あらすじ


一場所
「出現!!!」
 飛行機のファーストクラスの座席の中に土俵を乗っけて座る大関という、驚愕の見開きで物語はスタート。そのころ、物語の舞台となる両国県警捜査課では、きょーかつ殺人犯を捕まえるという初金星に浮かれる新人刑事今井一と、紋付袴で正装して、大関を向かえる準備をする課長の星野王子が、捜査課にくるFBIの刑事(大関の事)についての話を。
 で、大関の乗る飛行機を二人組のハイジャックが占拠。金持ちを蹴り倒すなどの傍若無人ぶり。が、兄貴分の方が土俵につまづき、「うひょー どっひょー」と驚き、毒づきながらつばを吐くと、土俵を汚したと大関に土俵に叩きつけられる。ビビる弟分が戦意喪失をアピールすると、無気力相撲はイカンと激怒する大関。とっさの機転で足がつったと言い、不戦敗に。罰としてレポート100枚を書かされる。
 飛行機が成田空港付近に差し掛かったところで、国技館を見て慌てる大関。「国技館の上をけつ向けて通れるかぁ〜!!!!!」と言い出し、飛行機の停止という無茶な要求を。間に合わんと言い出し、ドアを蹴破って、飛び降りる。
 で、手の平を返したようにハイジャックしなおす二人組。が、土俵を取りにきた大関に捕まって、失禁。レポートは3倍に。
 一方、捜査課ではきょーかつ殺人犯の取調べに手を焼く今井。暴れだす犯人が、特上の寿司を今井に要求。そこへ土俵に乗った大関が天井を破って落下。国技館は無事かと安堵し、立ち去ろうとする大関だが、思いがけず課長と再会。今井と犯人に太刀持ちをやらせ、土俵入りで挨拶。感涙する課長。大関が例のFBIの刑事だと聞かされ驚愕する今井。
ガチョン太朗の
人生山あり谷あり
モアメッドアリ
その(1)
 単行本用の書き下ろしコラム。
 ガチョン先生は、睡眠が大好きで、1日8時間から10時間寝ないと、体調が悪くなるそうです。
 で、連載前の打ち合わせの際、後ろの席にいた新人マンガ家らしい人物に編集者らしい人物が、「Y先生やT先生なんか新人の頃一年間すいみん時間3時間でしかもつくえの上で寝てたんだぞ!!」と離しているのを聞き、「なっ なにィィィ〜〜〜〜!!!」と飲んでいたジュースを噴き出します。
二場所
「チャンコ」
 大関のことをFBIの刑事だと信じられない今井だが、大関にFBIの化粧まわしを見せられて納得。
 そこに、我に返ったきょーあく殺人犯が、寿司を再要求。が、それを耳にした大関は、なぜチャンコにしないのかと激怒。壁をも破壊するつっぱりに、身の危険を感じ、殺人を自白する犯人。その取調べ(?)の手腕に感動する今井。そんなことはお構いなしに、チャンコを頼まない理由の説明を三千字以内で求める大関。失禁する犯人。
 そして、今井に新人の心得として「三年後のけいこをしろ!!!分かるか 今井〜〜〜〜!!!」と説く大関。「はうああ〜〜〜 なんてファンタスティックですばらしい言葉なんだ〜!!!」と感激し、弟子入りを希望する今井。
 そこに課長が大関に署の建物の修繕を依頼。引き受ける大関。翌日、署が見覚えのある建物に変貌したと大関に尋ねる課長。なんと署の建物が国技館に。「うーむ やはり力士はこの中で働くのが一番ですな!!」と満足げな大関。国技館の消失を報道するレポーター。
ガチョン太朗の
人生山あり谷あり
モアメッドアリ
その(2)
 他のマンガ家や編集者にマンガ家になるには根性が必要だと言われた先生。睡眠不足に耐える根性が必要なのかと納得するガチョン先生。
 だが、当初の心配をよそに、連載を始めても12時間の睡眠が取れたそうです。
