![]() |
… それから、彼らはガリラヤの対岸、ゲラサ人の地に渡った。陸にあがられると、その町の人で、悪霊につかれて長いあいだ着物も着ず、家に居つかないで墓場にばかりいた人に、出会われた。この人がイエスを見て叫び出し、みまえにひれ伏して大声で言った、「いと高き神の子イエスよ、あなたはわたしとなんの係わりがあるのです。お願いです、わたしを苦しめないでください」。それは、イエスが汚れた霊に、その人から出て行け、とお命じになったからである。というのは、悪霊が何度も彼をひき捕えたので、彼は鎖と足かせとでつながれて看視されていたが、それを断ち切っては悪霊によって荒野へ追いやられていたのである。イエスは彼に「なんという名前か」とお尋ねになると、「レギオンと言います」と答えた。彼の中にたくさんの悪霊がはいり込んでいたからである。 … (ルカによる福音書 第8章第26節〜第30節) 自己と他者との識別が不能となった複数の霊体が結合した悪霊で、怨念の力は増している。名前は六千人の歩兵と騎兵から成る一個師団を表す軍事用語に由来しており、当時パレスチナを支配していたローマ軍の重圧を端的に表している。 |