【Richard Thompson】 3/14 19:00〜 渋谷クアトロ とにかく無茶苦茶感動的でした。 まずは前置きから(^^; 彼はフェアポートコンヴェンションというグループの時代を 含めると約30年近いキャリアのベテランですが、もうその 半分くらいはソロで活動しています。どんな感じ?と言われ ると、トラッドフォーク(スコットランドとかアイルランド 辺りの民謡に影響を受けたフォーク)を米国の所謂ロックと 結び付けた、ルーツミュージック的な音楽を演ってる英国の (ある意味最も英国らしい)ミュージシャンですね。 私の敬愛するElvis Costelloも彼に凄く影響を受けているし、 他にも彼の影響を受けたアーティストは凄く多いです。 と、こういう風に書くと結構難しそうに聞こえるかも知れない けど、アイルランド民謡ってメロディが日本人の琴線に触れる ような独特の響きがあるし、基本はあくまでもロックです。 そのギターの上手さといったら、もう天才的ですしね。 近年は優秀なプロデューサーに恵まれて、老いてますます盛ん というか、単に渋くはならずに段々パワフルに、かつポップに なってるような気がします。声も結構ソウルフルだし、歌詞も ごく日常の怒りや絶望、哀しみ(根底には愛があるのだけど) を物語りっぽいタッチ(割とコメディ的な表現が多いか)で 分かりやすく表現してて、結構僕好みだったりします。 で、ライブですが、昨年リリースした2枚組「you? me? us?」 (何でこんな名盤を国内リリースしないのだ?馬鹿か◯芝)を 受けてのツアーで、昨日が初日でした。メンバーは実は当日迄 知らなかった(^^;のだけど、彼とダニー・トンプソンという ダブルベースの名手(2人ともEBTGの「アンプリファイド・ ハート」に参加してますね)の2人だけという、凄くシンプル な構成(新作のアコースティックサイドの再現か)で、まず これに驚きました。 リチャードはアコギ1本で、新旧取り混ぜて弾くわ唄うわ。 そこにダニーの渋いベースが絡み、本来楽曲が持つ素晴しさが バンド(やCD)の時以上に浮かび上がるという、実に贅沢な 瞬間を味わうことが出来ました。何回背筋に電気が走ったこと か。感動のあまり、声すら出せなかった。 近年の作品からがやはり多かったけど、フェアポート..時代の 曲や、'70年代当時の奥さんとリチャード&リンダトンプソン 名義で演ってた"I want to see the bright lights tonight" なんて曲を何げに演ってくれるものだから、もう涙ものです。 お客さんも古くからのファンや外人さんが比較的多く(若い 人も結構いたけど)、その人達とアーティストとのコール& レスポンスっていうか、ごく自然な会話のやりとりがあって その流れで次に演奏する曲が変わったり、リチャードが曲の ディテールを丁寧にジョーク混じりで説明するのだけど、それ に対する反応も凄く自然。例えば客からリクエスト受けた時、 今日は演れない(多分出来るんだけど)って時は「It's Hard」 とか「ミュージシャン組合の規定で演れない」みたいな返答を するんですよね(笑)。フェアポート...の話の時に'60年代の 話になって、「あの頃はいろんなフェスティバルに行ったけど、 みんなインド風の衣装や..」って言うと客の女性がすかさず 「or nothing!」(もしくは全裸!)ってな具合に返す(笑)。 そのあと照明をその女性の方に当てて、「当時出会ってたら、 恋に落ちてたかも知れないね」ってすかさずやり返すという やりとりは、日本人がやると凄くダサくなったりするのだけど、 会話も聞かずに「イエー!」の一点張りっていう状況に慣れて しまってたところがあった僕にはかなり印象的でしたね。これ がライブなんだよなって。 時間は約1時間半(アンコール含)でしたけど、それでも凄く 濃厚でした。2人が引っ込んで客電がついても誰一人帰ろう とせず、10分近くアンコールの声が鳴り止まなかったって のも、このライブの素晴しさを物語っています。 #客出しのアナウンスも段々ボリュームデカくなってたし(笑) #でもそれを客の歓声が消してしまうという。凄かった。 帰りに見かけたピーター・バラカン(やはり来ていた!)氏 の凄く嬉しそうな笑顔が今でも脳裏に焼き付いています。