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発表稿
原作・脚本     :志村直希
資料協力     :佐々木香織

(C)1996 naoki shimura, 東京経済大学第二部演劇研究会

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”夏”を思わせるSE。照明フェードイン。山賀が、ベンチで、ウインドブレーカーを枕 に新聞を布団に見立て寝ている。(ここのベンチは背中合わせで反対側にも有ります。) すると、下ソデから岩井、奈良橋が来て反対側のベンチに座る。山賀、目覚め、伸びなど をしながら髪をかき、その流れで手を見て、   山賀  「なんだ、まだ生きてるじゃないか」 山賀、起き上がり、少しボーッとして、自分の脈を測りながら、思い出すように。   山賀 「全ては君の思うがままに、全ては貴方の希望と共に、そして、・・・」 ベンチに横になり、   山賀  「そして、・・・・」 横になりながらも脈を感じている。脈を測っている手を見てみたり、手を動かしてみたり している。   山賀  「なんで、指って五本あるんだ?」 山賀はいつの間にか手を眺めるのを止め、寝たまんま天を仰いでいる。そこに上ソデから、 小津がくる。小津はベンチが両方埋まっているので、ショック。そして、山賀の顔を一度 確認して(別に怒鳴ったりはしてこないだろうと確認してから、)   小津  「あの、」   山賀  「ハイ?」   小津  「お隣、いいですか?」   山賀  「ええ、少しだけ待ってくれますか?」   小津  「はい」 山賀もう一度だけ、脈を確認して、起き上がり、ウインドブレーカーを抱え、   山賀  「どうぞ。」   小津  「ありがとうございます。」   山賀  「いえ、・・・・別に、・・・・」 小津、カバンから、佐藤亜紀の「バルタザールの遍歴」を出し、読み出す。それを横目に 脈をみて、ウインドブレーカーから、手帳とペンを出し、脈拍数をメモする。山賀少し暇 を持て余し、さっき投げた雑誌なんかを気にしながら、   山賀  「面白いですか?。小説」   小津  「・・・・・・・・・・・・・」   山賀  「・・・・・・・・・・・・・」   小津  「・・・・・・・え、なんか言いましたか?」   山賀  「いえ。」   小津  「あ、そうですか、いえ、読み出すとどうも、他への注意が向かなくて、」   山賀  「面白いんですか?それ、」   小津  「これですか?、最高ですよ。まだ若いのに、知識量はハンパじゃないし、        その上、この文才は今までの日本にないオリジナリティを兼ね備えている。」   山賀  「”バルタザールの遍歴”・・・」   小津  「そう、佐藤亜紀の長編第一作。」   山賀  「覚えときます。」   小津  「あ、そうだ、貴方のような人に読んでもらいたい本があるんですよ。ちょ        っと待ってください。」 と言ってカバンから本を探し出す。   小津  「えっと、何処いったかな、・・・・いとうせいこうの、「ワールズ・エン        ド・ガーデン」っていうんですけど・・・・あれ?何処いった?」   山賀  「別に読みたいなんて言ってませんよ」   小津  「・・・・・・あ、そうですね。、薦めたがりやなもので、」   山賀  「いえ、別に。」   小津  「それに、本が好きそうな感じにも見えたもので、・・・」   山賀  「?。そうですか・」   小津  「ええ、そう見えます。」   山賀  「ふーん。・・・・そうかな、でも、薦めたがりやの貴方に言われても説得        力に欠ける気もしますけど、」   小津  「私は本の好きな人にだけ、しつこく薦めるんですよ。」   山賀  「はぁ、」   小津  「・・・・じゃ、読書に戻って宜しいですか?」   山賀  「ええ、なるたけ、邪魔はしませんから、」   小津  「ありがとうございます。」 小津読書を進める。山賀、もう一度脈を見る。が、脈が見つからない。そしてもう一方の ほうの腕の脈を探し、見つけ、ホッとする。   山賀  「全ては君の思うがままに、全ては貴方の希望と共に、そして、・(考え)        ・・・そして、」 やはり続きが言えず、ウインドブレーカーのポケットから、ボロボロのメモを取り出そう とすると・・・   小津  「そして、届くであろう私の声が、」 小津を見る山賀   小津  「ですか。」   山賀  「どうして知ってるんですか?」   小津  「”片桐しとか”ですよね。それ、」   山賀  「・・そうですけど、知ってるんですか?」   小津  「ええ、知ってますよ」   山賀  「どうして?」   小津  「貴方が思ってるより有名ですよ彼女は、詩そのものは、今はこれしか世に        出てませんけどね」   山賀  「そうなんですか、知らなかった。」   小津  「それよりも、貴方こそよくしってましたね。」   山賀  「・・・・・・」   小津  「いやいや、そうゆう若い人が増えてくるっていいことですね」   山賀  「一つ聞いていいですか?・・・・・・さっきから気になっていたんですけ        ど、サラリーマンですよね?」   小津  「ええ、」   山賀  「営業の人なんですか?」   小津  「違いますよ」   山賀  「じゃ、何で会社にいかないんですか?」   小津  「小説家になろうと思いまして、こうやって日頃会社を休んで基礎を積んで        いるんです。」   山賀  「クビになりませんか?」   小津  「私としては何時なってもいいんですけど、口座を見ると、ちゃんと給料振        り込んであるんですよ」   山賀  「変な会社ですね」   小津  「私もそう思います。」   山賀  「楽でしょ、仕事してないのに給料もらえてれば?」   小津  「イヤミっぽいですけどね。」 「じゃ、」といった感じで、読書を再び始める。山賀も、再び脈を測る(確実にクセにな っている。) 照明切り替え。FM放送のBGM舞台の端のブースにスポット。塚本がDJをしている。   塚本  「さて、ここでハガキを一枚、そうそう、この番組FAXが少ないんだよね。        まさか使い方を知らないなんて事はないだろうけど、FAXも頂戴ね。ん        じゃ、えーと、江東区の佐藤さんから、”私は以前遠距離恋愛をしていま        した。彼は九州の人で、何でも相談してから決めようと、話していました。        所が、彼は私の相談無しに、九州での就職先を決めてしまっていたのです。        「あの時の約束は嘘だったの?」私が聞くと彼は一言「俺を信じろ」と、        ・・・・その日は泣きましたが、彼の言葉を信じて待ちました。すると、        彼は向こうで彼女ができ、もう私とは付き合う事ができないとの事でした。        やっぱり、近くにいる人がいいんですね。私には楽しかった頃の思い出が        いっぱい入った。彼のカセットテープが残るだけでした。でも、最近やっ        と、いい思い出の一つとして整理する事ができました。今日はその思い出        の曲をリクエストします。・・・・・・・・・・そっか、その彼って最悪        な奴だな、よっし、じゃあ、江東区の佐藤さんのリクエストで、”ちゃん        ちきおけさ”」 「ちゃんちきおけさ」が掛かり、音楽フェードアウト。   塚本   「ねぇ、石井さん呼んでくんない?」   音響   「はーい!!」 塚本と石井が来る。   塚本   「ねぇ石井さん、何で俺を老人番組に飛ばしたんですか?」   石井   「そこが、適材適所だと思ったからだよ」   塚本   「なんで!!」   石井   「なんでって、なぁ」   塚本   「ちゃんと答えてください!!」 石井、塚本の肩をポンっと叩き   石井   「君の力が頼りなんだよ」   塚本   「答になってませんよ!!」   石井   「まぁまぁ、まだ二回目じゃないか、反応がでるのは次回以降なんだから、」   塚本   「・・・・・・・・・・」   石井   「それで当たってみろ、お前は、その第一人者DJとして仕事量はどんど         ん増えていって、小室哲哉バリの時の人に、・・・」   塚本   「それ、子ども向けFM番組の時聞きました。」   石井   「・・・・・・・・」   塚本   「あれ、確か三回めから、野球が始まって、毎回づぶれて、シーズンオフ         になったら、番組なかったんですよ。」   石井   「あ、ああそんな事あった?(時計を見て)おっと時間だ、それ、第二部         の後聞こう、じゃな」 石井去る。   塚本   「第二部ね。午前二時から、十一時まで枠取って、上手くいくのかよ。」 照明切り替え。山賀と小津が前に、岩井と奈良橋が背後にいる。山賀は脈を測っている。 小津は読書をしている。後ろで奈良橋、岩井を打つ。その音に気がつく山賀と小津   山・小 「・・・・・・・・・・・」   山賀  「(後ろを伺って)喧嘩ですかね」   小津  「そういえば、なんか言い合ってましたよね。」   山賀  「・・・・そうですね、」   小津  「ま、夫婦喧嘩は犬も食わぬってね」   山賀  「ですね」   小津  「(読書)」   山賀  「あの、」   小津  「何か、」   山賀  「貴方はいつもここに、来るんですか?」   小津  「ええ、あと、」   山賀  「ハイ?」   小津  「小津と言います。」   山賀  「あ、すいません。山賀です。」   小津  「私は毎日ここに来てこうやって本を読んでますよ。」    山賀  「じゃあ、一つお願いしたい事が、」 山賀、ウインドブレーカーから、診察券を取り出し、   山賀  「これ、預かってもらえませんか?」   小津  「(受け取って)診察券ですね。どうしてですか?」   山賀  「・・・・・・・・・・・・」 岩井去る(上ソデ)   小津  「答えられない物を預かるのは、ちょっと。・・・お返しします。」 