ネッシー製作計画

 ネッシーU。つくりたい。でも、置くところない。作るのも大変そうだし覚悟がいる。失敗したくないし、完成度の高い物にしたい。自分の工作歴で培った技量で足りるだろうか?木材の金額もばかにならない。等々、いろいろ考えてしまう性格の私としては、ネッシーU製作にはなかなかとりかかる決断がつきませんでした。
 そんな折、自宅の改築を機に、ホームシアターへの夢がふくらみ、「やるなら今しかない!」と気張って、12畳フローリング、デコボコ天井、簡易防音…二重窓と防音扉と吸音壁紙、スピーカー配置場所の床補強等を施した部屋を確保しました。室内灯もフルリモコンにしちゃって。スクリーン設置のための補強材もコンセントも用意しました。(お世話になった住友林業のみなさま、御礼申し上げます。)
 これで、器は整った、…といっても、プロジェクターを買うお金なんてないし、そもそも物が多くて部屋が片づかない。
 でも、でも、 時々発作が起きてネッシーUの製作計画をたててみたりしていました。

ネッシーUの構造図や板取図は、「全図面集A」の143ページ〜に載っています。買って見て下さい。
 ※「観音力」の44ページ〜にも載っています。(ここには有用な最新情報も出ています。)

 これをもとに、私の部屋の天井高2450ミリに納まるように設計をいろいろ変更してみました。ネッシーJr.(F−2000)にすればいいのかもしれませんが、すでにユニットも買ってありましたし、やはり、ネッシーUに魅力を感じてしまうので、Jr.のせんは捨てました。ところが、ネッシーJR.の記事を読んでいたら、その最後にトップパイプを前面開口に変更する方法が書いてありました。「これだ!」ネッシーUにこの部分を準用しよう!!いいものを見つけました。
  ネッシーJR.の記事は、「スピーカークラフトBバックロードの傑作」の47ページ〜に載っています。

 設計変更はあれこれ考えました。
 まず、全長を短くすることで、共振周波数とかディップとかピークとかいうものがどうなるのか、持ち合わせの資料から判明した範囲で調べてみました。もう一度やれといわれてもできないような計算式が書いてあるメモが手元に残っています。自分で計算したのに、今見ると、なんだかわかりません。その当時はある程度はわかって計算したのでしょうけど。で、計算結果が出ているのですが、だからどうだと言われても、知識を持ち合わせていないので???状態でした。「まあいいや。ちょっと短くなってもいい音出るでしょ」と、楽観的に計算打ち切り。気持ちは、板取に。

 板厚を15ミリから18ミリとか21ミリに変更することを考えましたが、頭がこんがらがるのでやめ。失敗はしたくない=今回は冒険はしたくないので。

 最初は、共鳴管の長さをそのままに、基部の差込を深くとったものを考えました。しかし、今考えるとこれにしなくてよかったと思います。後に述べますが、基部に共鳴管を差し込むのはなかなかギリギリをいく難しい部分だったので、580ミリも差し込むことになっていたら、発狂していたことでしょう。設計時にもふとそんなことが頭をよぎったので救われました。後本家において差し込みはぴったりぎりぎりだったという記事を読んだ記憶があったので。

 次に思いついたのは、基部はオリジナルのまま。これは、よかったですね。板取もこうすると苦労が少なくてすみます。これでいこう!
 ここで、「ありゃ、今までネッシーUじゃなくてネッシーの設計を参考にしていた!」 ことに気付き、愕然。
 というほどのことでもないですけど、基部の高さが、910ミリから1100ミリに高くなります。おー、これで全長がちょっと伸びた(のかな?)。一瞬、もっと基部を高くすれば、もっと全長が長くなる…と、頭をよぎりましたが、基部=オリジナルのまま気楽さには勝てず。もし高くしたら、格好悪くなる可能性も大きいし、性能的にもどんな影響が出るかわからないし。無難なせんでいきましょう!?

 「スーパーAV」の174ページ〜の記事や、「こんなスピーカー見たことない」の138ページ〜の記事は、元祖ネッシーのものですう〜。要注意(?)

 気を取り直して、基部1100ミリで考え直し。
 共鳴管部分が一番板厚が薄い状態で露出するため「鳴る」らしいので、トップパイプを基部までかぶせるような形にしようかと考えました。が、なんだかカッコが悪くなりそう。タイガーマスクのミスターノーみたい…っていうか…。
 そうだ、カッコを基本に決めよう!そう思って、オリジナルのトップパイプ、共鳴管、基部の露出部分の比率を見てみました。600:1300:1100です。なるべくこのゴールデンプロポーションに近いようにしようと考えてみました。
 結果的には、上から、370:980:1100になりました。基部が同じだから、仕方ないですけど、トップパイプが大きくなると格好悪いように思ったので、なるべく小さくしました。その方が、背も高く見えるだろうし。共鳴管よお〜、ブイブイ鳴いてくれってなもんです。期待と不安を込めて。
 そこから板取を開始したのですが、その詳細は書きません。書くと著作権を侵害しかねないので。私のではなくて、オリジナルの。
 板の枚数はオリジナルと同じ7枚(15ミリシナ合板)です。ただ、余りが出たので、スーパースワンの一部と金子式壁掛スピーカー台の板も取れました。
 板は、シナ合板がいいと思います。あ、ラワン合板に比べてということで。あとで突板を貼ることにしているので、シナ合板だともったいないようにも思いましたが、工作がしやすいです。ケバケバほろほろしにくいので。
 板については、「Stereo」誌の記事等で、他にもいろいろよさそうな木材が挙げられているのを見ましたが、まあ、御本家も合板(ラワン?)みたいだし、工作が大変だとヤバイし、反ったりしてもやだし、ということで、シナ合板でいいでしょっていう感じで決心がつきました。

 文章ばかりになってしまいましたが、これにて、設計&板取完了!