読者からの反響 00/06/26
最終更新日: 2002年09月16日、 アクセスした日: 12月14日

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田舎のマイナー科の医師より
M. N. (佐賀県、皮膚科医)

わたしは、生命に関わることの多いメジャー科の医者ではありません。 ご不満はあると思いますが、医療事故にかんする私の知識は、一般の方と同じく、新聞からの知識くらいしかないと云えるでしょう。 しかし、私の診療所では、とうてい考えられないことが、記事のなかに確かに見られます。

1.カルテ開示、インフォームドコンセント

仕事を始めた当初から、患者さんの見られる位置でカルテを書いています。 ときには、カルテを見せて「こういう字を書くんですよ。」とか、別のメモに病名を書き、本人に渡したり、未成年の方には、ご両親に見せなさい、と渡したりいたします。 「なんでもいってください、なんでも聞いて下さい。私が診断するヒントになります。」

インフォームドコンセントなんて、しゃれた英語の言葉なんて、わたしには、はっきり言って、何の意味もありません。

2.お客さん

このホームページの開設者のことばにも、「患者(消費者)・・・」とあり、納得いきません。 患者さんが、よくおっしゃる言葉の中に、「今日は、お客さんが多いですね。」という言葉があります。 私は、患者さんをお客さんと思ったことは、決してありません。 医は仁術・・このことばを信じたい私は、いまの医療情勢とは、とんでもなくかけはなれているのでしょうか?

患者は医療サービスを受ける人、医者は医療サービスを提供する人 ・・・結果的にはそうでしょう。 しかし、実際に診療するときは、「この患者さんは、私の親、兄弟、姉妹」と考えて、なんとか治っていただく手助けをしたいと、思っているだけです。 きれいごとを・・・と、思われますか? 何と思われても、仕方がありませんが、実際そうなのです。

3.病院、診療所の医療情報

お笑いです。 いったい何を得たいわけですか? こういうホームページでは、可能な情報かもしれません。 医者の技量は、単純に文章に表せるわけがありません。 どこの大学を出ていようが、よい医者も悪い医者も居ますよ。 患者さんが病院や診療所を選ぶとき、広告をまず見る、知り合いに尋ねる、この順番でしょう。 よろしいと思います。 知り合いにはよい病院でも、うちには合ってなかった、と言うことだってあるでしょう。

結局のところ、行ってみて、ご自分がその医者を信じることができるかどうか、でしょう。

ただ、たくさんの科を標榜している診療所があります。 つまり、看板に、たとえば「内科、小児科、皮膚科」の様に。 この医者は、内科の医者だと思ったらよいでしょう。 最後に書いてある皮膚科なんかは、ステロイドで治るだろう、くらいの知識しか恐らく持ち合わせていません。 こんな診療所に、アトピーの方が行ったりしたら、マスコミにでるような、悲劇になるわけです。 一つの診療科しか標榜してない診療所は、ただそれだけで、信頼してよいと、思います。

私は、医者ばかです。 自分の医療のことしか、わからないし、医療の政治的なことは、わかりません。 ただ、自分の良心にしたがい、自分のなすべきことをしているに、すぎません。 また、毎日の診療は、きびしくきついものではありますが、私の天職だとおもいますので、楽しくやっております。

しかし、このところほとんど毎日のように新聞に載っている医療事故のことは、もちろん心を痛めております。 医者、看護婦、医療関係者の、怠慢と、自分の仕事に対する責任のなさ、自信過剰・・・何と言っても言い過ぎはありません。 申し訳ないことだと、思います。 きっと、なかには、一生懸命したのだが、意志の疎通が足りなかった例もあるのでしょう。

私は、じつは、3代目の医者です。 祖父は、自転車で往診に行く途中、そのころは珍しかっただろう、トラックに、はねられて亡くなりました。 父は、つい先日なくなりましたが、「むかし、国民皆保険の制度がなかった頃、田舎のお百姓さんが、お金のかわりに、作物をもってきて、お金は、いつもなかった。お金をもっている患者さんには、水を張った深い大きな瓶に(音がしないように)、こっそり入れて貰っていた。」 と言う話を、よく聞かされました。尊敬する立派な医者でした。 「今の時代は、保険がある、それだけで、幸せだと思え。」と、言われたものです。

以上、思いつくままに書き殴ってしまいました。 もうすこしまとめて書けばよかったと思います。 参考にしていただいて、田舎の細々と自分の信念に固執して、診療をしている医者も いるのだと知っていただければ、幸いです。


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