小津、差し出すが、山賀は考えている   小津  「どうしました?」   奈良橋 「どうして男ってああも露骨でウジウジしてんのよ!!」   小津  「どうしたんでしょう」   山賀  「さぁ、」   奈良橋 「何であんなのと私付き合ってんのよ!!悔しいったらありゃしない!!」   山賀  「くやしそうですね」   小津  「そうみたいですね」   奈良橋 「アンタ達何見てんのよ!!」   山賀  「何って」 奈良橋、小津から診察券を取る   小津  「あ、」   奈良橋 「”あ、”じゃないわよ!!息子にカードなんか渡して!!」   山賀  「息子?」   奈良橋 「そうやって甘えた事するから、ろくな大人にならないのよ男って!!父親        なら、そういう事まず先に考えるべきでしょうが!!!」   小津  「父親?、いや、私達はそうゆう間柄ではありませんし、そのカードは貴方        が思っているようなカードじゃありません。」   奈良橋 「男が言ってる事なんて信じられないわよ」   山賀  「じゃ、しかたないな」   小津  「何でそんなに冷静なんですか!!、お嬢さん、そのカードをかえしてくだ        さい」   奈良橋 「ハッ、そんな都合よく返すわけないでしょ!!こんな物」 奈良橋、カードを割る   小津  「あ、」   奈良橋 「なんか文句ある?」   山賀  「割れたモンはしかたないね」   小津  「いいんですか?大事なものなんでしょ」   山賀  「多分ね」   奈良橋 「なんでそんなにシラけてんのよ!!張り合いないわね!!」   山賀  「あ、誰かに当たり散らしたいだけなんだ。」   奈良橋 「なんですって!!」 塚本と、石井上ソデから来る   塚本  「石井さん!!」   石井  「大丈夫だって、」   塚本  「何が大丈夫何ですか!!」   石井  「だから、君の力が頼りなんだって、」   塚本  「答になってませんよ」   石井  「なぁ、あまりしつこいとウチの局での仕事無くなるよ。」 塚本、立ち止まる。   石井  「いいか、DJの仕事を続けたいなら、文句言わずに今の仕事をこなせ、         いいな」 石井去る。   塚本  「ふざけんな!!こっちはこっちでやりたい事があるんだ!!」 と怒鳴り、戻ろうとすると、奈良橋にぶつかる。   塚本  「っと、邪魔だな。」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・・・」   塚本  「なんだ?」   奈良橋 「H!痴漢!変態!!」   塚本  「は?」 「は?」と言うが早いか奈良橋に打たれる塚本。照明カットOPと同SE。(ピンスポ、 回想といった感じ。*一考) 照明フェードイン。岩井と奈良橋は正面に座っている。岩井、奈良橋にいちゃつこうする が、奈良橋それを制止させる   岩井  「・・・・・そういえばお前、最近冷たいよな」   奈良橋 「アンタの本性が解ってきたからね」   岩井  「本性ってなんだよ」   奈良橋 「”本性”の意味も知らないの?バッカみたい」   岩井  「そういう事じゃないだろ!」   奈良橋 「じゃ、どうゆう事よ」   岩井  「第一なんでそんなに怒ってんだよ」   奈良橋 「・・・・・」   岩井  「なぁ!」   奈良橋 「・・・・・」 岩井、携帯にTEL。暫くして奈良橋にベル。奈良橋切る   岩井  「おい、ふざけんなよ!!」   奈良橋 「ふざけてんのはアンタでしょ!!」   岩井  「オレの何処がふざけてるって言うんだよ。」   奈良橋 「クリスマスの時の電話、ふざけてないって言えるわけ?」   岩井  「クリスマス?、(怒って)そうだよ!なんであんとき途中で電話切ったん        だよ!失礼じゃないか!!」   奈良橋 「アンタに失礼なんて言われたかないけど」   岩井  「何!」   奈良橋 「それよりも、なんて言ったか覚えてる?」   岩井  「当たり前だろ!!」 と言って、携帯を取り出し、かける。奈良橋は速攻で自分の携帯の主電源を切る。少しし て岩井それに気がつき。   岩井  「おい!ふざけんなよ」   奈良橋 「ふざけてんのはアンタでしょ。何度も同じ事言わせないでよ」 岩井ぶつぶつ文句言いながら、電話をしている格好をし、   岩井  「さっき、サンタから電話が来てさ、今日は忙しすぎて君の所いけないって        言うんだ。そこで代わりに君ん家へ行ってほしいって、今からだけど・・        ・ダメ?」 で、一度奈良橋を伺う   奈良橋 「続けて、」   岩井  「で、クリスマスプレゼントだけど何がいい?。特に無ければオレが決めち        ゃうけど、そうだな、オレにできる最大限のプレゼント。身体を使ったと        ても気持ちいい・・・」   奈良橋 「そこまで!!・・・なんで、そんな気持ち良さそうな顔してんの!」   岩井  「いや、・・・イメージトレーニングだよ!!、そう、イメージトレーニン        グ!!」   奈良橋 「何の?」   岩井  「こんな昼間っからは言えないなあ!!」   奈良橋 「アンタがそこまで露骨な奴だとは思わなかった。」   岩井  「男って皆そうなんだよ!!」   奈良橋 「最低、」   岩井  「な、そこまで言うのか!!」   奈良橋 「言うわよ!!、こっちが真剣に話してても、ちゃんと目を見て聞いてない        くせに!」   岩井  「見てるじゃないか!!」   奈良橋 「今だけじゃない!!」   岩井  「じゃ、じゃあ何処見てたっていうんだよ!!」   奈良橋 「胸と唇」   岩井  「なんでこんな時に見なきゃなんないんだよ!!」   奈良橋 「キスしようと企んでたくせに」   岩井  「何でそんな事わかるんだよ」   奈良橋 「わかるわよ!だって眼鏡してないじゃない!!」   岩井  「そ、そんなの理由にはならない」   奈良橋 「何どもってんのよ」   岩井  「でも、そんな事理由には・・」   奈良橋 「キスするときはいつも眼鏡外してくるって言ってたのはどちらさん?」   岩井  「い、今は違うぞ」   奈良橋 「どうだか、」   岩井  「違うんだよ!!」 岩井、奈良橋に近づき、   岩井  「ちがうよ、眼鏡をかけているのは君を遠くから探す為で、眼鏡を外してい        るのは、こうやって君の顔を近くで見るためだよ」 と言って近づきキスしようとする   奈良橋 「そうやって何人落としたの?」   岩井  「五人(即答)」 奈良橋、岩井を平手打ち。   奈良橋 「最低」   岩井  「・・・・・・・・・・・・・」 照明フェードアウト。そして、イン。奈良橋が、ベンチの真ん中に座っている。その後ろ に山賀、左に小津。右に、頬を抑えた塚本。   奈良橋 「ごめんなさい」   塚本  「・・・・・・・・・・・・・・別に」   奈良橋 「(診察券を出して)これも」   山賀  「いいよ、別に。」   小津  「・・・で、奈良橋さんでしたっけ?、理由はさっき聞いて解りました。」   塚本  「お前の彼氏って、ナルシストじゃねえの?」   奈良橋 「その通り」   塚本  「でも、好きなんだろ」   奈良橋 「その通り」   塚本  「どうせ、私がいないとダメになっちゃうなんて、奈良橋本人も、自己愛に        目覚めはじめてんじゃないの?」   奈良橋 「・・・・その通り」   塚本  「はーぁ、そんな母性の垂れ流し始める奴が多いから、マザコンのガキが増        えていくんだよったく。」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・・・・・」   塚本  「そんで、挙げ句の果てに自分のせいにしないで、男が悪いなんて言い出す        んだよね」   奈良橋 「・・・・・・・じゃぁ」   塚本  「ん?」   奈良橋 「じゃあ、どうすればいいっていうのよ」   塚本  「別れればいいんじゃないの」   奈良橋 「じゃあ!!誰があいつの面倒みんのよ!!」」   塚本  「ほら、言った。」   奈良橋 「・・・・・言ってないわよ!!」   塚本  「言ったじゃないか、」   奈良橋 「言ってないわよ!!」   小津  「まぁまぁ、・・・そうだ、裁判でもしましょうか、ここで、その岩井さん        を呼んで、」   奈良橋 「え?」   塚本  「今テレビでも、流行ってるし。いいんじゃないですか?」   奈良橋 「アンタが答えないでよ!!」   塚本  「じゃ、しないのか?」   奈良橋 「・・・・・・・・・・」   小津  「ね、他に、異議が無ければ、奈良橋さん、岩井さんの許可を取ってくださ        い。」   塚本  「何時やる?」   小津  「そうですね、明日という事で、時間もこれくらいで、」   塚本  「んじゃ、電話」   奈良橋 「わかってるわよ!!」 携帯を取り出し、電話をする。   奈良橋 「・・・・・・あ、俊二?私だけど、・・・・あのね、・・・・ちょっとそ        こに誰いんのよ、え、ビデオ?あんたビデオ屋行って借り手来られる程勇        気ないじゃないの!!。あ、何?・・・・・・・・・・あんたどうしてそ        う、歯の浮く台詞ペラペラ言えるわけ?!、何?・・・・・・・・・うる        さい!!明日、さっきの公園に来い!!必ず来い!!絶対に来い!!!」 すかさず切る。 ..   奈良橋 「ふぅ、あいつの快諾取ったわよ!!」   塚本  「おい、」   奈良橋 「何!、取ってないって言うの!!」   塚本  「時間言ってないよ」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・・・・・」   小津  「お手数ですけど、もう一度お願いします。」 奈良橋渋々、携帯を出し、もう一度掛けようとする。その状態を見せたまま、照明フェー ドアウト。 ブースに照明フェードイン。塚本がDJしている。   塚本  「はーい、ここで、曲を流しながら、お葉書いってみよう!!、先ず、曲は        静かな曲がいいかな?