この作品は、ゲーム批評の悪趣味ゲーム紀行のマインドシーカーのときの話のまくらに取り上げられていたやつです。せっかくだから探していたら、暴れん坊天狗があった横須賀のショッパーズプラザの中古屋でビデオをゲットできました。
ということで、なんか思い出したように感想でも書いてみます。
ビデオを再生すると、無限に広がる宇宙の中、ナムコを代表するキャラクターのパックマンのCGが、ナムコの名前をアッピールしてます。いいのか、こんなヨゴレ仕事やらせて。ピストル大名あたりにやらせといたほうがよかったような気がするけど。
で、話はカブキの座長のサトウってオヤジと、その孫娘のロータスの会話から始まります。1000年に一度甦る魔王のことについてです。
水星が旅を終え”竜”が
”木星の輪”を通る時
もしも猿が
豹の背中に乗り
虎が美女を食べると
魔王が世界を永遠に
ってかんじの謎めいた予言で、わりと盛り上がりの様相を見せています。
で、それに対抗するカブキマンの魂もこの世に甦ったらしいんだけど、それを継承する予定のイチロウって人が、オープニングで魔王の手下にいきなり家族もろとも惨殺されてしまいます。
しょうがないので、別の人間に超能力を譲り、カブキマンを出現させようということになります。
で、オヤジが聖餐とかいって小箱にいっぱいのミミズをムシャムシャと食っています。ところで、どういう特撮を使ってるんでしょう?口に入れてるミミズもちゃんとうねうね蠢いてるんですけど。
で、主人公のニューヨーク市警の巡査部長ハリーが、サトウが座長を務めるカブキを上司の勧めで見に行きます。ちなみにタイトルは”カブキ・カップル”らしいです。
彼は、カブキのことを「何百年も続いた伝統芸能で、男が女の役をやり、動きは緩やかで、妙な声を出すそうだ」って思ってます。まあ一介のアメリカ人である主人公がそう思ってるのはいいとして、なんか制作者もそのままの認識っぽいです。
舞台の後ろの○にカの字(カブキのカ?)や、カツラをかぶった白く顔を塗った人あたりは努力の跡がうかがえるとして、イギリスの国旗模様の扇子をしてる人や、テーブルでトランプに興じていて、ボトルでドリンクを飲んでるアメリカンポリスの帽子をかぶってる人とかはなんか違うと思います。あと、妙な声って鼻つまんで出すもんじゃないとおもいます。
もしかしてわざとそういうふうな演出に?って特にフォローが無いから、これを見た無垢な外人さんは絶対、日本文化について勘違いすると思うけど。
いちおうちゃんとした公演という設定らしく、TVカメラも来てるんですけど。”気分だけでもリッチに”っていうどうでもよさそうなタイトルの番組ですけど。 アナウンサーのインタビューに対して、スポンサーの億万長者で、慈善家のレジー・スチュアートってジジイがいけしゃあしゃあと文化の振興のためとか言ってます。なに考えてるんでしょうか、コイツ。っていうか密かにコイツが魔王だったりするんだけど。
で、役者に紛れ込んでた魔王の手下が、いきなり舞台で銃撃戦を始めたんだけど、観客は劇の一部だと思って大歓声。なんで日本の伝統芸能に銃撃戦があるんだよ。ハリーも大爆笑してるけど、隣の人が流れ弾くらって頭から血を流して死んでるのを見てやっと異変に気づきます。
で、刑事らしく舞台に上がって応戦するんだけど、銃撃戦のドタバタの中、死ぬ間際のサトウのオヤジにキスされ、超能力を勝手に継承させられ、いつの間にか化粧に着物の姿に変身してます。
で、次の日、上司のベンダー署長に話を聞くと、犯人(死体)をスチュアートの護衛がしょっぴいてくれ、ホシはトヨタを首になって、日本人を恨んでる者の単独の犯行ということで事件解決になってしまっています。
納得できないまま、署に来た被害者の孫のロータスに話を聞くと、超能力をあなたが受け継いだ、祖父を殺したのは悪霊だ、聖餐のミミズを食えと突拍子もないことをいわれ、要領を得ない受け答えをしてると、彼女にバカよばわりされます。まあ、主人公の方が正しいと思うけど、隈取りとか着物はカブキマンの魂のせいって言われたらちょっとは信じてあげてもいいのに。
