(C)1995 GAINAX


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 本作品は、1995年開催の「ガイナ祭」の企画として作られたアニメ企画会議のものです。


企画は尊師イタコイチロウ
(どうみても庵野監督)

広報部長は山賀博之

イラストは眠田直氏によるもの。

ストーリー
 場所は南海の孤島。捕鯨学校へ通うリチャード・クレア3世は、鯨とりの名手だ。
彼は、海辺で忘れていた恋人と出会った。
「俺は、どうして彼女のことを忘れていたのだろう・・・・あんなに近所に住んでいたのに」
 実は彼女は外宇宙生命体”クジラ星人”が地球に送り込んだスパイなのだ。彼が思いだしたのは彼らによって作られた偽りの記憶だった。クジラ星人は環境保護団体だ。
 頭がバカなリチャード。だが、彼には捕鯨学校の仲間がいる。彼はとても幸せだ。
 彼の弱点は、背中を見せた後ろ向きのクジラには鋲を打てるが、向かってくる前を向いた相手には、ビビってしまって手も足も出ない事。彼は「鯨とり」の仕事に誇りを感じていた。

 女は突然言い出した。
「鯨はかしこい動物よ!殺さないで!」
あろうことか捕鯨学校の仲間たちも彼女に感化され「しばらく捕鯨はやめて鯨を増やそう。」などと言い始める。
 リチャードは脳の操作もあって、彼女を愛していたが、誰も彼の情熱の炎を消すことはできなかった。彼は言った「俺、捕鯨しかないから・・・・・」
 そんなリチャードに、スパイながら惹かれていく女。女の活動は、地球人の捕鯨活動を止め、より多くの鯨を奴隷として自分の本星へ送れるようにすることだ。
 そんなある日、巨大な足つきの鯨(クジラ星人)が学校を襲った。破壊される学校。
クジラ星人は彼女をさらって、宇宙へ飛び去った。

 クジラ星につくリチャード。そこで彼が見たものは、改造手術で手足をつけられ、重労働にこき使われるクジラ達の姿だった。
 リチャードはこの基地を破壊し、鯨達を解放する。「すぐ地球につれて帰るよ」
だが、クジラ星人(身長15M)は、リチャードの前に立ちはだかる。正面からはモリを打てないリチャード。
危ない!と思ったとき、その二者の間に一頭のクジラ星人が割って入って背中を向けた。
「さぁ!打つのよリチャード!」
 その声はまぎれもなく彼女のものだった。
 彼女の真の姿。
 リチャードの左手には、30M伸びる仕込みモリだ。彼は、それを彼女の背中に打ち込んだ。
 二頭を串刺しにするリチャードの左手。
「モリを打つ時のあなたの顔が好き・・・・・」
 そう言い残して彼女はクジラ星人特有の紫色の血に染まった。

地球に帰ったリチャードは、大いに悲しみ、以後”グル”と名を変え、紫色のマントを羽織るようになった。
バカは少し直った。



・・・・・・END
リチャードの宇宙に行く方法案