曲聞いてじーさんやばーさんが死んでも困るしね。        J−POPSね、MINAKOで『TEARS』(曲が流れる)んじゃ、        まず、江東区の佐藤さん、・・・どっかで聞いたな、”私は以前遠距離恋        愛を・・・・”これ、こないだの奴か?(住所を確認)あ、日付が新しい、        佐藤さん、ボケましたね。貴方は、先週も、これ、送ってます。(破いて        捨てる)さて、次のお葉書、豊島区の、黒沢さん、”熱海でリューマチに        効く温泉に入ったんですか、直りません。これはどうゆう・・・”ジャロ        に聞いて下さい。さて、今週最後のお葉書は、八王子市の本多さん、”戦        時中、マレーシアであった。メアリーへ・・・”これは、全国でも、日本        のみの放送です。んじゃ、また、来週。」 照明フェードアウト、舞台にイン。後ろ側のベンチに少年が座っている。山賀が下ソデか ら酒箱(プラ)を二つ持って登場、少年には気づかずに、箱を置いていく(この箱は椅子 がわりになります。 そうこうしているうちに、上下から、小津・塚本・奈良橋が登場。   山賀  「あ、お早うございます」   小津  「お早うございます」   奈良橋 「お早う」   山賀  「一応、原告、被告席はつくっときましたけど、」   奈良橋 「酒箱に座るんだ、私。」   小津  「ま、気分の問題ですから、こうゆうのは。」   奈良橋 「そうですね」   塚本  「でも俺裁判って、いい印象持ってないんだけど、」   小津  「なんかやましい事でもあるんですか?」   塚本  「いや、そういうのは、無いけど」   奈良橋 「そうかなぁ」   塚本  「うるさいぞ原告」   奈良橋 「何?」   山賀  「被告はまだかな?」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来たよ」 上ソデより岩井登場。小津が上ソデ側の酒箱に座るよう指示(アドリブでよろしく。台詞 で書くのがめんどっちぃ)岩井の後ろに塚本、下ソデの酒箱に奈良橋。その後ろに山賀。 ベンチの中央に小津、という配置。   小津  「では、人も揃ったので、これより裁判を始めます。」   岩井  「そんな話は聞いてない」   奈良橋 「あんたがTELで下らない事ばっかり言ってるからじゃない!!」   岩井  「下らないってどうゆう事だよ!!」   奈良橋 「自覚してないの?最悪」   岩井  「何ぃ!!(立ち上がる)」   小津  「二人ともストップ、言い合うだけなら裁判は要らないじゃないですか、こ        こはちゃんと、こちらの言う事を聞いて下さい。・・・いいですか?(確        認して)では、まず原告の訴状を聞きましょう」 奈良橋、山賀に紙(訴状)渡す   山賀  「それじゃ、訴状を・・・・・・(少し考えてコギャル系)えっとーまずー        岩井?がー女好き?で、超MMってカンジー」   皆   「・・・・・・・・・・・・・」   塚本  「おい」   奈良橋 「な、なによ」   塚本  「マジメにやれよ」   奈良橋 「私がカワイコぶっちゃダメだっていうの!?」   塚本  「時と場所選べよ」   山賀  「(続くコギャル系)それでー女の子?を、オモチャ?としか思ってないみ        たいだっしー、ってゆっかーチョベリバー」 塚本  「やめい山賀!!」 間   奈良橋 「・・・・コホン、取り合えず、あいつは私っていう女が居ながらTELし        てみると違う女と連れ込んでいる最悪なやつです。しかも彼は私に一度も        謝った事がありません。まず先に謝ってもらいたいです。全てはそれから        です」   小津  「・・・・・・・・あ、本人による訴状を聞きましたが、まずは原告代理人        の方から」   山賀  「えっと、最初に、原告の訴状にもありましたが、実際問題として、奈良橋        さんという彼女がいながら、他の女を連れ込んだというのは本当でしょう        か?」   岩井  「嘘です。あれはビデオです」   奈良橋 「そんな事あるわけないでしょ!!」   塚本  「原告は質問されるまで、だぁってろ(だまってろ)」   奈良橋 「うるさい!!」 山賀、小津に確認(続けるよっていう)をして   山賀  「続けます。本当にビデオですか?」   岩井  「本当です」   山賀  「本当ですね」   岩井  「本当です」   山賀  「本当の本当に本当ですね」   岩井  「本当だっていってんだろ!!」   山賀  「では、登場して貰いましょう」   岩井  「え、まゆこ居んの?!(驚き)・・・・・・あ」   山賀  「以上です裁判長」   岩井  「あ、テメ卑怯だぞ!!」   塚本  「今のはハマる奴が悪い」   岩井  「な、アンタ俺を弁護してくれるんだろ?助けろよ」   塚本  「あいつ(奈良橋)は嫌いだけど、別にお前助けても何のメリットないしな」   小津  「ふぅ、作戦会議は裁判の前にしといてもらわないと困りますね」   岩井  「お前らが一方的過ぎるんじゃないか!!」   奈良橋 「貴方のやってる事も一方的だと思うけど?」   岩井  「自分の部屋に女連れ込むのが悪いのか?」   奈良橋 「人に打たれた後に、よくそんな事やれるわね」 岩井  「出来るだろ、女にフラレた日にAV借りて観る奴よりは健全だろうが!!」 奈良橋 「バーカそんな奴いないわよ」   岩井  「いるって」   小津  「じゃ、そこら辺を聞いてみましょうか?」   塚本  「じゃ、この中にフラレた日にAV観た奴いる?」 首を振る山賀と小津。   塚本  「フラレた日に観た事ありますか?」 と客に訪ねる   小津  「誰に訪ねてるんです」   塚本  「へ、ああ、すいません」   小津  「まあ、取り合えずいないようですけど」 注:ここで仮りに客がフラレた日にビデオみたって奴いたら、みんなで乗り切ろう(笑)   奈良橋 「どっちにしろ、アンタは女をそうゆうにしか見てないんだ」   岩井  「なんだよ、俺のお前への愛がわからないのか?!」   奈良橋 「わからないわよ!!」   岩井  「俺はお前の小説まで書いたんだぞ」   小津  「お、それは聞きずてなりませんねえ。出だしだけでも聞かせてもらえます        か?」   奈良橋 「小津さん聞かない方がいいですよ。」   小津  「えーそうですか?気になるんですけど」   岩井  「自信作です!!」   小津  「やっぱり聞いてみたいですね。聞かせてください」 喜々とする小津。岩井、超自信アリアリ(笑)に   岩井  「”奈良橋に会った。話した。やった。・・・良かった”」   小津  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?・・・・・・」   皆   「・・・・・・・・・・・・・・」   小津  「あのーーー続きは?」   岩井  「これで完結です。」   小津以外「わははははははははははははははははははははっははははっはは」   岩井  「な、何で笑うんだよ」   奈良橋 「笑うわよ。そんな最悪な文」   岩井  「文じゃない!!れっきとした小説だぞ!!!」   小津  「てめぇ!!小説なめんじゃねぇ!!!(小津ブチ切れ)」 塚本、慌てて小津を抑えに行く   塚本  「小津さん!!抑えて、抑えてーーーーー」   山賀  「へー小津さんも、怒るんだ」   奈良橋 「怒らない人間なんていないんじゃない?」   山賀  「いや、でもね、・・・」   塚本  「お前ら、のほほんしてないで助けろ!!」 ここで軽く場転いれたいんだけど・・・・パパッって   小津  「先ほどは取り乱してしまい失礼しました。」   奈良橋 「だから言ったのに」   小津  「いやーあんなに破壊力があるとは思いませんでしたから、では、次に被告        代理人の方、お願いします。」   塚本  「何か言いたい事ある?」   岩井  「取り合えず昨日の電話は卑怯だ」   奈良橋 「電源入れっぱなしにしてるアンタがわるいんじゃない!!」   岩井  「と、とにかく卑怯だ。二度も・・・そうだよ二度もかけてくるのは卑怯だ」   奈良橋 「なら、私に携帯の番号教えければよかったでしょ。ところ構わず、いろん        な人に教えまくって。」   岩井  「そんなに教えてねえよ!!」   小津  「本当ですか?」   岩井  「・・・・・・・・・・・男には、」   奈良橋 「最悪、それで私含めて皆自分のオモチャ位にしか思ってないんでしょ」   岩井  「お前の事愛してんのにそんな事できるわけないだろ!!!」 山賀、小津、塚本「ハズカシー」を振り付きで、合わせるのよろしく 奈良橋嬉しそうな顔で岩井に近づいて、岩井と同じ目線までしゃがみ。(奈良橋甘えるよ うにやって下さい   奈良橋 「もう、いいや、裁判なんて、飽きちゃった。俊二ゴメンね、こんなのに付        き合わせちゃって」   岩井  「お、・・・おう。」   塚本  「こんなのってどういう事だ!!こっちはお前の為に・・・・」   奈良橋 「(聞いてない)ねぇ、お詫びになんでもしてあげるけど何がいい?」   岩井  「・・・・・・・そうだな、取り合えず俺の部屋来ない?」   奈良橋 「また、そうやってオモチャにするんでしょ?」   岩井  「まあね」   奈良橋 「(普段に戻り)裁判長、判決お願いします。」   岩井  「・・・・・・・あー!!」   小津  「では、決を取ります。」   岩井  「ちょ、ちょっと」   小津  「原告、奈良橋陽子さんの勝訴と思う方、挙手をどうぞ」 岩井以外手を挙げる   小津  「(周りを見て、)・・・・・全員一致で、奈良橋さんの勝訴とします。」 山賀”勝訴”の札を出す   岩井  「控訴する!!」   奈良橋 「棄却」   岩井  「上告する!!」   奈良橋 「棄却・・・三審制終わり」   岩井  「ちょっと待てぇ!!今のは誘導尋問じゃないか!!」   