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捕鯨闘士紫きグル
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イタコイチロウ地球に厳しいアニメ、もとい芝居。
原案:GAINAX('95ガイナ祭企画)
脚本:しむらなおき
音楽:明和電機(現行の四枚から使用)
版権:本脚本のみ、2en(グルその物は著作フリー)
01:OP
突風、波のSEセンサス下に落ちているモリを見ているリチャード・クレア3世
何かを決意し、モリを掴もうとする。
声 「リチャード!」
ピクッっとし、モリを掴まず止まる。
声 「リチャード!」
声 「リチャード!!」
声 「リチャード!!!」
声 「リチャード!!!!」
声 「リチャード!!!!!」
リチャード、その声を振り払うかのようにモリを掴み振り返り、奥に立ち去ろうとする
女の声 「リチャード!!!!」
立ち止まり、
間。
ゆっくり振り返り、
リチャード 「・・・・・・・・俺には捕鯨しかないから」
音楽、明和電機のアルバム「魁明和電機」から「ツクババリバリ伝説」
ダンス (役者全員)
音楽、ワンコーラスでF.O.
ダンス終了で、ハケる役者。マーチンだけ残る。
モリを持ったまま、客席に向かってジョギングに入るリチャード。
マーチン、リチャードを見つけ走って追いつく。
マーチン 「よう、優等生」
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・・」
タッタッタッタッタと、グングン先行くリチャード、マーチンどんどん距離が開いてい
く
マーチン 「お、おい、待てよ!!」
リチャード 「・・・・・」
マーチン 「待てって、リチャード!!」
リチャード足踏み状態になり
リチャード 「・・・・・・呼んだか?」
マーチン 「・・・・リチャード・・・いい性格してるよホント」
リチャード 「お前ほどじゃないよ」
マーチン 「・・・・そうか?」
リチャード 「ああ、お前程じゃない」
マーチン 「・・・・・・・リチャード」
リチャード 「何だ?」
マーチン 「俺を名前で呼べ」
リチャード 「何故だ」
マーチン 「俺がお前をリチャードと呼んでいるのに、その俺に対して”お前”じゃ俺
に失礼だろ」
リチャード 「・・・・・・・・・・」
マーチン 「・・・・・?、忘れたのか、お前の大親友の俺の名を、このマーチン・リ
カバル・ドナー・エンボス・BJ・ガリス・チャリチャンミ・アンタバラ
イ・ロイス・サー・マ・カンズン・・・・って行くな〜!!」
走り去るリチャードを捕まえる
マーチン 「まだ、半分も言ってないじゃないか」
リチャード 「長い名前は嫌いだ」
マーチン 「ああ、そうか、お前は少しバカだからな」
モリで叩く
マーチン 「いてぇな!」
リチャード 「バカっていったおまえが悪い」
マーチン 「ヘイヘイ、わろうござんした・・・・ん?、あ、それ〜もう届いたのか?
」
リチャード 「・・・ああ、」
マーチン 「優等生のみに与えられる30M伸縮自在の仕込モリ」
リチャード 「・・・・・・・・・」
マーチン 「それ持たれると流石に差ぁつけられた感じがするなぁ」
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・・」
マーチン 「でも、すぐにお前には追いつけるからな、俺はお前と違って弱点はないし
」
リチャード 「(振り向く)」
マーチン 「前を向いた獲物は殺せない、お前にその弱点がある限りどんなに差をつけ
られても俺はお前に負ける気はしない。」
ポンポンと、リチャードの肩を叩くマーチン
マーチン 「ま、卒業試験で前向きの鯨が来ない事を祈ってな、じゃな、学校でな」
走り去るマーチン。舞台上に取り残されるリチャード
リチャード 「・・・背中におびえる目は無いからな・・・」
照明フラッシュバック(ストロボ?)パチっと一回だけ
後ろに、ライサ(♀)が居る
ハッっとしてモリを構え振り向くリチャード