 なぜだ!!…と考えてみると、ガチョン先生は絵を描くのが早くて、話を考えるのも早かったからだそうです。
 すげーぜ ガチョン!!と誇る先生
参場所
「恩讐のかなたに」
 いつの間にか元にもどってる両国県警。今井が浮かれて歌いながら自己紹介をして歩いていると、捜査課の前に人だかりが。中から太鼓の音がするとのこと。今井がドアを開け、中に入ると、なぜか部屋の中に土俵があり、その上では初仕事だという事で一番だいこが叩かれている。今井が大関になぜ土俵があるかと問い詰めるも、「土俵は 力士の職場だぁ!! たわけがぁ!!」と一喝され、言いくるめられる。しかも今井の席まで専用のミニ土俵になっている。
 そこに課長が現れ、大関を叱ってくれると期待する今井。だが、予想に反し大関が用意した黄金のマス席に座る課長。今井が怒らないのかと聞くと、「今井…そーさ課というのはね…相撲で言うマタワリなんだよ…!!分かるだろう?」と諭す課長。課長も訳がわからない人だったとショックを受ける今井。
 そこに課長を尋ねてくる。眼鏡をかけた真面目そうな男が。課長には覚えがない様で、誰かと尋ねると「5年前課長につかまった、包丁一本さらしにまいたコージです!!」、と自己紹介を(ちなみに、今井はこいつを逮捕した課長を見てあこがれて刑事になったとの事)。
 で、刑期を終え就職が決まった報告に来たと言うコージに対し、課長がどこに勤めるのか尋ねると、「関東集英会っス〜〜〜!!!」と態度を豹変。包丁を持って課長に襲い掛かる。課長をかばう大関。包丁が腕に刺さるが通じず、逆に包丁の方が曲がってしまう。
 コージの処遇については大関に任され、とりあえずレポート300枚という事に。罪が軽くなるかと尋ねるコージに「ならん!!!」と一喝する大関。
ガチョン太朗の
人生山あり谷あり
モアメッドアリ
その(3)
 ガチョン先生は、睡眠と同じくらいギターも大好きだそうです。が、一般小市民はギターのことを知らないと嘆いています。
 スーファミでストII(だと思う)をプレイするアシスタントに「ポール並に早いぜ〜〜〜!!」とテクを自慢するも、「へ〜〜〜 それのどこがすごいんスか?」と軽くあしらわれ、「そそそ そんな〜〜〜」とショックを受ける先生。
 っていうか、アシスタントなんていたんですか。
四場所
「愛すればこそ」
 没収された改造車を取り返そうと両国県警に詰め掛ける暴走族の集団。「あのマシンに乗れなきゃ 俺は死んだも同然なんだよ!!」との事。が、大関が単車を踏み潰して通り過ぎていってしまう。恐怖に耐え、勇気を振り絞って大関に謝れと詰め寄る総長の高崎山。殺されるかと思ったが、予想に反して泣いて土下座する大関。「オレもあの国技館がぶっこわされたら自殺をも考えるだろう…」と。
 で、単車をどうしてくれるかと聞くと、成仏できるようとに塩をまいてやる大関。できれば新しい単車が欲しいという高崎山。わかったと言い、捜査課に案内する大関。口で爆音を奏でながらついて行く暴走族だが、捜査課にある土俵を見て驚愕する。で、相撲に勝ったら単車をやろうとのこと。無理だと諦めかけたが、今井が相手だと聞き張り切る高崎山。今井は柔道二段だと豪語し、上手投げを狙うが、柔道着がないため、逆に高崎山に投げつけられる。
 約束どおりに単車をくれよと言う高崎山に、「単車はお前の足元にある!!」と言う大関。疑問に思う高崎山に「土俵には金だろーが 単車だろーが すべてが うまっているんだぁ!!!」と一喝。血と汗となみだのけいこで取り出せると。それを聞いて感動した高崎山と暴走族一団。一部始終を見て感涙する課長。その後、この中から横綱が生まれたとの事。
