BEIGE TOKYO

写真は open日のシャネルビル前

1月22日昼、早速シャネル・ベージュ、行ってきました。
シャネルビル最上階で全面ガラス貼り。銀座から築地、汐留と一望でき、晴れた日のランチは最高。天井が高くて、とても気持ちいい。インテリアはベージュ、ホワイトを基調に黒のアクセントがきいて、洗練されたイメージ。サービスは若い人が多く、足元はカール・ラガーフェルドデザインのエナメル黒のスニーカー。椅子は低めで、シャネルジャケットを思わせるツイードの布張り。テーブルは白のアクリル?ガラス素材?。レストラン入口で予約確認の上、エレベーターで上がるけど、シルバーのコイルを張り詰めたような扉は入口と出口が分かれて、一方通行。104席で広々。食器は白のアレッシイ、カトラリーはシルバー、塗りのカップや和食器も使われ、ウォーターグラスはハンドメイドとユニーク、 BEIGEと刺繍された暖かいおしぼりも出ます。

同行したフランス語のメンバーがオザミから移った外人ギャルソン(たぶんフランス領カリブかアフリカ出身)と顔見知りで、ウエルカムスパークリングをもらえたり、何と最後はキッチンまで見せてもらったり、たっぷり恩恵にあずかりました。
お料理ですが、これ、かなりすばらしい。繊細できれいで、量的にもフランスの三つ星よりぐんと日本サイズ。 sophisticated のひとことです!ランチは6000円(野菜コース),8000円,11,000円のコースとアラカルト。8000円のコースのメインが子鳩だったので、コースをやめ、4人でアラカルトをチョイス。前菜、メイン、ディセールを選ぶ。

●前菜。特に「温製ポワローと黒トリュフ。金箔卵、ミニムイエット」に感激。やわらかく煮たポロネギの上に黒トリュフがふんだんにのせられて、香りがすごい。別添えでねぎの青い部分をソースに温泉卵?みたいのが出てなんとコースターくらいの大きさの金箔が掛けられています。早春の彩り、黄緑、黄色、黒がきれい。 4200円也。この辺は季節を感じさせる日本の料理のよさにアラン・デュカスが影響されたということかも。世界的にそうですね。私の頼んだのはクルスティアン、といってカリッと焼いたビスク風タルトの上に、冬野菜とハーブがのった懐石風、バジルソースが効いています。

●メイン。私はブルターニュ産オマール、紅玉りんご、くるみ、シードル風味のザバイヨン。9800円也。オマールは丸ごと一匹で、ボリュームがあります。絶妙だったのは林檎とくるみのソース。甘酸っぱい酸味と少し泡立ったようなふんわりムース食感のソース。新作フレンチの醍醐味を味わった感じでした!
友達が「ねずの実、エゾ鹿のア・ラ・ブローシュ、ソース・ポワヴラード」。赤い胡椒の実を効かせたソースとかで、お肉の濃厚なジュレ?フォンドボー?入りのマディラ風赤ソース、これはさすがスペシャルでした!鹿もとってもやわらかくおいしくすばらしい。スズキのキャビアソースを選んだ友達のは、まるで杏仁豆腐か、白いモザイクタイルかというように置かれた平たいスズキの上にキャビアがびっしり。黄色いソースにはつぶ貝がころころ入っていて、ちょっと柑橘系の香りのするソースでした。

●デザートは6種類から選ぶ。シャネルの名前の入ったスペシャリテがビターチョコでコーティングしたムースショコラ系のかっこいい一皿。飴細工がピューーーンと立って、おお! Chanelという感じ。私は「酸味の利いたモンブラン」というもので、柚の香りのソルベが別添えで出されて、これまた絶妙。なんてたって、モンブランに添えられている8枚のメレンゲが触っただけで崩れる繊細さ。モンブランも下に柑橘系のソースが敷かれ、甘さを軽やかにするんですね。ショコラパッションもパッションフルーツとチョコの組み合わせがステキ。デザートの前にマカロンが8個。

●パンはお塩の効いたソフトパイ皮をロールしたような特製(これ◎)とプチバゲット、天然酵母系の3種。バターは海草を練り込んだ特製で毎日シェフが作るとか。ちなみにシェフは20人。 separate kitchenというそうで、1階の厨房で用意し、エレベーターで10階のピカピカ配膳キッチンに運ばれ、ここでグリルや盛りつけ、仕上げがされるそう。ここを見せてもらいました。

● ワインリスト。夜、昼別だそうで、昼はお手頃。5,000円くらいから10,000円台くらいで、イタリア、スペイン、新世界もある。飲んだのは白、アスザスリースリング Albert Boxler 2002 赤 Chassagne-Montrachet VV J.F.Pillot 1999。トゥールダルジャンの有名ソムリエ、石田博さんが総支配人となっていてワインについて曰く。ランチのお高いコースで11,000円なので、ワインはそれを越えてはいけないと思っている。それで昼と夜を分けているし、高級銘柄、有名銘柄だけを求めてくる方には満足できないワインリスト。我々のセレクションを楽しんでくれるお客さまに向けているとのことでした。

● 唯一不満は化粧室。あんなに客席が多いのにせまくて普通すぎる。2個しかない。同じ銀座の資生堂パーラー10階のファロのゆきとどいた化粧室から比べると数段おちる。もっと力を入れて欲しい。
●お値段は4人で88,000円也。白、赤フルボトルで頼み、アラカルトなので、意外とお安かったかも。
● ちなみにディナーは照明、カベ(スクリーンで変えるとか)、ワインリスト、サービスの制服などすべてが別バーションだそうです。だいたい50,000@一人と思うといいらしい。

●シャネルはビル全館禁煙。レストランは子供不可。写真不可。

● しかし、とにかく話題のレストラン。量も盛りつけも繊細でトレンドを意識したスタイル、まさに食はファッションだというイメージでした。サービスもさすが上手ででしゃばらず控えめすぎず、なによりシャネルのエスプリをめいっぱい味わえる、至福の午餐でした。

シャネルビル、となりはカルティエ。銀座の12月は華やかです。