M1 SEED SONG
 昼と夜の色変わるよ 重い腰を上げてみると
 それは軽く浮き上がって 歪んだ背がきしんでいる
 白い足よ 白い胸よ 黒い瞳よ 熱い森よ
 話しかける むずかしくて悲しい声が 話しかける

 もっと慎重になる種をまいて
 もっと緊張がくる種をまいて
 もっと陰謀がある種をまいて
 もっと心臓にクル種をまいて

 土の上で歩いている そこの道を歩いている
 君とじゃれる 顔に爪を立てられても
 僕はどこにあるのだろう?

 もっと貧乏になる種をまいて
 もっと暖冬になる種をまいて
 もっと狂暴になる種をまいて
 もっと放浪をする種をまいて

 僕はにやり すごい雨だ

 キョーレツなフルーツ 口に入れて
 驚くような早さでゆく
 茎はのびてからみついて
 僕の首をしめつけてる
M2 スマイルの最中で
 いいぞすぐにも泣きそうな 顔が鏡に写ってる
 この世の終わりの涙流せ

 慎重にブラシを当てたら 緊張しないでドライヤーを
 大きく息を吸いこんでみて もいちど

 家の中にいるなら もういいや
 変わったことないから もういいや
 君が笑わないから もういいや

 スマイルの最中で その最中で

 戦争になるという神様 病気になるという神様
 君は神様の何だろう

 色んなこというなら もういいや
 知る気が起きないから もういいや
 鏡も割れないから もういいや

 スマイルの最中で その最中で
M3 ライオンとパール
 それは嵐がやむころに そうさ寝息をたてるライオン
 最初になぜここにやってきたか 夢の中の事

 愛を語る真夜中 夕方買い物に要るお金
 集中すれば どちらもうまくゆく 光の谷間

 Bright Lights シャツを着る時間
 Bright Lights 真珠数えながら
 地上をぐるりとひとまわりするというのだろう
 ひとまわりするというのだろうか

 甘い香りのかすかな痛みが
 胸のどこかにつかえているけど

 獲物さえ 一つもない日にも 眠りにつける
 Bright Lights ライオンのそばで
 Bright Lights 真珠数えながら
 その背中をずっとなでているのが見える
 なでているのが見える
M4 新しいアイディア
 煮えたスープのすぐそばで
 アクをすくいながら知恵をしぼっている
 服を脱いでたら想い出す
 グッとくる体の君にさわってもいいならば
 明日の食料はあまっている
 手紙たまっている 窓は曇っているようだ
 胸が騒ぐのを聞かせよう
 何をしゃべっている? 新しいアイディア? そうさ

 今からすぐに電話をすれば
 霧をぬけてやってくるだろう
 見せてあげよう そろそろ夜が明ける
 目がひらく

 すぐに見てほしいのだけれど
 今ならよろこびの渦の中にいるよ だから
 ほめてもらえたらいいけれど
 今はまだ地の底 井戸水飲んでいる そうさ
 それは画期的なアイディア
 新しい余生を早く見つけだせばいいよ
M5 NAKED
 馬の背に 僕は背負われて長い坂下る
 足が折れ 午後の陽射しにも目をやられてる
 お祈りをしようよ

 明日何かの出来事が 僕の身ぐるみ剥ぐ
 明日何かの出来事が 僕の身ぐるみ剥ぐ
 僕の身ぐるみ剥ぐ どうか替わっておくれ

 坂の上 神様の助言僕は憶えてる
 そのとおり いつでも守って僕は仕えてる
 お祈りをしようよ

 明日誰かの足元に 額をこすりつける
 明日誰かの足元に 額をこすりつける
 明日何かの出来事が 僕の身ぐるみ剥ぐ
 明日何かの出来事が 僕の身ぐるみ剥ぐ

 そのとおり いつでも守って僕は仕えてる
M6 CRUELHIGHWAY
 轟いてる遥かな雷鳴 車の中で聴く春の涙声
 僕らはつながって大きな揺れの中 ネジが飛んでゆく
 何か崩れてる音が どこかで聴こえたようだが
 はやる気持ち押さえ込む スピードは早鐘を打ち鳴らしている