小津  「両代理人は、今何もしてなかったんですけど」   塚本  「奈良橋のスタンドアローンにハマッたのが悪い。」   奈良橋 「そういう事」   岩井  「ちょ、ちょっと待て!!そもそも俺の所有物に何しようと勝手だろうが!!」 奈良橋ツカツカと岩井に歩み寄り、平手を一発   奈良橋 「今、ハッキリした。」   岩井  「・・・・・・・・・」   奈良橋 「別れよう、もう、姿見せないで」    岩井、カッコ悪く立ち去る   山賀  「奈良橋さんカッコイイ」   奈良橋 「そぅ?・・・よし、じゃ、私のおごりでお昼にしよう!!」   小津  「え、いいんですか?」   奈良橋 「勿論」   小津  「でも、まるで示し合わせた様に、全員一致で勝訴ですね」   奈良橋 「なんであんな奴好きになったんだろう」   小津  「後で思い出してみるのもいいかも知れませんね。」   塚本  「そうだ、定期的にここに集まりませんか?」   小津  「私は何時もここで読書をしているので構いませんが」   山賀  「別に構わないけど」   奈良橋 「で、なにをするの?」   塚本  「そりゃあ勿論・・・・・」 塚本考えが浮かばず空転している。   小津  「ま、そういった集まりっていうのもいいかもしれません。集まっていくう        ちにそれぞれの目的も生まれてくるでしょうし、」   塚本  「そうそう」   奈良橋 「いいかげんね」   塚本  「お前の元彼氏程じゃない。」   奈良橋 「ぐ・・・・認めるわよ」   小津  「じゃあ、毎週の今日のこの時間ここで、という事で、」   塚本  「本当に?やた!!(”やったぁ”って事です)」 照明フェードアウト。FMのBGM(明和電機のCM曲)でブースに照明イン。   塚本  「明和電機プレゼンツ、ミサイル塚本『ジジババこれ聞いてから死ね』さて        今週も、あと2、3時間で死にそうなジジババからの手紙が来ているんで、        紹介しよう!!・・・でもさ、本当にFAX来ないんだよね。もっと機械        覚えろよ、さて、先ず最初のハガキは、墨田区の大友さん・・・・・毛筆        で読めません(と言って捨てる)続いて、豊島区の岡本さん”最近入れ歯        が・・・”歯医者言って下さい。さて、こちらは、世田谷区の大林さん、        ”日本にも捕虜収容所があったって、本当ですか?”(と、捨てる)知り        ません。あったんじゃないの?。さて、これは、・・・お、今週も来まし        た。江東区の佐藤さん。”先日はリクエストを・・・”これは前々回から        届いてますね。本人はたして聞いてるんでしょうか?(と、捨てる)おっ        と、時間だ。さて、今日の終わりの曲は、ほら、かかってきた。さーてジ        ジイ共、日本の歌手だって世界に通用しているのは知ってるかな?坂本九        ばっかじゃなくて、最近だと、ケン・イシイやピチカートファイブとかが、        結構いい線いってんだよってなわけで今日は、ゲイシャガールズの『BL        OW YOUR MIND』で、また来週」 照明フェードアウト。曲も、一度上がってフェードアウト。舞台に照明フェードインベン チに、小津と山賀が座っている。小津は読書の最中で、山賀は脈を測って、手帳を取り出 しそれにメモをしている。   小津  「そうだ、一つ聞きたい事があったんです。」   山賀  「なんですか?」   小津  「あの診察券」   山賀  「は?、」   小津  「いや、通院してるんなら再発行をしないと」   山賀  「通院はしてないですよ」   小津  「じゃ、何の診察券なんですか?」   山賀  「ああ、電池交換の」   小津  「電池?」   山賀  「ペースメーカーを内臓してるんですよ」   小津  「え、そうなんですか?」   山賀  「まるでサイボーグですよね」   小津  「期限は?」   山賀  「さぁ?」   小津  「さぁって」   山賀  「そんなにないんじゃないですか?」   小津  「ケロッっとしてますね」   山賀  「そうですか?」   小津  「だって、電池切れたら、死んじゃうんですよ」   山賀  「老衰といっしょですよ」 塚本、登場   塚本  「お早うございまーす」   小津  「あ、お早うございます」   山賀  「あなたは何時も元気ですね」   塚本  「ここにいるのが楽しいんだよ」   山賀  「へー」   小津  「貴方は貴方で何か見つける必要が有るようにも思えますが」   塚本  「そうかな?」   山賀  「ここにいるのが楽しい」   塚本  「そう、楽しい」   山賀  「変なの。」   塚本  「社会にでればわかるって」   山賀  「あれからここで何してるかわかってる?」   塚本  「小津さんの薦める本読んだり、ダベッたり、話たり、議論したり、トーク        したり・・・」   山賀  「最初以外みんな一緒じゃないか」   塚本  「違いが解らないようじゃ、まだ子供だな」   山賀  「あなたよりは幼稚じゃないですけどね」   塚本  「・・・・お前返し方が上手いな」   山賀  「どうも、」   小津  「まあまあ、落ち着いて、少し奈良橋さん待ちましょう」 間   塚本  「今日は奈良橋遅いですね」   小津  「気になるんですか?」   塚本  「いや、別に」   山賀  「ふーーーーん」   塚本  「なんだよ、その言い方は」   山賀  「別に」 奈良橋来て、(ヘッドホンしてます)   奈良橋 「何が?」   塚本  「なんでもないよ」   奈良橋 「(外しながら)あやしいな」   塚本  「何でもないですよね小津さん」   山賀  「多分ね」   塚本  「お前が言うな!!」   小津  「何でもないですよ」   奈良橋 「本当かな」 奈良橋カバンを後ろのベンチに置いて、   奈良橋 「それにしても、相も変わらずよく集まるわね」   塚本  「人の事いえんのかよ」   奈良橋 「あら、私は私で、ここに何らかの義務感を感じているんだから、一向に構        わないでしょ」   山賀  「義務感」   奈良橋 「そう、」   山賀  「何の?」   奈良橋 「それが解れば来る必要もないんじゃない?」   山賀  「ふーん」   小津  「さて、今日は何しますか?」   塚本  「カンケリ」   山・奈 「却下」   塚本  「オニゴッコ」   山・奈 「却下!」   塚本  「かくれんぼ」   山・奈 「却下!!」   塚本  「つ、綱引き」   山・奈 「却下!!!」   塚本  「ボーリングとカラオケ」   山・奈 「・・・・・・」   塚本  「・・・・・・・反応ないって事はOK?」   山賀  「却下。」   奈良橋 「突っ込むのにいい加減疲れただけよ」   塚本  「なんだって」   奈良橋 「何、やるき?!」   小津  「まあまあ、・・・ところで、塚本さん。どうして、そんな小さい頃の遊び        をやりたがるんですか?」   塚本  「いいでしょ別に」   奈良橋 「こんなガキ相手にしなくていいわよ」   塚本  「んだとお!!」   小津  「まあまあ、この集まりはお互いをよくしらない所がいいと私は思ってます。        でも、何かにつけそうケンカしなくても」   山賀  「ケンカするほど仲がいい」   塚・奈 「何だって!!」   山賀  「俺は何も言ってない」   奈良橋 「大体ね、アンタは何でも自分の思い通りにならないと気が済まないでしょ、        もうちょっと現実を知る必要ない?」   塚本  「なんで俺がお前ごときにそんな事言われなきゃいけないんだよ!!」   奈良橋 「アンタが子供だからよ」   塚本  「なんで子供なんだよ」   奈良橋 「第一その歳になって、カンケリだのオニゴッコだの、なんでそんな事ばっ        かしたがるの!?子供そのものじゃない」 小津、山賀がアイコンタクト   塚本  「なんだと!」   小津  「まあまあ」 と、山賀は奈良橋を、小津は塚本を抑える   塚本  「なんです?」   小津  「ちょっと二人で他に行きましょう」   奈良橋 「そうだ!!どっかいっちゃえ」   塚本  「な、てめ、ちょ・・・小津さん」 ズルズル引っ張られて去って行く塚本と、小津。それを見送る山賀と奈良橋   山賀  「・・・・・・ま、座りましょう」   奈良橋 「あんた偉そうね」   山賀  「じゃ、他になんていえばいいんですか?」   奈良橋 「・・・・・・・・・・ま、座りましょう」 二人共座る   山賀  「(奈良橋をみてる)」   奈良橋 「・・・・・・・・何?」   山賀  「いや、よく怒りますね」   奈良橋 「あいつがこっちの血圧あげてんのよ」   山賀  「そうかな?、相手にしなけりゃ済む事だと思けど。」   奈良橋 「・・・・・・・」   山賀  「・・・・・・・生理ですか?」   奈良橋 「もっと、別の言い方せい!!(小突く)」   山賀  「あの日ですか?」   奈良橋 「いっしょだ!!(と小突く)」   山賀  「でも、イライラするんでしょ?」   奈良橋 「は?」   山賀  「中学の頃、隣の席の女の子が『明日あたりイライラしてるだろうけど、山        賀君のせいじゃないからね』なんて言ってましたよ」   奈良橋 「・・・・・・・・割と直接的な子ね、山賀君の事好きだったんじゃないの?」   山賀  「確か今度、その中学の国語の先生と結婚するんじゃなかったかな?」   奈良橋 「”高校教師”の世界だね」   山賀  「中学教師でしょ」   奈良橋 「・・・・・でもさ、自分の友達とかが、結婚して子供いたりすると変な気        分じゃない?」   山賀  「僕ら位の歳だと9割方できちゃった結婚だけどね」   奈良橋 「・・・・・そうね」   山賀  「どうしたの?」   奈良橋 「ん、うん、今日はもう、帰るわ」 奈良橋、帰る。   山賀  「?何だ?」 照明フェードアウト。舞台照明フェードイン。奈良橋が、客に背中を向けるようにして座 っている。 