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記紀神話に登場する神で、葛城山の御神体とされる国津神。吉事も凶事も全て一言で言い当てるとも、何事も一言で聞き届ける預言の神であるともされる。稀にコトシロヌシ(言代主/事代主)と同神とされることもある。 葛城山に狩りに入った雄略天皇は自分達と全く同じ大王の行幸の供揃いをした一行に出会い、相手に何者か問う。古事記では問い返された天皇が先に名乗るが、相手からヒトコトヌシの名を聞いた天皇は恐れ畏まって自分と供揃いの衣服と武具を全部献上し、神は喜んでそれを受け取ったとされる。日本書紀では天皇とヒトコトヌシが共に狩りを楽しみ、日暮れには神が天皇を送ったとされる。 後に役小角に使役され、金峯山と葛城山に橋を架ける作業に多くの天狗や鬼神達と共に駆り出される。しかしヒトコトヌシは醜い姿を晒すことを嫌って夜しか働こうとしなかったため、怒った小角に谷底に呪縛される。これを恨んで「役小角が謀反を企てている」と託宣したことが小角が伊豆に流刑される原因となったと言われる。 古事記では「一言主」、日本書紀では「一事主」と記される。 |