あさはかな評論

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科学とSFとオカルトと
ゴーマニズムの面白さ
ポスト藤子・F・不二雄(其の壱)
「逆襲のシャア」という同人誌
不思議な魂の華麗な復活
ジャンプの壊れた歯車


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科学とSFとオカルトと

 僕が物語を書いたりするのに多少の調べ物をする。大抵SFかファンタジーなので、そっち関係の本を読んでみたりするんだけれども、時々本によってがある。完全にフィクションを起こそうとして、物語上の設定を作るとき、状態変化上ありえない物とかを歪曲しないといけない部分が出てくれば、未知の理論とかをデッチあげれば事足りるが、世の中それを信じる人も多くちょい困る。
 そんな中、本屋で見かけたのが、この「トンデモ本の世界」。この本は、数多く出版されている。科学系の本や、小説やオカルトの科学的基礎知識の間違いや本人の思い違いを突っ込んでいる本で、非常に面白い。
 と言っても、この本を書いている「と学会」は、そう云った物に懐疑的に考えている集団では無く、そういった物が好きで、好きだからこそ誤った情報は出るべきではないとして、このシリーズを出版している。実際この本に出てくる人は著名なひとが多い。人魂研究の某有名大学教授や、派手な格好の直木賞(芥川だっけ?)作家、他にも有名な作家が多数登場する(勿論UFOやノストラダムス、ネッシーやアトランティスやそこら辺も満載)。
 が、ここで、ちょっと注意してもらいたい。この本はいわゆるオカルトとかの否定本じゃない。これは現状での科学的根拠に基づいた本で、世に出ている一部の本の間違いを指摘しているということだ。実際”そうなのではないか?”と思わせる根拠(勿論科学的にちゃんとした)も存在している物もあるというのを忘れないで欲しい。この本でもその事は事前に言ってある、でもこれを読んで「なんだみんな嘘か」と思う読者もいるらしく困る部分もあるらしい。そんなに科学が完璧なわけないじゃん。
 この本を読むと勇気というか、「こんなバカな文書いてて売れてんのは気にいらん!」と思わせてくれる。例えば、工学博士を持っているのに、太陽は寒いといい(その理由が、高い山に登ると、寒くなるからだって)とか、南極上にある静止衛生とか(静止衛生は赤道上です)。とにかく小学校や中学校で習ったレベルの科学知識で楽しめる本なので、買っといて損はありません。


ここで注意、この本によると、工学博士と名前がヒデオの著作はかなりの確立でトンデモ本らしいので買うときはチェックよろしく。

今回の本:「トンデモ本の世界」「トンデモ本の逆襲」「トンデモ超常現象99の真相」
     と学会編 洋泉社より発売中 価格1400〜1600円(税別)

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ゴーマニズムの面白さ

 と、タイトルつければ何の事かおわかりでしょう。「ゴーマニズム宣言」の話です。作者の小林よしのりさんは、僕ら的な世代感覚でいけば「おぼっちゃまくん」ですね。あの当時はコロコロコミック買ってたんで、第一回から読んでます。まぁ”ちゃま語”は使わなかったけど、んで、ゴーマニズム宣言。いっつもギリギリのラインで描いてるのが凄いし面白い。あれはでも読んだ人は解るだろうけど、薬害エイズに関しての功労者の一人だと言う事はわかる。彼が自分の商売道具で声を大にしてやった事っていうのはもっと認められるべきだと思う。結局どんな事件でも一過性を持ってしまっている所もあるし、それをどこまで引っ張れるかっていうのはどれだけメディアを使っていくかでしょ。現に僕は勝った後の事は知りません。勝つ事が目的だったんだからそれでいいでしょ(こう書くと印象悪いけど、悪意無し)。個人的に嬉しいのはようやくマンガに戻ってきたかな?と言う点。何処までがマンガで、そうじゃないかというラインを引くのは難しいので、個々の考えに任せるけど、僕的にはマンガに戻ってきた感がある気がする。一時期マンガっていうには・・・というときもあった。でもそれは流れだし、しかたないと思ってた。色々巻き込まれちゃったし、・・・
 さて、僕が戻ってきたと思ったのは「ゴーマニズム宣言外伝 第三話」の破防法が適用されなかった時のフィクションを読んだときだった。久しぶりに漫画家としての力量を見た気がした。あの章は傑作ですね。
 一時期、石ノ森章太郎さんとかが、「日本経済入門」とかをマンガで描いて話題になった事があったけれど、”マンガ”がここまで影響力を持ったのは、いわゆる少年マンガ以外じゃ初な事だと思う。このままずーっとゴーマンかましてほしいっすね。