そこに、小津賀来る。   小津  「あれ、奈良橋さん」   奈良橋 「・・・昨日はどうも、大変でしたでしょ」   小津  「まあ、六件位飲み歩いたかな。」   奈良橋 「凄いですね」   小津  「半分はボトルキープしてたんで楽って言えば楽でしたけど」   奈良橋 「・・・・・・・・・・」   小津  「ところで、」   奈良橋 「ハイ」   小津  「学校は?」   奈良橋 「今日はサボリました。」   小津  「珍しいですね」   奈良橋 「そうかな、・・・そうかもな」 小津、客席側のベンチに座り、佐伯一麦の「ア・ルース・ボーイ」を読みながら、   小津  「・・・・・・何かの相談ですか?」   奈良橋 「・・・・・・・・(俯いている)」   小津  「・・・相談なら、早くした方がいいですよ。山賀君がそろそろ来るかもし        れない。」 すると、携帯を出し、   奈良橋 「お願いしたい事があります。これ、リダイアルしてください。それで出た        人にここまで来るように言ってください。」 小津携帯を受け取り   小津  「リダイアルですね。・・・・・・もしもし、あ、岩井さんですか、小津と        申します。・・・・・・ええそうです、裁判の時の小津です。・・・それ        で、お手数ですけど裁判をした公園まで、来てもらえませんか?・・・え        え、・・・・・そうです。その公園です。・・・・・・はい、では」 携帯を切り、   小津  「これでいいですか?」   奈良橋 「ありがとうございます。」   小津  「じゃあ私は暫くどこかに行ってましょう。山賀君の方も私がなんとかして        ますから、」   奈良橋 「すいません」 小津立ち去る。ラジオ体操かなんかの、雰囲気とは不釣り合いの音楽。暫くして岩井登場 (眼鏡着用)   岩井  「・・・・・・・・何だ、・・・・・何か用か?」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・」   岩井  「お前が、おっさん使って呼んだんだろ?」   奈良橋 「・・・・・・子供・・・・・・・」   岩井  「・・・・責任とれってか?」   奈良橋 「違う、そんな物いらない。認知するかしないか聞きたいだけ」   岩井  「同じだよ。認知はしない。第一お前の身体ん中で勝手に受胎したんだろ、        俺には全然関係ない事だよ」   奈良橋 「・・・・・・そぅ」   岩井  「聞きたい事はそれだけか?」   奈良橋 「・・・・・・・・・・」   岩井  「じゃ、俺は行くからな」   奈良橋 「・・・・・・・・・」 岩井去る。小津ヨービック(ここ、でっかいヤクルト系ならなんでもいいです)を持って 来る。岩井とスレ違い、小津は挨拶するが、岩井は挨拶せずに立ち去って行く。   小津  「終わりましたか?」   奈良橋 「ハイ」   小津  「ハイ、どうぞ」 と、奈良橋にヨービックを渡す   小津  「最近は便利ですね、家の妻が妊娠した時ヤクルト全部ジョッキに入れて飲        んでいたのに、今はこんなサイズが出てるんですから。」   奈良橋 「・・・・・わかるんですか?」   小津  「二人の娘を育ててるんですよ、母親ってのは動作に出ます。」 奈良橋頭を抱えるようにうづくまり   奈良橋 「要らないのに」   小津  「でも、必要な物ですよ」 照明フェードアウト。そしてイン。ベンチに座って山賀が脈を測っている   山賀  「全ては君の思うがままに、全ては貴方の希望と共に、そして、・・・そし        て、・・・・ん?」 脈に異変を感じて、反対の手に脈を探す、が見つからない。首の付け根を探りやっと見つ け、   山賀  「そして、届くであろう・・・・」 上ソデから、石井と塚本が来る   塚本  「ねぇ、頼みますよ!!」   石井  「あーーーーーーーーうるさいうるさい!!」   塚本  「石井さん!!」   石井  「いいか!?、あの番組聞いてる人間は大勢いるんだ。だが、アンタのあの        やり方はなんだ?」   塚本  「俺にはああゆうやり方しか出来ないんだよ」   石井  「知ってるか?」   塚本  「何を、」   石井  「あの番組、郵便の八割は苦情なんだよ」   塚本  「賛否両論は最初には誰にでもあると・・・」   石井  「否が多いんだよ!!」   塚本  「なら、俺を他に・・・・」   石井  「アンタはあれをポシャったら仕事来なくなるよ」   塚本  「・・・・・・・・・・・・・・・・」   石井  「・・・わかったら、ちゃんとやってくれ」 石井去る。塚本、山賀に目が合う   塚本  「なんだよ」   山賀  「DJ屋さんなんですか?」   塚本  「そうだよ(と、横にすわる)」   山賀  「今花形じゃないですか?」   塚本  「そうでもないの、理想と現実は、」   山賀  「もてるでしょ」   塚本  「もてるんなら、こんなとこには来ないよ」   山賀  「正論ですね」   塚本  「・・・・・・・・・今老人向けのFM番組やっててな」   山賀  「堅そうですね」   塚本  「そうなんだよいつも、ハードコアテクノをメインでかけてるんだけどね」   山賀  「言ってる事矛盾してますよ」   塚本  「そうか?、でもいいぞ、深夜帯からなんだけど、じじぃやばばぁがFM着        けると、そっから大音量のビートが響く。爽快だろ」   山賀  「死んじゃいますよ」   塚本  「ま、苦情のFAXは日に日に増えていってるっていうけどな」   山賀  「よく打ち切りになりませんね」   塚本  「そうゆうのは、さっきのプロデューサーの仕事でね」   山賀  「成程ね、お気楽なんだ」   塚本  「そうでもないぞ、この間なんか、ばーさんからプレゼントがきてさ」   山賀  「あ、役得ですね」   塚本  「本当にそう思うか?」   山賀  「ええ、で、何貰ったんですか?」   塚本  「使用済みの金歯」   山賀  「は?」   塚本  「しかも四つ」   山賀  「・・・・・・・・・・」   塚本  「その上写真付き」   山賀  「ブルセラに売れって事ですかね」   塚本  「そんな事したら、俺の人格疑われるよ。・・・・ばーさんが言うには、今、        自分が死んだ後の遺産相続で、グチャグチャしててやなんだと、このまま        だと火葬されたあとに金歯も争いそうだってんで、俺にくれるんだってさ」   山賀  「や、・・・・役得ですね」   塚本  「本当にそう思う?」   山賀  「だって金じゃないですか」   塚本  「そうだね、18金だし・・・・・あげる」   山賀  「いらない」   塚本  「なんでだよ」   山賀  「だって、塚本さんのじゃないですか」   塚本  「本人がやるっていってんだよ」   山賀  「だから、要りません。そのおばあさんにしてみれば遺言ですよ、それ」   塚本  「俺は要らないんだよ。なあ貰って18金」   山賀  「ビデオなら歓迎しますよ」   塚本  「・・・・・・・・・・お前逃げ方上手いな」   山賀  「どうも、」 塚本ポケットからハンカチを取り出し広げて   塚本  「ちなみに、これが例の金歯」   山賀  「本当に金ですね」   塚本  「食え!!」 無理矢理金歯を食わせようとする塚本、苦しがる山賀。塚本手を噛まれる   塚本  「いてっ、いてててててて噛むな!!噛むなって!!」 と、手をおさえる塚本。山賀はむせている   山賀  「ゴハッ、オエッ、ゴホゴホゴホゴホゴホゴホゴホ!!」   塚本  「・・・・・・・・・・・おい、大丈夫か?」   山賀  「〃」   塚本  「・・・・・おい」   山賀  「〃」   塚本  「おい!!」   山賀  「〃」   塚本  「おいって!!!」   山賀  「なーんてね」 見つめ合う二人。小突く塚本   山賀  「いってぇー」   塚本  「ふざけた事してるからだよ」   山賀  「人の事言えないじゃないか」   塚本  「何?!」   山賀  「(下手な口笛)」   塚本  「ガキじゃあるまいに」   山賀  「第一集まりの日じゃないのに何でここにいるんですか、」   塚本  「いちゃ悪いのか?」    山賀  「そうゆうのとは違うけど、追いかけた方がいいんじゃ、」   塚本  「うるさいな、何となくいたかったんだよ。悪かったな」 立ち上がる塚本   山賀  「追いかけるんですか?」   塚本  「帰るんだよ」   山賀  「帰っちゃうんですか?」   塚本  「そうだよ、じゃあな」 去る。この時スレ違いに少年が入ってきて反対側のベンチに座る   山賀  「何がしたかったんだ。」 手帳を出し、メモしながら   山賀  「こっちは別に辛い事もないけどね」   少年  「そうかな?(で前を向く)」   山賀  「誰?」   少年  「一つ聞いていいかい?」   山賀  「・・・・・ああ」   少年  「ここから、君の家はどれくらい?」   山賀  「JRで一時間位かな?」   少年  「ここから新宿はどれくらい?」   山賀  「出るだけなら、国分寺駅から30分じゃない」   少年  「池袋へは?」   山賀  「新宿から、さらに埼京線で5分」   少年  「そうか、」   山賀  「ねぇ、じゃ、一つ俺の質問にも答えてよ、君の名前は?」   少年  「ねぇ、」   山賀  「ん?」   少年  「こっから新宿までどれくらい?」   山賀  「さっき言ったじゃないか、国分寺駅から30分位って、」   少年  「何故?」   山賀  「え、?」   少年  「何故君は時間で答える?」   山賀  「は?」   少年  「僕が聞いているのは距離の方なのに」   山賀  「だから、新宿までなら、JRで」   少年  「何キロ?」   山賀  「・・・・・・・・・・・わからない」   少年  「時間は距離とは違うんだ・・・・・・・何時頃から人は、距離を時間と取        り違えるようになったんだろう」   山賀  「なにを言ってる?。