ライサ 「きゃっ、」
リチャード 「あ、ああ、スマン」
ライサ 「リチャード」
リチャード 「・・・・君は一体、誰・・・」
照明フラッシュバック
グッっと頭痛に襲われるリチャード
駆け寄るライサ
ライサ 「リチャード、リチャード!・・・大丈夫?」
リチャード 「ああ、大丈夫だよ、ライサ」
ライサ 「そう(少しニヤリ)」
リチャード 「ライサ、何時から此処に?」
ライサ 「何時からって、恋人である私が貴方から離れる事があって?」
リチャード 「あ、そうか忘れていた。・・・・・何故忘れていたんだろう。・・・・何
故、そんな大事な事を・・・・」
ライサ 「リチャード、ちょっと頑張りすぎなんじゃないの?」
リチャード 「そんな事・・・、ないさ」
ライサ 「そう?、・・・・私は貴方の身体が心配」
リチャード 「ライサ・・・大丈夫。風邪なんかひく気配はこれっぽっちも・・・」
ライサ 「そんな事じゃなくて、・・・・海は怖いのよ」
リチャード 「大丈夫だよ。僕は優・・・、何でもない」
ライサ 「・・・優等生だって事を自分では認めないのね。貴方はもっと過信したほ
うがいいのに・・・」
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・」
ライサ 「でも、私は貴方のそんなところ・・・」
照明フラッシュバック
リチャードに頭痛
ライサ 「リチャード、大丈夫?。」
リチャード 「・・・・・・ああ」
ライサ 「今日はもう帰ったほうがいいわ。」
リチャード 「ああ、そうしとく」
ライサ 「ついていこうか?」
リチャード 「大丈夫、一人で帰れるから」
ライサ 「そう?、本当に大丈夫?」
リチャード 「・・・ライサは優しいな」
ライサ 「そんなこと・・・・。」
ハケるリチャード。その後ろ姿に手を振るライサ
ハケきったあと、ライサにサス
ライサ、イヤリングをいじり
太めの声 「リチャードの疑似記憶はどうだ。」
ライサ 「今の所順調です。初めて会った私を恋人と認識し、それに何の疑いを持ち
ませんでした。ただ、多少の記憶の混乱はあるようです。」
太めの声 「そうか、まぁいい。では予定通り第二段階に入ってくれ。」
ライサ 「ハイ、全ては我々の栄光のために」
照明F.O.
02:訓練・・・そして、事件の始まり
暗闇
リチャード 「オーセッ!」
照明C.I.リチャードが訓練をしている。流石に動きがいい。
リチャード 「セイ!、セア!セアア!!!」
箇所箇所をピシッっと決めるリチャード。
拍手しながらマーチンが来る。
マーチン 「上手い上手い。さすがだなリチャード」
リチャード 「・・・・・・・・・・・」
マーチン 「その仕込モリの扱いも馴れてきたみたいじゃないか。」
リチャード 「使い始めてから、一ヶ月。誰でも馴れる」
マーチン 「相変わらず可愛くないね、可愛いのは、ライサといるときか?」
ブン!とモリをマーチンに構えるリチャード
ちょっと凄む。
マーチン 「じょ、冗談だよ」
リチャード 「冗談には、」
マーチン 「言っていいのと悪いのとがあるだろ」
構えをとくリチャード
リチャード 「・・・・・・・おしゃべりは嫌いだ。」
マーチン 「おしゃべりついでに言うが・・・・・・、あいつはやめとけ」
リチャード 「・・・・・・・・・・?」
マーチン 「ライサだよ、」
リチャード 「・・・・・・・・・・・」
マーチン 「誰がみても、いい女だよ、それは間違いない。」
リチャード 「・・・・・・・」
マーチン 「でもな、あまりいい噂を聞かないんだ。」
間
リチャード 「・・・・・そんな事」
マーチン 「あるはずがない?、オイオイ、知らぬは亭主ばかりなりってな、お前の知
らないところで、ライサは他のと男に会ってるぞ」
リチャード 「そんな事はない(と言って練習再開)」
マーチン 「信じるのもいいがな、現実は直視しろ」
リチャード 「・・・・」
マーチン 「今まで、8人の人間が、彼女に誘われてる。」
リチャード 「・・・・・・・」
マーチン 「全員優等生クラスだ。」
リチャード 「(練習が止まる)」
