◇◆ 邪鬼 オーガ ◆◇
 ヨーロッパの民間伝承や中世騎士物語に登場する巨人の総称。身長は人間の2〜3倍から大きい者では5メートルを超えるが、体の大きさを自由に変える力を持つとされることもある。一般に人食い鬼と称され、特に若く美しい女性や柔らかい子供の肉を好むと言われる。しばしばゴブリン・オーク・コボルドなどを従え、住処に財宝を蓄えているとも言われる。怪力で凶暴・冷酷な性格をしているが、勇者の剣や頭のよい人間のとんちに引っかかって倒されることが多い。
 フランスの作家ペローが「長靴をはいた猫」の中で「オーグル」と呼んだのが命名であるとされ、これを英語読みしたものが「オーガ」である。作中では変身の力を持つが、猫に「何にでも化けられると言っても豆粒には化けられないだろう」と言われてむきになって豆粒に変身したところを食べられてしまう。またイギリスの英雄叙事詩「ベオウルフ」に登場するグレンデルもオーガの一種とされる。

 名前の由来はローマ神話の冥府の王「オルクス」とする説、北欧神話の主神オーディンの別名「ユッグ」とする説がある。女性のオーガは「オーグレス」と呼ばれる。