◇◆ 女神 スカアハ ◆◇
 ケルト神話に登場するダヌー神族の女神の一人で、武術・魔術ともに優れた技を持つ女戦士。死者の島とも言われる「影の国(スカイの国とも呼ばれる)」の女王であり、また予言の力も持つとされるなど呪術師的な性格も併せ持つ。
 影の国は7つの城壁に囲まれた町とされるが、所在地は地下・天国・西方の彼方など諸説ある。また荒れ果てた平原と大森林と荒海を越えた場所にあるとされ、入ることすら非常に困難であるとされる。
 若い英雄に素晴らしい秘術と武器を授けると伝えられ、多くの若者が教えを請わんと彼女の城を目指した。しかし並外れた実力のない者は彼女の城に入ることさえできない。見事辿り着いた勇者は1年と1日の間島に滞在し、技の全てを授かったとされる。妖精の騎士クー・フーリンもスカアハの許で修行を積んだ一人であり、またクー・フーリンが影の国を去るときに魔槍ゲイボルグを授けたのも彼女である。

 「スカサハ」「スカアサ」「スカーハハ」と呼ばれることもあり、また「英雄の母」とも称される。また北欧神話の女神スカジ(スカディ)と同一視されることもある。