あさはかな評論
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フィールドということ
観ないという愚考の先に見えるもの
知らないヤツはモグリだぜ
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フィールドということ
「アヴァロン」は非常にシンプルな映画だった。「攻殻機動隊」以上にシンプルな構造をもった映画になっており、押井ファンとしては、「ん?、なんで?」と思わせるのにも十分な物だった。それは映画として完成された形でありながらだ。
セピア調に統一されたSF映画、全てポーランドで撮影し、撮影された物を全て素材として取り込みデジタル上で再構築していく、そんな製作工程は、実写映画にアニメの制作スタイルを持ち込んだおそらく初めての例で、その事でも話題を呼んだ映画だった。それよりも僕やその他の押井ファンからすれば、この映画は「G.R.M.」へのただの前哨戦でしかないと思えてならない。「G.R.M.」は、バンダイビジュアルの進めている「デジタルエンジン構想」の中の一作だと言うことは、以前のここで述べたと思う(注:デジタルエンジン構想の中の物として今年6月に、「メトロポリス」が公開される)。
と、思うのも「G.R.M.」には作家押井守としての、嫌悪しがたい程のパワーが込められていると考えているからだ。「攻殻機動隊」を観たときに感じた違和感、それは出来の良い映画だったということと同時になんか気の抜けた押井守という印象を映画自体からも感じ取られたからで、「アヴァロン」でも近いイメージは感じられた。「パトレイバー」の頃より以前に感じられたハチャメチャさや、映像から伝わる”匂い”のようなものが感じられなくなってしまったのだ、しかし「アヴァロン」の面白さは否定できないのは事実。海外を舞台にした日本の映画はいくつかあったが、ここまで、世界を構築できた映画も無いんじゃないかと思う。早くDVDで何度も繰り返して観たい映画だ。
関連:
アヴァロン
押井守
デジタルエンジン研究所
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観ないと言う愚考の先にみえるもの
「バトルロワイヤル」は近年稀にみる”映画”だった。深作欣二はやっぱり凄い。というか、この世代かATG時代付近の怪作を作り上げている作家は未だに元気な姿に、日本映画の暗闇を感じる。岩井俊二早く新作作りなさい。
「バトルロワイヤル」は言うまでもなく問題作となり、それがいい宣伝効果で邦画にしては大ヒット作になった。しかし反発も大きかった。とある政治家がこの作品の上映禁止に動きその本人が”観てない”で評価を下していたという愚考は失笑の的になったが、観ないで、または観て作品自体のテーマや映画としての出来に意見を持たず描写にのみに文句を言うのは悪い傾向だ。ただ深作作品には、観る物を引きつけ圧倒させるだけのパワーがある。
しかしこのパワーこそ深作映画の面白さなのだから、これを否定するものなら、日本映画そのものを否定してしまうのと同じじゃないかとすら思える。それだけ深作映画の映画界への貢献度は凄まじい。この映画は武器を取り殺し合う事がメインになっているが、武器自体はハリセンや鍋の蓋のようなものから銃まで色々だ。だがこれを現代社会の人間関係の中にある妬みとかいびり、恨み辛みに置き換えてみるとこの映画がどれだけ今の社会をうつしているかが分かる。生徒が死んでいく時にでるテロップ等は、そのことを示唆しているのではないだろうか?。
映画として万人に見せられるかと言われれば、必ずしもイエスとは言えない。しかし、西部劇でガンマンに撃たれて死ぬ人と、この映画でボーガンに撃たれて死ぬのは、あくまで同じ”死”だ、だが死に関してちゃんと考えられる映画はどっち?
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知らないヤツはモグリだぜ
日本の映画の場合、とりわけ”教科書”とも言える映画が存在する、それはお話を作る上で非常に参考になるんだけど、今回の劇場版「COWBOY BEBOP -天国の扉-」もそんな感じ。映画の構成自体が非常にシンプルにまとめられていて、お話とキャラクターに集中できるようになっている。この手の映画構成をしているのには、押井監督の作品系列がこれに当たるのだけど、その分非常に楽しめた。割と寡黙な主人公がよく喋ったりしているのが、ちょっと気にはなるけれど、全体的にテレビシリーズを見るためのテキストとも言えるし、「COWBOY BEBOP」という作品がどういった物なのかを理解する上でも最適なエピソードになっている。元々が映画っぽさを意識した作りの作品なので、劇場のサイズでも違和感は特に感じられなかった。まぁ、そういった気負いの無さも作品の魅力ではあるんだけど。
とりあえず年明けにDVDが出るんですが、買っておいても損はしないですよ。
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