マーチン 「あれだけの女だ、全員誘いにのるさ、しかし、彼女もお前という者があり
ながら・・・」
ブン!っとモリをマーチンに向ける。
リチャード 「・・・おしゃべりは嫌いだ」
マーチン 「わかったよ。もうしないよ、モリをどけてくれ!」
リチャード 「・・・・・・」
モリを外す
マーチン 「ありがと、・・・・でもな、事実には変わり無い。」
リチャード 「俺はライサを信じる」
マーチン 「ほぉ、熱いな。でも、たまには疑わないと、刺激ある生活にはならないぞ
・・・じゃな。」
マーチン去ろうとする。が、同じ所からライサと他の面々(一人は、ボール紙で作った
ダミーで人をいっぱい連れてくる)
マーチン 「ライサ」
リチャード 「!(振り向く)」
間
リチャード 「・・・・・・・・ライサ」
ライサ 「ねぇ、リチャード聞いて頂戴」
リチャード 「・・・・・・・」
マーチン 「リチャード聞かなくていい、こんな売女のいう事なんか」
ライサ 「?・・・・・・何の事」
マーチン 「しらばっくれるな!、後ろにいる奴らを物の見事にそそのかして女王にで
もなった気か?ライサ!」
ライサ 「マーチン貴方何か誤解してない?私は」
マーチン 「お前のいう事なんか聞けるか!」
リチャード、マーチンの頭をモリではたく。
マーチンうずくまる
リチャード 「聞こう」
ライサ 「ありがとう、リチャード」
リチャード 「・・・・・」
ライサ 「・・・・・・・?、リチャード、あなたも何か疑っているの?」
リチャード 「いや、」
ライサ 「嘘、その目は私に対して何か疑っているわ」
リチャード 「・・・・・・そう見えるとしたらマーチンのせいだな、」
ライサ 「・・・でも、疑われるような事しているのも事実ね、ゴメンナサイ」
リチャード 「そうなのか?」
ライサ 「でも、誤解しないで!、全てはリチャードの為なの」
リチャード 「・・・俺の?」
ライサ 「そう、」
間
ライサ 「リチャード、海は怖いのよ。」
リチャード 「それは分かってるよ、」
ライサ 「いいえ、わかってないわ、リチャードは、」
リチャード 「・・・・」
ライサ 「海は生命の源であるのよ、そして、最大の恐怖の淵でもあるの。」
リチャード 「・・・・・・・・・・・」
ライサ 「あなたは、その雄大かつ厳しい場所で、頑張っているわ、とても素敵・・
・私には勿体無いくらい・・・・そう、本当に勿体無い。」
リチャード 「・・・・何が言いたい」
ライサ 「・・・・・・・・・・・・・(深呼吸して)・・・・・・・・鯨をもう殺
さないでほしいの」
リチャード 「!」
ライサ 「お願い!、鯨をもう殺さないで!、あの生物は、私達と同じ哺乳類なのよ、
同一課程の生命体をこれ以上傷つけないで!」
リチャード 「・・・・・・・・・・・何をバカな事を・・・」
テレス 「そうなんだ、俺も、初めはバカな事だと思った、」
リチャード 「テレス・・・」
テレス 「でもなリチャード、別に恨みあっているわけでもない者同士が、殺し合う
のはおかしいと思わないか?」
リチャード 「・・・・・」
テレス 「そりゃ、弱肉強食という言葉はあるが、我々はもう満たされきっているじ
ゃないか、それなのに、これ以上、捕鯨をしていく事に意味はあるのか?。
無いだろ!、それなのに捕鯨をするなんていうのは虐殺に他ならないじゃ
ないか」
リチャード 「・・・・・・・・・」
テレス 「そりゃ、俺も、何頭かはしとめたさ、正直あの時の興奮や、恍惚感が手や
身体に染み着いている。でも、その時にある種の罪悪感にさいなまれたの
も事実なんだ。そんな時だ、彼女に会ったのは、彼女は鯨はおろか、道を
踏み外そうとしている我々を救おうとしているんだ。リチャード、捕鯨は
もう止めよう!」
間
マーチン 「そうか、わかったぞ!」
マーチン立ち上がる
マーチン 「そうかそういう事か、そうやって表面的な綺麗事を並べて、周りを取り囲
んでいったか、そんな綺麗事じゃ世界は見えないんだよ!。救う?ふざけ
るな、生態系のバランスを考えて見ろ、増えすぎた生物に未来はあるか?