ガチョン太朗の
人生山あり谷あり
モアメッドアリ
その(4)
 一千万通来たファンレター(うそつけーー!!)の中で、ギターについて書かれているものが多かったとのことで、先生直々のギターのスコアが。
五場所
「メンチの政」
 今日が給料日だと大関に伝え、そして、最近たるんでいる今井をたたき直してくれと頼む課長。そこに遅刻してきた今井が。給料を懸賞金にしたので、欲しくば自分に勝つことだと今井に伝える大関。問答無用で張り手で今井を弾き飛ばし、行事のしょーのすけから懸賞金を受け取る大関。給料を奪われた今井に、たるんでいるからだと説教する課長。説教を聴きながら居眠りをぶっこいている今井に対しめずらしく怒鳴る。が、土下座して謝る今井に納得し、給料を返すよう大関に言う。
 そこにしょーのすけが交通事故にあったとの通報が。それを聞いて慌てる大関。現場ではしょーのすけを避けてベンツが電柱に衝突したと因縁をつけて足蹴にする関東集英会のメンチの政。目を見て謝れと言いながら、目を見て謝るしょーのすけにメンチを切ったと言いがかりをつける。
 そこに駆けつけてきた大関が政に張り手をかまし、しょーのすけを掴みあげ、大丈夫かと一喝。思わず失禁するしょーのすけ。小便を漏らさせたと怒りを向ける大関に、自分はメンチ一筋で関東集英会の大幹部にのし上がったメンチの政だと、メンチを切るが、返り討ちに会い、失禁し気絶する政。大関に捜査課に連れて行かれ、呼び出しとして修行をさせられる。それを見て「うーん絶好調!!」と感涙する課長。
六場所
「華麗なる熱き復讐」
 関東集英会に戻り、部下に出迎えられる政。大関のところで修行をしていた昨日の事を部下に聞かれるが、メンツが潰れると本当の事を話せず、女の所にいたとごまかす。そこに電話の子機を持った部下が、大関から電話だと伝える。戦慄する政。部下の前では話せないので、失禁しながらも自室へ急ぐが、玄関の敷居につまづき電話が切れてしまう。
 怒りに震えるが、気を取り直して政のところへチャンコを食いに行く大関と、それについて行く今井。二人が来ないうちに離れようと借金の取立てに行こうとする政だが、一足遅く捕まってしまう。
 屈辱の中、割烹着を着てチャンコを作る政。メンツの保持と、怒りのため、チャンコにトリカブトを入れて大関を殺害する事を計画。果たして、大関がチャンコを鍋ごとかっ込み、作戦成功かと思ったが、「ぐわっちぃぃぃぃぃ〜〜〜!!!」とチャンコを全部吐き出す大関。密かに猫舌だったとは。が、代わりにチャンコを食い、倒れる今井。それを見た大関が政にチャンコに何を入れたか問いただす。「ト ト ト ト トリカブトをほんの少々…かくし味に…」と言い訳する政に対し、怒に震える大関。が、「よくも神聖なるチャンコに毒など入れてけがしてくれたなあ!!!」と今井のことはそっちのけで激怒。で、ヤクザから足を洗い大関の弓取りにさせられる政。今井の方は大関の一喝で一命を取り留める。それを見て「うーん さいこー」と感涙する課長。
七場所
「英会話の鬼」
 署の人間を集めて、「最近は多国籍犯罪が増えてきている」「言葉の壁は防弾チョッキのようにぶあつい!!」「心頭滅却すればマス席もまた広しと言ってね…」と演説する課長。首をかしげるメンバーに、「FBI出身大関先生による英会話教室」の新設を告げる課長。あと、密かに弓取りとして近づき大関を殺すチャンスを狙う政も。
