【角松敏生 PRESENTS SPECIAL LIVE Vol.1】六本木PIT INN 19:30〜


 いつまで続くのか(笑)六本木PIT INNの20周年記念イベントの
 一環としてついに出てきた角松敏生。7月、8月で全10回の企画を
 予定しているそうですが、これはその中の1つで、アルバムでも
 共演したことのある鈴木茂、佐藤博という日本のロック/POPS界の
 重鎮達とセッションするというものでした。

(メンバー)
  角松敏生(g,vo)、鈴木茂(g)、佐藤博(p,key,vo)、沼澤尚(ds)、
  青木智仁(b)、友成好宏(key)、田中倫明(perc)

 角松は生で見るのは初めてだったのですが、それよりも何よりも(笑)
 あの鈴木茂と佐藤博が2時間出ずっぱりというシチュエーションが
 ひたすら贅沢で、この揃いぶみを見るだけに6千円払う価値はあったと
 思いました。

 角松による今日のライブの主旨の説明の後、最初は鈴木氏のコーナー
 になるのですが、彼は大村憲司のライブの時同様「歌わない」という
 ことを前提に出演を許可したそうで、ボーカルは全て角松が取って
 いました。1曲目「スノー・エキスプレス」はともかく(とはいえ、
 これがライブハウスで聴けるという状況自体凄く贅沢なんだけど)、
 「砂の女」「100ワットの恋人」「人力飛行機の夜」等のナンバーは
 やはりご本人に歌って欲しかったですねえ。でも、ギターのあの音は
 健在で、それが聴けるだけで満足というのも正直なところです。

 このメンツだけで十分卑怯なこのライブに、特別ゲストが出るという
 MCが入ったのは、鈴木氏のコーナーの終わりころだったでしょうか。
 ここまで贅沢かつ卑怯なら(笑)もう他に何が来ても動じないとは
 思っていたのですが、そこに登場したのが、何とあの小坂忠とは!!

 彼に関する説明は敢えてしませんが、近年は牧師としてゴスペルの
 アルバムも出している彼が、久々に名曲「機関車」をレコーディング
 したのを聴いたのが、角松が復帰(そろそろ本人も動きだすそう)を
 決めたきっかけの一つでもあるそうです。小坂氏も(リップサービス
 かも知れないけど)角松が以前「機関車」をカバーしてたのを聴いて
 凄く刺激になった、と言っていましたね。

 彼はその「機関車」と、これも名曲の「ありがとう」を熱唱します。
 「あー、この声だよ」と馬鹿みたいな感想が頭をよぎります。何だか
 感動とかそういうものを超越した喜びというか、痒いところに手の届く
 ような鈴木氏のギターも感情を暴走させます。でもこれを「感動」と
 いうのでしょうね。本当に感動すると声も涙も出ないというか。

 今、冷静になって(笑)あれこれ補足すれば、「機関車」は有名な
 『ほうろう』('75)のアレンジでした。オリジナルは「ありがとう」と
 併せて『ありがとう』('71)に収録されています。「ありがとう」は
 確か角松が布施明にカバーさせた時のアレンジだったと思います。
 オリジナルシンガーに自分のアレンジで歌わせる男、角松。恐るべし。

 もう一人の主役、佐藤氏もご自身の好きなブルースやR&Bのメドレーで
 凄く気持ちよさそうに弾いて/歌っておられました(PIT INNは久々なの
 だそう)。アンコールでビートルズの"Get Back"を演ったのですが、
 そこでのピアノは本家ビリー・プレストンを彷彿とさせるものでした。
 #勿論自分の曲も演られたのですが、勉強不足の為曲目分からず -;

 そんなご両人に「まさか同じステージに立ってもらえるなんて...」とか
 「俺も金払っていいですか?」と冗談混じりにリスペクトを捧げていた
 角松も、最後にはついに自分の曲を演奏します。しかも、それがあの
 「ALL is VANITY」からとは...。私は「この駅から...」のイントロから
 電気走りまくってましたし、
 #聞こえる筈のないホーンが頭の中で鳴り響いていたし(笑)
 #これでドラムがポンタさんだったら...(沼澤さんに失礼だろ)
 「What is Woman」なんて、個人的にはラストに三連のバラードを持って
 くるという発想自体卑怯だと思っているのに(笑)ましてやこの曲とは。
 #泣いているお客さんもいましたね

 これだけ凄い、ある意味「卑怯」なものを散々見せておいても、最後は
 見事に自分でかっさらっていく角松、いや、この壮絶なメンツをバックに
 従えても全然負けていないというところを、この場合は評価すべきでしょ
 う。それでこそ「角松敏生 PRESENTS」の意義もあるというものです。
 実際、このライブは私の心に深く刻まれるものになったと思っています。

 しかし、こういうライブが何げにやってたりするから、東京ってのは
 恐ろしいですよね(笑)。だからライブ通いは止められないというか。