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黒部川・下の廊下 山行記録
1999年10月1日(金)〜10月2日(土)
地図はこちら
 
 結論的に言えば、阿曽原−欅平間の水平歩道と同じ程度で、技術的に難しいところはないです。 高度感のあるところが多いので一人で行くのはお勧めできませんが、ま〜複数で行ったほうがいいでしょう。 ヘツリの様子とかがわからず、通過に不安もあったので、今回は小屋泊まりです。
 下の廊下の様子は年毎にかなり違う様子で、阿曽原の小屋の人の話だと、「今年はかなり雪の解けるのが早かった」そうです。 8月・9月と暑い日が続いてましたからね。

第1日目
 ダム(0745)→ダム下(0800)→内蔵之助谷出会(0850―0900)→鳴沢小沢出会(?)(0950-55) →黒部別山谷(1025)→白竜峡(1055)→十字峡(1235-1300)→仙人ダム(1500-1515)→阿曽原小屋(1600)
 1日目、大町側は曇りでどうしようって感じの天気でしたが、黒部側に抜けると、晴れ間がのぞいていました。 トロリーバスから降りて、ダムサイトへ行かずに、ダム下まで・・・・。 標高1300m前後、気温20度前後と、予想よりかなり気温が高くて大汗でした。結局ほとんどTシャツでした。
 ダム下から内蔵之助谷出会を経て鳴沢小沢出会(?)まではいくらか退屈する沢沿い歩きです。
黒部ダムを望む 歩き出してすぐ、向うに大タテガビン 丸山谷、下流方向 丸山谷、上流方向
榛の木平 鳴沢小滝?
 鳴沢小沢出会の少し先に、岩にコの字のヘツリを見つけて大喜びしたのですが、結局屏風岩の大ヘツリはもう少し先でした。
ヘツリが始まる ヘツリ(2) ヘツリ(3) ヘツリ(4)
 屏風岩の大ヘツリでは、傾斜80‐90度の岩壁にやっと人が通れる位の「ヘツリ」があって、 白竜峡を過ぎるまで1時間半くらいは緊張の連続です。 白竜峡の付近は水面まで10-20mくらいなのですが、屏風岩辺りは50-100mくらいあるので本当に緊張してしまいます。
屏風岩の大ヘツリの始まり しばし休憩 大ヘツリ(1) 大ヘツリ(2)
大ヘツリ(3)
 今年は雪解けが早かったようで、残雪もスノーブリッジもほとんど出会わずラッキーでした。
初めて見つけたスノーブリッジ
 人が通過するところはすべて針金があって、決して危険とか、技術的に難しい個所はないのですが・・・・。 それでも、背の高い人は頭上注意ですし、テント装備などザックの大きい人も用心が必要です。
足元の黒部川 別山谷を過ぎ、再びヘツリ・・・ 歩道に覆い被さる大岩 大岩を注意して
大岩を通過 谷沿いの水平歩道 白竜峡へ 急流の白竜峡
白竜峡核心部 核心部を振り返って
 白竜峡の標識を過ぎると、また樹林帯の中のいくらか退屈な道に逆戻りです。 ま〜、緊張感から開放されたので気分的にはずいぶん楽になるのですが・・・・。 まだかまだかといやになり始めた頃、ひょっこりと十字峡に到着しました。 剣沢も棒小屋沢も非常に狭く、予想していたような川原はどこにもありません。 吊橋の手前にちょっとした空き地があってそこで休憩でした。
 水をどうにかすれば、テントが1張りか2張りくらい張れそうです。 水は剣沢から(吊橋の下を)とうとうと流れていますが・・・・・・・・。
十字峡の剣沢 剣沢に架かる吊橋 向かいの棒小屋沢
 十字峡からはまたいくらか退屈になった道をたどり、涸れ沢の半月沢を過ぎ、黒四の送電線の出口を対岸に見送ったら、 急な下りで黒部川に下りて、吊橋を渡って行くと仙人ダムです。何のためにあるのかわからないような、水も少ない小さなダムです。 宿舎やトロッコの線路があって、こんなところに人の跡があるのが何か不思議な気分でした。 気を取り直して、100mちょっとを登り返し、水平歩道に出て、阿曽原峠からの道を合わせると、急な下りになって阿曽原小屋に到着です。 小屋の屋根がなかなか見えないので、気をもみましたが・・・・。
黒部川に落ち込む涸れ沢 S字峡付近の水平歩道(1) S字峡付近の水平歩道(2) ようやく黒四地下発電所
 阿曽原小屋はいい小屋ですが、プレハブなので人の足音が建物に響くのが玉に傷です。 金曜日の夜なので、人は少なめで34人(他にテントが2張)。 自炊だったのですが、小屋の人に「うちの料理はおいしいのに」と笑われてしまいました^_^;;  ちなみにアジフライ2匹だけは確認しました。
阿曽原温泉小屋にて 小屋前から対岸を望む 小屋から阿曽原谷方向
 次の夜(2日の土曜日の夜)は何人泊まるかわからない(70-80人?)のでチキンカツカレーになるという話でした。^_^;;
 そうそう、露天風呂温泉では、さすがにこの時期になると、虫はいなかったですよ。
第2日目
 阿曽原小屋(0550)→水平歩道(0620)→折尾谷(0720-0725)→志合谷(0835-40)→蜆谷(0913)→下り始め(0950-1000)→欅平(1025)
 週間予報では下り坂、前夜の天気予報でも晴れのち曇りだったのですが、朝起きてみたらピーカンの上天気でした。
茜空 阿曽原小屋の朝
 この区間は一度歩いているだろうから、細かなことは省略します。でも、下の廊下は技術的にはあの程度の道が続いている、ってことです。 志合谷のトンネルは、ペチャペチャくらい(2-3cm)の水しかなくぜんぜん平気でした。
オリオ谷手前の沢 オリオ谷から大太鼓へ 奥鐘山を望む 小沢
大太鼓からの奥鐘山の岩壁 大太鼓から志合谷へ
 洞窟の入り口のような写真をどこで撮ったかようやくわかりました。 途中2-3ヶ所あったブルーシートで作ったトンネルがよっぽど大変ですね。
志合谷出合(1) 志合谷出合(2)
 欅平への下りでは、「ガスボンベを忘れたパーティー」とかに会いました。登りは数パーティー17-8人の他に、34人パーティーに遭遇。 「阿曽原の小屋は定員50名なのに、どうするんだろう」と思うと同時に「週末でよかった」としみじみ感じました。 トロッコ電車もすいていた し・・・・・・・・
トロッコ電車
 