 で、授業が開始し、英語が話せるものがいるかとの質問に一同しーんとする中、英語が8段だと豪語する今井と、意外にも英語がしゃべれる政が挙手をする。で、外国風セットの中、挨拶の場面を実演する事に。呼びかける今井に対し、いきなりメンチを切る政。いきなりメンチ切ってどうするとの大関に、今のは対外人用のメンチでしてと言い訳する政。本当に英語が話せると驚く一同に、拳銃やヤクを外国で仕入れるのに必要だからだと自慢する政。当然、銃刀法違反と薬物取締法違反の疑いでしょっ引かれる。
 で、いよいよ大関の英語が披露というところで、外国人容疑者の取調べの際の通訳の依頼が。水戸泉並みの気合を入れて鼻血を出す大関。取調室では、英語でアメリカンジョークを話してすっとぼける容疑者が、自分に触れた警官に対して暴行を働いている。自分は日本人に体を触られるのが一番むかつくと。が、自分をつかみ上げる大関には泣いて謝り(この期に及んで英語)さらに失禁。が、日本語でしゃべれと一喝する大関。本当は日本語がペラペラだと謝る外国人容疑者。ずっこける一同。FBIの刑事だったくせに英語が話せないことに愕然とする今井。「このわしに英語など不要!!」と大関。自供するから助けてと泣いて助けを請う容疑者に、助かりたいなら力士になる事だと言う大関。彼は九州場所初土俵をふんだとの事。
八場所
「メンチ王の憂鬱」
 両国県警午前4時。けいこをさせられる今井と政。文句を言う今井に「将来横綱をめざす者がなに弱音はいとるかぁ〜〜〜〜!!!」と一喝する大関。
 午前7時。組の用事があると帰ろうとする政。大関がヤクザをやめたのではないかと問いただすと、建設会社の寄り合いがあってと言い訳し、そそくさと帰る政。
 で、両国カントリークラブで、関東集英会の部下と一緒にゴルフをする政。「たか…はな…だぁっ!!!!!」の掛け声とともに政がショットを打つ(ダフってる)と、茂みに隠れていた部下がフェアウェイに穴を掘り、無理やりホールインワンに。悦に入る政。そこへ会社社長が50万円で順番を譲れと頼み込む。が、政に蹴られ暴行される。社長の部下が警察に連絡しようとするが、政の部下に足止めをされてしまう。が、密かに持っていた携帯電話で通報をした。
 政の一団と、社長の一団が乱闘をしているところに、茂みから通報を受けた大関達が乗る車が駆けつけ、勢い余って木に衝突。今井が助手席からフラフラになって降り、免許を持っているんですかと尋ねると、車のドアを蹴破った大関が「地球をよごす乗り物にィィ 免許など必要ないっ!!」と滅茶苦茶な屁理屈。大関を見て戦慄する政。逃げようとするが大関に捕まってしまう。ヤクザをやめたのではないのかと問い詰める大関に、部下が見ている手前、ぶっ殺してやるとタンカを切る政。お前の血でゴルフ場を汚したくないと、林の中に大関を連れ出す政。が、部下の目がなくなったところで、まわし一丁になって土下座して謝りだす。
九場所
「野望のはて」
 部下に見つからないように大関のところへ行こうとする政。が、部下に見つかりどこへ行くのか尋ねられ、また警察でまわし姿でいたところをみた部下がいるらしいという話もされる。修行をさせられながらも、女・金・権力のヤクザの世界を守るため、大関を殺し弓取りをやめようと誓う。
 朝稽古。現金輸送車強奪の通報を後回しにして、すり足でジョギングをする、大関、今井、政の3人。すれ違う野球部員に指を指して笑われ恥ずかしがる大関以外の2人。で、関東集英会の近くに差し掛かり、こんな姿部下に絶対に見せられないと焦る政。必死になって戻ろうとする。