無いだろ、おれらは捕鯨をする事によって、彼らの生態系のバランスを保
っているんだ。テレスもテレスだ。何故試験時に捕鯨していい数と、大き
さが指定されていると思うんだ!。少し考えればわかる事だろ!!」
リチャード 「・・・」
マーチン 「リチャードも惑わされるな」
ライサ 「リチャード」
マーチン 「黙れクジラ星人!」
ライサ 「え?、」
マーチン 「クジラ星人って言ったんだ、そんな鯨ばかりに有利な綺麗事をいうのはク
ジラ星人以外の何者でもない!」
ライサ 「マーチン・・・・・」
テレス 「マーチン!、ライサに謝れ」
ライサ 「何でその事を知ってるの?!」
ズルっ
マーチン 「な、何!!!」
クジラ星人セット(クジラの絵をかいた、かぶり物)をつける
*ライサのしたの台詞の時に、マーチンは「ヘッヘッヘ当たったぁ〜」とイッタ感じで
ふらついて下さい。
ライサ 「そう、そうの通り、私はクジラ星から来たクジラ星人よ、だから、クジラ
の有利な方向に話を進めてしまうのも無理ないわ。でもね、リチャード、
私はあなたが、酷い目に合うのは嫌なの、本当よ、あなたの事愛している
から・・・」
リチャード 「・・・・・・・・」
ライサ、リチャードに近づき
ライサ 「リチャード」
リチャード 「うるさい(小さく)」
ライサ 「リチャード?」
リチャード 「うるさい!」
という感じで、ライサを弾く、勢いでモリも転がしてしまう。
リチャード、「あっ」と思いつつも、姿勢を変えず、じっとライサを見る
リチャード 「・・・・・・・・・・」
ライサ 「リチャード」
リチャード、落としたモリを拾おうとする
ライサ 「リチャード!!!」
ぴくっとして止まる
ライサ 「そんなモリにもう触れないで!!」
ライサの声に決心の鈍るリチャード
でも、拾おうとする
ライサ 「リチャード!!!!!!!」
また止まる
テレス 「リチャード!!!」
仲間 「リチャード!!!!!!」
仲間 「リチャード!!!!!!!」
仲間 「リチャード!!!!!!!!」
仲間 「リチャード!!!!!!!!!」
仲間 「リチャード!!!!!!!!!!」
間
ライサ 「リチャード」
リチャード、ぐっっとこらえて、モリを握る
そしてスッっと立ち上がり
リチャード 「ゴメンな、ライサ」
ライサ 「・・・・・・・・・」
リチャード 「・・・・・・俺には捕鯨しかないから」
ライサ 「・・・・・・・・・・・・・・・リチャード」
照明突然暗くなり、もう一度明るくなると
巨大な鯨の影が舞台にうつる(サスに鯨の型を張って、当てる)
太めの声 「ライサ」
リチャード 「・・・クジラ?」
太めの声 「失敗か?」
ライサ、リチャードより前に出て
ライサ 「違います!、少し交渉に難儀しているだけです、失敗した訳ではありませ
ん!」
太めの声 「・・・そうか?、現にその地球人は、モリを拾い上げたではないか」
ライサ 「それは・・・、それは、彼には彼なりの、クジラの・・・地球の守り方が
あるからこそ!」
太めの声 「言い訳など聞いてはいない!、結果を聞くだけだ!」
ライサ 「・・・・・・・・ハイ」
太めの声 「現在この地球上で、鯨を取っているのはここから輩出された生徒のグルー
プのみ、ここの地球人をどうにかすればクジラは、健やかに暮らせるのだ
ぞ」
ライサ 「・・・・・・ハイ。」
太めの声 「それを、何故、早く遂行しない」
ライサ 「・・・・・・・・・・すみません。しかしものには順番というものが」
太めの声 「黙れ」
ライサ 「・・・・・ハイ」
リチャード 「・・・ライサ、俺は」
ライサ 「ゴメンナサイ、リチャード嘘をついて」
リチャード 「・・・・・・」
何かを決心したリチャード
ライサ 「リチャード?」
リチャード 「・・・・・・・悪いのはそいつなんだな?」
凄い勢いでライサの前にでるリチャード、右手にはモリ、巨大な鯨を見据える(ガンを
飛ばす)
ライサ 「!、リチャード!!」
リチャード 「お前を倒せば終わりなんだな!」
太めの声 「ほう、私を倒せるのかな」
リチャード、声はキビキビしているが、右手が震えている
太めの声 「前から向かってくる鯨に手をかけられない」
リチャード 「(ビクッ)」
太めの声 「それが君の弱点だリチャード!」
リチャード 「そ、それは相手に罪がないからだ!」
太めの声 「そうか、罪の無い鯨をお前は卑怯にも背後からしとめていたのか、弱虫の
上に卑怯者か、名を体で表すとはこの事!」
リチャード 「に、人間を侮辱するのか!」
太めの声 「卑怯者に卑怯者と言ってどこが悪い!」
リチャード 「チッ!」
モリも構えるリチャード!