で、そのへんの話はほうっておいて、同僚のコニーって女性とデートってことで公園へランニングに行きます。
彼女が追っているヤマは、スチュアートとグルになって麻薬の取引をやってるスナイプスって牧師で、今夜裁判があるそうです。
で、バテる主人公を置き去りにして、とっとと先に行くコニーを、何者かの集団がさらって、彼女に暴行がくわえられます。助けに行った主人公も、取り囲まれて殴る蹴るの暴行を受けピンチに陥りますが、ゲタが飛んできて助けに来てくれます。
そして、やおら踊り出したかとおもうと、緑赤黒の永谷園のお茶漬け模様(なんて言う名前だっけ?)の布に包まれ、変身シーンが始まります。
顔が真っ白になり、隈取りが現れ、髪形が変に(っていうかカブキっぽく)なり、マントを羽織り、ポーズを決めます。でもって決めゼリフ、「セーラーファイターは無敵よ」「カ〜ブ〜キマ〜ンサ〜ンジョ」って、アクセントがどうのこうのって話はこの際どうでもいいとして、ヒーローとしての威厳とかやる気とかいうものがまったく感じられません。っていうかバカにしてない?あんた。
で、なぜかオペラを高らかに歌いだし、そして戦闘開始です。で、戦い方なんですが、日本刀は相手の武器を細切れにするのしか使わなく、○にカ印の扇子はいいとして、なぜか割り箸や寿司を武器にして戦います。割り箸ってのはなんだよ。プラスチックでもいいからちゃんとした箸を使いなさい。
で、みごと暴行犯を撃退しますが、なぜか最後に残った1人だけは執拗に頭をつぶしてます(たぶん死んでる。他の人は痛い目にあわせてるだけだと思う)。なんか恨みでもあるんですか?
結局コニーは入院ということになり、ロータスと一緒にレストランで食事に行くんですけど、なんか日本人になったらしいとかぬかした揚げ句、生魚をそのまま咀嚼してます。それって化け猫かなんか別なモノが入ってませんか?
で、主人公はこういう状態になっても彼女の突きつけるカブキマンや魔王の話を無視しています。
で、テレビをみると、コニーが追っていた牧師が暴行犯たちを釈放して、貧しい子供たちだから疑われているんだと演説をしていました。
不安に思い病院に向かう主人公ですけど一足遅く、すでにスチュアートの手下が病院に潜り込み、コニーにモルヒネを大量に処方して、投薬ミスってことで彼女を始末してしまいました。
劇場の銃撃犯と病院で見た男が同じで怪しいとおもった主人公は、牧師の所に問いただしに行きますが、そこで戦闘になってしまいます。
そこでカブキマンに変身しようとしますが、力のコントロールができなくて、なぜかピエロに変身してしまいます。
しょうがないからトンズラってことで、なぜか子供から三輪車を奪って逃げ、牧師の手下とのカーチェイスが始まります。ってなんで三輪車が普通のスピードで走ってるのに追いつけないの?
で、カーチェイスは、車が横転したり炎上したりと結構金がかかってます。この金少しでもカブキ関係の考証のために回せなかったんでしょうか?
で、無事に逃げ切ったらしいんですが、街は大パニックになってしまい、主人公は停職になってしまいます。
しょうがないので、頼みの綱のロータスの家に向かいます。出迎えてくれるのは執事の猿(名前はトヨタ)です。で、ちゃんとミミズも食ったので(チキンみたいな味らしい)、力をコントロールする方法を教えてくれとロータスに頼み込みます。
で、修業ってことで赤タイツを着て、逆立ちで瞑想し、そのまま忍耐力と集中力の修行って事で、米粒の色分けをさせられます。
主人公が泣き言をいってやめるとかいうと、日本式からアメリカ式って変更ことで殴り合いが始まり、二人の間に美しい師弟関係が結ばれます。
修業のトリに、精神力の源ってことで自由の女神をバックに俳句の朗読をします。”山桜 風に花散り 我 古里を想う”っていうのを英語で読んでても意味が無いような気がしないでもないですが、無事カブキマンに変身できました。
力の使い方を学習しようってことで、車上ドロとかわりとしょぼい犯罪とかと戦います。あと、ひもと娼婦をのり巻きにして成敗するのはいいけど、輪切りにすることはないと思う。殺すほどの事か?