 そこに、強奪された現金輸送車が。それを見て大関をひき殺す作戦を思いつく政。大関に運転席に投げ込むよう頼みこむ。で、無事に運転席を乗っ取り、アクセルを踏んで大関をひき殺そうとする。が、大関に車ごとうっちゃられる。とりあえず、銀行強盗をメンチで脅し、彼がやったことだと言い訳する政。が、夕刊に弓取りになった自分が銀行強盗を捕まえたという記事が。組に帰れないと心配する政。しかし、関東集英会はせこい組なので新聞はとってなかったとの事。
千秋楽
「大団円…?」
 大関に関東集英会のがさ入れを依頼する課長。成功したら例の話を考えてもらえると聞いて張り切る大関。大関に明日関東集英会にがさ入れ行くからついて来るかと聞かれて、慌てて組に戻る政。部下に外国行きの飛行機のチケットを予約させ、がさ入れのことも伝える。
 夜の12時、準備を整え、就寝しようとする政の耳に轟音が。玄関に行くと、「けんじゅー・刀・その他相撲に反する武器をだせ〜〜〜〜!! それとレポート100枚だ〜!!!」とがさ入れする大関が。がさ入れは明日じゃないんですかと尋ねる今井に、「12時をすぎれば明日なんだよ〜〜〜〜 たわけがぁぁ〜〜!!!」と小学生みたいな屁理屈をこねる。逃げようとする政だが、警官に屋敷を包囲され、庭の茂みに身を隠す。壊滅した組を見て、悲嘆に暮れる政だが、鏡に映る自分を見て、海外でウルトラメンチを武器に再起することを誓う。
 両国国際空港。案内係の説明もそこそこに飛行機に慌てて乗り込む政。が、なぜかそこには土俵に乗った大関と今井が。間違えて九州行きの飛行機に乗ったことを知り、落胆する政。そして、福岡国際センターを見て慌てる大関。「はいはい…どーせケツ向けて通れないんでしょ…」と開き直るスチュワーデスを横目に、今井と政を連れて、土俵ごと落下する大関。が、タイミングを間違えて、国際センターに落下。大騒ぎになる場内。弓取りとして政をおいていくから許してくれないかと言う大関に「ゆるすか〜〜〜!!」と激怒する理事長。
 その後、大関は相撲道を極めるべく警察を辞し幕下付出しとして一月場所からデビューしたとの事
ガチョン太朗の
人生山あり谷あり
モアメッドアリ
その(5)
 以下2つの読み切りを描いていた頃を振り返って。高校を卒業して、プーの時に描いたものだそうです。けっこーおもしろいと思うと自画自賛されています。で、当時は朝寝て夕方起きるという堕落した生活をされていたそうです。で、今もこの生活を続けていて、この2年間太陽をまともに見ていないそうで、ポール・ギルバート並に色が白くなり、おまけにヒゲから金髪が生えてきて、外人になってしまったそうです。
 ―自称ディオ―。「うおおおおのぉおれぇ太陽めぇぇ!!」
どすこい読切
「大相撲刑事土俵入り」
其ノ壱
 集英社に立てこもる犯人を包囲する警官達。「ムダな抵抗はやめてすぐに出てきなさい」と呼びかける捜査課の課長(ちなみに本連載の時の星野王子課長とは別人)。と、正面ドアのガラスを突き破って飛び出してくる犯人達。今井が「ほんとに出てきやがった…」と驚いていると、ドアをぶっ壊して悠々と出てくる一人の相撲取りが。今井達が騒然としていると、男は「本日より赴任した大関だ!!」と自己紹介をし、「これは手みやげだ 例はいらん」と犯人を引き渡す。課長が「ははは そりゃどーーも」と挨拶すると「礼はいらんと言っただろ!!」とツッコミが。
 捜査課。室内に土俵を持ち込み仕切りをする大関を課長が課のメンバーに紹介。騒然とするメンバー。「一体いつ土俵を持ってきたんだ?」とツッコむ今井。そこに銀行強盗の発生の通報の電話が今井の所に。驚く今井から、電話を奪い取って場所を聞く大関。