ライサ 「止めてリチャード!」
リチャード 「ッッ!」
太めの声 「正面から命を賭ける事のできない奴が私に勝てるわけが無かろう!!」
すさまじい衝撃波!(照明がパチクリして、元に戻るってとも手(停電から元に戻る感
じ))
無惨にも折れるモリ
全員倒れこむ
気絶するリチャード
痛みに耐えながら起きあがるライサ
ライサ 「くっ」
太めの声 「ライサ」
ライサ 「・・・・・・はい。」
太めの声 「当初の予定通り、この星の鯨の回収作業を行う。」
ライサ 「・・・・・・・・はい。」
太めの声 「リチャードの処分、任せたぞ」
ライサ 「・・・・・・・・・・・・・」
太めの声 「どうした?」
ライサ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
照明全地に戻る
周りの人間は唸っている
生きている事に気が付き安堵するライサ
しかしリチャードはぴくりとも動かない。
ライサ 「リチャード?」
反応無し。
ライサ 「(揺すりながら)リチャード?、リチャード、リチャード!、リチャード
!、リチャード!!、リチャード!!!!!!」
暗転
03:決心。そして・・・、
センターサス
丸イスに、呆然として座っているリチャード。
頭に包帯をしているといいかもしれないが、場転時間優先。
後ろにライサ
ライサ 「ごめんねリチャード。結局私はあなたを騙した。人間と偽り、恋人と偽り、
地球の為と偽った。でもね、私があなたを・・・・・・ごめんなさい。今
言っても結局は偽りね。」
後ろからリチャードを抱きしめるライサ
ライサ 「でもね、でも、決着は私がつけます。奴隷になった地球のクジラを解放す
るためにも、私の為にも、・・・・・・・・・・・・貴方のためにも」
ぎゅっと、きつく抱きしめる
ライサ 「・・・・・・・せめてこの事だけは信じてね。」
照明C.O.(ライサ退出だけの時間)
すぐ全地
さっきの状態と同じリチャード。ライサはいない。
しかし、足元にはさっき壊れたモリが転がっている。
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・・ライサ」
立ち上がるリチャード、ふいに蹴ってしまうモリ。
モリを見つめるリチャード。
モリを見つめ、抱きかかえ涙するリチャード。
リチャード 「ライサ・・・・。」
モリを構えた仲間達がそこら中のソデから出てくる。
リチャードを取り囲むように・・・・リチャードはまだ気が付かない。
マーチンが最後に登場し、リチャードに寄り、肩を叩く。
振り向くリチャード
マーチン 「よく寝れたか優等生」
リチャード 「・・・・・・・・・マーチン」
マーチン 「クジラ星人の奴らは偉そうに母船ごと海に停泊中、全く頭来るよな」
リチャード 「・・・・・・・・・」
テレス 「ライサさんは一人で交渉しに向かったよ」
リチャード 「ライサが、何故一人で行かせた!!(テレスを掴む)」
テレス 「・・・・・・・・」
マーチン 「(リチャードの手を放しながら)クジラの事はクジラ同志で・・・、ライ
サはそう考えたんだろ?常識的な判断だよ」
リチャード 「・・・・・・・そんな、そんなバカな事が・・・」
マーチン 「(カブリ気味)なぁリチャード、一緒にクジラ星人を倒しに行かないか?」
リチャード 「!」
マーチン 「一緒に母船に乗り込んでかないか?」
テレス 「倒すなら今なんだ、そしてライサさんを救出する」
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
マーチン 「俺のしょうには合わないんだが、地球人とクジラ星人のハーフも見てみた
いしな」
リチャード 「・・・・・・・」
マーチン 「行こうぜ」
テレス 「行こう」
リ・以外 「行こう、行こう、行こう!行こう!!!!」
間
リチャード 「・・・・・ありがとう、・・・・・・でも、一人で行かせてくれ。これは
俺の問題なんだ。」
マーチン 「何かっこつけてんだよ」
リチャード 「・・・・・・・・・・・・・俺の問題だ」
マーチン 「・・・・・・・・・ふぅ、・・・・わかった。お前一人で行ってこい。で
