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わたしたち、かわるよ!


 ひばりが丘学園では創立50周年を記念して、現在のひばりが丘学園での『強度行動障害』への取り組みを本にしました。

 私はこの『わたしたち、かわるよ!』の編集責任者としてかかわりました。
 “強度行動障害”というものを福祉関係者以外の方が読んでも「こんなものかな?」とわかるように編集しました。
 
 出版して以来、様々な方からお問い合わせがあり、印刷部数を超える注文をいただきました。
 増刷も検討したのですが、発行後1年以上も経過していることもあり断念しました。しかしながら今でもお問い合わせがあり、その反響の大きさに驚きを隠せません。
 そこで、PDFファイルにして公開することになりました。 ぜひ、ご一読下さい。

pdf_iconわたしたち、かわるよ!
非圧縮版 File size = 約796Kバイト
pdf_iconわたしたち、かわるよ!
圧縮版 File size = 約708Kバイト
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わたしたち、かわるよ!

─強度行動障害への取り組み─



皆さんは、『強度行動障害』って知っていますか?


 この言葉は、知的障害施設関係でこの10年間で取り組まれている分野のことばです。
 「行動障害」ならわかりそうですが、少し違います。
 そこで、『強度行動障害』をわかりやすく説明する本を作りました!


わたしたち、かわるよ!表紙 ※『わたしたち、かわるよ!

 というタイトルで、体裁は四六版126ページです。
 (右の写真は、表紙です。)

その内容は

 第1章 強度行動障害ってなぁに?
       ……弘済学園園長 飯田雅子氏による解説
 第2章 わたしたち、かわるよ
       ……ひばりが丘学園での実践例
 第3章 ならんであるく
       ……保護者・関係機関等からの報告
 第4章 強度行動障害対策事業への取り組み
       ……事業の概要と説明

  …というものです。

 どなたが読んでも『こんな感じなのかな』とわかるように編集してあります。


この本の中身を、少しだけ紹介します。

第1章『強度行動障害ってなぁに?』より

 「強度行動障害」という言葉が作られたのは1988年です。新たな言葉を作ってまでも、何らかの手立てを考えなければならない悲惨な状態、これを指して「強度行動障害」としました。本人のすさまじい様々な行動、家族は疲労困ぱいの極にあります。施設利用を申し出ても受け入れてくれる施設はありません。さらに苦悩と疲労に追い込まれていきます。当時の厚生省障害福祉課長浅野史郎氏は、綿々とつづられた母親からの訴えに、もっとも急がれる課題として意識し、対策の検討に向けて研究会を委託し、その初会合でこの言葉を生み出したのです。「行動障害」というだけでも厳しさは伝わります。しかし、さらに2文字「強度」を付け加えたのです。強烈すぎる言葉になりました。こうしてイメージをつくり、行政と現場が一緒になって、本人のこの状態の改善に集中することになったのです。
 その動きは、2年間の研究会活動、3年間の厚生省心身障害研究プロジェクトとしての研究、そして、1993年より「強度行動障害モデル事業」として施策化されることになります。このスピードは他に例がないほどに速く、それだけ緊急性の高い課題であることを裏付けます。研究は以降も継続されており、モデル事業は1997年度で全国12施設で実施し、1998年度よりは属人的対策となり底辺を広げやすく展開されるに至っています。
 こうして始まった強度行動障害の改善に向けての取り組みは、各々の施設の場で真摯に進められなければならない課題です。それは、知的障害の福祉のあり方の原点を明らかにすることにつながり、行動改善によって得るその人の安定した暮らしをつくり、支援する施設の役割にもつながるからです。

神奈川県立ひばりが丘学園創立50周年記念誌

『わたしたち、かわるよ!』    
─ 強度行動障害への取り組み ─

より引用

※神奈川県立ひばりが丘学園の許可を得ない無断引用は厳禁します。


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(Top Page Modified :2002年 3月 15日 金曜日)
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