今回の本:「ゴーマニズム宣言」1〜9・「ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル」
     「新ゴーマニズム宣言」1〜(97年5月現在3巻まで)
     「新ゴーマニズム宣言 脱正義論」       小林よしのり著
 *出版社に関しては、「新〜」が小学館、「脱正義論」は幻冬社、「差別論スペシャル」が解同出版、9が双葉社、
 尚、1〜8は当初扶桑社から出版されていたけれども、現在は撤退、双葉社から再販されている。

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ポスト藤子・F・不二雄(其の壱)

 その人は、青山剛昌。僕の独断です。掲載されているのは少年誌だけど、彼なら行けるとイケると僕は思います(ちなみに「ドラえもん」のコロコロコミックは幼年誌)。「YAIBA」とかは「ドラゴンボール」なんかより全然イケてるし(というよりむしろ物語的に良くできている。「ドラゴンボール」に関しては不幸な事だけど、これに関してはいずれ書く)今やっている「名探偵コナン」もいい。
 僕が何で青山剛昌を押すかというと、ある意味藤子・F・不二雄さんの遺志(と言うよりむしろ彼が心がけていた信念)をやれていると思う。つまり子供ね。常に子供の視点で描いている。必ずしもそうじゃないと言う人もいるかもしれないが、僕の知っている範囲の作家でイケてて子供の視点でというより子供が主人公のマンガを描き続けているのは、青山剛昌位じゃないかと思う。それは短編集とかを見てもあきらかで、一見子供向けに見えないようなものでも、実の所、子供を中心に据えて描いている。つまり彼は少年(幼年)マンガの現在での最高の作家だと僕は思う。
 でも別に、第二の藤子・Fになれって言っているわけじゃない。多分、小さい子のマンガへの入り口を新しく作るとしたら、彼が入り口になるのがいいのじゃないかと思う。彼なら多分、その領域から逃げる事なく描き続けてくれるだろうと僕は思う。(実際子ども向けのマンガを描くのは難しい。トキワ荘メンバー(石ノ森・赤塚・藤子A・藤子F・手塚治虫)の中で、子ども向けから逃げなかったのは藤子・F・不二雄さんのみなのだ。あの手塚治虫氏ですら逃げた(と言うより描けなくなった)のだ。
 青山さん頑張ってください。

今回の本:「YAIBA」(全24巻)「四番サード」(全1巻)
     「青山剛昌短編集」
     「まじっく快斗」(1〜3以下続巻)
     「名探偵コナン」(1〜14以下続巻)現在少年サンデー連載中
     以上の本は小学館より発売中
     *「YAIBA」は、愛蔵版有り

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「逆襲のシャア」という同人誌

 結構特殊な本選びをしているような気のするこのコーナーですが、今回は多分最初で最後であろう同人誌に関する話。その前に公言しときます。「同人誌は大半がゴミ!」さて、ここから始めましょう。
 実際問題ちゃんとした同人誌というのは探すのが難しいです。現国の文学史で習うような同人誌とは毛色がかなり違ってきているのも確かな事だけど、何で同人誌にも関わらず「間に合いませんでした。だから(描き殴りの)イラスト」とか「なめてんのか!」といわんばかりで困ったもんです。そんな中でここで紹介するのが、「機動戦士ガンダム逆襲のシャア友の会(以下「逆シャア」)」と言われる同人誌です。
 責任編集は今や、「ヤマト」「ガンダム」に続く時代の雄となってしまった庵野秀明監督。この本は映画「逆シャア」に関して、このアニメ業界内にいる各人にインタビュー形式で聞いた本で、あらゆる点で資料性の高い一級品となっています。
 ただ、これに見るのは別に豪華な参加人というわけではなく。同人誌を作るというスタンスです。現在の同人誌は、コミケ等に参加している人はおわかりでしょうが「どうしましょ」な世界です。同じ千円で買うなら、普通の本屋で買った方がマシでしょっていうのが大半です。たまにちゃんとした本もあるんだけれども、大抵プロが作ったものだったりするわけで、どうしたものでしょうか?オリジナルの受けがあまりよくないのは仕方の無い事なのですが、何であんな描き殴っただけのろくなHも描けてない本を掴まされないといけないのでしょうか?(注:コミケ等に氾濫している同人誌の殆どは、H系です。アニメの好きなキャラのH物とか白j女問わず普Aビジュアル系のバンドとかのカマのほられあいもあったり・・・・・・)
 と、書いてきているけど実際そんなに買ってないから非難ゴーゴー来たら対処は出来ないだろうけど、僕に取っての同人誌の最高傑作は、この本なのだ!