も、二時間だ。二時間立っても連絡がなければ、俺らも乗り込むからな」
リチャード 「・・・解った」
マーチン 「このモリを持って行け」
少し間
リチャード 「いや、これでいい(応急処置してあるリチャードのモリ)」
マーチン 「そんな物じゃすぐ壊れるぞ!」
リチャード 「大丈夫だ、・・・・・・それにこれで倒さないと意味がないんだ。」
マーチン 「・・・・・・・そうか、わかったよ。」
リチャード 「・・・ありがとう」
テレス 「リチャード、クジラ星人の母船は、アシバの燈台から500の位置だ。」
リチャード 「(頷き)・・・・・・じゃ、行ってくる」
リチャード、下ソデに去ろうとする
マーチン 「リチャード」
リチャード立ち止まる(振り向かない)
マーチン 「ライサ以外クジラ星人は敵だ、どんなやつだったとしても哀れみも同情も
いらない。来る敵は倒して行け」
リチャード 「・・・・・・・・」
マーチン 「・・・・わかったか?」
リチャード 「・・・・」
マーチン 「リチャード?」
リチャード 「クジラ星人達はある種完成された揺るぎ無い独裁政治体型だった。頭にい
るヤツ、アイツを倒せば終わる。・・・・(振り向かずに)無駄な血は流
さない。必要最低限で決着をつける」
走り去るリチャード
「ハイ?」って顔のマーチン
マーチン 「・・・・・甘っちょろいヤツ、」
テレス 「しかし、リチャードならそういう戦い方もできる気がする。」
マーチン 「ああやって言い切ったんだ、やってもらわないとこっちの後味が悪い。」
テレス 「相変わらず口が悪いね、親友だからこそかな?」
マーチン 「俺のフルネームが言えたらテレスも親友にしてやるさ」
テレス 「遠慮しておきます。」
マーチン 「あっそ。」
照明光度40〜30%
アナログな機械音
マーチンら、ハケる
リチャード、上ソデから顔を出す(ピンスポでぬく)
リチャード 「侵入できたはいいが・・・ここは・・・、」
鯨の泣き声(小さく)
リチャード 「!、何だ?」
音の聞こえた方に移動するリチャード(抜き足差し足で)、そーっと覗く
BGM(事実を見たときの様な曲)
リチャード 「これは、・・・・・・・・・・・・まるで奴隷だ」
もっと遠くを見ようとする。
リチャード 「やつら、地球のクジラを利用してフライホイールを回転させているのか?
・・・・・しかし、何故?」
太めの声 「クジラはクジラを知ってるって事さ」
リチャードハッっとして正面を向く
浮かび上がるクジラ星人のシルエット。
リチャードモリを掴む(構えない)
太めの声 「我々が、元々自らの効率性を考えて造った船を他の生物が扱えるわけが
ないだろう?。こいつらは、その歯車の一部だ」
リチャード 「そんな非鯨道的行為(ひけいどうてき)が裁かれずに済むとでも思って
いるのか?!」
太めの声 「勿論思っているさ、そもそも我々に地球の法律が適用できるわけ無かろ
う。全ては私の思い通りだ。」
リチャード 「・・・」
太めの声 「そうそう、ここの星で唯一評価できるのはクジラの種類の多さだ。我々
の惑星ではこんなに種類は無いからね。試食するにもなかなか大変だよ」
リチャード 「試食だと?」
太めの声 「そうだよ、優秀な食材種を見つけないとね、我々の中にはグルメが多い
から」
リチャード 「共食いに何の罪悪感も羞恥心も感じる事はないのか!?」
太めの声 「上手い味の種には”食べられる才能”があるんだ。それは喜ばしい事さ、
それに、同一動物性タンパクを吸収するのなら、同じ種類から摂取する
のが一番じゃないのかい?」
リチャード 「おまえら人間じゃない」
太めの声 「当たり前だ、クジラ星人は人間じゃない。だがな、同じ種を摂取する事
が何故悪い?」
リチャード 「人、いや生物として許される行為じゃないだろう」
太めの声 「ハハハハハ、おかしい事を言う。君らの持っている宗教の一つでも提唱
しているではないか、キリストとか言ったかな?彼がパンとワインを自
分の肉と血として与えているではないか、カニバリズムの推奨以外の何
物でもない。」
リチャード 「・・・・・・・・・・」
