1. 紅茶ブルーズ(REPRISE)
 どんな目にあってもいい
 天に昇るような気持ちがしてくるまで
 たじろぐほど喋り続け
 春のこんな日を待ち望む
 入れたよ紅茶 熱い紅茶

2. BLOODY APPLE SONG
 どこまでもタフな奴の身体もらえれば
 明日から心入れ替え 祈りを捧げよう
 夕方になった部屋の隅に
 小さく 重すぎず 手にちょうどの
 心臓に似たBLOODY 鋭い君の歯形が残っている

 友達について試しに説明してみる
 新たな尾ひれがついて分かりづらくなる
 簡単な本も読めないのだ
 遠い日々のようにかすかな匂い
 心臓に似たBLOODY 思わず胸に手を当て

 君の生まれ変わりに会った
 最初の月を思い出した

3. SPIDER(from outa space)
 この世界で良く言えば孤高の詩人
 今朝から紙とペンは禁じられてる
 地形の歪みについて話すレポーター
 ファクスに乗せる知らせのそばにSPIDER
 FROM OUTA SPACE

 煙草ポイ捨て社長の首をはねる
 いつもしているように放っただけが
 エラーの表示が出たら電話を切って
 耳の奥でする声を聞いてるSPIDER
 FROM OUTA SPACE
 どこが夏だ!

 流行りのチューインガムが前歯溶かす
 そこから逃げた言葉の後追いかける

4. 内密にね
 突然大金持ちの気持ちのいい日々が来たりする
 憶えている筈のない遠い親戚が現れたら
 構わないが トンビの様に新しい友達さらっても
 次に会うと挨拶の言葉はずいぶん変わっている

 夜ごとに恋するイカレタ星で
 よりけたはずみの出来心の仕業
 内密にね

 夢の中で暴れ過ぎ 誰かのきれいな顔殴ったが
 それが今やその通りの筋書きに変わり始めている
 良く伸びた白髪の男が目の前にちらついて
 ちょっと我にかえるのが少しだけ遅れてしまったが

 突然大金持ちの気持ちのいい日々が来たりする
 それが今や
5. DOGGY RICKY
 起き抜けの散歩の前に思い出した
 3度回ってみせるといいことがある
 ちょうど乾いた喉に素早く冷たい水を
 呼べば答えるあいつならば すべておまかせ
 何も心配はいらないだろう
 奴が耳のそばで言う すごいよDOGGY RICKY

 何度でも朝が来て起きなきゃならん
 どうやら嘘っぽい気配感じ始めた
 その前に何でもやっていいと言われるままに
 縄張りを確かめとけば間違いはなかった
 君の匂い頼りにしている
 少し忘れかけたのかも ちがうよDOGGY RICKY
 朝昼晩と喜ばせといて 油断してスキを見せたのかも
 惜しいよ DOGGY RICKY

 君に頼めば間違いないと思ってたようだ
 何も覚えてられないことを忘れてしまった
 首引っぱられた いやという程に
 奴が耳のそばで言う おそいよDOGGY RICKY
6. 曲がる曲がる
 コールタールの匂い 赤むけのうなじ
 生まれた道路に立ち止まって 思い出してる
 雨が降る匂い 雨蛙の瞳 重く湿ったズボンの裾踏んづけてる
 昔は鋭く切れ者と呼ばれてた(long time ago)
 今ではどうしていると訊いてみたいのは何故
 超人的なこと 普通の人からすれば(common people)
 それが全て消えてしまったと何かで読んだ(fade away)

 (曲がる曲がる)左から右の耳に抜けてく風
 (曲がる曲がる)膝の骨がだいぶゆるんではずれた
 (曲がる曲がる)忘れられた足がブーツにひとり

 さあ どんなことでも訊いてみればはっきり
 言われたとおりドア叩いたらすぐわかる
 (knock,knock,knockin'on heaven's door)
 だいぶ暑いけど悪気はないから
 ソフトクリーム 白い肘をつたって落ちる
 (hot town summer in the city)

 (曲がる曲がる)曲がる目が曲がる曲がる
 (曲がる曲がる)曲がる手が曲がる曲がる
 (曲がる曲がる)

 立つと同じ現象 また同じ現象
7. ON THE BORDER
 日中あからさま 日給のために
 熱中し続けてる 日中 日中
 国境について 卒中で倒れ
 絶叫の間もなく 日中 日中 日中

