◇◆ 妖精 ティターニア ◆◇
 妖精国の王オベロンの妻で、月光に濡れた夜の森の支配者である妖精の女王。空飛ぶ獲物を追う不思議な女狩人としても伝えられる。フェアリーと呼ばれる妖精の侍女達を従えてダンスを踊る。
 気に入った人間の男性を見つけると無理矢理自分の国に引き込み、飽きるまで愛を注ぎ続けると言われる。お気に入りの人間を取り合ってしばしばオベロンとと夫婦喧嘩をするとされ、シェークスピアの「夏の夜の夢」においてもインドから攫って来た養い子を巡ってオベロンと起こした諍いが騒動の元になる。

 名前は「大地の娘」を意味し、ギリシャ神話の巨人ティターン神族の女神を指す言葉である。初出は古代ローマの詩人オウィディウスの「転身物語(『変身物語』とも訳される)」においてティターン族の一人である太陽神ソルの姉妹とされた月の女神ダイアナの異名の一つであり、時にダイアナと同一の存在であるともされる。「チタニア」「タイターニア」と呼ばれることもある。