M1 IKO IKO IKO
 手土産もなしに 何処からともなく邪魔立てする奴が居る
 おかしくても 恐ろしくても 怪我しても
 つらくても我慢しなけりゃだめ
 素性明かさない 言い訳の仕方も良く分からないけど
 好かれても 嫌われて避けられても
 気付かない程の幸せなら

 遠くへ行きそびれた人 行こう行こう行こう行こう
 ちょっと頭良すぎる人 行こう行こう行こう行こう
 小さな罪重ねる人 行こう行こう行こう行こう
 どうやらこのまんまな人 行こう行こう行こう行こう

 ある日思い出し 規則的に続く息を止めてみれば
 偶然のお揃いの眼に気づいた
 吹き出すの我慢しなけりゃだめ
 これは誰のマネ? ツメの先まで似せたら誉められるだろう
 疲れても 熱がすごく高いときでも
 寝なくても割と大丈夫さ

M2 KING OF DIVING
 通りに出ていくともうダウン 茜色の空に変わる
 夜中になれば慣れるのに ここにいるのは何故だろう

 そいつの住んでる所まで登り切ったら きっと分かってくれるだろう
 僕の伸びた姿はまるで虫のようだよ
 坊主はもうけるはずだが 最後まできっとやるだろう

 異常な人数が校庭で噂話に入り込む
 地図広げても隅々にある蟻地獄
 良いことばかりありはしない
 白くひからびた舌 何も喋れないよ
 初めて気づくのも遅いが 見事に虹はひび割れた

 遠くに見える牛の群れ 犬は追いかける
 調子よく吠えたてるなら 次は何処にいけるか尋ねたりするのだ
 下を見るな どうやらここでは人情から食べられてしまう

 ”春にはBRIGHT SHINING” こういうんだね
 ”やるならHARD DIVING” そういうなって

M3 VAMPIRE
 丸くくり抜かれた僕の心臓がわずかに動き始めたようだ
 誰が見ててもこのまま動かないと言うのは分かっていたのに
 最後の祈りを捧げてもらえたならば
 赤い息吐きながら近付いて行くよ 簡単なこと

 大分前の君に出会うよ 夜を引き返して
 変わる前に腰が抜けるよ 顔を照らし出して
 燃え上がるだろう

 住み続けてる世界がいつの日にか消えるのは分かっているだろう
 君がうろたえて走り廻るのが美しくてバレエを見てるよう
 静かに何も喋らない黒い影ひとつ
 僅かな隙間から入り込んで行く 簡単なこと

 古い傷跡のいい匂いがしている
 鏡の向こうの肌が乾き始める
 もやがかかりだす

 古い時計のねじを回すと辺りが暗くなり始めたよう
 か細い声が心のままに流れてきたらどんな気持ちだろう
 最後の祈りを捧げてもらえたならば
 赤い息吐きながら近付いて行くよ 簡単なこと

M4 左足が泣いている
 狭い出口を出てしばらくは 黒い煙の中に立つ
 君の足が泣いている 靴はどうだ(Oceanian Lone Ranger)
 左足が泣いている

 赤い煉瓦を積み おそらくは強い光が熱放つ
 君の足が泣いている 右はどうだ(Oceanian Lone Ranger)
 左足が泣いている

 黄色い骨に変わる前に 何度かたち変える

 君の足が泣いている 靴はどうだ(Oceanian Lone Ranger)
 左足が泣いている

 こおろぎの群れが騒ぐ前に
 すぐにかたち変える(何度かたち変える)

 川の水に浸かり 緩やかな闇が流れるのを止める
 左足が泣いている 水はどうだ(Oceanian Lone Ranger)
 左足が泣いている 靴はどうだ(Oceanian Lone Ranger)
 左足が泣いている

M5 CYCLONE
 気が変わる とっさに笑みこぼれる 
 紙のような感じのシャツが濡れる
 地上の水が枯れて誰の名を呼ぶ
 朝がまだ完璧に倒れているうちに

 今日はサイクロンが降り立つ
 そこまで来てるだろう(見かけは遠い)