 足を君に噛まれた あと少し歩けるはずだ
 いくつもの道なき道しるべ

 誰も通りかからず 立ち往生したまま
 涙枯れはてる

 出生の秘密 十中八九は
 失笑かうための 欲求 欲求 欲求

 大きく腫れ上がって わずかにマヒし始めている
 一度も沈まない太陽の下

 血中の濃度 絶頂の前に
 白血球の踊り 血球 血球
 鉄橋にかかる 国境の前で
 屈強な腕見せる 日中 日中 日中

 Hey,Hey,Hey,ON THE BORDER
8. 怪しげな恋
 見慣れぬ手紙届いた矢先に
 慌てるでもなく予定が立ったなら
 最寄りの駅の書店で待っている
 南米の料理本の陰に隠れ

 春先の猫も振り返る怪しげな恋
 懐の具合気にしても無駄骨折る
 振り出しに戻るにはずいぶん覚悟がいる
 先に音を上げるのはどちらか賭けよう

 何か役立つもの探してスーパーで
 あらゆる香辛料買い占めて「領収書を」
 見つかりにくい場所のグッドアイディアがある
 注目の映画館の地下通路で

 気怠いカラスも群れをなす怪しげな恋
 苦しくても神秘の泉は奇蹟を呼ぶ
 既に幾日分かの着替えの準備もOK
 先に見破るのはどちらか賭けよう

 蒸し暑くなる ボタンはずす やや時間がかかっている

 南米の料理本の陰に隠れ
 注目の映画館の地下通路で
 気づかれぬように息を殺して
 明かりが消え もう少し近くへ
9. SHORT VISIT
 道の向こうの愉快な君の家を訪ねる
 とても安上がりなお土産手に入れたから
 今からどうだろう
 あっさりと罪深くささやく

 憶えていたらもう一度あの言葉をつぶやく
 大きなショックを何気なく与えるのも可能
 思うがままに
 やんわりと伝えるのがマナー

 ドアに丈夫な鍵をつけなよ
 鍵穴の外はBlowin'Blowin'Blowin'Blow

 こんなに良くしてくれるなんてありがたい
 こんなに泣いてもらえるなんて
 握手しようか
 (no time to live together)
10. チョコレイトで飛ぶ
 Monday 夢のMonday
 急な勘で向こう岸へ
 上手になった泳ぎを見せてあげよう

 鈍いアタマでもスピード上げて跳ね回る
 おいしくなったチョコレイトで飛ぶだろう

 考える余裕ないのだ まんまと罠にかかったのだ
 サンダル履きの仁王立ちで今にも行くだろう

 No word 視界にWhole world
 運が向いて余計なもの手に入れたら
 ヘビに睨まれたカエル
 注意して見てて こんな時はやり過ぎる
 おいしくなったチョコレイトで飛ぶだろう

 問題はどこへ飛べばもっと目が良く見えるか
 番狂わせの世の中の奥の奥まで

 万が一まぐれで奈落の底から這い上がれたなら
 教えてあげようか 新しいチョコレイトが出たことを
11. 傑作でない時
 そいつにかまっても 逃げられるだけの
 言葉のすれ違い
 この間もどうやら 徒労に終わった
 泣いても笑っても無駄

 考え続けてた凄い話を口に出してみると
 どこかおかしくて つじつまがあわない
 これは確かマスターピースだろう?

 あと何枚丸めても 夢に出てきたあの景色は遠いまま
 誰かに言われたちょっとした意見
 耳なりのようなディレイ

 夢のその先は霧の向こうでずっと待っている
 行方は知れないが 尻尾をつかんでる
 これは確かマスターピースだろう?

 遂に書き上げた凄い話をブタが読んでいる
 涙にほど遠い鼻息鳴り響いた
 これは確かマスターピースだろう?
13. COUNTRY ROAD
 あたりかまわず挨拶してばかり
 聞き耳たて冷やかしに来るのだろうか
 気がついたら一人で放り出され
 どこまでもどんな遠くも見渡せるCOUNTRY ROAD
 苦しい程に空気はよく澄んでるCOUNTRY ROAD

 干し草に包まれた夕べのスモークチーズ
 ある山には恐ろしげな紅いタイガー
 もとは友達のようなそぶりだった

 やがて土に還るならば死んでもCOUNTRY ROAD
 弔いの行列はいつまでも続くCOUNTRY ROAD