あさはかな評論

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うたう事で生きていく(1)
うたう事で生きていく(2)
うたう事で生きていく(3)
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うたう事で生きていく(1)
一応三回を予定している第一回目。
誰しも「何がどうなろうとも譲れないシンガー」みたいな人がいるかと思います。僕は。”笹野みちる”なんです。彼女はTBSラジオでの公募で認められ東京少年というバンドを組んでデビューしたのでした。僕自身彼女を知ったのは、解散特集を組んだTV東京系の音楽番組だったのです。その時のインタビューとシングルヒストリーみたいな物をみてガツン!と来たのでした。東京少年のビデオクリップは今をときめく(死語)岩井俊二監督の代表作でもあったりするのです。僕としてはこの時に岩井美学の洗礼と同時に自分にとっての最高のアーティストを手に入れるという凄い巡り合わせだったりするのです。
彼女の詩の世界観にまず惹かれ、それが音と映像(クリップ)とで見事に融合した感覚が最高に素晴らしいので、これを見た翌日に、CDをあさりだしました。東京少年のアルバムはメジャー志向でありながらも笹野みちるの個性が色強く反映されている物でした。しかし、メジャーの宿命というか、曲を量産していかなければいけない事が、苦痛になり、ミニアルバム一枚と、フルアルバム四枚を残して解散したのでした。
本人が大学生だったという事もあり、良い意味での”学生の雰囲気(サークル活動の匂い)”に満ちたアルバム構成などに、従来のバンドの感覚は無く、当時のバンドブーム(「イカ天」の影響による)にも呑まれず残り、一定のペイラインもいっていたバンドが終わったのは、これから更に加速していく、シングルの量産による、狂ったチャートに対しての敏感な嫌悪と、そういった作り方ではやりたくない笹野本人の信念「うたう事で生きていく」からくるものだったのだろうと、僕は思う。
三年間活動し、そして解散した。
その番組で彼女が最後に言ったのは「ボーカル求む」だった。彼女は、地元京都に帰る。
CD
東京少年名義
東京少年
原っぱの真ん中で
僕等を探しに
陽のあたる坂道で(ミニアルバム)
帰り道
(「もういいかい?」&「ゆびきりげんまん」というベスト有)
*ちなみに、東京少年の全てのビデオクリップは、岩井俊二監督による物。
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うたう事で生きていく(2)
バンドを解散し、京都に戻り、大学を卒業し大学院に落ちた彼女は、三年後、ソロデビューする。そのときがささのみちる全て平仮名だった。彼女は”笹野”という名字にコンプレックスを抱いており(父親が先生で、母親が参議院議員だったりするかららしい)、最初のアルバムはアメリカンスタイルでうたいかったという気持ちであふれている。特に1stに収録されている。「イキテユコウ」のライブ感覚と、そのカッコ良さは女性アーティストとしての他の追従を許さない。
しかし、両親に対するコンプレックスで、ささのみちると言っていた彼女が三枚目のアルバムで笹野みちると、本名に戻す。それは何故か?それは、自分がレズビアンだという事を公表し、名前に対する重荷みたいなものも消えたためである。現に、三枚目のアルバムは公表した事に対しての事で満ち満ちており”戦うべき何か”に対しての表現で溢れている。
笹野はここでも、”三年”東京で活動し、京都に帰ってしまう。どうやらそれがサイクルらしい。ただ一つ言える事は、このソロの期間が彼女にとって、最大のターニングポイントである事には変わり無いという事だ。うたその物も、東京少年以上に、自身の感性をぶつけ最高の作品に仕上げている。
CD
ささのみちる&笹野みちる名義
ささのみちる
僕と君の合図
GIRL MEETS GIRL
イノセンス
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うたう事で生きていく(3)
そして京都に帰り、友人達とバンドを結成し、インディーズでアルバムを発表した。それが京都町内会バンド、まんまなのだけれども(笑)非常に楽しいアルバムになってます。本人曰く京都系だそうです。多分、学生時代に結成したバンドタイムボムの面子だと思うのですが・・・。
一度はメジャーシーンに登場し、アルバムで30万枚を売り上げるほどのヒットグループになった程の実力がありながら、自分の歌を唄いながら生きて行きたい為に再度上京し、ソロとなって戦い、そして、京都に戻って、インディーズで、自分の作りたい環境で活動を始めた笹野みちる。みようによっては、「イイ線に行きながらチャンスを逃して消えていったアーティスト」という烙印を押す人もいるだろうが、彼女にはそのきらいが無いのだ。曲そのものはどんどん洗練されていくし、歌という物に対して問いかけながら作っていっている。
こりゃ、最後まで見て行くしかないね。
と、三回書いて評論っていうか、紹介文になってしまった。ま、いいか。僕の作る話って、彼女の歌からインスパイアされたものが多いんです。大学のサークルの公演で使った脚本とかみてもわかるかと思います(曲では、「四th」で、「お金を貯めよう」。「Song for children」で、「ハーモニー」を使ってます)。
ここまで書いて特に落ちはないんですが(笑)、特に落ちを付ける事はないですね。彼女が次に東京にくるのは、2000年か2001年です。三年サイクルだからね。
CD
京都町内会バンド名義
HIMAGINE
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