読者からの反響 98/04/25 「ステロイドと漢方薬」
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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ステロイドと漢方薬
小川 (東京都、薬剤師)

ステロイドに関する意見を拝読しました。

確かに薬を使用する際の副作用についてはとても不安だと思います。 特にアトピー性皮膚炎など、比較的治療に期間がかかるものについては、そのリスクをできるだけ回避したいと思うのは当然です。 多くの方が現在の医療制度に関して疑問をおもちなのも、よくわかりました。

しかし、薬のことをなぜ、私達薬剤師には相談してくれないのでしょうか。 現在、薬局や薬店で勤務する薬剤師や薬剤師会等で、薬の情報を多くの場合、無料で提供しています。 また私はボランティアで健康相談室を開設していますが、相談件数は驚くほど少ないものです。

以下に、ステロイドに関する説明と以前私の勤務する薬局に相談にみえた方が漢方薬によりその症状が改善した例を述べます。参考にしていただければ、幸いです。

ステロイド:
ステロイド核(シクロペンタノ-ぺルヒドロフェナントレン核)をもつ化合物の総称で男女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、胆汁酸などが該当します。 その中で皮膚炎などに用いられるのは副腎皮質ホルモンです。

副腎皮質ホルモンはもともと、ひとの体内に存在するものですが現在では合成されたものが医薬品として使用されています。 その強さには違いがあり、強弱によって何郡かに分けられています。 作用としては、炎症を抑え、アレルギーを抑制するなどの効果があります。

一方、副作用として多くの方が心配しているリバウンドの問題があります。 しかし、リバウンドは長期間の使用では心配する必要があるかもしれませんが、アレルギーなどで(虫さされなど)短期間に外用として用いる場合は殆どの場合はリバウンドがおこることは少なく、リスクよりもメリットのほうが上回ります。

漢方薬による改善例:
20代の男性が私のところへ相談にいらっしゃいました。 幼少の頃より鼻炎とアトピー性皮膚炎に悩んでいるとのことで、彼には私の作成した質問カードの他の質問にも答えてもらいました。

私は、総合的に判断してケイガイレンギョウ湯をすすめました。 以下に述べるケイガイレンギョウ湯の証にピッタリ当てはまったからです。 彼は暑がりで、イライラし易く、皮膚には紅いポツポツができていました。 1ヶ月分彼は購入しました。

そして1ヶ月後、電話がかかってきました。 だいぶよくなったのでもう1ヶ月服用したいということでした。

ケイガイレンギョウ湯:
体内に発生した余分な熱を取り去り、体内の炎症を取り除きます。 解毒の効果もあり、掻痒や化膿に用いられます。 養血の作用もあり、この方の様に長期間病気が治らない場合には養血の作用のある漢方薬が適する場合が多いようです。

しかし、胃腸の調子のよくない方やある種の高血圧の方の場合、使えない場合がありますので専門家に相談されることをお勧めします。 また寒がりの人にも使うことはできません。

そのほかアトピー性皮膚炎に用いられる薬には十味敗毒湯や当帰飲子、他にも何種類かありますので、購入される際には専門家に相談されることをお勧めします。

ここで誤解のないように書いておきたいのですが、私はステロイドの使用を全て否定するわけではありませんし、またステロイドを使用する全ての医師を非難しているわけでもありません。 私も状況によってはステロイドの使用をお勧めすることもありますし、自分でも使用することもあります。

ただ、多くの方が薬に関する情報を得る手段として、薬局の薬剤師も選択肢の一つとして存在すると言いたかっただけです。 個人的には、私のまわりには真面目に医療に取り組む医師の姿があったように思いますから。

けれど納得のいく医療を受けることができなかったとき -- 特に薬に関することならば役に立ちたいと思っている薬剤師達がいることをぜひ覚えていてほしいと思います。


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