 すぐわからなかったようだ 君の泣く声がしてたよ
 呼んでいるよ Cruel Highway 海の見えるHighwayに違いないけど
 食事の後グラス割ったように ぬるりと流れてくるのだ
 左手がぐにゃりと曲がりはじめ 右足が君の背中で踊ってるけど

 白いシャツが赤く染まって

 いつかは気がかわっていたなら
 変わらない愛を誓おうか
 時間が来た ライトをつけ
 いくら重い荷物 積んでも
 いまは軽い二人のゆくえは
 笑い声がかき消されている
M7 HOME FEVER
 あっという間に 君の肌焦げてく
 追いかけない 僕は家の前で
 朝日を浴びると 寿命が伸びてくのさ
 (I'm in a) Home Fever

 テレビをつけよう いつもの君がいる
 ラジオをつけよう ひどい歌流れる
 遅い朝食にありつけるのはいつの日か
 (I'm in a) Home Fever

 ここで踊るだろう 見たこともないダンス
 秘密に触れている 生ぬるい手ざわり
 誰が帰っても きっと気づかないさ そう
 (I'm in a) Home Fever

 今日 うちはこれがないSugar
 今日 うちはあれがないSugar
M8 王様の娘
 そう はじめましてをした
 愉快な子供が泳ぎ出したのだ
 そう おつかいを言われて
 恐ろしい谷を通り抜けられない
 そう にぎやかな通りで
 海辺の娘に手を出したのだが
 王様の娘だとは知らずに
 すばやくさらったのだから
 おお 朝焼けの庭で高い木を倒して

 そう 髪の毛にさわると
 怒りの呪文が唱えられるのだ
 そう 井戸をのぞき込んで
 底のない底に突き落とされるのだ
 ああ 背中に矢を射られ
 穴のあいた胸 ベールをおしつけ
 王様の娘だとは知らずに
 すばやくさらったのだから
 おお 朝焼けの庭で高い木を倒して
M9 光の一輪車
 光の一輪車に乗る価値は? 穴のあくほど見つめている
 光の一輪車に乗る価値はある?

 軽くペダルに君は足をのせて まだ動けずにいる
 罠にかけるようにささやいたりすれば 倒れ込むだろう

 光の一輪車に乗る価値は? しばらく答えにつまるだろう
 光の一輪車に乗る価値はある?

 走り出せばすぐに君はかなしばり 血の気が失せている
 肌ににじむ汗の上で滑る 絵を描いている指

 泣いても回っているだけ
 泣いても回っているだけ

 光の一輪車に乗る価値は? ひとりで立つのならどこだろう?
 光の一輪車に乗る価値はある?

 両手を広げて雲をつかんだら 二度とは離さない
 抱え込んだはずの太陽のしずくを すぐ放り出す

 泣いても回っているだけ
 泣いても回っているだけ
M10 THIN ICE
 氷の上でひどく働いた 知らないだろう
 泳ぐ魚が見えてくるまで 氷は薄く薄くなってる
 秘密のボートはこいでゆけない 知らないだろう
 霧の晴れてくるのを待つように 氷は薄く薄くなってる

 まだ日の高いうちから 足はふらふら
 聴こえないふりをしても そこでは誰のせいでもないという
 Thin Ice,Like the Mirror あと少しだけ
 Thin Ice,Like the Mirror まだ慌てない

 誰もいない夜の労働は 知らないだろう
 重い石持ち上げそこなった 氷は薄く薄くなってる
 深い泉の底に沈んだら 今日なら
 愚かな事に水を探してる誰の姿に会うだろう
M11 地底へGO
 いつかまた会おう 月明り
 ウサギ踊るように 僕も踊るのさ
 少し寒いに違いないけれど
 穴掘り始める 猫の手も借りず

 マーブルに溶け合わされた泥の中では
 しばしの休みを
 固い石飲み込んだなら もっと加速する

 地底へGo そこには何も聞こえない海があるだろう
 地底へGo 固い岩の向こうまで続く
 地底へGo 夕べの灯り落とさずに不意に出てゆこう
 地底へGo 誰かに連れ去られたように

 何か残しても気にしないのさ
 僕が忘れたら 君も忘れてく
 古い家の匂いはどこへ
 借りを返したら それは誰のもの

 地底へGo Down Father 止まらないように