しかもガイナックスから貰った・・・

*「逆襲のシャア」に関してはいずれ「邦画の底力」で書きます。


今回の本:「機動戦士ガンダム逆襲のシャア友の会」
     企画・責任編集 庵野秀明
     富野由悠季・あさりよしとお・幾原邦彦・井上伸一郎・押井守・鈴木敏夫・山賀博之・ゆうきまさみ、他
     現在絶版(製作会社のサンライズ公認ですが、諸般の事情により再版禁止になっています。)
     興味のある方は、池袋「K−BOOKS」や中野「まんだらけ」等の古本屋で探して下さい。

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不思議な魂の華麗な復活

 鶴田謙二復活!というよりまとまっただけなのだが、ファンにとって、嬉しい事には違いない。元々代表作たる「Spirit of Wonder」も出版社と喧嘩してしまった関係で初版=絶版となってしまっていて一時期第一巻が数万円で取り引きされるという事態もあった(俺自身としては本すら見た事無い)。そのマンガ家生活10年を向かえる記念で刊行されたわけだが、この本も呪われていて、「Spirit of Wonder」と画集「水素(未完の大作「Ring theWorld」収録)」で10年分そして、初期短編集を入れるとアマ時代を含めた15年分の大半が揃うという恐ろしい内容。但し同人誌で描いた分は収録されてないので、それは同人誌「鶴田謙二作品集(編集庵野秀明)」を参照していただくか、「朝鮮飴(園田健二の同人誌)」を見てもらうしかないだろう。ま、前者は持っているんでこっちとしては全然OK!。
 それにしても、「Spirit of wonder」は面白い。いい刺激がくる。マンガ描きたくなる(「岩ちゃん」じゃなくて)。
 ところで、次の単行本はいつだろう・・・。


今回の本:「Spirit of Wonder」1200円
     「水素 −hydrogen」    4500円
     「SF名物 −初期短編集」      590円
     上記の本は現在本屋で入手可能。(この三冊にポスター、テレカなどのついた6000部限定ボックスもあり)

     「鶴田謙二作品集壱 +零弐」
     現在、池袋K−BOOKS・中野まんだらけなどで入手可能な同人誌。値段は推定12000円〜



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ジャンプの壊れた歯車

 ここ立て続けに、面白かったマンガが終わった。「レスリング ウィズ もも子」と「セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん」何故この二作品が終わったのかは解らない。「もも子」は練習試合を描ききった時点で終了。「マサルさん」に関しては先週の次号予告(フーミンが転校するという話)と実際に連載した話が違う。
 ジャンプが体制変換の為にこれを切ったのかどうかは解らないが、少なくともこの二作品よりも連載を切ってもいいようなマンガはジャンプにはある。何でどれがわからないんだろうと思うのは僕だけなんだろうか?

富樫義博の件がある。

 あ、そうか。そうゆう事も考えられるわけだ。どっちにしろ萩原一至や、桂正和・徳広正也を呼んどいて、その内一人を削ったわけか・・・10月に鳥山明の新作(ブブル)が出るけど、それでそうにかなるのだろうか?
 桂正和はそういったジャンプの状況を切々とコミックスの作者欄に書いている(その作品は「超機動員ヴァンダー」・・・面白くなかったっす)あの文面は切実だった。その結果が「電影少女」とかになるのだろう(あの絵柄を手にいれたからイラストレーターでもいけるだろう)。もう少し読者を突き放してもいいと思うんだけどね、物語を分かり易くしようっていう心がけはいいんだけど、もう少し、本当にもう少し難しくてもいいと思う。


今回の本:「週刊少年ジャンプ」集英社 210円(税込)


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