読者からの反響 97/09/09 「医師の相互批判」
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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医師の相互批判について
池之上 公 (福岡市、内科医)

「医者にメス」もアクセスが1万を超え、おめでとうございます。

阿部さんの第1回公判が9月4日と聞いておりました。

裁判というと、アメリカ映画の影響で「丁々発止のやりとり」を想像してしまいますが、実際には「厳粛」というか「拍子抜け」というか、あっけ ないものであったという話も聞きます。

国内のそれぞれの都市では「医学を牛耳る大学」がだいたい決まっていて医療側を批判する医師をさがすことは大変困難な事だろうと思います。

私も出身大学・医局のお膝元におりますから、万一福岡市内での裁判で、批判的な証言をするよう依頼をうけても、躊躇してしまいます。

血友病エイズ殺人でも、帝京・安部英教授の直下の(当時の)助教授が、「間違いと分かっていたが言い出せなかった」と証言していますね。 ほとんどの医師が、大学・医局の庇護の元に職場を探し、開業している現実を考えると、近距離での相互批判は大変難しいことです。

もし差し支えなければ、公判の経過をホームページに公開して下さい。

事故後の相互批判に比べると、事前の(診断・治療方針に対する)批判は比較的やりやすいので、「検査を勧められたとき」、「治療を勧められたとき」に(考え直す)情報源となる、阿部さんの Web Page は大変貴重です。 私は「セカンドオピニオン医」(そんな名称は存在しませんが)を目指しておりますので、Internet が使える患者さんに閲覧を勧めています。 残念ながら、セカンドオピニオンは嫌われることがあり、収入につながらないという大欠点があります。


私の叔父も、C型肝炎から肝硬変、肝癌の経過をとり、65才時に癌の診断を得ました。多発していたこともあり、アルコール注入などの非外科的 処置を続け、他界するまでに2回の脳梗塞を起こすほどでした。 最後は脳梗塞で死亡しました。 癌の診断から6年後のことです。 東京で小さい医院を開業しておりました。 癌の診断後も、亡くなる数ヶ月前まで、細々とながら外来患者を見ていたようです。

阿部さんのお父様の「数日間」に比べると、同じ診断でかくも経過が違うものかと嘆息せざるを得ません。


阿部さんの「成功報酬」の件も興味深く読みました。 残念ながら「何を基準に成功とするか」という大きな問題があります。 たとえば、アトピー患者の治療でステロイドを使って症状が改善し、副作用を残さない場合の方が過半数なのです。 医師が「成功報酬」を上げようとすれば、「わずかな数の副作用出現患者」を見捨てて、ますます過剰な薬剤投与に走ることになりませんか。 また、「成功したことを強要する」ようにはならないでしょうか。 「成功報酬」を付けるなら「失敗罰金」も同時に課すことにすればバランスはとれますが、『絶対に』医師はそのようなシステムは認めないでしょう。

現時点では阿部さんが実行されたように、「口コミ」を使って何軒かの医師と相談し、「もっとも納得できる説明をした医師」を信じるようにする ことくらいしか「身を守る」または「納得できる医療を受ける」方法はないように思います。


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