 目が回る タンスの陰よろける
 たくさんのテーブルの足が飛ぶ
 盛んにまばたきする 嘘は山積み
 最後まで沈黙は通せないだろう

 羽が生えたように僕らの体は飛ぶ 窓ガラス弾ける
 見渡す限りまき散らされてる種 集めて火を付ける
 とたんに消える記憶

M6 発覚
 短い間にすぐ近付いている
 月のまわりで君は隠された言葉しゃべる
 誓ってもいいが 誰にも言わないから

 捕まらないならば 一撃で倒され
 すぐ埋められて 君はうす笑い浮かべている
 黙っても何を考えているか分かる 何もかも
 捕まえられそうだ

 何が欲しいのかすぐに分かる いつでも
 膝がふるえ出す 泣くような響きで
 転がしている 白いふくらはぎ さまよう時
 尖ってる視線はここを貫いてる

 夜の間に何もかも知られてしまうだろう

M7 緑の大群
 時間は前のめり 自然の中でなおさらに
 予感がしている 燃える空のにおいかぎつけて
 野蛮な水際の喜びの声が響く
 自慢の靴底が薄くなり 破れるのもすぐ

 集まる緑の大群 当り前の夢は幻に
 集まる緑の大群 そして震える唇をなめ

 闇夜の火のようなダンス 足は付け根からはずれ
 背中曲がり出し 何も聴こえなくなるのだろう
 詩人になったように 銀河について話せば
 とたんに黙り込む 小さな耳鳴りが起こる

 集まる緑の大群 当り前の夢は幻に
 集まる緑の大群 そして震える唇をなめ
 集まる緑の大群 うかつに口滑らせていると
 集まる緑の大群 分かりかけたそのそばから

M8 QUEEN BEE
 遠い弦の調べ それは歌う 紅く浮き上がる炎の魔法呟いて
 何処までも永く伸びてく声続く 消えたり現れたり 月の気配

 甘い匂いの草をくわえ 僕は遅れて合図を送り始める
 くすぶる火種風にあおられ やがて髪の毛に燃え移りそうになる

 ここで生まれたばかりの君を知る QUEEN BEE
 二つとない世界に囚われている

 歌が止み 紫の煙の中に
 覚えのあるその夜 じきに分かる

 足の裏は傷ついて汚れ 渇きを覚え 川を探して回る
 ひざまづいた者に笑いかける時に 目の前が歪み出す

M9 MILLION MILES LONG HAIR
 NORTHEN LIGHTS 流れる星 指さして
 無限に伸びてく 髪の毛の先
 追いかけきれず 気温は零下20度に
 世界地図 方位磁石 稲光が降り
 無限の空飛ぶ 髪の毛の先
 物の怪の地で 立ち止まり見失う

 良く切れるナイフを買いに
 明りの消えゆく街に行く
 バスはなく 割れた地面から聴こえる闇の音

 FROZEN FLIGHT 白く濁る瞳の中にいる
 無限に伸びてく 髪の毛の先
 見間違えると それは怪しげな森

 雨の響き 霧に隠れて
 すばやくかわして何処へ行く
 昼はなく 永い眠りはどこかに隠される

M10 BIG BLACK POOL
 ふと耳そばだてる 誰かが怒りだし
 うなり声をあげはじめた
 触れそうな近さにいるのに気がつかない
 古い血がにじんで 革靴を汚した
 素晴しい景色現れた
 どんなに歩いても 同じところで待っている

 もう少しいける LONG LONG LIFE 知らせてくれないか
 君はもうはまるよ BIG BLACK POOL

 神がかりの後は 血が乾いた色の果物の味がしていた
 いくつもの考え 苦さに顔しかめる
 木こりが石斧をゆっくり降り下ろし いびつな頭がはじけた
 何が見えるだろう 割れた頭で立っている

 浮き立つ気分のと時にはすぐ耳は痛む 言葉は突き刺す
 まだ注意が まだ注意がいる

 何を歌うのだろう 次に生まれる瞬間に

M11 紅茶ブルーズ
 どんな目にあってもいい
 天に昇るような気持ちがしてくるまで
 たじろぐほど喋り続け
 春のこんな日を待ち望む
 入れたよ紅茶 熱い紅茶

 急に思いついたことを
 急な坂を転げ落ちるようなスピード
 手に負えないだろう
 吹き抜けるキーワード
 それはこんな日によくわかる
 入れたよ紅茶 熱い紅茶