 犯行現場の銀行を取り囲む警官達。大関の到着を待つ課長。そこへ一台の暴走車が突っ込み、警官たちを轢き倒し、課長に直撃。激突、炎上する社内から今井が火だるまになって慌てて飛び出す。警官に火を消してもらい、ひと心地ついた今井の「免許持ってないんですか?大関さん!!」との問いに、悠然と社内から降り、炎をバックに「地球をよごす乗り物に免許など……必要ない!!」と決める大関。そしていつの間にか出現した土俵の上で四股を踏みながら犯人について聞く大関。犯人はアゼルバニジョン吉田(23)、人質をとっているとの事。アホな名前だ、とツッコミを入れる大関。そこへ逃走者を犯人が銃を乱射。嫌がる今井を盾にとって銃弾を受ける大関。何発もの銃弾の直撃を受けて絶叫する今井。「わはは安心しろ 人間これくらいじゃ死にはせぬ!!」と根拠のない声をかける大関だが、今井は「うう…死ぬう…」と絶命する。さすがに顔が真っ青になる大関だが、「ゆ・る・さ・ん 絶対許さんぞ〜〜〜〜!!」と開き直り、犯人に対して怒りの矛先を。「ふざけるな!! お前が殺したんじゃねーか!!」とツッコむ犯人。「そんな相撲ヤローがこのオレ様に勝てると思ってんのか!?」「このチョンマゲ」と挑発する犯人に、キレて土俵を持ち上げる大関。犯人が銃で大関を撃つも、銃弾が体ではじき返される。土俵を建物内に投げ込む大関。驚愕する犯人。「さあ 立てっ!! その腐りきった精神を 上手投げでたたき直してやる!!」と犯人にタンカを切る大関。それに対し、自分のことをモンゴル最強の相撲をマスターした始めての日本人なんだぜ、と豪語する犯人。自分のことを着やせすると言い服を脱ぐが、ものすごい肥満体。
 で、相撲を取り、買ったら許してやろうという事になり、刑事と犯人が相撲を取るという、おそらく世界初の事態に。土俵上で見合う二人。ここで犯人の回想シーンが。3年前のモンゴルで熊を相手にモンゴル相撲最大奥義"電車道"を披露する犯人。そして熊を倒し、その肉を喰らう犯人。で、回想が終了し、大関に"電車道"を披露する犯人。が、その直撃を大関が真正面から受け止めてしまう。驚愕する犯人。「まだまだ あまいな 刑務所で稽古するんだな!!」と告げ、上手投げで犯人を土俵に叩きつける大関。完敗を認める犯人に、読書感想文100枚(本は何でもいい)の提出を明日までに命じる大関。「あの〜〜 それで罪はかるくなるんですか?」との問いに対して一喝「ならん!!!」。
どすこい読切
「大相撲刑事土俵入り」
其ノ弐
 JAPAN相撲協会に立てこもる犯人を包囲する警官達。犯人はハサミを振りかざし、バーコードハゲのオヤジを人質にとっている。「一歩でも動いたらコイツの髪の毛切るぞ!!」「やめてくれ〜〜ハゲにも人権はある!!」。署のお偉いさんが犯人の要求を聞くと、「貴花田呼んでこい 貴花田!!」とのこと。が、犯人の背後から近づくものが。「うっちゃり くらわせてやろうか え?」と、大関が犯人を取り押さる。課長がお偉いさんに大関の事を紹介。「腕相撲強そうだな」とのお偉いさんの感想。で、占拠犯にレポート30枚の課題を明日までに。「あのーー それで罪が かるくなるんですか?」の問いには「ならん!!」と。
 捜査課。課のメンバーを前に大関を褒め称える課長。今井に大関の下で刑事として修行するように命令し、今井も快諾。パトロール中の車内。車を運転しながら今井が大関に、なぜ刑事になったかを聞いた。すると、大関は「お前のおふくろは男か?」と意味不明の質問で返し、「いいえ女です」と答えると、「じゃあ そーゆー事だ!!」と結論。戸惑う今井。