太めの声 「同一種の肉を喰らうのは生物として進化するためのある種のボーダーラ
インでしかない。そこには止める事のできない魅惑の”味”が存在する。
究極の弱肉強食だ。おまえも試してみれば分かる」
リチャード 「・・・お前、本当の目的はそれだな」
太めの声 「ああ、そうだ、宇宙中のクジラ種を同一種の最高峰に経つ我々が食べて
いるんだ光栄な事だよ。君ら地球人の進化の極みもいずれはここへ到達
する。見ておくんだな我々の完成された世界を!!」
リチャード構える
太めの声 「ほう、私を倒すつもりか?」
リチャード 「・・・・・最低だ」
太めの声 「どうだ倒せるか?、人類の未来を見せている私を」
リチャード 「・・・・・・・・・・」
太めの声 「倒せるのか?!、正面きって生物を殺せない弱さを持った情けないお前
が!!」
リチャード 「倒す!」
太めの声 「ほう、威勢だけはいいな?、しかし、いくら威勢が良くてもそう震えて
ちゃ倒せるものも倒せないと思うが?」
リチャード 「・・・・・・・・く、」
太めの声 「リチャぁぁぁぁぁド」
ライサ 「リチャード!!!!!」
がっと飛び出すライサ純白のマントを羽織っているリチャードの前に立つ
リチャード 「ライサ!」
太めの声 「ライサ!」
ライサ 「お願いします!、クジラを本の海へと還えしましょう。我々が我慢すれ
ば済む事じゃないですか。クジラがクジラを補食しても仕方がないじゃ
ないですか」
太めの声 「言うな!!!!!!!!!!!!!」
吹き飛ばされる二人。(モリもどこかへ・・・)
照明の”揺れ”宜しく
太めの声 「お前が聞いた風な口を聞くな!!!」
ライサ 「・・・・すいません・・・・しかし・・・・」
太めの声 「口答えはするな、お前もリチャードと共に楽にさせてやる」
リチャード 「ライサ逃げろ!」
ライサ 「逃げません」
リチャード 「ライサ・・・」
ライサ 「・・・・」
太めの声 「ほう、ここに来て星を超えた愛か?洗脳による疑似恋愛でもそこまでで
きるのか?」
リチャード 「・・・・・・・・・・・」
ライサ 「(小声)リチャード」
リチャード 「?」
ライサ 「これを使って、」
ライサのマントの中から「スターウォーズ」のライトサーベルの様な物が落ちる
ライサ 「クジラ星最高技術の結晶”光学直進式電子モリ”どんな物が幾つあって
もそのモリで貫けない物はないわ」
リチャード 「・・・・」
太めの声 「ほう、新兵器を持ち出したか、しかしどうする、相手を背後からしか襲
えない卑怯者の弱虫に私を倒す事ができるのか!!」
リチャード 「悔しいが、奴の言う通りだ、俺は・・・」
ライサ 「泣くのは勝ってからにしなさい。」
リチャード 「しかし!、」
ライサ 「背後からしか貫けないのなら、私が背中を貸してあげる。・・・・・・
リチャード!!私に向かって投げなさい!!!!!」
リチャード 「!」
太めの声 「ほう(鼻で言う感じ)」
ライサ 「そのモリはどんな物が幾つあっても貫き通す!、さぁ私に向かって投げ
なさい!!」
リチャード 「そ、そんな事したらライサ、君が!」
ライサ 「私は大丈夫」
リチャード 「・・・・・・・」
ライサ 「だって、貴方が投げるんですもの。怖くなんか無いわ」
リチャード 「・・・・・・・・」
ライサ 「私は、貴方がモリを投げるところが好きなの・・・悲しみと慈愛に満ち
た。あの顔が、快感のみでクジラを射していったテレス達とは違う、誇
りと尊厳を感じる」
リチャード 「・・・ライサ」
ライサ 「さ、投げなさい、私にもう一度私の好きなリチャードを見せて」
リチャード、無言のまま立ち上がる。
ライサ、リチャードに最高の笑みを見せて、悲しい顔を巨大クジラにみせる。
太めの声 「哀れみか?」
ライサ 「私達は間違った進化を辿ったのかもしれません。」
太めの声 「私に意見か!」
ライサ 「私は、
リチャードぐっと構える
私は、この星のクジラの未来を・・・・・・
ライサ、笑顔に
リチャードに託したいだけです。」
リチャードモリを解き放つ
照明赤地
得体のしれない動物の奇声、