よくわからないんだけど、」   少年  「君に一番必要な物」   山賀  「俺に?どっちが必要なんだ?」   少年  「両方だよ」   山賀  「両方って」   少年  「今にわかる」   山賀  「今にって、」 照明落ち。山賀達にスポット。音もここから   少年  「それは、もうとっくに始まってしまっているからね。」   山賀  「何が?」   少年  「全てが」 ブースにスポット。塚本がいる。後ろには背中を向けた石井   塚本  「そう、もう始まっているんだ。」   石井  「全てがね」   塚本  「でも、山賀、君はそれに参加するのが遅れてしまっている」   山賀  「何に?」   塚本  「わからないのか?。お気楽だな」   山賀  「どうゆう意味ですか!!」   奈良橋 「言葉通りの意味よ」 照明戻る。(っていうより、夜っぽいイメージ照明宜しく。左に奈良橋と、背中を向けた 岩井。右に酒箱に座って本を呼んでいる小津。   奈良橋 「あなたは常に逃げてるに過ぎない」   山賀  「何から」   小津  「それは貴方が一番知っているはずだ。」   奈良橋 「彼の存在が証拠」   少年  「その為の言葉は不便過ぎる、・・・それに言葉そのものは下らない」   山賀  「僕が何から逃げたっていうんですか」   小津  「今のシステムから、」   山賀  「システム?」   塚本  「今のっていうよりは”人としてのシステム”」   奈良橋 「そう、今っていったら学歴のシステムとか、宗教とか哲学とか、いらない        物が多すぎるから、最も基本的な”人としてのシステム”」   小津  「生きている意味を考えるシステム」   山賀  「違いますよ産まれる事に意味があるんです」   奈良橋 「親が望まなくても?」   小津  「子が望まなくても?」   塚本  「幸福論的に考えれば何も起きないほうが幸せなんだよ」   少年  「そう、全てに参加しないで、傍観するのも幸せの形の一つ」   塚本  「お前はそれを選んだ」   山賀  「どうしてそんな事がわかるんだよ」   小津  「その左胸の中にある立方体の箱。」   岩井  「その位置には心臓があるはずなのに君のはその箱」   奈良橋 「機械じかけのその箱」   山賀  「ペースメーカーがなんなんだよ」   小津  「貴方はそれを埋め込んだ事によって、自分にとって生と死は等価値になっ        たと勘違いしている」   奈良橋 「ビデオの電源を切る位の感覚で考えている」   石井  「でも、その電源を切れば」   小津  「君は腐る」   塚本  「腐るんだよ」   岩井  「心も腐る」   小津  「その機械じかけの心臓が、貴方をそうゆう価値観に持ち込み。貴方自身は        何も語ろうとはしない」   塚本  「どうせこの芝居に参加したんだ。語りたい事は語ればいい。」   山賀  「何を、」   小津  「好きに語ればいいじゃないですか、全てはフィクションで方がつきます。」   奈良橋 「好きな子への告白でも」   岩井  「嫌いな奴への怒声でも」   小津  「貴方の場面なら、堂々と語ればいいじゃないですか」   山賀  「俺は生きる事に意味は感じるんだ」   塚本  「それは誰の言葉だ?。自分の言葉で自分の事を喋れ」   山賀  「本当に感じているんだ」   塚本  「・・・・・一ついい事を教えよう、それは嘘だ。」    小津  「生きる事にも、また、産まれる事にも、ましては死ぬ事にも意味はありま        せん。」 奈良橋お腹をおさえ   奈良橋 「だって、産まれてくる子が生きる事をこの時点で主張する?しないでしょ?        女だって、月に一度子供の半分を捨てるのよ、それにも意味はあるのかし        ら?・・・・男なら、尚そうじゃない?一体一生の内にどれだけ捨てるの        かしら」   塚本  「子供が産まれたせいで結婚するのも多く存在するんだ。そんないいかげん        な事が生きる事に対しての意味にも属しているっていえるのか?」   山賀  「じゃあ、どうすれば」   小津  「望まれなくても、単なる偶然でも産まれた以上は生きなくてはいけない。        そして、それに意味があったって事を周りに認めさせないといけない」   塚本  「そうやって俺達は生きてる。」   奈良橋 「少なくとも今の君には意味が存在しない。」   岩井  「その”意味”すら考えずに否定しただけ」   石井  「最悪だよね」   山賀  「それは」   少年  「それは僕がここにいる理由の一つ」   小津  「さぁ、貴方だけの言葉で、語ってもらいましょうか?」   山賀  「何を、」   小津  「それは自分で考えるべきでしょう」   塚本  「周りから得てばかりじゃダメだな」   奈良橋 「それに、人は全て周りから色々な物を貰って生きている。きっと、自分で        手に入れる物なんて無いはず。」   山賀  「言いきれるんですか?」   奈良橋 「勿論、」   小津  「そうですね、先ずは私という個人を産んで貰った。」   塚本  「名前を付けて貰った。」   小津  「産まれた直後、我々は、自分の意見は尊重されず、母に守られるという形        の束縛に入れられて数年過ごす」   奈良橋 「羊水の中って楽だし、恐怖もないし、気持ちがいいものね。」   山賀  「そんなに全てが貰った物で出来ているわけが無いじゃないですか!!」   奈良橋 「君だって、女の子に告白されて、まぁこいつならいいかって、妥協して彼        女にしてあげた。彼女はそうやってあなたを貰った。」   山賀  「こじつけですよ!!」   小津  「全ては、この地球の恩恵を受けているんですよ。それを踏まえてください        ね」   塚本  「ほら、その時点で、ここにいる全員が、全て貰物で出来てるって証拠にな        るじゃないか」   少年  「貴方達はいろんな人の影響を受けて、その考えを模倣し、それが自分の物        になったって錯覚して、これが自分のオリジナルですって堂々と、偉そう        に語ってるだけ、」   塚本  「そうそう、例えばさ、仕事が無いのを世間のせいにするとか、」   小津  「それは少なからずそういった要因もありますが、問題は何をやりたいか?」   奈良橋 「そう、やる事が世間で見つからないなら、自分でその需要を満たす会社を        起こせばいい。」   塚本  「始めは合名会社でも、世界がその需要を感じれば、どんどんでかくできる。        必要無ければ消えて無くなるだけ、」   小津  「一生の内で自分の会社が持てる。それは、人生最大の道楽です。まさに、        WAY OF HAPPY LIFE。私はそうやって”今”がある。」   山賀  「じゃ、僕は一体何をすれば僕自信の”個”を確立できるんですか?」   塚本  「お前は人に聞きすぎなんだよ。少しは自分で考えろ!!」   奈良橋 「いっその事、自分で電池を切って見れば」   小津  「ビデオの電源を切るように」   少年  「そして、一度完全に物語から離れて傍観してみる。・・・・それも結局は        物語の一つの流れに換算されてしまうけど、」   山賀  「みんなは、僕に死んでほしいんですか?」   皆   「・・・・・・・・・・・・・・・・・」   山賀  「・・・・・・そんなに、言わなくても、僕は自分が、親位まで生きるって        いう想像はついてません。そこまでは生きれないだろうし、自分の子供や        孫なんて見れるはずもない。」   少年  「それは、僕を否定する事」   小津  「その感傷的な感覚で自分は、生きているって勘違いしていますね」   塚本  「みみっちぃだけなのにさ」   奈良橋 「こんな考えを持っているのは自分だけだって考えてる」   岩井  「バカなんだよお前は」   石井  「バカで済めばいいけど」   山賀  「・・・・・・・・・・・・・・」   奈良橋 「そうやって塞ぎ込めば、いずれは助かるとか思ってない?」   小津  「外に出ればそんな事はできません」   少年  「緩やかな死も望めない」   塚本  「そんなんで、主役がとれるはずもない」   石井  「甘いね。君は自分の人生に於いて完全な主役なのに、下手な、しかも下ら        ない演技でそれを全うしようとしている。」   奈良橋 「与えられた脚本通りにね」   塚本  「それも、”心”を主体にした。変化の薄い脚本だ」   小津  「それに、変化を求めようとしても、その脚本には逆らえない。変化を起こ        した時点で予想されるエンディングを迎える事は出来なるという、最低限        の恐怖があるから」   奈良橋 「かと言って、エンディングを変える程の力も、そこまで持ち込んでみよう        と努力もしない。」   塚本  「誰とも知らない演出の力を恐れ、せいぜいその枠を超えない程度でしか変        化を起こせない。」   石井  「アドリブで多少の笑いを取る位のね」   奈良橋 「今、ここで、ナイフを持って全員刺せば、少なくとも、エンディングは変        えられる」   石井  「でも、それも結局は、幾つか考えられていたエンディングの一つだけどね」   岩井  「結局は釈迦の掌」   小津  「それでも、君は変化しないといけない」   奈良橋 「その立方体の箱を胸に抱えたまま、」   塚本  「全て突然に起きたように見えても、伏線でつながっているここのシーンを        抜けでて」   少年  「君に与えられた答は凄く簡単だ」   小津  「その為の周りなんだから、」   少年  「言葉にすると、とても弱い、けど、重要な言葉」   山賀  「・・・・・・・・・不整脈が続いているんです。・・・・見つかる前に電        池が切れるかもしれない」   少年  「それは、交換すれば済む事だ・・・・・・」 照明フェードアウト。”夏”SE、そしてフェードイン山賀が寝ている。