 そんな二人が乗る車を双眼鏡で覗く、変な格好の兄弟が。大関の事を捜していて、「まさか湾岸戦争で何もしなかったジャパンにいるとは思わなかったぜ!!」と。二人は3年前10円のチョコを万引きして、大関に捕まった過去について語る。レポート100枚をたった1日で書かされ、二度と万引きのできない体になってしまった、と。二人は復讐に燃え、レポートを500枚書かせ、二度と刑事のできない体にする事を誓う。
 そして、大関達の乗る車の車内無線に、「緊急事態発生!! 埼玉県の麦畑に…… ミステリーサークル出現!!」との報せが。今井が、一笑に付すと、「おい キサマ なにがおかしい?」と怒り出す大関。「ミステリーサークルっていうのはな…… 連続幼女誘拐殺人と同じくらい重大なんだよ!!」とアイアンクローとともに説明され、納得する今井。現場に向かう事に。現場には先に到着していた課長とお偉いさんが、ミステリーサークルについて話し合う。課長の「これ描いたの宇宙人ですかね?」との問いに、「お前 頭おかしいんじゃないのか?」とツッコむお偉いさん。麦畑のまんなかには土俵が作られ、その上には巨大なとぐろをまいた大便が。周りには「大関アホ」「大関ウンコ」などと書かれたノボリが。「こんなもの宇宙人が描くか!!」。それを木陰から覗き、この作戦について語る万引き兄弟。大関を怒らせ、血管がピクピクになったところを吹き矢で狙い、出血多量で殺すという作戦を。が、その後ろから1台の暴走車が現れ、木に追突する。車からよろよろになった今井が降り、「本当に免許とったんですか?」と大関に質問。「地球をよごす乗り物の免許など…だれがとるか!!」と返答しながら悠然と降りる大関。その姿を見て「ゲエッ おおじぇきッ!!」と不意を突かれて驚く二人。二人を見て懐かしがる大関に対して、探す手間が省けたと強がり、後ろのクソ土俵を指し示す二人。それを見た大関だが、予想に反し呆然としている。首をかしげる二人だが、すぐに我に帰り、「きぃさぁまぁらぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」と絶叫する大関。そこをすかさず吹き矢でこめかみの血管を狙う兄きだが、血管に直撃した吹き矢はキン、と跳ね返される。「そんなバカな……」と愕然とする二人に、「上手投げ!!いや……うっちゃりをくらわしてやる!!」と歩み寄る大関。二人が必死になって謝るも、まるで意に介さず、相撲のマス席のチケットでの買収も、「オレはどの席も年中無料フリーパスだ!!」と断る大関。髪を引っ張られ泣いて謝る二人を許してやる事にし、レポート200枚を明日までに提出するよう命じる大関。「あの〜〜 それで罪はかるくなるんですか?」との問いに対しては「ならん!!」と一喝。
特別読切
(週刊少年ジャンプ
1992年第14号掲載)
 両国県警。ここには捜査員が一人だが、検挙率100%の類を見ない捜査課があるとのこと。
 取調室。新米刑事の今井がスリ容疑者の取調べに手を焼いている。はけと言われて嘔吐するスリ容疑者の横暴ぶりに、供述の書き取りをしていた今井の先輩の山さんが見かね、「心頭滅却すれば火もまたすずし もういいよ今井」と声をかける。そして、「しのびがたきをしのびあの課にたのもう!!」と提案する。「あ あの課!! でも この人 死んじゃうかも…」とスリ容疑者の身を案じる今井。
