槍付近から 蝶ヶ岳を返り見る 蝶槍を返り見る 朝の富士山、遠景
 P2592mを後に更に降ると最低鞍部に、ここからコブを二つ越えた2512mピークで小休止して、登りに備えました。 残り350mの登り、焦っても仕方ないので覚悟を決めて足を進めます、 それでも、常念岳山頂の人影を見つけた時は、少しですがホッとしました。 独立峰のような常念岳山頂で四囲の山々のパノラマを楽しんでから、常念乗越へ降ります。
シラネニンジン? 常念岳へ、最後の登り 常念岳に到着 パノラマ(1)蝶ヶ岳
パノラマ(2)穂高連峰 パノラマ(3)槍ヶ岳 槍ヶ岳を引き付けて パノラマ(4)東鎌尾根
パノラマ(5)大天井岳
 大天井岳までは残り約3時間。 常念小屋から横通岳の肩まで登ってしまえば、後は大した登りはない、と思っていたのに、東天井岳への100mの登りにボロボロになってしまいました。 それでも、東天井岳の肩を回り込み、大天井岳が見えた時は、心の中で万歳を叫んでいました!。
横通岳を正面に、常念乗越へ降る トウヤクリンドウ 東大天井岳を回り込む 大天井岳へ最後の頑張り
 大天荘のテント場も混雑でしたが、どうにかテントを張りました。 しばらくは休息がてら展望を楽しんでいたのですが、夕方になって一面ガスになってしまい、夕景の写真撮影はダメになってしまいました・・・。
テント場夕景、あっという間にガスの中
第3日目:
 大天荘(0520)→切通岩(0550)→大下りの頭(0700-05)→燕山荘(0755-0810)→合戦小屋(0845) →第2ベンチ(0945-50)→中房温泉(1030)
 夜半にはガスは晴れて、未明には星が拡がっていました。 早々にテントを撤収した後、三脚を構えて、陽の出を狙います。 明るくなって空の色が刻々と変わるのを、丸い太陽が顔を出すのをズ〜〜と眺めていました。
陽の出前、穏やかな空 陽の出前、光芒が射す 燕岳のシルエット、遠景は頚城三山 陽の出前
陽の出前、燕岳、頚城三山 御迎光 穂高連峰が明るくなる 槍ヶ岳も明るくなった
 さて、今日は下山の日。電車の都合もあって10:45のバスに間に合うようにと、歩き進めます。 大天井岳の山腹に沿った路を切通し岩へ。ハシゴで始まる登り返しを進むと、背後の大天井岳が少しずつ低くなってゆくのが励みです。 為衛門吊り岩を越え、登りを大下りの頭へ、蛙岩を過ぎると、燕山荘が見えてきます。 最後の登りで燕山荘に到着しました。 ガスが上がってきているし、何度か歩いた燕岳は割愛して、合戦尾根を降ることにします。
大天井ヒュッテ(表銀座)との分岐、遠景は裏銀座 大天井岳の降り、上方に残月 大天井岳の肩越に槍ヶ岳 燕岳上方にうろこ雲
槍ヶ岳遠景 蛙岩を通り抜ける 燕山荘への最後の登り すくっと立つ燕岳
 降りとなれば順調、と思っていたのですが、合戦小屋を過ぎると木の根の出た転げるような急坂になりました。 途中途中のベンチが目印となって、少しだけホッとできるところです。 第2ベンチで小休止した後、すっ飛ばして中房温泉のバス停についてみたら、丁度満員になる増発のマイクロバスに乗車することが出来て、スムーズに穂高の駅に出ることができました、フゥ〜〜〜。
表銀座の山稜越しに槍ヶ岳
 
 仙塩尾根だけでこの夏を終わらすことが何となく心残りで、北アを歩く行程を組み立てました。 その名もパノラマ銀座、晴れていれば西側に槍・穂のパノラマを楽しみながら歩くことのできる、素晴らしいコースです。 蝶ヶ岳、大天井岳(そして燕岳)の各テント場共、稜線上の一角にあり、朝に夕に四方山の展望を楽しむことができます。 先ずは、穂高岳・槍ヶ岳の稜線、そしてパノラマ銀座(常念山脈)の山々、そして八ヶ岳と南アルプスに挟まれた富士山の遠望・・・。 今回、雲が少し多かったかもしれませんが、どれをとってみても、存分に楽しんでいました。
 大天井〜蝶ヶ岳は二度目ですが、16年ぶりですからあまり記憶になかったように思います。 それにもまして、こんなだったっけ?と思いながら歩いていたのが、大天井〜燕の間。 何と言っても30年以上も前(1989年)だし、GWの雪山だったせいもあるのでしょうか。 あっ、それでも蛙岩だけは覚えていました。 まぁ、前回はGWの雪山だったから、雪に埋まっていたので、通過するのが大変だったのですけれど、ネ。
 今回も本当にいろんな人に出会うことができ、本当にうれしい限りです。 テント装備の重い荷物を背負って歩くのは大変だけれど、 ほんと、人との出合いって面白いものです ^_^;。

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制作:加藤 輝男 2023年9月10日
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