◇◆ 邪鬼 グレムリン ◆◇
 イギリスで19世紀以降に注目されるようになった新しい妖精で、緑色をしたゴブリンのように醜い小人の姿で描かれることが多い。飛行機の機関部に楽々潜り込めるほど小さく、機械の調子を狂わせ故障させると言われる。
 高所が好きで元々は山頂に住んでいたのが、同じく高い空を飛行する飛行機に取り憑くようになったとされる。第二次世界大戦中にドイツやイギリスの飛行機が謎の故障を起こすことが多々あったのを、軍のパイロットは謎の小人の仕業として恐れた。今も原因不明の故障を「グレムリン・エフェクト(グレムリン効果)」と呼称する。
 本来は人間を手助けする妖精であり、フランクリンの電気やワットの蒸気機関の発明にヒントを与えたとされる。しかし助力が認められることがなかったため彼らは怒り、次第に悪戯をする存在に変わっていったと言われる。

 名前は「ゴブリン」の変形とも、アイルランドのゲール語で「不愉快なちびすけ」の意味を持つ語であるともされる。スピルバーグの映画「グレムリン」は有名であるが、ここに登場するグレムリンはこの伝説とは異なる存在である。