山賀目覚め、頭 をかき、手を見つめ、   山賀  「・・・・・・・・・・・夢か」 起き上がり脈を測る。見つからない。もう一方の手に脈を探し、見つけ、暫く測るすると、 小津が来る。   小津  「お早うございます」   山賀  「お早うございます」   小津  「そうだ、」   山賀  「ハイ?」   小津  「そろそろ、真剣にこの集まりに方向性を決めたいんですけど」   山賀  「そうですね。子供の頃の秘密基地ゴッコじゃないんだから」   小津  「ね、このままだと、大学のサークルみたいで嫌なんですよ」   山賀  「・・・・大学行った事ないけど何となく解ります」   小津  「形ばかりの宴会だけのサークルってのはどうも、しょうに合わない。」   山賀  「で、何をします?」   小津  「それはみんなが来てから決めましょう」 小津小説(「ア・ルース・ボーイ」)を読み出す。山賀は脈を手帳にメモする そして、奈良橋が上ソデ、塚本が下ソデから登場。   塚本 「お早う」   奈良橋 「・・・・・ねぇ、よくよく考えるとさ、不健康な集まりよね」   塚本  「そうか?」   小津  「私も、似たような事は感じてました。」   塚本  「うん、そうだな」   山賀  「八方美人」   塚本 「なんだと」   山賀  「いえ、別に」   小津  「そこで、この集まりになんらか意味を持ちたいと思ってるんですけど、」   奈良橋 「四人で何かに参加するとか、」   塚本  「かったるいよ」   山賀  「でも、何かしないといけないのかもしれない」   小津  「ま、そんな所です。」   塚本  「で、なにすんの?」   奈良橋 「駅伝にでよう!!」   三人  「え?」   奈良橋 「そういえば、私の住んでる町が毎年四人編成の駅伝をやってるのよ。」   小津  「駅伝ですか、」   塚本  「かったるいよ」   小津  「面白そうですね」   塚本  「その通り」   山賀  「八方美人」   塚本  「何だって?」   山賀  「いえ、別に」   小津  「それは、何時位に?」   奈良橋 「半年置きに一回あるから、来月かな?」   塚本  「真夏じゃんか」   奈良橋 「だから、夏は、午前五時スタート」   塚本  「ゲ、・・・・・・・・」   小津  「じゃ、先ずはそれに参加してみましょう」   奈良橋 「決まりだね、じゃあ、明日にでも登録してくるよ」   小津  「あ、・・・山賀さん大丈夫ですか?」 全員山賀を見る   山賀  「え、・・・・・・・・・えぇ、平気だと思いますよ」   奈良橋 「何持病持ってるみたいな言い方すんのよ。若いんだから大丈夫に決まって        るじゃない」   塚本  「そうだそうだ」   山賀  「そうですよ、小津さん」   小津  「ま、貴方がそうゆうんなら、構いませんが」   奈良橋 「じゃ、決まり。」   塚本  「うーん、本当に目的を持った集団になってしまった。」   小津  「只、理由なしに集まっても、何の解決にもなりませんから、何事にもね」   奈良橋 「そうゆう事!!仕事が上手く行かなくてウダウダしてんのは最悪。」   塚本  「俺の事言ってるだろ」   奈良橋 「別に?」   塚本  「ヘー、あんな最悪な男と付き合ってた奴がよくそんな事言えるもんだよ」   奈良橋 「”付き合ってた”過去形じゃない。現在形のアンタよりはマシ。」   塚本  「言いましたね」   奈良橋 「言いましたよ」   小津  「まあまあ、」   山賀  「ケンカするほど仲がいい」   塚・奈 「何だって?」   山賀  「いえ、」   小津  「じゃ、来週から、練習をしましょう。・・・・えーと」   奈良橋 「私陸上部だったから、練習メニューは完璧」   塚本  「きついんじゃない?」   奈良橋 「アンタのはね」   小津  「じゃ、そうゆう事で、今日は、私先に帰ります」   山賀  「どうしたんですか?」   小津  「ちょっと、会社に顔出してこないといけないんですよ」   奈良橋 「珍しい」   小津  「そんな所なんです。では、」 小津去る   塚本  「んじゃ、俺も行きます」   山賀  「何で?」   塚本  「来週の打ち合わせ、あ、そうだ、来週は一時間ばっか遅れるから、」   奈良橋 「逃げる気だな」   塚本  「少なくとも、てめえには負けねえ、来週待ってろよ、小次郎」   奈良橋 「遅刻は50メートルダッシュ10本ね、与太郎」   塚本  「誰が、与太郎だ!」   山賀  「時間は?」   塚本  「(時計見て、)ヤバッ、来週覚えてろ!」 塚本退場   奈良橋 「武蔵語るなら、もっとしっかりしろってんだ。ねえ」   山賀  「そうですか?」 奈良橋、山賀の横に座る。山賀は脈を測っている   奈良橋 「ねぇ、それ、癖?」   山賀  「え、ああ、そんなモンかな?」   奈良橋 「よく脈探せるわね」   山賀  「別に、特技の範囲には入んないと思いますけど、」   奈良橋 「そうかな?」   山賀  「あの、」   奈良橋 「ん?」   山賀  「あの、岩井さんとは、あれから会ったんですか?」   奈良橋 「一度ね」   山賀  「そうなんだ。」   奈良橋 「あれ、気になる?」   山賀  「別に、塚本さんとのやりとり聞いてて、気になっただけです」   奈良橋 「やっぱり気になるんだ」   山賀  「意味合いが違いますよ」   奈良橋 「・・・・・・私もね、いろいろ大変なのよ」   山賀  「その割にはスッキリしてるみたいですけど、」   奈良橋 「そうね、あいつに関する事には全部決着つけたからね」   山賀  「偉いんですね」   奈良橋 「そうでもないよ」   山賀  「・・・・・・・・・・・ふーん」 奈良橋立ち上がり   奈良橋 「よし、じゃ、今日は私も帰るわ」   山賀  「みんな、それぞれ忙しいんですね」   奈良橋 「アンタは忙しくないの?」   山賀  「見つけなきゃいけない物はあるんですけどね。」   奈良橋 「何にせよ、目標があるって事は良い事だよね」   山賀  「そうですか?」   奈良橋 「無いのは一番の不幸じゃない?」   山賀  「そう、・・・かもしれませんね」   奈良橋 「きっと、そうだと、思うよ」   山賀  「夢に出てきたのと違いますね」   奈良橋 「夢?私が出てきたの?」   山賀  「ええ、って言うより、みんなが出てきて、僕に否定的で、」   奈良橋 「だからか、」   山賀  「え、」   奈良橋 「どっか、変わった感じもするかなって。」   山賀  「そうですか?気がつかなかった」   奈良橋 「そう?気のせいかな?。ま、いいか、そんな事・・・じゃね、来週」   山賀  「じゃ、また」 奈良橋去り、舞台には山賀が一人。   山賀  「・・・・・・・・・・だったら交換すればいい・・・・・・・簡単に言う        よな、」 少し前を見つめ、   山賀  「不整脈が続くんです」       「だったら、交換すればいい」       「不整脈が続くんです」   少年  「(声のみ)だったら交換すればいい」 照明フェードアウト、イン、さっきと同じ配置で皆がいる。但し、少年と山賀の配置が、 逆になっている。 小津  「貴方は何故、生きているんですか」   少年  「産まれたから」   塚本  「どうして産まれたんだよ」   少年  「親がいるから」   奈良橋 「その親が望まないのに?」   少年  「望まないのなら、産む前に殺しています。でも、産まれている。そこには        確実に何かの必然性がある。・・・それに産んだのなら、親だって少しの        望み位は持ちます。それ位は罪にならないんだから。」   塚本  「偽満だよ」   少年  「でも、それは生きていく上で必要な物」   奈良橋 「幸せな人の言う事よ!!」   少年  「不幸な人の方が言うんじゃ」   塚本  「うるさい!!第一、お前がなんでそこに居る!!そこに居るべきは山賀だ        ろ!!」 山賀、頭を抱える   奈良橋 「そうよ、何故貴方は彼に語らせようとしないの!!」   少年  「それより、どうして僕と彼とが入れ替わっただけで皆が皆そう攻撃的にな        るんですか?・・・・・・・・怖い?」   塚本  「怖い?」   少年  「ここは心の世界。人が一人でいる時に感じる事ができる、現実。だから僕        に介入されるのが怖い」   塚本  「一人でいる時の現実ってどうゆう事だよ。」   少年  「独りでいると、色々考えるでしょ。それを具現化した空間がここ。」 塚本  「お前が何言ってるかわかんねえよ」   少年  「つまり、独り考えている時には誰かに側にいてほしいって思うのに、いざ        誰かが近くにいると、それを話そうとせず、突き放そうとする。今は素直        に自分の抱えている物を話せばいいんですよ」   小津  「全部ですか?」   塚本  「下らない」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・・」   少年  「あなたも、そう思いますか?」   奈良橋 「私は、・・・わからない」   塚本  「わからないわけないだろ!!こんな奴にでかい顔されていいと思ってるの        か?!、それに全部話せだと!ふざけるな!!」   少年  「話してみればいいじゃないですか、貴方に与えられた設定も、物語もこれ        以降のスト−リ−も全て、今ならそれが出来ます。ここに出ている以上、        演出の介入も不可能です。」   小津  「何を言っているんです?」   少年  「この場なら、人生を会話のみで解決する事が可能なんです。人生って云う        芝居のね。」   小津  「芝居?」   少年  「そう、この場に転じてから何をしました?会話のみでしょ?。普段の生活        なら、そんな不合理な事をするわけはない。でも、今なら可能なんです。」 小津  「わかりません。どうゆう事なのか」   少年  「そう、そこが重要です。」   