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1991年夏−北ア:黒部源流を囲む山々
1991年7月28日(日)〜8月2日(金)
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 これまで(特に夏山では)北アルプスをあまり歩かなかったのですが、 誰かの「混んでいるのは槍穂と白馬周辺だけ」という話しを聞いて、黒部川源流帯を半周する計画を立てました。 室堂から薬師、三俣、烏帽子を経て、針ノ木雪渓までの6泊7日の予定です。 小屋だと宿泊費もバカにならないので、主にテント泊の予定です。 さあ〜、予定通りうまく行くでしょうか・・・・。

第1日目:
 室堂(0815)→室堂山(0910-15)→浄土山(0945)→富山大学立山研究所(1000) →鬼ヶ岳(1030)→獅子ヶ岳(1110-20)→ザラ峠(1210?)→五色ヶ原山荘(1245)
 天気予報を見ながら、出発を一日遅らせて、室堂に着いてみると、小雨でした。 重い気分で雨具を着て、五色ヶ原へと出発します。鬼ヶ岳の雪田を慎重に通過し、ザラ峠から五色ヶ原へ登り返しました。 五色ヶ原山荘は風呂付きなので予定通りの小屋泊りですが、初日からこれでは、後が思いやられます。
第2日目:
 五色ヶ原山荘(0400)→鳶岳(0430-0510)→鞍部(0545)→越中中沢岳(0640-55) →コル(0740)→スゴの頭(0800)→スゴ乗越(0830)→スゴ乗越小屋(0915-1020)→間ノ岳(1140) →2830m?(1240-55)→北薬師岳(1400)→薬師岳(1455-1530)→避難小屋→薬師岳山荘(1615)
 今日は薬師までの長い行程の日です。3時に目がさめて外を見ると満天の月明かりでした。 これなら歩ける、と4時に小屋を出発して、鳶岳で陽の出を待ちます。五色ヶ原が朝陽に染まっていくのを眺めていました。 越中沢岳を過ぎ、スゴ乗越を越えると、薬師への緩やかな、けれど長い登りになります。 黒部川対岸の赤牛岳の眺めが、疲れた身体を元気付けてくれました。
陽の出前、鳶岳から 広々とした五色ヶ原の眺め 遠くに五色ヶ原山荘が見える 鬼ヶ岳・獅子ヶ岳の遠望
広々とした五色ヶ原の眺め これから歩く薬師岳 富山平野と日本海 五色ヶ原と立山の山々
ドッシリとした薬師岳 対岸には赤牛岳と水晶岳 立山三山と剣岳 赤牛岳がデカイ!!
 北薬師の肩に着くと、金作谷カールの向うに薬師岳が見えてきます。薬師岳頂上からは残りの二つのカールも見えています。 山頂からの展望を楽しんだ後は、薬師岳山荘へと急ぎました。 風も強くなり、雲も出てきたこともあって、薬師峠のキャンプ場はあきらめて、山荘に泊ることにしました。
北薬師岳がもう近い 薬師岳・金作谷カール 薬師岳・金作谷カール 薬師岳にて
薬師平への下り
第3日目:
 薬師岳山荘(0805)→太郎平小屋(0910-15)→2500m(1015)→北俣岳(1055) →赤木岳(1150)→中俣乗越(1230)→黒部五郎岳(1345)→黒部五郎小屋(1500)
 明くる朝、小型の台風の通過のような天候の中、ためらってはいたけれど結局薬師岳山荘を出発し、太郎平へ。 ここで水をもらって、黒部五郎への道をとりました。一面雨の中、黙々と尾根を歩き、どうにか黒部五郎岳に到着。 カールを下りて、小沢の流れの中を黒部五郎小屋にたどり着きました。 小屋の中は火気厳禁、ですが雨の中を別棟の自炊小屋へ行く気にもならず、行動食を食いつないでいました。 明日の天気はどうなんだろう?
黒部五郎は一面ガスの中
第4日目:
 黒部五郎小屋(0550)→三俣蓮華岳(0745-50)→三俣山荘(0825-0900) →鷲羽岳(1005-10)→ワリモ岳分岐(1050-55)→水晶小屋(1145)
 朝、小雨の中を三俣蓮華へと出発です。三俣山荘からは長い急な斜面を鷲羽岳へと登ります。 今日も小雨と雲の中で何も見えません。 鷲羽からは雲ノ平へ寄り道の予定でしたが、あきらめて水晶小屋へと向かいました。 一面のガスの中、左下のワリモ乗越の方からは人の声が不気味に響いていました。
三俣山荘と鷲羽岳 鷲羽岳への登り ワリモ岳付近の稜線 ワリモ岳と鷲羽岳(左)
雲ノ平の向うに黒部五郎岳(左) 祖父岳と黒部五郎岳(右奥) 水晶岳への登山道 水晶岳への登山道
第5日目:雨のため停滞、水晶岳往復
 外は雨。今日は雨にめげて水晶小屋に停滞と決めこみました。 40人で一杯になる小屋の、半分くらいの人が出発した後を、登ってくる人が場所を詰めて行きます。 よくこんな天候の中を行動しますよネ??。午後、少しガスが薄くなったので、水晶岳を往復して来ました。 雲間から雲ノ平が少しだけのぞいていました。
第6日目:
 水晶小屋(0505)→東沢乗越(0525)→真砂岳分岐(0620)→野口五郎岳(0655-0705)→三ツ岳(0755) →烏帽子小屋(0835-45)→2208m(0915)→尾根取付(1045)→高瀬ダム(1115)→七倉山荘(1200)
 今朝も雨+風のかなり悪い天気でした。 しかし、休みが少なくなって来たのと、天候の回復が期待出来そうになく、針ノ木までは行けないことになりそうなので、 予定を変更し、思いきって高瀬ダムまで下山することに決めました。 風雨の中、東沢乗越を越え、野口五郎、烏帽子と足早に歩きました。 ブナ立尾根の樹林帯になると、風がなくなりいくらか楽になりますし、高度が下がるとガスも幾分はれて来ました。 高瀬ダムからは車道を歩き七倉山荘へ。七倉山荘で温泉に入ってサッパリしました。
真砂岳付近の登山道 雷鳥に出合う 雷鳥に出合う 不気味な不動岳・濁沢
 
 5泊6日歩いて、晴れたのは一日だけ x_x;; 今回の山行は、天候的には「失敗」でしょうか。 あの天候の中、小屋泊りとはいえ、よく歩いたものだと思います。 毎日、小屋に着くと着替えてから濡れた衣類を乾かしていましたから・・・・。 担いでいったテントを一度も使用しなかったのも残念でした。 天候を嘆いても仕方ありませんから、翌年夏に期待しましょう・・・・。

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制作:加藤 輝男 2000年11月26日
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