 今回は、もう10月というので、ウールのシャツ、ダクロンウールのスラックスで出かけたら、結構な汗をかいてしまいました。 用心のために持っていったピッケルも、ヘツリを通過する際にただ邪魔になっただけでした。 今年は気温が高いため、通過が簡単だったようですが、一昨年は残雪が多くて通過できなかった、という話です。 やはり、事前の問い合わせが重要なようです。 富山県警のホームページもありますので、 チェックしてみてください。
 先週末に紅葉予報が発表されていましたが、今年は8・9月の気温が高かったため、紅葉は例年より遅めだそうです。 例年だと、立山は10月初め頃ですが、下の廊下は全体的には標高1000m前後なので、10月中旬頃でしょう。 歩いた感じでは、2−3週間くらい後でしょうか。 ただ、紅葉の時はルート/小屋ともかなり混みそうなのでやっぱり週末をはずさないと、辛いでしょう。
 谷が狭くて、対岸が近いので、ほとんど28mmの広角レンズで写真を撮っていました。 道も狭いので、ザックおろしてのレンズ交換もできなくて、ズームが欲しいとつくづく感じました。
PS:
 宇奈月からの帰りは、同行した友人のわがままで、大糸線経由でした。 宇奈月→電鉄黒部、(JR)黒部→糸魚川→南小谷→信濃大町→松本→小淵沢→甲府→高尾、と電車を乗り継いで疲れてしまいました。 糸魚川では、北陸本線の特急から大糸線まで乗り継ぎ3分だったし・・・・JR黒部駅1431乗車、高尾駅到着2225でした。
PS2:
 富山発、池袋行きの高速バスが、「黒部」で乗車可能なのですが、調べがつかないまま宇奈月で電話で予約センタに聞いたら、 「北陸自動車道の黒部バス停」とかで時間的・地理的に乗車できませんでした。 そのバス停は、電鉄黒部駅からタクシーで15-20分くらいかかるそうです。
  富山(1330)→黒部(1407)→池袋(2000)
乗換なしで東京まで着けると思ったのに・・・・・・・・・甘かった x_x;

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制作:加藤 輝男 1999年10月9日
Copyright © 2001 by Teruo Katoh