少年  「今の貴方達は、聞いてばかりいる、会話で全てを解決して、アクションそ        のものを打ち消している。・・・・・・本当は芝居に台詞なんて不要なん        です。」   塚本  「俺達は喋る必要はないって事か?」   少年  「違います。喋り過ぎなんです。現に僕はこうして、多く喋っていますが、        こうしないと皆が理解できない。それは、僕の声をこうして聞いている人        全ての想像力が乏しくなっている。」 小津  「想像力?」   少年  「また、そうやって聞く。・・・求め過ぎてるんですよ。”このあとを知り        たい”とか、”あの時の気持ちは?”とかね、そこが与えられないと、”        つまんない”とか”面白くない”とか言い出す。貴方達は与えられる事が        正しいと誤解している」   塚本  「何言ってる!!言葉に具体性がないから全然わからないぞ!!」   少年  「気がつく人は気がつく」   塚本  「だから、何が!!・・・・・・・・」   少年  「子供の頃の遊び」 塚本動揺   塚本  「・・・・・・・・・・・・・・・・・それが何だって言うんだよ」   少年 「貴方は、小さい頃友達がいなくて、ああいった遊びも、秘密基地ゴッコも        やらずに大人にさせられた。それは、貴方の不幸の一つ」   塚本  「そ、それが何だっていうんだよ」   少年  「あなたは子供でいる時間が無かった。だから、ここに来てそれを補おうと        している。」   塚本  「うるさい!!」   少年  「そうやって他人に突っかかる事で、甘えている」   塚本  「うるさい!!、そんな事言い出したら切りがないじゃないか!!ここにい        る人間全員甘えてないって言いきれるか?!。言いきれるわけがないじゃ        ないか!!」   少年  「・・・解らないんですか?」   塚本  「解る?何が!!」   少年  「本当に解らないんですか?」   塚本  「何が!!!」   少年  「貴方は与えられるハズと誤解していたモノを今の今まで引きずってきてい        るだけ・・・それが貴方の弱さ」 急に反抗精神を無くして静かになる塚本。 少年  「貴方は懸命ですね、途中から参加しなかった。」   奈良橋 「・・・・・・・・・」   少年  「貴方は僕が羨ましいでしょ?」   奈良橋 「羨ましい?」   少年  「そう、僕は僕の中に僕一人しかいないけど、貴方の中には貴方以外にもう        一人。」   奈良橋 「だって、貴方は男じゃないの、根本的に違うじゃない」   少年  「僕が女だったとしても、同じ事が言えますか」   奈良橋 「・・・・・・・・・・・」 少年、奈良橋が何かしら考えているのを確認してから、何か合図する仕草。赤ちゃんの泣 き声のSE(ある?)。耳を塞ぐ奈良橋   少年  「これが貴方にとっての現実」   奈良橋 「要らないわよ!こんな物!!」   少年  「でも、必要なもの」   奈良橋 「要らない!!」   少年  「・・・・今、」   奈良橋 「要らないって言ってるでしょ!!」   少年  「こんな物っていいましたね、」 奈良橋ハッとする(客にわかんなくてもイイッス)   少年  「まだ、そこにいるんだ」 奈良橋お腹を抑える   少年  「僕はてっきり」   奈良橋 「・・・・・・・助けて」   少年  「・・・・・・・・・・・・・・・」   奈良橋 「・・・・・・・・・誰か助けて」   少年  「どうするんですか?、そのこ」   奈良橋 「・・・・・(消えるような声で)誰か助けて」   小津  「止めてください」 見つめ合う少年と小津。少年、一度奈良橋を見てから   少年  「どうしてですか」   小津  「可哀想じゃないですか、それに貴方は何者なんですか?」   少年  「・・・・・・・・」   小津  「答えてくれないんですか?」   少年  「あなたはコレに参加しなくていい。それよりもっと自分にワガママになっ        た方がいい」   小津  「・・・・・・・・・・・」   少年  「わかるでしょ、社長さん」   小津  「あなたはどうゆう・・・・・・」   少年  「僕は、祈る神も、頼る親も、何にもすがる必要はない。でも、貴方達は、        その不安定な物を必要としている。」   小津  「祈る神や、頼る親が居ないと、大変ですよ」   奈良橋 「生きるのが、」   塚本  「祈る神も、頼る親も、必要なかったら、何によりかかればいい」   少年  「周りに寄り掛かり過ぎているから、貴方たちは、その心地よさに、その事        を見失って、少しの事でも、辛いって考える・・・・それが最大の不幸。        貴方達は子供でいる時間が永すぎる。」   塚本  「何と比べて」   少年  「他の動物と比べて、・・・・と言うより、生物は進化すればするほど、甘        えるようになる」   塚本  「それは、20過ぎても親のスネで学校通ってた俺に対する当てつけか?」   少年  「貴方だけじゃないでしょ、大半はそうだ。それが有る以上僕を罵る事はで        きても、僕の一言には否定も弁明も出来るはずもないし、すればするだけ、        自分のボロをさらけ出す事となる」   塚本  「お前には勝てないって事か?」   少年  「勝てないんじゃない。貴方達が自分その物を語るのに弱すぎるだけです。        脆弱しきってて、何の取り柄もない。その上、自己否定する事で周りに甘        えようとする。」   小津  「それは、当たっているかもしれない」   少年  「”かもしれない。”は、誰ともつかない同意を求めているに過ぎない。も        っとしっかりとした意志を持つ必要がある」   皆   「・・・・・・・・・・・・・・・」   少年  「自らの意識が希薄になっているせいで、生まれてくる甘え。その為理解力        や、想像力を失い、1から10まで、全て説明しなければ、理解出来ない        ようになってしまった。全てを語る事が正しいわけはない。全てを語るな        ら、一人出てきて独演すればそれでいい。それが彼女、片桐しとか。」   奈良橋 「全ては君の思うがままに」   少年  「          に人生がうまくいったら面白くない」   塚本  「全ては貴方の希望と共に」   少年  「          に夢が叶うわけがない、叶えたいならそれは夢でな        く現実叶わないから夢。」   小津  「そして、届くであろう私の声が」   山賀  「・・・・・・・・・・・・・」   小津  「そして、届くであろう私の声が」   山賀  「遥か彼方のその土地に」   少年  「きっと、たどりつくだろう」   山賀  「僕の辿りつく所はどこだ」 山賀立ち上がり歩こうとして、倒れる。山賀は動こうとするが動けない。周りは、助けよ うともしないし、見向きもしない   山賀  「動かないや・・・あ、しとかとの約束忘れてた・・・もうちょっとだけ、        (生きたいな)」 山賀の()の台詞の時には照明フェードアウトして下さい。 ネジを巻く音のSE照明フェードイン。少年が、正面のベンチに座り、目を閉じて澄まし ている。反対側のベンチから手が伸びてくる。(山賀が、反対側に寝ている。)   山賀  「生きているじゃないか」 OPと同動作をする山賀、下ソデから、小津登場、   小津  「お早うございます」   山賀  「お早うございます」   小津  「今日から練習ですね」   山賀  「ね、」 奈良橋上ソデより登場   奈良橋 「お早う!!」   小津  「お早うございます。」   山賀  「あの、」   奈良橋 「ん、?」   山賀  「今日から、始めるんですか?」   奈良橋 「そうね、ま、塚本も遅れるし、ミーティングで終わっちゃうかな?」   山賀  「じゃ、その後、ウェア買うのに付き合ってくれません?」   奈良橋 「ああ、いいわよ」 照明切り替え、コーネリアスの「BLOW MY MIND(69/96より)」がきっ かけで、ブースに照明。塚本DJしている   塚本  「さーて、いつのまにかコーナーになっている”今週の江東区は佐藤さん”        のコーナー!!顔見た事ないのにファンが出来てるという、ま、じゃ、最        初にファンNO6、八王子市の本多さん、”貴方のお便りを聞いていると、        マレーシアで、会ったメアリーの事を・・・・”メアリーさんもボケてた        んでしょうか?続いて、毛筆の墨田区の大友さん、”LOVE”・・・・        豪快なラヴですね。さてさて、江東区の佐藤さん本人の手紙です。”私の        コーナーを作っていただき、ありがとうございます。ところで、ギャラは?        ”(破り捨てる)なめんな、と、では今週は、今流れているコーネリアス        のアルバム『69/96』の中の『BLOW MY MIND』で、・・        ・・・・・あー止め、お皿変えて、(音楽止める)えっとね、それ、あ、        違うって奥の・・・そうそれ。さて、今日は中谷美紀。この子は、あの坂        本龍一がプロデュースする新人。え、坂本龍一知らない?YMOも?じゃ、        アカデミー賞とった事も知らないんだ。・・・・まぁ、じょじょに覚えて        いってくれればいいけど、と言っても、覚える前に死んじゃうかな?まい        っか。じゃ、一度聞くと結構耳に残るこの曲。中谷美紀で『マインドサー        カス』」 照明切り替え   山賀  「あれ、」   小津 「なんか聞こえますね」   奈良橋 「そうね」 三人上を向く、そして少年は目を開ける   少年  「スタートラインはいつも前に引かれる。そして、そのラインを超えるまで        はおびえ、超えてしまえば無我夢中に走るだけ、それが人の弱さであり、        強さかもしれない。」    少年目を閉じ、何かを聞くようにして、照明フェードアウト。                     −おわり−