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■ いきさつ

1994年、ある演習科目で「雑誌を作る」ことにしました。エラソーな理由はいくらもあります。が、同時に、メディアとか情報とかを講義するだけでは、「こちらもつまらないし...」という気持ちがあったのも確かです。

2コマ開講の授業でしたが、ふたを開けてみると、2クラスともに30名を越える受講者がいました。演習科目で、この人数は多すぎる! これで、どうやって雑誌を作ればいいんだ?

で、こういう事態で自分の首を絞めるのが得意技でもある大倉は、無茶な戦略をとりました。受講者を6〜7名ずつ5つのグループにわけ、それぞれが雑誌を作ることにしたのです。加えて、2週間ごとに1冊、学期中に合計3冊発行するというスケジュールでです。

雑誌自体のコンセプトをうちたて、かつ、ある展望のもとに記事を企画・制作し配列していく。もちろん、締め切り厳守。実に、教育的な授業でした。

やりましたよ。2クラスあわせて10種類の雑誌ができあがり、それを封筒に入れて「10!」(Ten!)と名づけ、少部数でしたが学内に配布しました。 ← いいアイディアでしょ。

しかし、死にました。企画は甘い。日本語ができない。おまけに、当時はワープロだって使えない学生も大勢。(学生の方も大変だったろうけど。)

翌年のその授業で、雑誌づくりをするのをやめたのはいうまでもありません。

■ やめたつもりが...

ところが、世の中にはモノズキなやつもいるもんです。翌年(1995年)の、その授業の初回=授業紹介を終えて教室を出ようとしたところ、ひとりの学生が声をかけてきました。
「今年は、雑誌は作らないんですか?」
「そうだよ。講義概要にもそう書いてあるし、さっきも説明しただろ。」
「わたし、雑誌を作りたくて、この授業とったのに。」

そして、ここから6年間にわたる、苦難の道が始まるわけです。

「じゃ、自分で作ればいいじゃん。まぁ、ひとりではできないから、何人か友達を集めてごらん。もし、仲間がいるようだったら、こっちもできるだけの手伝いをしてあげるから。」
「わかりました。探してきます。」

正直、半信半疑でしたが、結局、その学生は5〜6人の仲間を引き連れて研究室にやってきました。

あとは、もう書くまでもありません。どんな雑誌にするのか。どの程度の規模(ページ数・発行部数)にするのか。刊行ペースはどれくらいか。そして、雑誌名をどうするか etc...。

■ その名前はやめてくれ〜

雑誌名について、その学生は最初から決めていたようです。
「Nuts」
理由は単純。「実践」の「実」から、「木の実」→「Nuts」というわけです。

ところが、英語では「Nuts」はいいことばではありません。辞書をひくと「ものずき」とかなんとか書いてあります。けれど、一般的には「キチ○イ」という、非常に差別的な意味・ニュアンスをもったことばなんですね。

最近は、昔ほどの強いニュアンスはないようです。それでも小さな子どもも見るようなTVなどでは、決して使えないことばであることに変わりありません。

...ということを説明し、「英語ネイティヴの先生もいらっしゃるのだから」と説得したのですがダメでした。その後、スタッフが入れ替わるたびに、このことをいったのですが、定着した誌名を変えることに抵抗があるようで、聞き入れてもらえませんでした。

ちなみに、「Nuts」→「Nut's」(アポストロフィを入れて逃げた)になったのは、最後の年のことでした。

■ スペック
  • 誌名:Nuts(2000年度からNut's)
    • サブタイトル:The Campus Communicator for Jissen Girls
  • コンセプト:短大生による短大生のためのキャンパス誌
  • 判型:B5判(B4判・両面印刷・中折り)
  • 用紙:紀州の色上質紙(用紙色は、発行ごとに変える)
  • 印刷:リソグラフ
  • ページ数:8〜24ページ(平均20ページ)
  • 発行:月刊(基本的に、「4〜7月+10〜1月」の8回。)
    • 年度により、卒業式当日に特別号/Extraを発行。これは、卒業生全員に配布した。ただし、ページ数は4〜8ページである。
  • 部数:500〜900部。在籍者数の1/3(500名:改組前の数字)+教職員配布用が基本
    • 在籍者数の1/2を印刷し、なおかつ残部なしという時期もあった。
  • 料金:無料配布
    • 取材や文房具などは、学生同士で負担。(広告はとらず、あくまで自己負担。)
    • 用紙代は大倉が負担。ときどきカンパしてくださる先生も。多謝!
  • 配布形態:次の4ヶ所にボックスを設置。(事務局横掲示板コーナー・記念館食堂入り口・第2館学生ホール横・図書館)
■ 苦労話
数えあげたらキリはありません。おいおい、書き連ねていくことにします。
... って、これじゃ「Nut's な日々」、始まってないじゃん。
 
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ということで、1995年度を見る


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