で、市民に愛される存在になって、カブキマンのヘアスタイルが奥様方にブームになったりしてます。
コニーについてのカタをつけるために、牧師のところへ向かい、空へつり上げて脅して、彼女を殺したことや、スチュアートとのつながりを吐かせて、テープに録音します。ってそんなのでも証拠になるの、無実でもでっちあげられちゃうような気がするけど。
で、ロータスとはいつの間にかになんかいいかんじになって、なんかやることやっています。肝心の魔王のことほっといて。1000年に一度の星座の動きがありますってラジオでもいってるんだからなんかしろよ。
一方、スチュアートの方は着々と準備をしてます。空腹の虎とか、猿を乗せるように訓練された豹とか、一番器用に乗るらしいキツネザルとか。って猿ならなんでもいいんですか?っていうか予言の実現ってそんな簡単なことでいいんですか?
で、食べられる女についてはロータスってことで、カブキマンが証拠のテープを届けてる間にさらわれちゃいます。
で、カブキマンも彼女無しじゃ力が発揮できないらしいです。
で、彼女のブラジャーのにおいを元にトヨタに居場所を探させます。って犬でもそんなこと難しいと思うのに、猿にそんなことできるんですか?主人公も密かに「本当にここか?ウソじゃないだろうな」って疑ってるし。あと「猿なんか担いで俺も何やってるんだ?」って言ってるけど、密かに新しいヒーロー像かも。
で、コニーが金網にはりつけになり、おなかをすかせてお待ちかねの虎が、手下の人になぜか首輪もなしにつれてこられ、危機一髪ってところに2人は無事到着することができました。
で、主人公はトヨタに銃を渡して、裏に回って2人殺れとかなんか無茶いってます。まあ主人公1人で、運だけで助かってるってかんじの正面突破でロータスを救えたみたいです。が、スチュアートにトヨタからとった銃を突きつけられて、ピンチです。いわんこっちゃない。が、バッチタイミングで上司の署長が証拠のテープを元に到着し、スチュアートを逮捕します。
が、スチュアートは予言を実現しようと、手下の女に虎をけしかけました。生きたまま食われて絶叫しまくってます。で、スチュアートは口から変なのをだして、緑色の芋虫みたいな幼虫の状態に無事変身しました。って最初からロータスを使わずにこうしてれば、カブキマンに邪魔をされずにすんでよかったような気がするけど。
で、幼虫のなかから魔王がでてきて、世界のピンチってかんじです。星の方もいいあんばいになってきました。竜が輪を通るところを、魔王がわざわざ親切にプラネタリウムのようにして見せてくれます。なんか竜というよりか、RPGのドラゴンのような龍ってかんじだけど。
で、ロータスのキスで甦るカブキマンと魔王との世界の明日を賭けた戦いが始まりますが、扇子も割り箸も寿司も出さず、ただの取っ組み合いをしているだけです。いつの間にか、戦いの勘所がトヨタが豹に乗るかか否かってことになってます。で、おりこうさんなトヨタ君は飼い主の言うことをちゃんと聞き、時間切れって事でグラディウスのビックコアみたいに魔王が自爆して、1000年にわたる復活劇はあっけなく幕切れです。空の星がカブキマンの形になって平和が戻って、めでたしめでたしです。
で、我らがヒーローカブキマンは今日も正義の為に戦うってかんじでおわりです。
いやー、確かにトラウマになりそうな作品です。ナムコ完璧にだまされてます。間違えてもテレビでは放送出来ないような内容です。
んー、でもカブキマンのキャラクタだけ使えばゲーム化なら出来そうな気がするんですけど。ピストル大名の大冒険のスタッフあたりにやらせれば。