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[405]夜、(2006/09/30)
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人見記念講堂で高橋幸宏。
ソロツアーは何と8年振り。その間ビートニクス、スケッチショー等々動きはあったものの、ソロに一番思い入れがある者としてはこの日を迎える意識も全然違う。

入場すると前座のMiyauchi Yuri氏の演奏が始まっていた。Mac(PowerBook)から流れる(エレクトロ)ニカなリズムシーケンスにギターでアコースティックなメロディを重ねていく。全体像を掴む前に終わってしまったが、背後に投影されるご自身で撮ったと思しき映像(公園の全景をゆっくり回転させながら撮る中に細かい編集の妙やちょっとした小ネタを挿入)も含め牧歌的かつコミカルな印象。

次にHER SPACE HOLIDAYという3ピースバンドが登場。今回のライブは幸宏氏の新作で共演したアーティスト2組(本来は3組登場する予定だった)のステージとソロライブの組み合わせ。dは女性、bは男性(黒人)、g/voは神経質そうな痩せ眼鏡で両腕にびっちり入れ墨が。こちらもPowerBook使用で流麗なストリングスとパーカッション的なビートが鳴っており、そこに初期衝動の固まりのようなギターと、ハードロックでも今日びこんなドカドカ叩かんだろというドラム、鼻唄混じりな感じだが上手くない(笑)ベースが重なる。今回のライブに恐らく求められるものとの乖離(この手のバンドがこの会場で見られること自体稀)故か、総じてドン引き或いは唖然としているように見える。端で見ているとそこがまた可笑しいというか寧ろ痛快ではある。

次はスティーヴ・ジャンセン。幸宏氏の20数年来の相棒。今回はVoを携え自身のソロを披露。メロディはやはりPowerBookで流し、時折ドラムパッドを叩いてビートを紡ぐ。低く抑揚の無い声で歌うVo氏は一瞬、実兄デヴィッド・シルヴィアンを連想したりもする。個人的にはとても好感が持てた。

そしてようやく幸宏氏。弦モノを高田漣(ペダルスティール、マンドリン?、エフェクター類)と高野寛(ギター、コーラス)に任せ、時折権藤知彦氏がユーフォニュウムを吹く以外全てMacに連動させている模様(ジャンセンの時もそうだが、常に音に同期した映像が流れる)。ドラムも見たかったなあと正直思うが、スケッチショーや新作の内容からこういう感じになるのは想像が付いており驚きは少ない。本編は新作メインで一部他の作品からの曲も聴けたが、全て新アレンジになっており違和感は無い。でもまあCueが一番盛り上がるかなあ(笑)。このスタイルが悪い訳ではないけど、生音主体のライブに慣れているとその場で演奏しているにせよ何だかカラオケで歌っているような妙な感覚があり、盛り上がりのポイントが分かりにくいのだ。こんな近いのにテレビで観てる感じ。スタンディングなら違和感は少ないと思うが、3時間近く立ってるのもオッサンには厳しい(苦笑)。久々のソロだし、そういうことはアーティスト本人が一番理解しているのか、アンコールは、アレンジは変わっているものの"DRIP DRY EYES","MURDERED BY THE MUSIC"って一気に変わり過ぎ(笑)"DRIP..."は本人が歌うのは個人的には初めて見たような気がする。"MURDERED..."は今まで聴いたアレンジの中で一番オリジナルに近いか?

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