 拘置室へと続く廊下で、山さんが歩を止め、「ここはな…涙のろーかといって ここに来た犯人すべてが 泣いて土下座すると言う 言い伝えがある」と説明をする。それを鼻で笑いながら拘置室の中にスリ容疑者が入ると、なぜか中には土俵が。「ど・土俵〜(どっひょ〜)」と驚くスリ容疑者。そしれ、その土俵の上では力士姿の巨大な男(大関)がまわたりをしている。その男の睨みから発せられる殺気に、凶悪犯罪者だと直感するスリ容疑者。スリ容疑者が弟子になりたいそうだと大関に言い残し、扉に鍵をかけ立ち去ろうとする今井達に対して、大関との別室を懇願するスリ容疑者だが、「あわれなやつだ…」と二人は去ってしまう。
 「おい 新入り!!」と大関に呼び止められ、大関を牢名主と勘違いし、エンジョイ拘置ライフを送ろうと、態度を急変し、大関に取り入ろうとするスリ容疑者。大関がスリ容疑者に着替えの浴衣を渡し、スリ容疑者が寒いと文句を言うと、「お前は新弟子だ!! 一年中浴衣着るんだよ!! つまり序の口だ!!」と説教する。そして、自分の事を親方と呼び、自分の四股名は埼玉の海だと。それに対して、おスモウさんゴッコだと思い、とりあえずは従う事にするスリ容疑者。そして、トイレに言っていいかと聞くと、「ならん!!」と一喝され、まずは新弟子検査だ、と検査を受けされられる。身長167cm、体重62kgとの結果に、「キサマ〜〜力士になる気あんのか!! 全然基準にたっしてないじゃないかぁ!!」と理不尽な怒りを喰らう。そして、「身長が足りんならシリコンつめりゃ〜いい!! 舞の海だってそれで力士になったんだ!!」と大関。頭にシリコンを入れると死ぬよ―な痛みがあると舞の海が言っていたのを思い出し、恐怖するスリ容疑者。
 力士時計が12時を告げ、昼食の時間になる。大関がチャンコを食べ終わるまでスリ容疑者が待っていると、気にせずにお前も食えと勧めてくる大関。大関に気に入られたとスリ容疑者が喜んでいると、たーんと食って150kgまでは太ってもらわないとな、と突拍子もないことを言い出す大関。スリ容疑者が無理だと言うも、口の中にチャンコを無理やりねじ込む大関。自分のことを力士にするというのが本気なんだと気づき、戦慄するスリ容疑者。
 昼食後のおひるねの時間。大関が寝た後、自分はこのまま埼玉の海として人生を終えるのかと、今後を案じるスリ容疑者。気を落ち着けようと、隠し持ったタバコを吸うと、急に怒り出し、張り手をかます大関。スリ容疑者がタバコは気に召さないのかと聞くと、「タバコを吸って地球の空気を汚しやがって!! 許さんぞ!!」と激怒する大関。二度とタバコは吸わないとスリ容疑者が泣いて謝ると、レポート100枚を明日までに提出するよう命じる大関。「あの〜 それ書けば許してもらえるんですか?」との問いには「ならん!!」と一喝。
 そのやり取りを見て、大関の手腕に感心する、山さんと今井の二人。涙を流すスリ容疑者に、涙のろーかの伝説の成就を見、大関の恐ろしさを再確認する山さん。取調べに応じるから出してくれと懇願するスリ容疑者を、今井が出そうとすると、檻をこじ開け、「まていっ!!」と静止する大関。「お前は横綱になるまで帰さんぞぉ!!」と。上手投げの稽古だと、スリ容疑者を投げつけようとする大関。失禁し、今井達に必死で助けを請うスリ容疑者。大関の一喝で気絶している今井達。
 「両国県警大相撲課…その存 在を犯人は最後まで気付か ない!また、なぜか拘置室 内にある理由(わけ)は、単に大関 のわがままであるらしい…」 とのモノローグで物語は終了する。

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