M2 僕は火の車
 可愛想な日々がいつまでも
 嘘みたいに続いて
 悲しんでるのを横目に にこにこ顔してると
 毎日泣く 毎日のように泣く

 休みなくムチ打つ響きに
 追いたてられて走る
 大きな川前にして
 僕は火の車さ

 1回は窮地を逃れたが
 どこで身隠そうか
 火の粉降る ケムにまかれる
 幸せな寝場所を...
 毎日泣く 毎日のように泣く 

M3 ないしょの茂みにて
 白い吐息 陽が昇る前に
 君の背中 耕しに行こう

 ないしょの茂みにて You & Me
 額に汗して 動きはスムーズ
 ないしょの茂みにて You & Me
 一寸の先も見えないから
 手さぐり 種まいて

 虫の様に 息をつめて
 君の口を すばやくふさいで

 ないしょの茂みにて You & Me
 額に汗して 動きはスムーズ
 ないしょの茂みにて You & Me
 君の背中にいくつも 小さな芽ふいて

 休まずに ていねいに
 どこへも行かせない
 夏の陽射し すぐそこに来ている

M4 Shoot My Eyes
 Lead Me
 Shoot My Eyes
 Lead Me
 Through Your Eyes

 君が影を両手に抱えて
 村人たちに配って歩く
 君が光を吸いとるたびに
 村の形にゆがみ加える

 木を切り倒す鬼の襲来
 それに応える手を考えなけりゃ
M5 きかん坊
 お願いの数が増える いつ言うか言うまいか
 寝ぼけまなこの目の前で
 性懲りもなく よそに行くような
 仕度をしてきた きかん坊
 どこへ連れてこうかね

 笑い出す機会待って いつ言うか言うまいか
 そこによくあるような文句で
 性懲りもなく ゴマをするような
 仕草で近づく きかん坊
 何買ってあげようかね

 すぐそこに 寝る時間来てる
 えり首つかむ
 そう そこに布団大きな口あけて
 飲みこまれそうだ!
 どこかにしがみつく きかん坊
M6 ミンチとパンク
 ミンチの機械の中 眠りについた君
 スウイッチひとつ 入れるんだって
 泣こうが わめこうが すぐだって
 耳すませば
 いつかしようか きっとしようか
 昼過ぎにテーブルを囲んで
 もういらない もうはいらない
 いったい いくつの皿を割る?

 ミンチ&パンク よくわかってるさ
 ミンチ&パンク 手を合わせれば

 パンクして動かない どこも動かせない
 破れたところから 出そうかと
 今日来てくれた 誰かさんを
 まずは思案

 日に日に細る 見る見る細る
 昼過ぎにテーブルを囲んで
 いつかした様に今日も
 赤いソースに浮かんだままいよう

 君にナイフ 君にフォーク
M7 Slit No.1
 ほらネズミ色の風が鳴く
 冬を避けて ひとっとびに
 一見 猫の目みたいな
 そのすきま のぞいて 見回して

 どこに居たこともないんだが
 冬はむかしから続いてる
 じっと指折り数えて
 そのすきま のぞいて 見回して

 こたつの上 君大いばり
 寝ずに飛び交うカード
 窓開ける ころあいは
 逃さないで 待つだけ

 順番に 熱が上がってく
 誰かが夜に 食べものを
 とってくるかの会議に
 誰も出てこない 静かな時
M8 Baby Fields
 とても田舎にある ベイビー畑の苦労談
 ひからびた実のなる ベイビー畑の苦労談
 赤レンガの犬小屋に 通されて
 聞いてあげれば ベイビー畑の苦労談

 葉巻をくゆらせたら 銀の尻尾の手入れ
 毎日ひとつづつの努力を 積み重ねる

 大きな身振りまじえ ベイビー畑の苦労談
 耳タコで聞いている ベイビー畑の苦労談
 ビニールハウスの温度チェック 肥料や水
 ひとりに虫喰えば 皆調べ直さなきゃ

 働く子が欲しけりゃ いつも雨ごいをしよう
 今から袋をかけながらの 祈りの歌
M9 Chicken Skin
 おそるおそる握手したら 不意にもよおす陽は高い
 裏の畑でポチが鳴く シャボンの泡を夢に見る

 鳥の肌 触れたらもう
 そこに 根が生えている
 鳥の肌 触れたらそう
 あればね ティッシュペーパー

 小指の先をしゃぶられる 指はどこかで借りてきて
 握手を求められた暁に 隣の猫が総毛立つ

 時間がくれば席を立つ 揺れる地面をふみつぶす
 何本もの手ふり払う 愛しのその手ふり払う
M10 あなたとハイな午後
 ハイな午後 もうすぐひとりでに浮く
 これからどうするか 良く見ててね
 君の靴なめたら 溶け出すよう
 窓辺で身を焼いて 僕の帰り待ってても
 もやの中 甘くにおう 深く目閉じてよう

 ハイな午後 もうハイ 赤い耳たぶ
 これからどうなるか 良く見ててね
 君の靴なめたら 暑さ増すよう
 物かげに隠れてる何かを起こしたいよ
 回る壁 回る椅子 手を伸ばしたらどう?

 じっとこらえてるような声
 急がせてるように 奇妙に響いてる
 Wife 器用な手で僕を包んで
 屋根が抜けていく
 Wife 非常事態の様子眺めて
 明日は ふつうどおりの朝が
M11 Corn Freak(とうもろこし逃げた)
 それから あとのことを
 わすれてる