読者からの反響 97/07/09 「検診」
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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検診の有効性について
池之上 公 (福岡市、内科医)

福岡市に住む、内科勤務医です。 「医者にメス ホームページ」を定期的に読ませて頂いています。

「がん検診」に対する疑問・批判はあちこちで聞かれるようになりました。 しかし、疑問があるのは「がん検診」だけではありません。

私は、一般的な健康診断や人間ドックで行われる「検尿」、「肝機能検査」、「糖負荷検査」なども、その有効性に疑問があることを知ってもらいたいと思います。

アメリカでは“Guide to Clinical Preventive Service” という一般向けの本が出版されており、internet でも参照することができます。 この本では、「がん」の発見だけではなく、糖尿病、肝障害、腎障害、貧血などについても、それらを「早期発見」することに意味があるかどうかを、検証し、検査を受けるべきか否かの参考にするよう勧めています。結果、日本で日常的に行われている検査は「無効」あるいは「有効性不明」なものが大部分です。

この本は現在第2版ですが、第2版は日本語訳が出版されています。

「予防医療実践ガイドライン (米国予防医療研究班報告) 」
医学書院 (¥6,900 + Tax)

医学書院からの出版ですから、一般の方に読んでもらうことは困難かもしれません。

日本では、学校・職場などで、「有効性が証明されないまま」検尿や採血検査が「強制」されていることに大いに疑問を持っています。

近藤誠さんがおっしゃるように、医療機関が儲けるために患者予備軍を拾い出し、無意味な医療行為が増えているだけであり、「がん検診」と同罪です。

私は「検査を受けることを拒否せよ」などと言うつもりはありません。 全ての検査に対し十分な説明 (何のための検査か、早期発見にどういう意味があるのか) を行い、それでも 受けたいという方に限って検査を実施すべきだと思います。

ある会社の定期検診について、上記のような意見を述べたところ、 「労働基準監督署に睨まれたくないから、そんなこと (一部の社員だけに受けさせること) はできない。 有効か無効かなどは関係がない。 我々は実施することになっているからやっているだけだ。 (労務担当者) 」 と、反論されました。

しばしば、「医師よ、反省せよ」という論調を聞きますが、医療を受ける側のある程度の勉強が必要と感じます。

「医者にメスホームページ」が一般の方の知識を増やす場になることを期待します。


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