Microsoftのボリュームライセンスプログラム「ソフトウェアアシュアランス(SA)」は契約期間内(1〜3年)に
リリースされたライセンス済みソフトウェアについて常にアップグレード権利が与えられるライセンスです。
年額分割払いにより、製品がリリースされるごとに費用を費やすことなくコストを抑えつつ、最新テクノロジを活用することができます。
【参考】
Microsoft ボリュームライセンス
しかしWindows XPからWindows Vista バージョンアップまでは5年の歳月があり
ボリュームライセンス契約期間よりも長期になっているため、SAを購入すると逆にコストがかかってしまう場合があります。
このライセンスが無駄にならないようMicrosoftではSAに特典を付加するようになっています。
- SA付きOfficeライセンスの自宅使用許可
- 無償トレーニング
- TechNet Plus の無償提供
- 24時間×365日の技術サポート
- Windows Vista Enterprise へのアップグレード権
Windows Vista Business の上位エディションでありBusinessの機能に加え以下の機能が利用できる。
- BitLockerドライブ暗号化
- 「UNIXぺースアプリケーション用サブシステム(SUA)」
- 複数言語をサポートする「Multilinngual User Interfase(MUI)」
- Windows Vista のコピーを最大4つまでVirtual PCなどの仮想環境で実行できる
-
Windows Fundamentals for Legacy PCs (Windows FLP) ライセンス付与
FLPとは、旧型PC向けに設計された小さいWindowsのことである。
Windows XP SP2 と同等のセキュリティ機能を実装しながらも最小要件が押さえられている代わりに
実行可能なアプリケーションに制約がある。
- Microsoft Desktop Optimization Pack for Software
Assurance (MDOP) の提供
但し、7.を始め一部の特典はSAレベルにより適用される内容がことなり、さらに7.特典に関してはアドオンサブスクリプションとして
1ライセンス/年 1,200en程度の追加料金が発生。詳細は下記のリンクを参照してください。
【参考】 特典についての詳細な適用表
MDOP は2006年にMicrosoft が買収した製品群をブランドにした製品で
Windows クライアントの導入や展開、管理、トラブルシューティングの支援するツール類で以下の製品が含まれます。
- Microsoft SoftGrid Application Virtualization (SoftGrid)
アプリケーションのランタイム環境をパッケージ化してオンデマンド展開しアプリケーション仮想化を提供
- Microsoft Asset Inventory Services (AIS)
エージェント等のインストール無しでプログラム状態をインベントリ管理できる
クライアントPCの資産・ラインセンス管理ソリューションの提供
- Microsoft Advanced Group Policy Management (AGPM)
グループポリシー管理コンソールと連動してグループポリシー変更管理、ロールバック等デスクトップ制御を強化
- Microsoft Diagnostic and Recovery Toolset (DaRT)
CDから起動可能なWindows環境、クラッシュダンプ解析ツールなどブート不可能となったシステムの
修復やデータの復元、パスワードリセットができるトラブルシューティングツール
【参考】
Desktop Optimization Pack for Software Assurance 詳細
上記のMDOPの中で中核となるのが「
Microsoft SoftGrid Application Virtualization」である。
これまでにMicrosoftが提供する仮想化テクノロジーとしては
- ターミナルサービス
- プレゼンテーションの仮想化
- Virtual PC 2004/2007
- デスクトップOSの仮想化
- Virtual Server 2005
- サーバOSの仮想化
がある。これに加えて第4の仮想化としての『SoftGrid』です。
SoftGrid はOSの仮想化ではなく、アプリケーションの仮想化を実現するもので、アプリケーションのパッケージを
サーバから配信してもらいクライアントリソースとして実行されます。
クライアントリソースを使用するということは、ClickOnceアプリケーションのようにクライアントOS上にアプリケーションが
インストールされるのかというとそういうわけではありません。
【SystemGuard】と呼ばれる仮想ランタイム環境内で起動され、クライアントOSや他アプリケーションから完全に
分離されて実行され、COMやレジストリ変更が必要なアプリケーションでもクライアントのレジストリ等には影響なく
仮想環境内でのみ読み込まれますが、プリンタやネットワークなどはクライアントOSと同じようにアクセスすることができます。
SoftGrid はさらに以下のコンポーネントで構成されます。
- SoftGrid Virtual Application Server
パッケージ化されたアプリケーションをクライアントにオンデマンド配信するストリーミングサーバ
- SoftGrid for Windows Desktops
配信されるアプリケーションの仮想ランタイム環境のセットアップと管理
- SoftGrid Sequencer
クライアントに配信する仮想ランタイム環境の作成
しかしこの仮想化によってどんなメリットがあるか
- ターミナルサービスで利用可能なアプリケーションは同一サーバでのマルチユーザセッションで実行できるものでなくてはならないため
ターミナルサービスでサポートされなアプリケーションでもカバーできる。
- 管理コンソールやSystem Management Serverにより、アプリケーションの展開や利用状況、ライセンス管理が可能となる。
- ユーザメンテナンスのため旧資産(Officeなど)を利用する場合、VirtualPC/Server だとバージョンごとにOSから構築しないとならないためディスク領域を必要としてしまう
- (Webアプリ→スマートクライアントのように)サーバリソースを必要とせずクライアントリソースに依存し、ローカルアプリのように利用できる。
といったところでしょうか…
実際に環境を構築する手立てがないため、あくまで机上調査レベルです。
【参考】 Microsoft Desktop Optimization Pack