ライサ微笑みながらも、せき込み胸を押さえ倒れる。
抱きかかえるリチャード
ピンスポ
リチャード 「ライサ!」
ライサ 「ちゃんと、痛いんだね。」
リチャード 「・・・・・・・」
ライサ 「でも・・・、幸せ・・・・おかしいかな?」
リチャード 「・・・・・・・・・・」
ライサ 「ほら、私達の血って、貴方達のに比べてこんなに青いんだよ」
リチャード 「・・・・・・・・・」
ライサ 「・・・ね、最期なんだから、少しは笑顔見せなさいよ。」
こわばったリチャード精いっぱいの笑顔
親が子を見るような顔のライサ
ライサ 「笑顔の作り方下手だね。・・・私が死んだら、もっと下手になるかもね」
リチャード 「・・・ああ、だから死ぬな。」
ライサ 「それは無理よ、あなたは最高のクジラ取りだもん・・・」
間
ライサ 「好きよ、リチャード」
リチャードの頬に手を差しのべようとして力尽きるライサ
ライサの胸に顔を埋めて泣くリチャード
リチャード 「・・・・・・・・・ライサ・・・・・・・・」
いろんな所に傷を作りながらリチャードの周りに集まるマーチン達
但し、紫色の返り血は無い。(リチャードの約束を守った)
ゆっくり、照明F.O.
04:エピローグ
雑踏のSE
声のみ
テレス 「・・・・そうか、行くのか。」
マーチン 「まぁ、元気でいけや」
テレス 「寂しくなるな」
マーチン 「折角の優等生が、自首退学か、捕鯨免許も取得できないぞ」
テレス 「同窓会にはたとえどんなに遠くても来てくれよ」
マーチン 「免許が無いのに捕鯨はすんなよ、違反だからな」
テレス 「おい、もっと気の聞いた事言ってやれよ親友だろ?」
マーチン 「いいんだよ、これが俺らしいやり方なんだから。それより、そろそろ時
間だぞ、リチャード」
ピンスポ
リチャード、紫色のマントを羽織って座って祈っている。
(目の前にライサの墓があると思われる)
リチャード 「ああ、もう行くよ」
テレス 「また会おう」
リチャード 「ああ」
マーチン 「じゃな、リチャード」
BGM 明和電機「地球のプレゼント(オルゴール)」
リチャード 「リチャードの名もここに置いていく」
立ち上がる
リチャード 「これからは、グルとでも呼んでくれ」
*ここで、「地球のプレゼント」の本当の前奏
*タイミング重視で、スタート位置を変更の事。
リチャード、大きくマントを翻し腰にライサから受け取った”光学直進式電子モリ”が
見える。
リチャード舞台中央奥へとゆっくり歩いて行く。
照明ゆっくりとF.O.
終わり。
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グル 覚え書き
「面白くてナンボのもん」「ブチかっこいい!」「破天荒な展開とスペクタクル&カタ
ルシス」を掲げた上での脚本。原案がガイナックスだが、イベント用の企画故著作はフリ
ー。ま、こんなバカ話どんな事にも使えんが、”原案ガイナックス”は使える(笑)。よ
うは面白ければいい。お金がない?チープで結構ドンと行こう!最初は学芸会の延長じゃ
ぁ・・・と言われてもいい。狙ったギャグもない、全てのキャラは真剣だ。脚本のテンシ
ョンそのものも高い(ハズ)。原作があろうともホンかいてるのは俺、通り一遍のホンに
するわけ無いじゃん(骨組みは一緒だけど)。
絶対に面白い、・・・と思う。・・・・と、願う。
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グル 覚え書き2
終わった終わった。くぅ〜カッコイイよリチャード。惚れたね俺は。どうだ恐れ入った
か(笑)。でも思ったより話しが綺麗にまとまったのでちょっとだけホッとしております。
ふぅ。なんか、ここにきて「こんな物も書けるんだよ」っていうのを自慢しているようで
ちょっと自己嫌悪(泣)。思ったより短いのが難だけど、このテの話はすっきり終わらせ
るのが一番なんで、こんな感じにしてみました。いかがかな?
次が疑惑の「エラストゥルト」。こいつも凄いぞ(爆)。
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