【エリカ・バドゥ】2/7(Sat) 21:00〜 横浜Bay Hall

 「待望の来日」という言葉がこんなに相応しいアーティストが
 いたでしょうか?実際のライブはその期待を大幅に上回る、非常に
 素晴しいものでした。

				 * * * *
 Bay Hallって車じゃないと行けないようなヘンピな場所(新山下
 Club Heaven横)にあるんですが、ライブハウスってよりデカい
 クラブですね。内装はクアトロを横に延ばしてRを付けて、ステ
 ージの高さを少し低くした感じ。そのステージの両端にはスクリ
 ーンがあって、客入れの時はバスタ・ライムとか最近のHipHop系
 (だと思う。音出てないと最近のは全部Rapに見える(苦笑))の
 ビデオとかが流れてました。で、BGMもそれに呼応してか、DJが
 最近のソウル系を中心に回してました。最近のブラックには疎いの
 ですが、こーいう場所で聴くと「悪くないな」と思ってしまうん
 だから音楽ってのは不思議というか俺って単純というか。でも、私
 でも解るメアリーJブライジ("Real Love"だったか)とかが周り
 でも一番反応良かったからまあそんなものなんでしょう(笑)。

 しかし場所柄なんすかね。黒人のニーチャン(と、それにぶら下が
 ってる国産のオネーチャン)の多いこと多いこと。開演前は正直
 少し怖かったんだけど(苦笑)、この人達がエラい盛り上がってる
 んだわ、始まる前から。そこにスタッフの黒人が出てきて開演前の
 注意。注意って「タバコは吸うな、見つけたらつまみ出す」くらい
 で(笑)、後は「グラミー賞知ってるか?彼女は4部門ノミネート
 してるんだぜ。ソウルトレインミュージックアワードは見たか?
 あっちも4部門だ。凄いだろ、拍手!」みたいなことを言って盛り
 上がりに拍車をかけるという。いいぞ、こういう雰囲気。

 そうこうしてるうちに客もどんどん増えてくる。結構前の方で見て
 たんだけど、10分前位に振り返るともう人しか見えなくて。で、
 みんなだんだん押し寄せてくるんだけど、そんなにギュウギュウ
 詰めにもならないのは結構不思議でした。

 しかし一瞬潰されそうになったのは、9時ちょい過ぎに1曲目の
 イントロ("So What"のリフで始まるスキャット)が始まった時。
 イントロはCDより若干長めで、まさにバンドのウオームアップって
 感じ。ジラすだけジラすってのはJBの例を出すまでもなく伝統的な
 ソウル・ショーのそれですよね。で、遂にエリカ登場!

 トレードマークの布(何て言うんだろ?あの頭に巻いてる奴)を
 たっぷり耳まで被り、金色(ライトの加減でそう見える)の毛皮の
 コート(中には迷彩色のジャケットを着てる)をまとった彼女には、
 まだ新人なのに既に大御所の風格が漂ってる。いや、雰囲気だけじゃ
 なくてバンドやコーラスを統制する姿もなかなかサマになってるし、
 とにかくちょっとした仕草から何から(因みにステージにはカップと
 お香の置かれたテーブルとアンク(十字架)を象ったイスが置いて
 ある)何から凄く格好いいんですよね。紅茶(だと思う。カップに
 レモンが差してあった)を飲む時やお香をくゆらす時の指の動き、
 その一つ一つがまるで芸術作品のようでした。それでいて時折こぼ
 れる笑顔はメチャメチャ可愛い!もう自然と目は彼女に釘付けになっ
 てしまいます。

 (ステージを上から見るの図)
         ======================================
                 Drum         Bass
           Key                      Chorus(♀)
              テーブル イス     Chorus(♀)
                       Erykah         Chorus(♂)
       (結構動くし、たまに踊る)
         ======================================
          観客(前の人は握手とかしてもらってた)

 曲目は殆ど例のライブ盤と同じ。ロイ・エアーズのカバーを演らな
 かったくらいかな(Chaka Khanのカバーは凄かった!)。"Rimshot"
 で始まって"Tyrone"までが本編(約1時間)。それでアンコールが
 "Certainly"とライブ盤アレンジでコーラスやバンドのソロ回しを
 もっと長くフィーチャー(ソロが終わった人にエリカがお香を配るの
 が印象的)した"Next Lifetime"の2曲。あっと言う間の終演は10:30
 でした。

 なんて今だから冷静に書いてますが、ライブの最中は衝撃と圧倒の
 連続で、ただもう「凄い」と唸るのが精一杯でした。

  あのライブ盤の音世界がどのように目前で展開されるか。これが今回
  私の一番楽しみにしていた部分です。事前にライブの断片をテレビで
 見る機会があった(プロモーションビデオ)ので、活字の情報も合わ
 せある程度イメージはあったのですが、やはりその場で自分の目で見て
 いる状況とカメラ越しテレビ越しの状況では、もう全然違います。

 "on & on"の時の「サイファー」についてのMCには通訳を入れてまし
 たね。あれはもう恒例なんでしょう。あと"Ye Yo"のMCでは「"Seven"
 に捧げる」って言ってました。生まれた子供って男の子だったんです
 ね。で、客の反応ですけど、ノリがいい上に皆歌ってるという。あれ
 は凄かったな。"Rimshot"や"on & on"はともかく"Tyrone"とか"Next
 Lifetime"のサビ以外でも周囲からドッと歌が聴こえてくるんですよ。
 何度も「ここ日本なのか?」って錯覚を覚えました。

 根底にあるのは伝統的なソウルなんだけど、同じ曲をアレンジを変え
 て全く別の雰囲気にしてしまったり、同じ歌詞(例えば"on & on"の
 フレーズとか)をいろんな曲に差し込んだりするのはHipHop的(Rapも
 披露した:彼女はは自身をHipHop Artistと称している)で、その辺が
 ニュー・クラシック・ソウルと呼ばれる所以なんでしょう。個人的には
 レコードよりも凄く「歌える」印象を持ったし、これはなかなか侮れ
 ないなあ。やはり凄い女性です!!

 次はディアンジェロだな。早く来日してくれないかねぇ...。